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2002年07月04日

いらない・食べない・作らない…まずは私の食卓から

 遺伝子組み換え(GM)食品をはじめ、BSE問題、食品の表示偽造問題などなど「食の安全」がますます脅かされています。今日は私たちの主食であるお米=イネまでに遺伝子組み換えが登場!愛知県農業総合試験場と日本モンサント社が除草剤耐性イネ「祭り晴」の実験に成功して、いよいよ本格的に実用化を迎えようとしている動きをふまえて、生活クラブ生協の共同購入システムを再確認するためのシンポジウムでした。
 生活クラブ生協では生産者と契約を結んでいます。今日はその中から群馬県農協チキンフーズ(株)、北海道チクレン農業共同組合連合会、庄内みどり農協遊佐支店の方を迎え、これからの食と農についてパネルディスカッションがありました。その前には、「グローバル化と食」をテーマにした講演を聞きました。
 私は生活クラブ生協に加入したのは、ごく最近ですが、「食の安全」に関してはわりと気を遣う家庭で育ってきたので、自分自身もなるべく国産のもので安全なものを購入するように心がけています。実は国産で安全な食べ物は値段が高いので、お財布とのバランスで難しいなあ…と感じるのですが、やっぱり「安心」を買ってしまいます。その「安心」もどこまで本当なのかわからないほど「食の安全」が揺れに揺れているのが現状ですが、今日のシンポジウムに参加してみると、必死に安全安心な農産物を提供しようと努力する生産者のナマの声があり、生活クラブ生協の商品に関しては信頼出来るなあと感じました。
 シンポジウムを通して感じたことは、私たち自身がどこまで私たちの食卓を守っていけるのか…すべてはこれに尽きるということです。つまりは「生きる=食べる」わけで、私たちが健康な体を維持するための基本はやっぱり「食」です。安全な食品を口にするためには何を維持しなくてはならないのか?もはや自給自足ができない私たちは生産者に頼るしかありません。生産者の人たちに頑張ってもらわなくてはなりませんが、海外の輸入品がどっさりと安価で店頭に並ぶ時代です。やはり国内の農家はどんどんと頭打ち…というのも現実です。
 例えば牛の農家では乳牛部門は全国で31,000戸ですが、毎年1,200戸ずつ減少していて、肉牛部門では104,200戸で6,000戸減っているそうです。後継者問題もありますが、ここで留意すべきは、農家の戸数は減っても家畜数は変わらないことだと言います。つまりは、生産者一人一人の負担があります。労力的にも経費的にもです。
 特に農家の借金ですが、利息を返すのが精一杯で元本はなかなか返済しきれない状況があると言います。新しい施設や設備の導入…これによって本当に効率がよくなったのでしょうか?お金をかけすぎてどうでしょうか?これで私たちの食卓は本当に潤っていると言えるでしょうか?様々な問題提起がありました。改めて、私の「食卓」が農家につながっていることを感じ、そして自分の食生活がつながっている先が広く大きく地球の環境にあることもわかります。だからこそ、私の健康を維持するために「食の安全」にこだわることは何よりも大切なことだと思います。化学肥料よりは有機堆肥の方が大地自体が元気になります。防虫剤のおかげでで虫がつかない農産物なのに、人間が食べても大丈夫…なんてことがあるのでしょうか?人間はそんなに強い動物なのだろうか?話を聞きながら考えてしまいました。
 私たちの「食卓を守る」ことは農家を守ることになります。本来の農のありかた…山形県の遊佐から来た稲作農家の人が言いました。「汗をかく農民じゃないとダメ!」…「汗をかく」ことは農業も近代化が進む中では非効率かも知れません。でも私たち自身がその非効率を理解して、「食への感謝」を付加価値に変えて購入しなければ、私たち自身を『守りきれなくなる』と思いました。何はともあれ不安と背中あわせの時代です。「高ければいいわけでもなく」、「安ければいいわけでなく」何を基準にするかはやっぱり自分自身の中にしかないのだと感じました。

投稿者 hisaka : 2002年07月04日

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