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2002年08月15日

『介護保険ちょうふ市民の会』訪問しました!

 一般質問のテーマ「介護保険制度」。多摩市でどんな提案ができるのか?を探るために調布で活動をしている市民グループに話しを聞きに行きました。このグループでは介護保険制度や高齢者福祉の様々なサービスについて、市民からの相談を受付しています。けれども任意団体で、市から運営経費として年間2百万円ほど(平成13年度)をもらっているものの、事業受託をしているわけではありません。市民の有志がボランティアで行なっています。相談費用は一切無料です。相談窓口は調布の総合福祉センターの入り口の一角です。昔はロビーだったと思われる、福祉センターの事務局の目の前を約六畳くらいの広さをパーテーションでしきって事務所としています。常時相談員が2名います。ここが相談窓口ですが、それ以外にも出前相談や、介護サービスなどについての出前講座なども行なっています。
 このグループの発足は平成11年11月です。もともと調布市が介護保険制度の策定を行なう時になんと公募市民が10名いたそうですが、その中から約7名が手をあげてグループを結成しました。まず、驚きは公募市民が10人もいたことです。全策定メンバー25名中10名というのは非常に高い割合です。普通は公募市民といっても3名ほどだと思うからです。この策定メンバーたちは今後の調布の高齢者福祉のありかたについて「参画・協働・まちづくり」というコンセプトを掲げました。このコンセプトがやはり策定されたあとも継続して欲しい、自分たちの思いをきちんと実現してもらいたい…そのためにはやはり策定したものの責任としても制度運用を見守っていきたい!という強い思いがありました。そこがこのグループの根本にあります。介護保険制度や福祉制度は日々変化すると言います。そのスピードについて行くためには自分たち自身も勉強をする必要があるとつきに2回の学習会も開催し、もう来月で57回目を迎えます。研鑚を積まなくては始まらないとして、自分たちのグループも向上させて行きたいという意欲がとてもありました。そしてグループの強い思いといのは土日も相談業務を行なっていることです。休日は総合福祉センターの休館日のみ。仕事をしている人にも対応をしなくてはならないから、例え相談に来る人の数が少ないとしても土日に窓口を開けておくことは必須だと考えています。現在相談員は55名ですが、みんな会員として年間3000円を支払います。相談業務の状況は平成十二年度の介護保険がスタートしたときには550件ほど、昨年は453件、今年はもう少し数は減るのではないか…と見込んでいます。そのために新しく、今度は介護サービスなどの第三者評価をテストとして行なっています。来年からはこの評価を行なうために法人格が必要になるので、このグループを法人化するかどうか検討をしているとのことでした。
 そして介護保険サービスや福祉サービスに対する苦情などの相談窓口はやはり幅広い方がいい…との考え方はあっても、やはり市全体として今、サービスの状況、質がどのようにあるのかを把握するためにも、苦情相談にどんなものがあるのか集約作業を行なおうとしているところです。集約をして、その結果どうやっていくのかについて検討をしているということです。
 事務局長の増田氏は「交通整理」と表現しますが、市民がいろんな悩みや不安をどこに訴えていけばよいのかわからない…このグループはそんな市民の人に相談対応窓口の紹介の役割を担っているといいます。顔を合わせて相談するのはやはり、電話相談とは全く違うそうです。
 また、「自分は元気だから介護保険料を払いたくない!」という人には社会全体で介護を担っていく必要性を説明しながら、介護保険制度の適用は受けないけれども、高齢者として利用できるサービスの紹介をします。これは好評だそうです。
 このような市民相談の活動を続けてきて約2年半がすぎ、市に対してもずいぶんと対等な場所にたてるようになってきたようです。特に市のサービス案内のパンフレットなどは、市民の目で見てわかりやすくサービスを案内する工夫などを提案しています。その成果はいただいた調布市の福祉サービスの案内パンフレットに表われていました。
 芳賀代表、そして増田事務局長さんの指摘するように「協働」というのは一緒に汗を流すことです。『調布市の介護保険制度を包含した高齢者福祉制度を日本でもトップレベルにもってゆこうとする思い。その実現のために関係者が協働しよう。』これが調布の高齢者総合計画の方針で、この思いが全員で共有されていないと制度の向上は目指せないといいます。もちろん一方での目標は介護予防。一人でも多くの人が安心して自分の地域で健康に長生きできることです。代表も事務局長さんもそう若いわけではなく、引退をした後にまちづくりに関わったようでした。でも、調布市のまちづくりに「夢」を持っていました。会社人としての経験が地域の中で活用されているなあと感じました。
 多摩市の中でも市民自身の中から、このような仕組みが生まれてくること。調布市のように行政は金は出すけれど口は出さない…そしてこんなに上手く軌道に乗っている…そういう事例が生まれて欲しいな…と強く思いました。何でも行政に頼ればよいのではなく、自分たち自身も変わっていかないと「まち」が変われない…そんなことを実感しているのではないでしょうか?多摩市でも多摩市という地域のニーズに合わせながら市民自身がお互いにサポートしあう仕組みが小さくたくさんあって欲しい・・というのが私の一番の願いです。

投稿者 hisaka : 2002年08月15日

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