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2002年08月14日

多摩市手をつなぐ親の会/夏季研修旅行最終日

 二泊三日はあっという間に過ぎていきました。多摩市手をつなぐ親の会は身体障がい児もいますが、大多数は知的障がい児を持つ親たちが結成しています。この会の会員に小学校の時の友人がいて親近感があったことが今回の旅行にボランティアとして参加した大きな理由です。というのも個人として参加をしていても肩書きはどうしても「議員」…これはどうしても拭うことができません。本当は参加のお誘いが届いた時、どうしようかとても迷いました。一議員がこの旅行にホイホイと参加していいものだろうか?けれども会長、副会長さんとも「ぜひ勉強にいらっしゃい」とのことで、5月の頃から声をかけてくださっていたこともあり、言葉に甘えての参加でした。でも本当に参加できてよかった・・・と思います。議員になったのが、この会との出会いで、一緒に旅行まで同伴できたきっかけですが、私自身は小学校の時の同級生の友人の一人…という気持ちでずーっと過ごしました。私自身が会のみなさんにどうやって受け入れてもらえるのだろうか?不安もありましたが、本当に快くボランティアをさせてもらえて、いい経験ができました。
 子どもたちはとても素直で、純粋無垢。「天使のようだ。」と表現した方がいらっしゃいましたが、同感でした。いやなことは徹底してイヤだし、うれしいことには心から喜ぶ…表現豊かで感性が鋭いなあと思わずにいられない場面にたくさん出会いました。気に入らないことがあると自傷行為に出てしまう男の子。自分の腕を思いっきり噛むのですが、それを見て止めようにも、力が足りなくて止められない私。心が痛くて、悲しいけれど現実の辛さを思い知りました。私はボランティアとして3日間だけをともに過ごすだけだけれど、家族は毎日向き合わなくてはならない。その苦労の大きさを目の当たりにすると、やはり福祉問題の奥深さを感じました。高齢者介護でも同様ですが、家族や周りの人々の精神的肉体的疲労ははかりしれません。
 さて、来年4月からの支援費制度導入ですが、やはり関心は高いものの、一体何がどうなるのか?について具体的に見えてこないというのが実態なようでした。「なぜ、市町村によってサービスの質が一定ではないのか?」という疑問もありました。支援費制度が導入されるとますます市町村によるサービスの違いが浮き出てくると思われます。私は皆さんにサービスを利用する人が利用する人たち自身でサービス提供をしている事業者などを評価するようなアクションを起こす必要があるのではないか?と伝えました。介護保険制度でも同様、やはりサービスの質を向上させるためには利用者が自身で声をあげていく・・・それも個人ベースではなくてある程度普遍化した意見として行政などに提示していく仕組みづくりをしていきたいということです。まだまだこの制度がどうなるのか?行政にヒアリングをしてみたけれど、実際の制度の姿が見えてこない…と会長さんはおっしゃっていました。
 「親がいなくなったら、家族がいなくなったら・・・。」これが一番の課題です。そのことが障がい児の親たちの気がかりで、最大の心の悩みであることは話しを聞いていて、ひしひしと伝わってきました。彼らが「自立する」ためには本当に大きな支える力が必要だと思いました。でも、私には今、どうすればいいのかわからない…具体的な仕組みがまだ描けない…そういう力不足を感じて、ちょっとうちひしがれる思いでした。「障がい者」と一言で言えるけれど、障がいにだってさまざまあります。そんな彼らたちが社会の一員として、自分自身を最大限活かせるような仕組みを実現させたいのはやまやまです。でも現実、とても難しい。特に障がい者の雇用の問題は身につまされます。あっという間に解雇通告を受けた経験や、職場でイジメにあっているという実態を聞きました。本人たちと口からぽそぽそと語られる言葉には彼らの忍耐力を感じるとともに、やはり障がいをもたない者たちの理不尽さに腹立たしくなりました。障がい者を支援するということは、私たち健康な者たちがどういう心を持って、暮しているのか?そのことにかかっていると思います。父がよく私に言うことですが、「我慢出来る人が我慢すればいい。日本は道路の真中を高齢者や体の不自由な人たちが歩けるようになっていない。そういう人たちがどうどうと道路の真中を歩けなくちゃダメなんだ」を思い出しました。
 3日間の経験は価値のあるものでした。参加して本当によかったと思います。そして帰り間際「また来年も一緒に行こう!約束だよ。」こんな言葉をたくさん出来た友人たちにかけてもらったことが何よりもうれしい彼らからのお土産でした。

投稿者 hisaka : 2002年08月14日

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