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2002年09月25日

‘悔’…何事も経験かな?!

 議会最終日でした。委員会に付託された議案について審議の報告などを行い、本議会での決議をします。
 面白いのは委員会で出た結論がひっくり返ることもあることです。今日も起こりました。というのも厚生産業常任委員会には東京都の福祉改革により補助金の在り方の見直しが進められているのですが、それについて保育園の園長会とその他2つの市民団体から、都の福祉改革があまりにも唐突過ぎることや、助成がなくなることでのサービスの質の低下などを訴えた陳情がが出ていました。要は都の一方的な改革の進め方に反対するものですが、このうち委員会では(3つの陳情が同じ主旨にもかかわらず)保育園の園長会から出されたものだけを可決すべきだとし、2つの市民団体から提出されていたものについては不採択とすべき…という結論でした。私の会派でももちろん、主旨が同じならばすべて採択にするべきだという判断でした。つまり委員長報告後に全員で賛否の挙手をしますが、委員長が「不採択とすべき」として報告したものについて(2つの陳情の審議結果)は反対でした。大抵の場合は委員会での結論が議会での結論となる場合の方が多いのですが、今日の挙手の結果ではやはりこの2つの陳情についても採択すべきだろうということで、委員長報告を覆すことができました。それも可否同数で最終的な判断を議長が下したのですが、なぜか厚生産業常任委員会の時には「不採択とすべき」としていた議長が本会議の場では私たち同じ「採択すべき」と判断をしたことは不思議でした。2週間前の時の態度とは180度異なるからです。厚生産業常任委員会から今までの間に何かあったのでしょうか?

 今日は10月の決算委員会に向けた総括質疑があり、これが今日のメンイだったとも言えます。決算委員会には会派によって委員の人数が決められています。私は決算委員ではないので、今日の総括質疑をすることになっていました。総括質疑も会派ごとで人数によって時間も決められてきます。とにかく何もかも初めてでどんなものかもわからず、今までのことを教えてもらいながら20分間を有効に使う準備をしていました。総括質疑は大まかなことを聞きます。昨年度の主な事業についてを尋ねるので視点は少しずつ違うとは言え、質問は大会派から順番です。私の番になる頃には発言しようと考えていたことも既に他の会派から言われてしまうこともあるわけです。
 私は昨年度の中でもやはり市民自治基本条例についてを尋ねました。今後どのように進めていくのか?市民参加、市民参画、市民協働の必要性は認識し、市民力を活用していきたいとする行政にとっても自治条例を制定することは必要です。これについては市民案の提出を受けて、今後は全庁的に検討をしていくし、職員研修も行っているとのことでした。これはとても評価出来ることです。全職員対象の研修を進めながら自治条例を策定する動きそのものは素晴らしいと思います。でも私は市民案を策定してきた「つくる会」とのパートナーシップ協定の内容についてどのように実現していくのか?説明責任をどう果たすのかについて尋ねました。予想通り「検討をしていきたい」とのことでした。けれども市長は自治条例には決して後ろ向きではなく、制定の時期は延びたものの、前向きに検討をしていきたいという姿勢があるように思いました。今後の取り組み方向を見守りつつ、協力もしていきたいと考えています。

 昨年度の収支報告については監査委員による審査が加えられます。今回はなんと欠損処理方法のミスが認められていました。監査委員からは「毎年のように同じようなミスが繰り返されることに対して遺憾である」という主旨の提言が添付されていました。行政の事務処理の基本が徹底されていないとのことで職員研修を強化していくことはもちろんですが、職員の業務に望む姿勢改善も求められていました。監査委員によると全部を監査しようと思うとそれには今の監査体制では絶対的に無理であるという指摘がありました。現在は監査委員は2名、非常勤です。もし監査を本当の意味で徹底させようとするならば日勤で、人数ももっと増やす必要があります。なぜなら監査委員の行う審査は、
 (1)地方自治法等関係法令に準拠して作成されているか。
 (2)決算計数は正確であるか。
 (3)予算が目的に沿って適正かつ効率的に執行されているか。
という3つの観点が要求されますが、現実問題として決算計数が正確かどうかを審査するだけで精一杯なのです。つまり本来ならば経済性、効率性、有効性について審査する必要があります。行政が公共サービスを提供する企業であり、税金を運用する面からは最も必要なことです。けれどもそれが出来ていない、むしろ出来ないのが今の状況です。監査体制の充実は急ぐべきだと考えます。
 行政の透明化を図るためには市民への説明責任が必須です。行政の結論がどのように導き出されたのか?政策がどのように進められているのか?一つ一つを包み隠さず公表していくことが必要です。それは市民との合意形成を図っていくプロセスでもあるからです。市民は税金を払っています。それがどのように使われていくのか、適正な運用をしてくれているかどうかに関心があって当然です。前市長が収賄により逮捕され、それが個人的な問題として結論が出ている問題だとしても、市民の行政に対する信頼が失墜していることは事実です。これを行政側も真摯に受け止め、今後どのように市民との信頼関係を構築しかねばなりません。険しい道のりだけれど、これを乗り越えなくては‘まち’は進んでいかないと思っています。何はともあれ「説明責任」の果たし方が今後の一番の鍵になることは間違いがないと確信しています。「説明」できるだけの裏付けも確実にする必要があるからです。

 何はともあれ、私の総括質疑ですが一番最後に「私が例えば65歳以上とかになって年金とかもらえるのかが心配だけれど、将来に積み残されていく多摩市の借金がどのくらいか?」を尋ねました。すると「約400億円です。」というあっさり一言のみの返答でした。とても恥ずかしい終わりかたでした。これは大失敗!質問の時、冒頭に「これで最後にしますが・・・」としてしまった手前、残り時間が1分半くらいあったのに再び手をあげて再質問する勇気を持てなかったのです。本当はこの400億円もを将来のツケとして残すなんて、どういうことなのか?これは去年と比較して増えているのか減っているのか?今後将来へのツケを少しでも減らそうと努力をしていくのか?などなどと聞きたかったのに…悔やまれるところです。苦い経験です。でも、何事も経験がなくては……言い訳はできないけれど、頑張るしかないな…‘やれやれ’長い一日が終了しました。そして9月議会もこれにて終わり。明日から12月議会に向けた調査活動開始です。

投稿者 hisaka : 2002年09月25日

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