2007年9月議会
家庭系ごみ指定袋方式による収集方式について
民主党TAMAの「家庭系ごみ指定袋方式による収集方式について」(有料化)に対する考え方です。
①2007年9月定例会 補正予算討論より(有料化に関する部分抜粋)
②第78号議案多摩市廃棄物の処理及び再利用の促進に関する条例の一部を改正する条例の制定について 賛成討論より
①2007年9月定例会 補正予算討論より
第69号議案 2007年度(平成19年度)多摩市一般会計補正予算(第2号)について、民主党TAMAを代表し、ただいま私たち会派が提出いたしました修正案に賛成し、修正案を除く原案に賛成の立場から討論いたします。
多摩市は、2000年(平成12年)にダストボックス収集方式を廃止、個別袋収集方式への変更を実施することによってごみ減量を推進し、一定の成果をあげました。しかし、他の自治体が有料袋収集をはじめとする減量施策を実施して、ごみの排出量削減を実現してきているなかで、相対的に多摩市のごみ排出量は他市に比べて多い状況となっています。さらに最終処分場もすでに4割近くが埋め立てられ、このままではあと10年程度で満杯になるおそれがあるといわれています。
これらの要因から、ごみのさらなる減量の必要性が高まり、また喫緊の課題として浮上し、いわゆる家庭ごみ有料化導入の提案につながっていますが、様々な外的要因による必要性はあろうかと思いますが、今問われているのは多摩市としての選択と決断であると考えます。放って置けば増え続けてしまうごみの現状に、市民全体の意識を向け、一人ひとりの意識を変えて「分ければ資源、混ぜればごみ」を暮らしに定着させ、資源循環型の社会をめざすために新たな政策選択をする時だと考えています。
今議会に提案された、家庭ごみの有料指定袋による収集方式への変更は、すでに2005年(平成17年)12月議会において提案されていますが、その時点では建設環境常任委員会で審査未了、廃案となりました。あの当時、「時期尚早である」「有料化の前にもっとやれることがある」などの議論があったことを思い起こせば、有料化導入が見送られたことは、結果としてマイナスではなかったと思っています。それは、議会で廃案になった後も、行政が市民との対話を続け、延べ一万人以上の市民に直接語りかけたこと、その中から出された提案をできるものは実行して一定の成果をあげた事など、有料指定袋による収集方式という新たな政策提案の前にできることをやってきたという実績を積むことができたからです。しかし、2006年度から2007年度の市民1人1日当たりの家庭系ごみ量は微増という結果でした。この間の担当の努力には敬意を表しますが、残念ながらこれらの努力だけではごみの大幅減量は実現できませんでした。だからこそ、今新たな施策が必要なのです。
今回の提案では、有料指定袋による収集方式への変更に注目が集まっていますが、私たちは新たな資源化の促進として容器包装プラスチックとリサイクルルートの確立している製品プラの分別を始めることが、ごみ減量につながっていくと考えています。そのために「分ければ資源・混ぜればごみ」を市民が実感できるように、また市民の資源分別努力を促すために袋の値段について修正案を提案しました。あわせて、排出総量の抑制もめざすためにリサイクル用の袋は20リットルサイズのものとしています。容器包装プラはわかりにくいとの声もありますが、資源分別について市民意識を高めることが、ごみの排出者責任を自覚することにつながると思いますので、しっかりと分別啓発を続けて市民一人ひとりの意識を変えていくことが大切です。その際には、ぜひ廃棄物減量等推進員の皆さんにも共に活動してもらいたいと思います。また、めんどくさい分別は消費者としてどこまで責任を負うべきなのか、一人ひとりが製造者責任を意識するきっかけにもつながると考えます。
市民に受け入れやすいように出しやすさばかりを考えていてはごみ減量につながりません。市民と一緒に「めんどくさい」に取り組まなければならないのです。
私たちは、有料指定袋による収集方式への変更は、あくまでも減量、分別促進のためのひとつの手段と考えています。自己負担が増えることに抵抗を感じる方もいらっしゃると思いますが、すべての市民に一律の負担を求めるものではなく、個々の排出量に応じた負担です。さらに未来の負担軽減のために今の私たちにできる努力だと思います。今一人ひとりが自分の負担軽減をめざせば、それはごみ減量に直結し、未来の負担を軽くしていきます。そのための情報提供や啓発には引き続き行政の努力を求めたいと思います。質疑の中でもいくつか提案いたしましたが、ぜひインパクトのある広報を実施していただきたいと申し上げます。
今までの施策や啓発努力のうえにさらに新たな施策を展開することで、来年度を「多摩市の新たなごみ減量元年」と位置づけて、持続可能な資源循環型社会の実現をめざしたいと思います。
(以下、一部省略)
最後に財政の観点から一言申し上げれば、本当にお金がないときはやりくりの苦労はあるかもしれませんが、「ない袖は振れない」のことわざどおり、シンプルな財政運営をするしかありませんので、案外苦労しません。しかし、難しいのは、お金がないと思っていたら思いのほかお金があった場合です。しかも、その状態が将来にわたって継続していく保証がない状況では、まさに今現在の財政の舵取りが自治体の将来をも左右しかねません。今この厳しい時代に多少の余裕が生まれたのなら、それは未来の私たちのためにもきちんと引き継いでほしいと思います。環境も財政も持続可能な社会の実現は、未来を志向する私たちの提案です。
以上申し上げて、修正案に賛成し、原案から修正案を除いた補正予算に賛成の立場からの討論といたします。
②第78号議案多摩市廃棄物の処理及び再利用の促進に関する条例の一部を改正する条例の制定について 賛成討論より
私たち民主党TAMAは、マニフェストを通し、家庭系ごみの有料指定袋による収集方式については原則賛成の立場を明らかにしてきました。
本修正案については、先に行われました補正予算審議を通して私たちの会派として提案いたしました修正案の内容に沿ったものでありますので、賛成するものです。
しかし、今議会には、「有料化反対」の立場からの陳情も出されており、なぜ今有料化なのか、そのことによって何を目指すのかなど、私たちの考えを再度述べたいと思います。
まず、一点目はなぜ今有料指定袋方式を導入するのかということについてです。
今回の条例提案はすでに一昨年12月議会に一度提案され、その時点では建設環境常任委員会で審査未了、廃案となり、導入が見送られた経過があります。当時も様々な議論があり、「有料化の前にもっと啓発の徹底をすべき」や「資源回収促進のための施策を」などの声は行政のさらなるごみ減量、分別の啓発活動を後押ししました。その結果、行政は延べ一万人以上の市民と直接対話してごみ減量について意見交換を行い、その中から出された提案をできるものは積極的に実行しました。現場職員を中心とした粘り強い取り組みは一定の成果をあげることができたと考えます。この結果がごみ減量という目標の達成に着実につながっていれば、新たな施策を取り入れる必要はなかったかもしれません。しかし、残念ながら一部の市民の間では減量努力が行われたにもかかわらず、まだまだ市民全体の取組みには広がらず、結果として、資源を除く市民1人1日あたりの家庭ごみ排出量は微増となってしまいました。
私たちは、「ごみを減らす必要がある」という認識は多くの市民と共有できていると考えますが、その認識を市民全体の行動に結び付けていくためには、今まで取り組んできた啓発を中心とした施策だけでは、効果に限界があると感じています。さらにより多くの市民がごみの排出、処理ということに係るコストに関心をもち、一人ひとりの行動がごみ減量に結びつくということに気づいていただくために、新たな施策に取り組む必要があると判断いたしました。
次にこれからの取り組みについて述べます。
「分ければ資源、混ぜればごみ」といわれます。今回新たにプラスチックの分別に取り組むことは、この考えに沿ったものであり、ごみとして燃やしたり埋め立てたりする前にできるだけの努力をして再利用できるものはリサイクルするという資源循環型社会を目指すための第一歩と考えます。そこで大切なことは、市民にリサイクルのために分別の努力をお願いする以上、その分別努力に応えてきちんとリサイクルするということです。
そして、汚れたり劣化していてリサイクルに適さないプラスチック類は焼却して熱回収という形で再利用するということを明確に市民に説明することです。プラスチックのリサイクルについても焼却処分についてもそれぞれ費用や安全性など様々な意見がありますが、多摩市として現時点で選択した方針を明確に示し、そのことによって生じるリスクやコストについては市民と情報を共有しながら進めていくということが大切です。理想を目指しながらも現実に即した対応が重要であり、よりよい施策の選択は常に情報を公開し共有することからしか生まれません。
今回導入を予定している有料指定袋方式は、市民の皆さんに幾ばくかの経済的な負担をお願いすることでもあります。その負担について、反対の声も聞いていますが、全ての人に一律に負担を求めるものではなく、それぞれの排出量に応じた負担です。減量の工夫や努力によって経済的な負担軽減を図ることが可能であり、分別や減量の努力にも報いることになります。さらにごみ減量の取組みが全市的な広がりとなり効果がでれば、ごみ処理にかける税金を減らすことにつながり、その分の税金を新たな市民サービスの充実に振り向けることも可能です。ごみ処理に一定の税金を使うことは致し方ないことですが、ごみ処理という後ろ向きの税の使い方ではなくもっと前向きな使い道に税を活かしてほしいと願っている市民の声にも耳を傾ける必要があります。
それは未来世代の声なき声でもあります。これからの将来を見据えた税の使い方として今何を選択すべきか、もう一度考えてみる必要があると思っています。
私たちは、ごみは誰もが排出するものであり、その観点からは全ての市民に排出量に応じた負担を求めることのほうが減量努力を促すためのインセンティブとしての意味合いが明確になると考えています。しかし、より経済的に厳しい状況にある市民の暮らしに目を転じると、今回行政が提案している一定の減免措置は妥当なものと判断しました。ただし、減免措置の実施方法については、対象者からの申請にることとされるようですが、申請行為を躊躇させるような取り扱いとならないよう適切な対応を求めます。
もちろん有料指定袋の代金収入はさらなるごみ減量につながる施策に使っていくべきと考えています。今回の負担はあくまでもごみ減量を達成するためのひとつの施策であることを忘れてはなりません。また、有料指定袋の導入がゴールではありません。「有料化ありきだ」との市民の批判に応えるためにも、これからのさらなる取組みが重要です。ここまでに重ねてきた努力を無にしないためにもさらに新たな施策を最大限効果的に生かすための努力をしなければなりません。
ごみ処理にかかる負担を消費者である私たちだけが担うのではなく、生産者の責任をもっと強く求めるべきだとの声もあります。当然のことです。他の自治体とも連携しながら生産者責任を求める働きかけをさらに強めていくことは必要だと考えていますが、そこでもより多くの市民が、自分の消費行動が今の便利で豊かな大量生産・大量消費社会を作っているということに気がつくことが大切です。私たち消費者が求めるものを生産者は製造しているのです。私たちが消費者として賢い選択をすることが、製造者の姿勢をかえることにつながるのだと思います。
最後に今後の方向性について述べます。
私たちは今回の有料指定袋による収集方式の導入はごみ減量、分別促進のためのひとつの手段であると考えています。目標を達成するためには常により効果的な施策を展開していく必要がありますが、目標であるごみ減量を達成・定着させたならば、当然、目標達成のために導入した施策についても適切な検証が必要だと考えています。それが、負担をともに分かち合った市民の努力に真摯に応えることになると考えるからです。
一度はじめたことは、その必要がなくなってもなかなかやめられないという従来の行政の悪い習慣に陥らないよう、常にゼロベースの視点で施策を見直していくことを求めます。これは、行政が今回の有料化はごみ減量に向けたインセンティブという言葉を裏付けるためにも重要な観点であると指摘しておきます。
ごみの最終処分場の延命化という点からも、ごみ処理費用の増大に歯止めをかけるという点からも、地球環境への負荷を軽減するという点からも、今私たちにできることとして、家庭から排出するごみの減量に取り組まなければならないということについては、多くの市民と共有できる目標と考えています。その目標達成のために、私たちは今回あえて市民に負担を求めるという厳しい政策選択をいたしました。
今の時代に生きる私たちは文明や科学の発達で便利さや豊かさを享受する一方、そこから生まれる負の遺産についてもきちんと受け止める必要があると考えるからです。今の暮らしやすさや住みやすい環境は私たち世代だけのものではなく、将来世代にも引き継いでいかなければならないものです。私たち民主党TAMAは未来の子どもたちが暮らす社会にも思いを馳せ、今までのように便利さや物質的な豊かさをどこまでも追求してきた価値観を思い切って転換していくことが、持続可能な社会の実現につながっていくのだと考えます。
来年4月、有料化のスタートと同時に環境部は解体されます。環境政策のさらなる推進を目指して組織改正を決断した市長のリーダーシップを強く求めます。
以上申し上げて、修正案に賛成し、原案から修正案を除いた部分に賛成の立場からの討論といたします。
