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2002年09月11日

東京都の役割は?

 東京生活者ネットワーク主催の「市民と行政の協議会」に参加しました。これは普段なかなか接触しにくい同士を、都議会議員がコーディネートをし、一緒に意見交換などのいわば円卓会議です。今日のテーマは『NPOとの協働』でした。
 都内から福祉とまちづくり関係のNPO5団体と東京都側からは生活文化局、建設局、保健局、福祉局の担当者が出席して、事例報告などを交えながら、質疑応答などが行われました。各NPO団体からの事例報告の中に共通して感じられたのは、やはりもっと計画や企画段階からNPOをはじめとして市民と一緒に組み立てて欲しいという要望でした。これまでは行政主導型の市民参加や市民参画で、これでは「協働」にはなっていかないということ・…例えば「委託」という関係性の中では、なかなか「協働」にまで発展できないことが指摘されました。

 東京都ではいわゆる「NPOとの協働マニュアル」をこの三月に策定しているのですが、これについても、現実から比べると時代遅れの中味であるとして厳しい一言。さすがに行政側も「ぜひ、このマニュアルは時代と共に社会の変化とともにつくりかえる…ということを謳っていますので、ぜひご意見をどんどん下さい…」という尻すぼみな声でボソッと返答。このヤリトリはまるで議会のようでした。おまけに事前に行政側にはいくつかの質問が投げかけてあり、その答えをしっかりと準備してきたようですが、今日になって一部質問が変わっていたことに、猛烈に反発する女性の担当職員の顔の恐いこと…「これについては事前にいただいていたものと全く違う質問ですし、お答えできません!」の一点張りは凄みがありました。比較をするのもなんですが、多摩市の女性職員の方が対応がいいのは、やはり普段から市民と接しているかいないかの差なのでしょうか?驚きました。おまけに彼女は東京都も公園なんかをバリアフリー化するときには「障がい者の意見を十分聞いてますので。」と、すでに自分たちは市民協働をやっていると主張。別に、市民側は今現在で、東京都が実行しているか否かを問うているわけではなく、もっといい方法の『協働』を見つけていきたいだけなのですが。こういう職員は困るな…と思いました。

 いずれにしても行政側の答弁は「ありきたり」のこと。それを指してか会場からの質問で、我が多摩ネットの事務局長がズバリ「ずーっと話しを聞いていましたけれど、まさに市民との信頼関係を築いていく上では身近な基礎自治体の方がいいんですよね。そう思えば、基礎自治体でできることは基礎自治体でやれば良くて、じゃあ、東京都は基礎自治体でできないことをやると思うんですけれども、今までの話しを聞いていると全て基礎自治体でできることばかりのような気がします。まさにじゃあ、都としては何ができるのか?ということを明確に打ち出して欲しかったです。」…拍手喝采です。私も同じことを思ったからです。特に地域福祉の担当の職員は「主体は市区町村です。」と福祉について質疑が来ると、このフレーズを連呼していましたが、私は「じゃあ、都はなにをやるわけ?」って思ったわけです。地域のニーズは地域で把握しなさい!というわりには、補助金とかでゆるやかに厳しい縛りをかけているのになあと。もっと包括的な補助金にして、市区町村で使途目的などを決定する方が有効なのに。・…つまり、都道府県レベルってものすごく微妙な位置にあるわけで、今、一番迷っているのだと察します。自分たちの存在価値をどこに置くのでしょうか?職員たちは何を使命として仕事をするのでしょうか?とても見えにくいと思うのです。国からの助成金などの通過地点にしかならないのなら「不要!」と言われても仕方ないと思います。私が一番聞きたかったのは仕事をしている中で思い浮かべる「市民の顔」ってどんな顔ですか?ってことでした。

投稿者 hisaka : 2002年09月11日

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