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2002年07月07日

代理人運動交流センター・全国集会

 生活者ネットワークの活動は生活クラブ生協のある全国各地で展開されています。北海道、岩手、千葉、埼玉、神奈川、長野、福岡そして東京より総勢180名弱が集まりました。慶應義塾大学の小林良彰さんの講演、それから5つの分科会にわかれ、各地の取り組みについて意見交換をしました。私は「子育て・子育ち支援の政策・制度提案」に参加しました。
 この分科会では今年の1月に全国共通で行なった「子育てコスト調査」の集約・分析の結果を発表して、全国的な「子育ての現状」を共有化して、その中から今後の各地がどのような取り組みをしていこうとするのかについて発表を行ないました。「子育てコスト調査」の結果からは、全国でほぼ似たような傾向が見られることがわかりました。やはり保育園、幼稚園などをはじめ、子育てにかかる個々の費用が家計に負担であると感じている人が多いのです。特に両親ともフルタイムで働いているある世帯では二重保育などを活用していますが、1ヶ月でなんと約27万円もの出費です。当り前ですがびっくりしました。相当な稼ぎがあるとは思われますが、それでもこの数字は普通ではないと思います。
 調査では更に子育てに関するニーズについても興味深い結果が出ています。自由な時間があったらどんなことをしたいのかについては1位が趣味やお楽しみ、2位は学習・技術取得、3位は仕事になっています。そして子育て支援にニーズについては1位が配偶者の協力、2位が職場の理解、3位が保育諸費用の引き下げとなりました。アンケートは全国約1450人の回答を得ています。しかも現在子育て中の世帯に対する調査で回答者の年代は30代が約74%をしめています。調査データとしては、かなり参考になるものだと思います。このアンケート調査については去年の2月からプロジェクトを立ち上げきました。そして様々な角度から検討をしてようやく今年の1月にアンケートを実施しています。準備なども全国のプロジェクトメンバーが集まり長い時間をかけ、自分たちで作っていくわけです。ものすごいエネルギーだなあ・…と改めて思いました。コンサルタント会社などに頼むわけでなく、自分たち自身で作成することは労力が要りますが、その分アンケートの内容が濃いと感じます。というのも、なぜこのアンケートをするのか?そしてこの結果をどうしたいのか?などの目的が深まっているからです。私たちは「子育ての社会化」を進める政策を考えていますが、今後どのようにこの調査結果を踏まえて、各地域の実態に合わせて制度設計していけるのか…課題を整理する必要があると思いました。多摩市では子育て支援政策がわりと充実している方ですが、それでもまだ解決すべき課題は残されています。大きな問題のひとつには児童虐待があげられると思います。とてもデリケートな問題だからこそ慎重な対応が求めらますが、慎重すぎて時間ばかりが過ぎ行き、なかなか対応策が実施できないのでは困ります。育児負担の問題も考え合わせながら、子どもたちが暮すためによりいい環境づくりをしていく必要があると思います。
 それから今回各地からの発表の中で、私が最も興味深かったのは神奈川ネットワーク運動の子どもミニデイサービスプロジェクトでした。小規模で多様なニーズに対応できる子どもの拠点を創出することを目的としています。現在神奈川県内に16箇所あり、6箇所が準備中です。子育て支援と母親支援を同時に行なえるような場所というコンセプトでどろんこ遊び教室や、パソコン教室事業などを行なっています。私は‘小規模’で地域ごとに拠点があること、そしてそこが地域の交流地点にもなっている話を聞きました。ぜひ見学に行きたいと思います。
 分科会は2時間の中で内容が豊富でおさまりきらなかったのが残念でしたが、全体的に見たらたくさんの情報を得ることが出来たように思います。この全国集会のあとには懇親会がありましたが、そこではとにかく「なぜ若いのにネットに関わっているのか?」とさんざん聞かれました。私は「気づいた時から始まるから・・・。」と答えました。多くの方に出会えたことがものすごく励みになり、多摩に帰って頑張ろう!という元気をたくさんもらえました。

投稿者 hisaka : 2002年07月07日

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