2009年3月議会
20陳情第21号 就学援助を受けられない児童・生徒を新たにつくりだす就学制度見直しに反対する陳情について
民主党TAMAを代表し、採択すべきとの立場から意見討論いたします。
就学援助制度は「就学困難な児童及び生徒に係る就学奨励についての国の援助に関する法律」に基づき実施しています。法律では準要保護について、「要保護者に準ずる程度に困窮していると認められる者」と規定されています。今回の見直しは、来年度より準要保護の判断基準について、現行基準である生活保護基準の1,5倍から1,4倍に変更するものです。
本来、要保護者に準ずる程度の困窮度の判定はそれぞれの生活実態に応じることが望ましいわけですが、現実的には個々の状況と事情にそれぞれに対応することは困難であり、困窮殿認定は、運用する自治体の財政力が認定基準の考え方に大きく左右されるのが現実です。財政力では優良だと位置づけられている多摩市にあっても、本制度の見直しを行わなければ持ちこたえることができないという判断は地方分権や地方主権の拡大という隠れ蓑のものとで行われてきた国の責任放棄の状態を物語る事例だと考えています。自治体格差が生じている現状を積極的に是正しようとしない国の責任は重大です。しかし、政権交代でもして、国の現状を変えられない限りは、自治体独自での財源調整の工夫が求められ、未来をつなぐ人材を育てる多摩市の教育環境と水準を維持するための対応策を考えることは大きな課題になっています。
今回は本制度を持続可能なものとするための見直しであり、市民へのアンケート、説明会の開催など一通りの手続きの上で提案されてきたものと受け止めています。しかし、今、子育て・教育環境は非常に難しく、学力保障も子どもたちの能力開発についても、「公教育」のあり方、役割が問い直されており、学校が求められる機能を果たしているとは言い難い状況が指摘できると思います。塾や習い事、余暇活動など子どもたちへの投資が過剰すぎるとの声もあるかもしれませんが、そうしなければ乗り越えていけない現実が立ちはだかっていることも確かです。昔も今も、親が子どものためにと汗を流す姿は変わらないと思いますが、制度発足当初に比べても、日本社会の経済状況が質的にも全く異なっていること、子どもたちを取り巻く生活、教育環境が大きく変化していることを考慮しないわけにはいけません。
従来、現状の生活水準そのものを維持することすら困難な世帯が増加している事実が厳然として存在しています。生まれ育ちの環境を子どもたちは自ら選び取ってきたわけではありません。だからこそ、子どもたちの純粋な志や夢を応援するために自治体としてはできる限りの支援をしていくべきです。この厳しい状況に大好きな習い事を途中であきらめざるを得なかった子どもの話は現実です。保護者の方は共働きでぎりぎりまで家計のやりくりをしていたそうです。未来に向けての努力と意欲にまでも格差が拡大していくことを危惧いたします。
教育委員会の説明では本制度の見直しによっても、学齢期の子どもを持つ世帯の30%、ひとり親世帯の90%、子育て世帯の20%への援助はできるとの話ですが、これだけの世帯を援助できるから充分と言いきれるでしょうか?
自治体の財政力との見合いになるという考えを否定はしません。しかし、今回については来年度予算に対する意見討論でも表明したとおり、全体予算の内容を勘案し、引き下げをせず対応していくべきとの判断をいたしました。よって採択といたします。
