大野まさきです。本件につき、民主党TAMAを代表し、意見討論いたします。
今回の補正予算は、阿部市長就任後、初の予算編成です。今定例会で示された市長の所信表明に基づき、市長の選挙公約でもある「多摩みらいビジョン」を具体化するための予算も含め、総額16億3千755万2千円の総額予算が提案されました。
新市長による予算提案とはいえ、当初予算編成時に既に年間総合予算として検討されてきた事業が大半であり、行政の継続性と選挙公約を掲げた市長の政策実現との整合性が問われることにもなります。
しかし、率直に申し上げて、今回の補正予算案は、前市長の積み残した懸案事項をそのまま承認する格好で提案された色彩が強いと指摘せざるを得ない内容ではないかと受け止めています。まだ就任間もない市長に求めることそのものが難しいのかもしれませんが、おそらく行政内部での検討も含め新市長が誕生した意味という視点に欠ける内容に対し正直、残念さを感じました。
議会基本条例を制定した多摩市議会には、議員自身の意識改革をはじめ、従来の古臭い考え方からも脱皮していくことが求められると考えています。特に、従来は市長が提案した議案に対し、議会が修正することには強い抵抗感が示され、無傷で市長案を可決することが美徳とされるような価値観が主流だったと思います。
しかし、市長が提案したものに対し、適宜適切に修正をしていくことは、むしろ歓迎すべきことと受け止めるべきです。それは討議を深めることによって、よりよい問題解決策を見出し、市民にとって意義と価値のあるまちづくりを進めていくために、議決の場における様々な議員の意見をどのように受け止め判断するのかということこそが重要だと考えるからです。市は「無傷で議案を通す」ことを優先し、市民に閉じられた水面下で調整することにエネルギーを費やすのではなく、公開されている議場における議論にしっかり耳を傾けていただきたいと思います。
その点で、市長には今回の補正予算案に対し、議会における多面的な視点も大事にし、議会の意見を単なる「参考意見」として片付けるだけではなく、必要なところは予算執行段階において積極的に活かしていくことを求めます。
たとえば昨年の当初予算の組替え、修正提案の時にも、議論になりました、旧やまばとホール跡地の整備工事については、その必要性を一定程度理解するとしても、執行の段階でさらにもう一度精査し、できる限り予算額を絞ることを求めます。なぜなら、昨年の厳しい経済状況の中では、教育や福祉などの分野においても現行の市民サービスを切り下げざるを得ないというのが、当初の予算提案時の説明だったからです。民主党TAMAは、社会経済状況が厳しく、市民の暮らしに大きな影響があるときだからこそ、行政はまず、教育や福祉の分野への税の投入を優先させるべきだと主張し、その財源を生み出すために、今急がなくてもよいものは、先送りすることを提案しました。
そして、今年度当初予算編成時においても、赤字債の発行で歳入を確保し、予算を組んできた経過があります。財政の厳しい将来予測をするのであれば、たとえ国の補助事業であってもすべて横並びで実施するのではなく、より優先順位を明確にし投入する税額を厳しく精査することが必要です。
それ以外にも場合によっては執行停止する必要がある事業、もう一度執行の在り方を考え直し、練り直すことをしなければならない事業もあるかもしれません。いずれにせよ、議会の意見をどう活かしたのかがわかるような道筋で、決算の時に市民や議会に対しきちんと説明できるように執行段階におけるマネジメントを行うべきだと申し上げます。
最後に、『市長所信表明』の「政治姿勢」の中で、「お互いの価値観や意見の違いを認め合いながら議論することにより、よりよい判断を下していく。そのためにも、決定プロセスを重視するとともに手続きの透明化を推し進めるなど、しっかりと合意形成を図る努力をしてまいります。
ぜひ、この考えを議会との関係に活かしていただきたいと改めて申し上げたいと思います。「議論することにより、よりよい判断を下していく」「決定プロセスを重視する」という点については、民主党TAMAとしても同様な主張をしてまいりましたが、市長にはこうした取り組みを実践していただけるよう強く要望し、討論といたします。

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