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2002年07月29日

結局どうなるの?

 東京都の福祉施設改革についてヒアリングをしました。いわゆる民力活用…というわけです。都立病院の廃止についても話題があがりましたが、それと同様に都立の老人福祉施設、児童施設、障害者施設などを民間移譲をしていく方針です。
 福祉のありかたを問い直す時代…これまでの福祉は限られた恵まれない人たちのためのものだったけれども、今は福祉のニーズも一般化しているとの説明を受けました。戦後直ぐに出来た福祉法のまま現在まで至っているし、当時考えられていた福祉とは様相が変化しているとのことです。行政はセーフティネットとして最小限のことをやるのみ…とするのも、この財政難の時代にはやむ得ないのかもしれません。けれども福祉分野での労働は極めて採算がとれにくいのが実情だということは認識する必要があります。多様多岐にわたっての需要があり、供給側がそれに対応する労力というのは計り知れません。特に地域での小さなNPO団体が福祉サービスを提供している場合には、本当に経営が厳しくていつも火の車状態で自転車操業です。一生懸命やればやるほどに採算が合わなくなるのが、この商い・・・ではないかと思ってしまう今日この頃です。
 さて、都の方針を聞いていても、都は撤退するけれど、一体その後にどうするのか?についてがまだまだ具体的ではありません。おまけに市区町村との関係をどう整理しているのかがちっともわかりませんでした。一番聞きたかったのはその関係でした。一体どうやって連携を図るつもりなのか?都の役割をどう位置づけ、認識しているのか明らかにはなりませんでした。さらに、印刷物でもらった報告書などを読んでみると、多摩市が考えていることと同じような理念や説明書きがしてあるので、これは多摩市でもやるし、東京都でもやるのか…という印象で、福祉サービスの提供はより地域事情に合わせて、そして住民に一番近い市区町村でというものの、実情はまったくそうではない様子がよくわかります。私としては思いきって、都の役割を整理した方がすっきりすると思いました。どこまで手を出すのか、手を引くのかがわからないし、質疑をしても、ほとんど回答になっていないことを言う行政職員の様子を見ていると、都がこんな状態なら地域は困るなあ・・・と思いました。要するに、結局どうしたいのか?それは財政難もあり福祉サービスから撤退をしたい。でもその先どうやっていこうかという具体的な絵はない。先行き不安だと感じずに入られませんでした。

投稿者 hisaka : 2002年07月29日

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