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2002年09月01日

介護保険制度改定についての地域懇談会

 明日から始まる9月議会。一般質問で「高齢者福祉とまちづくり」をテーマにしたので、地域懇談会に参加しました。地域懇談会は今月中に4回ほど行なわれる予定になっています。内容は介護保険制度の説明と、多摩市の現状、それから今進められている今後へ向けての動きについてでした。今後については一応の方向性が示され、それについて参加者がどのように考えるのか?と問う形式でした。参加者は私をいれて19人。説明は介護保険課の係長さんでした。係長は女性で、とても明解なプレゼンテーションでした。行政の説明会などは歯切れが悪いというか、大きな声でハキハキと説明されることがほとんどで、聞いてると睡魔に襲われることが多々あります。自分のことはさておきですが、市民に対して小難しいことを伝えていく技術の向上って大切だなあ・・・とつくづく思いました。そのためには自分自身の理解度も問われます。今日の説明を聞いているとさすが自分の担当分野を極めている!と感じました。
 今回の制度改定においてのポイントは保険料について、サービスについて、それから低所得者に対する配慮についてとなっていました。この3つの問題はもちろん絡み合っていて、サービスを充実すれば保険料の値上げにつながるし、低所得者への配慮についても同様です。介護保険では制度の中味を充実させればさせるほど、国が示す基本サービスに市が色づけすればするほど、65歳以上の高齢者(第1号被保険者)の保険料に跳ね返ってくるという仕組みになっています。・…つまり市民が介護保険サービスの内容を市に要望すれば要望するほど、そして市がそれを全て受け入れてしまえば、そのしわ寄せは高齢者自身が負っていくということです。おそらくそのことを理解している市民は少ないと思います。…というのも今回の見直しで保険料が300円ほどアップする見込みが発表されただけでも、なんとなくため息で、今まで以上にサービスを充実しようとすればするほど…どうなるかを初めて知った人が多いように感じたからです。
 このような懇談会では市民がもっと活発に質問や意見を行政に対してぶつけるのかな…と思っていましたが、意外と静かに終わりました。その理由をサービスの充実と保険料との関係を知ったからだと私は考えています。例えば施設型のサービスを充実してもらいたいとします。けれども多摩市が現在介護保険から支出している年間費用で在宅サービス利用では1人あたり平均約119万円/年で、施設入所だと約377万円/年になっていることを知れば、認識も変化する気がします。けれども参加者からはとても厳しい意見もありました。「保険料とは言え、払う方からすれば税金としか思えない。正しく使っているのでしょうか?」もっときめ細かくサービスの内容を点検してほしい、税金を有効に使うべきだという意見だったように思います。もちろんその通りです。でも、私自身は行政だけに頼って税金の有効活用を望める時代ではないと思っているので、自分たちが市民としてどうやれば税金をいかして使うことになるのか?行政と知恵を出し合う必要があるのだ…と言いたくなってしまいました。すると担当係長さんが言いました。「地域市民の知恵や力を総動員しながら、介護保険だけではなく、介護保険の想定外の部分、つまり介護保険をとりまくさまざまな環境をどうやって豊かにしていくのかが大切だと思います。」私は彼女の回答に心の中で拍手をしました。この回答を具体的な形として地域でつくっていくことが「まちづくり」を生きたものにし、多摩市という「まち」を今よりもいい「まち」に変えていけると私は信じているのです。

投稿者 hisaka : 2002年09月01日

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