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2002年09月22日

「あれもこれも」から「あれかこれか」

 多摩市には「TAMA・新行革戦略プラン21」というのがあります。これは平成12年の3月に作成されたものですが、だいたい一年を目途に計画の進行状況などを検証しつつ見直しを行います。今年度も8月に見一部改正がありました。このプランでは、
 (1)市民感覚に基づく行財政運営の改革
 (2)市民との協働と市民力の活用
 (3)市民への説明責任の確保
 (4)都市経営
という4つの視点が重視されます。この(4)都市経営(簡素で効率的な経営のために)の中に<項目64>財政運営の基本姿勢の転換というのがあります。改善内容は「職員の意識改革とあわせ、従来の『あれもこれも』という財政運営方針から『あれかこれか』と選択する方針へ転換し、毎年度の予算編成で徹底を図る。」というのがあります。税収が目減りする中で当然のことです。限りある財源を有効に使っていくことが求められ、これまで以上に政策判断が求められる部分でもあるし、判断というよりもむしろ、「決断」という厳しい選択を迫られている時代です。
 今日、多摩市に中央図書館をつくる会が企画した学習会に参加しました。今日は都道府県率図書館のあり方をテーマにして、主に都立図書館の現状と今後の方向性についての課題、問題点についての話を聞きました。そもそもとても恥ずかしながら、私は都立図書館なる存在を初めて知りました。都立図書館というのは「市町村の図書館の図書館」と考えるとわかりやすいようで、市町村図書館を支援するという位置づけにあります。
 さて、都立図書館も東京都の財政事情の中で再編が迫られているそうです。「あれかこれか」の選択の中でどんどんと図書館費が削減されているようです。本というのは基本的に蓄積されていくわけで、しかもどんどんと新しいものが出版されるわけですから、図書購入費を削減するということは市民にとっては非常に残念なことに思います。専門書などはとても高価なものなので、図書館で購入し、市民みんなで共有できるほうが都合がいいと思います。特に圧巻なのは雑誌類です。雑誌はホント違って情報が一番新しくて早い媒体で、約400タイトルくらいを揃えているとのことですが、以前に比べるとその数も減らされ、そしてこれまでは紛失などを考慮した2冊ずつ購入を本と同じように1冊の購入に切換える方向との話でした。講師の斉藤文男さんの話によると雑誌は継続性していることに価値があると言います。1号でも欠いてしまうことを避けなくてはなりません。私は本についても同様ですが、最低2冊ずつの購入は必須ではないかと考えます。図書館では今の人のためと近未来の人のために資料を集めて提供する場所だと言います。図書館法にも「奉仕」という言葉があるそうです。
 実は学習会の中味が私にとって高度過ぎたのですが、話を聞きながらも思い出したのが「あれかこれか」という選択の中で予算編成をしていくという多摩市のプランについてでした。東京都も恐らくは「あれかこれか」の中で図書館を再編しているのでしょう。もちろん「あれもこれも」できない中で図書館費を削減していくこともやむ負えないのかもしれませんが、どうも私は図書の購入費を2億減らすことのメリットよりもデメリットの方が多いような気がしてなりません。
 最近、図書館にすぐに新刊が入ることについての議論もありましたが、最近は本も高いので、それこそ市民にとってはお財布との相談で本に優先するものもたくさんあると思うからです。そして、もちろん図書館は本の貸し借りを行う公共施設ですが、私は図書館は歴史の宝庫だと思います。だからこそ情報の集積地として位置づけて、図書館政策を充実させることは大切なことだと考えています。
 私は本当は近隣大学の図書館との連携ができるといいなと思います。というのも中央大学の図書館が図書や資料も抜群で居心地もよかったこともあり、大学図書館の使用ができたらいいのに・・としょっちゅう感じているからです。

投稿者 hisaka : 2002年09月22日

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