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2002年06月25日

学童館めぐり・・・第一弾

 午前中の教育部会では、多摩市の学校教育や学校給食問題や子育て支援などのことを議論しました。現状、実態を把握することなしに提案につなげることができません。ニュータウンの高齢化で多摩市の少子問題もかなり深刻です。統計だけを見ていればまだまだ高齢化率も・・・なんて安心して入られません。こういう時に「備えあれば憂いなし」という言葉を用いたいものです。今、できるうちにできるだけのことをする必要があると考えています。私たちは5月に杉並区の児童青少年センターを見学に行きましたが、中高生の「居場所づくり」について提案していきたいと考えています。多摩市に児童青少年センターを新規に建設して欲しい・・・というわけではなく、多摩市内の中高生のニーズに即さなければ全く無意味なわけで、まずは市内の児童館を見学することからスタートすることにしました。多摩市の児童館では0歳の赤ちゃんから18歳の高校生までを対象にしています。今、市内の児童館はどういう状況に置かれているのか、利用実態や今後の課題点などを知るためには足を運ぶ必要があります。

 今日は小雨の中、桜ヶ丘児童館と愛宕児童館を訪問しました。桜ヶ丘児童館はコミュニティセンター「ゆう桜ヶ丘」内にあります。さすが高級住宅街の一角に位置するだけあり、しっとりと落ち着いた佇まいでした。まだ小学生たちが来館する時間ではなかったこともあり、この静けさはどこかの会社の保養所!のプレイルームかしら?と思ってしまうほどでした。とてもステキな場所です。初めて訪れたとことも手伝い感激しました。次に行った愛宕児童館は私の生まれる以前に開館しています。大規模改修も必要だよなあ・・と歴史を感じさせる建物でした。ちょうど小学生、学童クラブの通う子どもたちと出会うことができ、のびのびと遊ぶ子どもの様子と児童館職員の厳しいけど温かい様子も垣間見ることが出来ました。
 さて、今日2館をめぐり、職員の方にそれぞれ1時間ほどお話を聞き、本当に熱心に児童館づくりに取組んでいると感じました。特に両館とも赤ちゃんや幼児を対象とした事業には力を入れています。児童館の役割として新しく求められる部分です。赤ちゃん対象といえば健康センターで親子を対象のさまざまなプログラムがあるものの、そのニーズは増加していて、健康センターだけでは対応しきれないという事情があります。多摩市はニュータウンという地域特性があります。団地という閉ざされた空間の中での子育ての息苦しさ、核家族で子育ての悩みを近くで相談できる場所がない、高齢化の進む古い団地に転入してきた母親は近所に同世代の友人が出来ない・・・などなど本当に子育てをしやすそうでしづらい環境があります。そのために育児支援面ではかなり力を入れています。もともと児童館は地域の核施設として整備されているので、これから地域のコミュニティ育成という観点からも非常に重要な役割を果たしていくように感じます。
 ところで中高生の「居場所」という点ではどうかというと、桜ヶ丘児童館では場所がらもあり利用はあるものの少ないそうです。その一方で愛宕児童館ではわりと利用する中高生が多いようです。けれどもここには共通のことが存在します。それは利用する中高生たちは児童館の職員を頼って来館するということです。特に愛宕児童館の職員は7年目、8年目を迎えていることもあり、本当に子どもたちに地域に受け入れられているようです。これは多分、実際に見たから言えることですし、職員の話からもわかることですが、子どもたちが心の底から信頼できる相手、親でも先生でもない頼れる大人がいる安心感が児童館にはありました。子どもたちは嘘をつかないので「嫌なものはイヤ!」だと反応すると思います。愛宕児童館に来る中高生たちは色々な悩みを抱えながら児童館の職員とおしゃべりをしに来るのです。私はその様子が目に浮かびます。中高生たちは真面目に机に向かって宿題をするのではなく、お菓子を食べながら、たわいなくおしゃべりをしながら、知らないうちに宿題が終っていた・・・っていうのが好き!という児童館職員の話にも同感です。ただ施設の限界があり、そういう意味では中高生たちも思いっきり自分の好き勝手は出来ずにいる現状があるといいます。本来なら幼児、小学生、中学生高校生・・・見たいな感じで部屋がわかれているのが理想的なんだろうと思いました。年齢に応じて児童館に求めるものも違ってくるわけで、そういう点では応えきれない現況を認識しつつもどうしようも出来ない現実もあり、職員自身も非常に苦労していると感じました。
 私たちの目的である中高生の「居場所」はどんなカタチであるのか?やっぱり実際のところは当事者に聞くしかないと思っています。まだ他の地域の児童館にも行かないと確信することはできませんが、今日のヒアリングでわかったことは「ニーズがないわけではない。」ということです。その点では児童館めぐり第2弾につながる大きな収穫を得られた気がします。

投稿者 hisaka : 2002年06月25日

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