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2002年10月15日

決算委員会初日

 今日から決算委員会がスタートしました。委員ではないので朝から傍聴しました。第三者的に傍聴席にいて、議場を眺めてみると、議員一人一人の様子や、理事者(行政)側の様子が本当によくわかるなあと感じました。寝ている姿もよく見えるし、内職をしているのも一目瞭然です。「気は抜けないな…」と改めて思いました。
 審議は歳入から順に始まります。私にとっては勉強の一貫です。わからない言葉が次々と出てくるので審議そのものについていくことが大変でした。わかったことは、歳入に見合った歳出構造にはなっていないということです。特に今後を考えると、不況に少子高齢化が加わり、とにかく市税は右肩下がりだということの一方で市民のニーズは多様化していて、サービスは一層の向上を求められるけれど、正直に言えばそんなこと不可能で「切り捨てる」勇気を持つ必要があるということです。
 目に見えて計上されている借金はもちろんですが、多摩市にとって深刻なのは設備の大規模修繕改修をどのように行っていくかです。というのも一斉に団地が立てられたように、公共施設についてもほぼ同時期に建設がなされたので、老朽化も一気に訪れるということになります。学校施設等は顕著です。つまり償却期限に見合った修繕計画を作成した時に、修繕時期がいくつかの施設では重なるわけです。その時の市の負担はとても大きいと予測されます。なるべく建物の老朽化を防ぎつつ、建物を長持ちさせるようにするには、やはり一定時期の修繕改修が不可欠です。
 ところが、市ではパルテノン多摩や総合福祉センターなどの大規模施設以外には公共施設の修繕計画が個別にはないらしく、とりあえずは年に約6億円ほまでの修繕費の計上ができるそうですが、平成13年度の実績では約3億円でした。未計上分の3億円の意味は借金です。つまり、本来は6億円をかけて公共施設の修繕をすべきなのに、3億円しかしていないということは、残りの3億円分は将来へのツケにかわってしまい、3億円分は修繕を怠ったとも言い換えることが出来るのです。
 まずは、こういう視点を持って捉えながら決算書を読むのか…と関心をしてしまいました。けれどもそれ以上にびっくりなのは、行政側の答弁があまりにも簡素すぎるのです。だいたいは議員の指摘について「今後検討していきたいと思います。」のみです。確かに議員に対しては変に期待を持たせたくない…のかもしれませんが、傍聴している方としては歯切れ悪さには辟易するし、それで納得して次の質問に移ってしまわざる得ないなんて議員の役割を半分も果たせていなくて消化不良気味に終わる…という感想を持つ委員が多いのではないかと感じました。
 今日は歳出にも審議が移り、総務費に入りました。総務費の中には市民自治基本条例のことがあり、私としては注目をしていました。これについては大方はこれまでの市の見解を超えるような回答もありませんでしたが、やはり納得いかないのは現在発足したばかりの部長クラスでの協議会(長は助役)、課長クラスでの監事会での議論については、その概要だけを公表するだけなことです。パートナーシップ協定の中で行政と市民との対等性を重要視するならば、市民側の会議録は全て公表しているので庁内での会議についても、その議事録を全てオープンにしてもらいたいです。そもそも庁内検討として会議が閉じられている点にも少々不満です。市民側にとって必要なことは庁内で「どのような議論がなされたのか」そして「どのように結論が導き出されたのか」というプロセスだからです。その過程を見せずして行政側からの提案を受けるだけではやはり不透明ではないかと思います。自治基本条例の今後は期待と不安が半々です。
 審議終了の間際に話題になったのは多摩センターの駅前駐車場の話題です。これは交通公社が経営しているものですが、多摩センター駅の集客力が失墜している中で駐車場利用者も激減していて、その分駐車場利用料収入がなくなってくるわけです。もちろん市の直営でないので利用料収入が直接市に入ってきませんが、この交通公社には市も出資者として名前を連ねていて、昨年度は五千万円を運営費として負担しています。とても深刻な事態です。というのも、この交通公社の抱えている長期負債額は約120億円で、公社の決算書の状況はあまりにも散々で、ある議員によると「破綻している」のです。もし完全破綻してしまえば、市も出資者としての責任をとる必要があります。その時どうなるのでしょうか?全体で約120億円もの借金の一部を市が請け負うなんて考えただけでもゾッとしてしまいます。
 様々な指摘を聞いていると、とにかく決算書には書面上では明らかではない隠れ借金、隠れ負債がたくさん詰まっていることがわかります。その解明について自力でできない私の未熟さを感じるとともに、やはり先輩議員の質問を聞くことにより、学べる面がたくさんあるなあと思いました。そのおかげで決算委員会の傍聴に出かけることがとても楽しいです。明日はどんな発見があるのかとわくわくしてしまいます。

投稿者 hisaka : 2002年10月15日

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