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2002年05月16日

秘密基地・・・「ゆう杉並」

 多摩ネットの教育部会で視察に行きました。杉並区の児童青少年センター「ゆう杉並」です。ちなみにこの施設は男女平等推進センターと併設されています。
 「ゆう杉並」の児童青少年センター機能は本当にすばらしく、そのことは年に約250前後の視察を受け入れているということからもわかります。ここは杉並区の中・高校生の居場所なのです。話によると中学生の行動範囲は約1㎞圏内ということで近隣の三つの中学の生徒たちが利用しているそうです。高校生は区内全域から訪れるとのことです。ちなみに職員の方はかなり視察慣れされていて、説明の上手さには脱帽しました。どんな質問が今まであったかについて要領を得るとこんな風なガイドになるのね!と感心してしまいました。
 設備がとにかく充実しています。スタジオ、ミキシングルーム、工芸・調理室、体育室、ホール、集会室があります。学習コーナーがあってちゃんとブースになっています。とにかく驚きは最寄駅からはバス・・・というちょっと不便な立地にも関わらず、子どもたちが通ってくることです。何がそんなに魅力なのでしょう?

 それは「大人がいない!」ことなのです。職員の方が「秘密基地、隠れ家」と表現するようにここには大学生のボランティアもいません。ただ何かあった時に対応出来るように職員がいるだけです。子どもたちは銘々好きなことをします。お菓子を食べてたり、宿題をしたり、ゲームをしたり・・・メインのフリースペースにはイマドキの中学生や高校生たちが集まっていました。
 ユニークなのは「中高生委員会」というのがあり、この施設の運営を子どもたちが考えるそうです。例えばここではテレビゲームも貸出しをしていますが、その利用率が低い・・・となると、どうやったらもう少しテレビゲームを使ってもらえるのか知恵を出しあいます。その結果、テレビゲーム大会!を開催しました。単なる大会ではありません。なんとホールを使って、ゲームをでかでかとスクリーンに映して行う!というとってもユニークな手法をとります。もちろん彼らのアイデアです。こんな斬新なアイデアは大人だと考え出せなさそうです。子どもたちが利用するところだからこそ、子どもたちの視点を第一にしながら、この場所を創りあげるのです。もちろん職員(大人)と合同の会議の時には議論になることもあるそうです。ただ単に子どものことを全て受け入れるわけではありません。納得出来るまで話し合いをするそうです。「やっぱり世代の差かな・・・」と答えている中高生委員の声に私は拍手でした。
 「なんて素晴らしいのかしら!」私は感動感動!嗚呼感動!でした。公共施設ってとても不思議なのですが、中学生などは保護者同伴でないと使用することが出来ません。自分たちで自主活動のグループを組んでも、親(大人)の監督がないと使えないということには私も納得がいきません。「ゆう杉並」のような子どもたちが自分自身を大事にしながら仲間と一緒に自己実現していけるような場所をぜひ多摩市に・・・。
 学校でも家でも大人が判断した「子どもにとっていいこと、いい環境」が準備されていると思います。でもそのことが本当に子どもにとって幸せなことかどうかはやっぱり当事者に聞いて見なくてはなりません。でもなかなか当事者の意見を聞くことが出来ていないのが現状ではないかと思われます。子どもたちは子どもたちなりに意見を持っています。大人にとってみたら、大したことでなくても子どもたちにとってみたら重大なことだってあると思います。
 大人がいたらいけない場所・・・「ゆう杉並」ここは子どもたちが自分勝手ではない自分中心主義になれる空間です。子どもの時には「子どものルール」があります。それには大人は入れない!そう思いました。だから大人は遠慮をするのか?そういうわけではありません。大人はそっと子どもの成長を見守ります。子どもを「待つこと」が大切なのです。じっと耳を傾けてあげること、そして本当に困っている時に手をそっと差し伸べてあげること。「思いっきりやってみなさい!」子どもたちが<真剣に>遊べる場所づくり・・・が必要なんだなあと思いました。
 ちなみに驚きデータですがここのスタジオ(もちろん無料)を使用しているのは約1000人、250グループあるそうです! 

投稿者 hisaka : 2002年05月16日

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