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2002年06月22日

介助犬シンポジウムに参加して

 数年前にテレビで介助犬のことを見たことがありました。そのときはただ感心しただけでした。もともと大きい犬は恐くて近寄りがたいし、自分の問題として捉えることをしていなかったからだと思います。
 今日の「アニマル・フレンドシップの会」が主催のシンポジウムに参加しましたが、非常に示唆に富む話を聞くことが出来ました。

 まずはこの5月に身体障害者補助犬法が成立されたことを、私は見逃していたことに反省をしました。この法律には罰則規程がないのですが、やはりこの法律を楯にして権利を主張することは可能です。例えばシンポジストの介助犬使用者の方の発言で「映画館に行ったら、犬は外で待っているならいい。」と言われたそうですが、その時に法律があれば対応が変わってくると思います。また、現状、列車に乗る時には使用する鉄道会社のテストを介助犬は受けます。ですから東京の都心で介助犬と生活をしようと思えば鉄道会社別に何回も受けなければならないわけです。法律が成立して、そのようなことがなくなります。レストランについても、もともと介助犬は公衆衛生などの面でもばっちり管理されているにも関わらず、あまり知られていないこともあり入店禁止されることも多いそうですが、この法律があれば堂々と入店することが可能です。当事者の口から聞くとリアルに法律の力の大きさがわかります。ただ施行は10月からなのでそれまでにどれだけこの法律を浸透させられるかです。
 このような当事者からの発言を聞く機会は本当に貴重です。当り前のように映画館に入り、電車に乗り、レストランに入店している私には想像力が働かないところだと思うからです。それを嘆くことはないと私は考えています。でも、こうやっていろんな不自由を抱えながら生活をしている人をどうやって周囲がサポートしていけるのかがいかに大事かを痛感させられました。というのもシンポジストには衆議院議員、内科医師で日本介助犬アカデミー専務理事、介助犬トレーナー、介助犬使用者が並び、それぞれの立場と役割をしっかりと果たすことで、一つの権利を確立させていく、認めさせていく大きな力を創っていることを感じたからでした。法律がボトムアップで制定されてきた流れに、とっても感激してしまったのでした。特に身体障害者補助犬法を作ったって適用されるのは一部の人ではないか・・・という意見もありますが、その疑問に対しきっぱりと「みんなが障害者になる得るのよ。」と言いきった内科医師の高柳さんはステキでした。この法律はみんなのためにあるわけです。一部の人のためというのは大間違い!・・・本当にその通りだと思いました。
 すべてのことは<私>基準から始まるのです。けれどもすべては<私>基準でないことも確かです。そこでどうするのか?何をすればいいのか?自分の想像力を高めることも必要です。そしてその想像力が働かせるためにはやっぱり当事者の意見を聞いていかなくてはならない。その中で一体<私>は何が出来るのか?考えていかなくてはならない・・・そんなことを痛烈に感じたシンポジウムでした。

投稿者 hisaka : 2002年06月22日

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