2009年12月議会
一般質問通告書
一 子どもの人権を守る立場を貫いた子育て・子育ち支援の展開を目指して
毎年11月を児童虐待防止月間と定めてから今年で5年目を迎えます。この間、児童虐待への関心を高めるためのオレンジリボンキャンペーン等の活動も従前に増して活発に展開されるようになりました。しかし、児童虐待は顕在化する事例は依然増加し、また潜在化するケースも増えているのではないかと指摘されています。
子どもと家庭をめぐる痛ましい事件は、子どもが深く心身に傷を負い、最悪その命を落とすなど被害者として報告されるものもありますが、逆に子どもが加害者となるという事例もあります。それらの要因を単純に分析することはできませんが、保護者・養育者だけを責めたてることはできない「社会環境」もまたあることを改めて確認し、児童虐待問題を考え捉えていきたいと思います。
また、特に子育てのしにくさから児童虐待に至るケースの中にはいわゆる発達障害が疑われるケースも存在すると言われています。発達障害者支援法の施行により、発達障害に対する理解も広がってはいますがまだまだ不十分です。
学校教育でも特別支援教育への転換など、より個性を重視する支援の方向性が示されていますが、全般的な子育て・子育ち支援も一人ひとりの子どもに寄り添った途切れのない支援を行うという視点から、これまでは行政の都合で分野ごとに細分化されてきた支援の取組みを一体化する努力が求められています。
多摩市もようやく発達支援室を設置し新たな施策展開の一つの方向性を示していますが、今後ますます具体的でわかりやすい目標を掲げ、行政の都合による区分けや区別を乗り越えていかねばなりません。それは例えば、他の自治体で制定されている「子どもの人権条例」や「子ども条例」制定という手法も考えられます。しかし、すぐさま条例制定とは言わずとも、子どもに対する人権侵害の最たるものが虐待であり、子どもの人権保障の観点から「虐待ゼロ」を目指す姿勢を明確に打ち出すことから始めるのでも十分に可能です。もちろん現状においても、各部局がそれぞれ取り組んでいることも認識していますが、何より「子ども」と「子どもの人権」を中心に据えた子育て・子育ち施策を展開するために「虐待ゼロのまち・多摩市」実現に向けた強い姿勢を示すことが必要と考えます。
そしてそのことがこれからの途切れのない子ども支援において必要不可欠な根幹の価値になっていくのだと思います。
次世代育成支援地域行動計画では「子ども そして わたしたちの未来 のびやかに今を生き たおやかにつながり支えあうまち 多摩」という基本理念が掲げられていますが、やはり抽象的ではなく各部署がそれぞれもっと強い意識を持って横の連携を強化し、具体的に取り組む目標設定も必要です。今年4月に都の児童福祉審議会が児童虐待死亡事例等検証部会報告書「児童虐待死亡ゼロを目指した支援ののあり方について」をまとめました。報告書では児童相談所が関与していながら防げなかった事例、区市町村の子ども家庭支援センターに相談がつながらなかった事例が今後の課題として指摘されています。
都の調査によれば多摩市ではケース会議の回数など他市比較で桁違いに多くその職員の努力と取り組み姿勢は高く評価できますが、ケース会議での事例検討や情報の共有体制の構築など特に他の機関との連携・調整機能のさらなる強化が求められているところです。
また、多摩市の児童虐待対応に関するガイドラインでもある「子どもの虐待対応マニュアル」についても、その作成(2005年3月)から4年以上が経過しており、改めてその内容の再検証が必要になると考えられます。特にマニュアルについては、児童福祉中心の視点から作成されていますが、さらに充実していくためには母子保健分野における早期発見早期対応の視点を含めることも重要と思います。
多摩市が「子どもの虐待ゼロ」の実現を目標に掲げ、子どもたちがのびやかに今を生きることができる地域づくりをさらに目指す立場から、以下質問いたします。
(1)子どもの虐待対応マニュアルの再検証について伺います。
①内容について課題だと考えている点について。
②周知、活用方法について課題だと考えている点について。
(2)学校における児童虐待への取り組みについて伺います。
①多摩市教育委員会では「児童虐待」を人権教育にどう位置づけていますか。
②上記に関し、子どもたちのエンパワーメントをどう図っているのかについて、具体的な事例、さらにその効果と検証について。
③児童虐待に対する教職員の認識向上には具体的にどのように取組んでいるのか。
教育委員会での取組み、各学校での取組みの具体的事例とその効果と検証について。
④スクールソーシャルワーカーもしくはファミリーソーシャルワーカーの人的配置の必要性をどう認識しているのかについて。
(3)児童虐待における教育センター相談機能の果たすべき役割は何か。
*資料要求
①児童虐待防止月間にそれぞれの部署で取組んだ事項。(教育委員会については各小中学校での取組みも含む。)
②教育委員会が把握しているスクールカウンセラーの活動状況について
