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2002年10月14日

ひまわり号・秋のバスツアー

 一泊二日で上高地に行って来ました。連休で、しかも紅葉真っ只中ということもあり、人だらけ、そして帰りは渋滞続きで帰宅したら23時ちょっと前。すっかり家に着く頃には紅葉を忘れてしまうそうでした。
 このバスツアーは「ひまわり号を走らせる多摩・稲城実行委員会」が主催しています。なかなか遠出することの出来ない重度の身体障がい者や知的障がい者の方々とともに旅をして交流を深めます。夏に手をつなぐ親の会の研修旅行に参加した縁で、今回もボランティアとしてバスに乗り込んだわけです。
 参加者の何人かはこの前の旅行でともに過ごした仲間たちで「久しぶり!」と再会を喜びました。そして朝、永山駅で遊説をしている時に出会う方もツアー参加者で「いわながさん、こんにちは一緒に隣の席に座ろう・・。」と一番に声をかけてくれました。私は車イスを押したこともないし(試しにはあるけれど)、ボランティアの経験もほとんどないので『ボランティア参加』はまだちょっぴり緊張してしまいます。けれども彼らのほうから声をかけてくれたので、すぐに緊張がほぐれました。
 ツアーに参加していた身体障がい児はバスの乗り降りは抱きかかえる必要があり、とにかく途中の休憩の時にもボランティアが手際良く車イスの準備をします。そして食事休憩の時にはミキサーを使用するためのコンセントを見つける必要もあり、実行委員のメンバーたちは休む暇なく気配りをし、レストラン側にコンセント使用のお願いに行きます。私はほとんどお手伝いする幕もなく、ただその動きを観察して障がい者とともに行動をする時の心得を学んでいました。
 上高地でも車イス隊に加わらず(車イスで上高地を歩くのは結構でこぼこ道もあり辛いです。)、他のメンバーたちとともに紅葉の散策をしただけでした。上高地はもちろんバリアフリーではなく、結局車イス隊は途中から車道を歩くことになりました。残りのメンバーとともに大正池から河童橋までゆっくりのペースで歩いていました。観光客だらけで、なかなか自分ペースで楽しむことができないのは差し引いたとしても、私たちがノロノロ(別に意識的ではないけれど)していることに後方からやってきた観光客が腹立たしそうに足音を立てるのことに、私は心のバリアを感じました。
 途中まで車イスが一緒だったとき(たぶんその人は私がボランティアだと思っていなかったのでしょう)「わざわざこんなところに来なくていいのにねえ。」とおばさんに相槌を求められました。そして迷惑そうに「早く、行っちゃいましょ。」と隣の男性とともにスタスタと車イスを避けて歩いていったのです。これにはさすがに腹だたしくなりました。私たちは「わざわざ」来たわけではないからです。一言も言葉を返せずに終ってしまいましたが。
 確かに車イスではなかなか歩くのに難しい場所もありますが、一緒に行った私としては、やはり同じ景色を見たいし楽しみたいと思いました。車道だと見ることの出来ない、コバルトブルーの水面や感じることのできない水のせせらぎがあります。もちろん車イスでも大丈夫なようにコンクリートの歩道をつけて欲しいと思うわけではないけれど、『バリアの問題』をひしひしと感じさせられる一日でした。
 特に、もちろんボランティアは足りていたけれど、「手をお貸ししましょうか?」と声をかけてくれる人がまだまだ少ない雰囲気をあちらこちらで感じました。

投稿者 hisaka : 2002年10月14日

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