2008年08月19日
みえないこころの声を聴く
東京都と東京都発達障害者支援センターが主催の学習会に参加をしました。発達障害のある人への理解や支援をしていくための啓発講座という感じです。これまでにも、さまざまなテーマで開催しています。今回のテーマは「みえないこころの声を聴く~発達障害のある子ども・その親の気持ちが分かる人になる~」というもの。講演者は東京都発達障害支援センター長の石井哲夫さんでしたが、実際の相談事例など具体例を挙げながらのお話はとてもわかりやすいものでした。
発達の気になる子どもたちを抱える保護者の悩みをどう受け止めればいいのかについて相談支援者としての心構えが主にレクチャーされた感じでした。「人間は人間の中にいないと人間になれない」ということで、人との関係や人との付き合いの中で使える知能という話はなるほどなと思います。自閉傾向にある発達障害のある子どもたちは「シングルフォーカス」で自分自身の世界しか持つことができず、人間との付き合いを上手に育めない、努力をしてもできないことを支援者は理解をしなければならないということを繰り返し話していたのが印象的でした。
発達障害を抱える子どもたちは実は人間関係を育もうとそれなりに「みえないところで努力をしている」からこそ、「みえないこころの声を聴こうとする努力」が求められるということですね。
私としては発達障害があるとかないとかではなく、自分の気持ちをまだまだ表現することができない幼児と接する大人全てに必要な態度かなと思いながら話を聴いていました。紹介された具体的事例の中でも、ある子どもの場合には保育園が面倒を見切れず、転園を繰り返し繰り返して・・・・そのことが保護者の心にも不安定感をもたらし、子どもにもさらに悪影響を及ぼしてしまったの話がありましたが、「手に負えない」ということで保育園がギブアップしてしまうようなこともあるのですね。実際には発達障害を受け入れる社会の側にその環境整備がなされていないことがわかる事例です。多摩市でもこのような事例があるとすれば、非常に悲しいことですね。ノーマライゼーションという言葉も空しく響く感じ。
この事例にも明らかなように、保護者・家族の心の安定がとても大事で、まさに家族支援が必要になってくる。親子関係が上手くいかなくて思いつめて悩んでしまう、ひいてはそのことが虐待につながっていく事例もあると聞いています。
ちょうど、厚生労働省でも先月末に「障害児支援の見直しに関する検討会」の報告書がまとめられましたが、ここでも「家族支援」の方向性がしっかりと明示されています。今後、多摩市でも力を入れていかねばならない点です。発達障害児・者の支援ということで、いよいよ「ひまわり教室」も教育センター内に移転をするわけですが、「家族の支援」ともなれば、子ども家庭支援センターとの連携も視野に入ってくると思われますが、内容の充実を図るとしている「ひまわり教室」での展開が期待されるところです。
多摩市内での具体事例を聞くとなると、個人情報やらの関係で微妙に難しい点があるので、今日のような具体事例の話が聞ける講演は貴重です。もし、私の理解を深めるために参加するとよさそうだと思われる講演会や学習会がありましたら、ぜひご案内をいただければと思います。
投稿者 hisaka [福祉・医療・介護] | トラックバック
2008年04月23日
後期高齢者医療制度
今日は午後から会派で集まり、後期高齢者医療制度のことについて担当課長さんより話を伺いました。多摩市にも既に1000件以上の電話が殺到し、もちろん窓口での対応もあり、とかく担当者がその対応に追われている状況は新聞報道などのとおり。制度に沿って言うならば、本来は東京都後期高齢者医療制度広域連合が受付すべき内容の問合せ電話も市にかかってくるらしい。広域連合のほうはフリーダイヤル対応をしていて、コールセンターを配置しているのに。
これ・・・・私がかつて2年前ほどに厚生産業常任委員会でこの制度の説明を受けた際の懸念が当たりました。市民はフリーダイヤルのコールセンターではなくて市に直接問合せをするのではないか、その対応は大丈夫なのか?って担当に確認をしたことがありますので。なんと実情を伺えば、広域連合のコールセンターに市民が問い合わせたことへの回答を市の窓口に回してくるようなケースもあるとか。この制度で市が行うべきことは「保険料の徴収」。しかし、「保険料」そのものの金額設定等の問合せについても当然にあるわけで、それへの対応に担当セクションは追われている様子。受話器を置いたら、また次の電話対応ということでひっきりなし。
縦割り行政の中で後期高齢者医療制度のことにたずさわっていたのはほんの数名。つまり、問合せの電話があったとしても、それに回答できる職員にも限りがあるということですね。応対に人手が足りないからと他から人員を投入して即座に何とかなるような問題でもなし。しかし、これではどうしようもないと人事課が緊急対応し、再任用職員として新たなスタートをきったばかりの元管理職(制度に精通している)が応援に加わって少しは落ち着いたのかな?・・・・・と議員はみんな心配の眼です。こういう状況ははじめから想定できたことのような気がしますが、職員不足で万全に職員を配置できなかったのかもしれません。いずれにせよ、緊急対応でも一名の応援が加わりよかったと思います。
それにしてもこの制度。ぎりぎりになるまで制度の概要が固まっておらず、自治体としては本当に迷惑しているんです・・・というのが事実。議会でも何度か話題になっていたものの市側の答弁は「もう少ししないとはっきりしたことはわからない。」としか言いようがない状況が続いていたので。市に責任を追及しても仕方がなく、むなしい限り。
でも、最終的にめぐりめぐって誰が責任をとらなくてはいけないのかを突き詰めて考えたところには、有権者一人一人の存在が見え隠れしてしまい、結局は私たち自身の問題になるような気がしてならず、「知らなかったでは済まされない」ってこういうことなんだなと痛切に感じます。ちゃんと伝えないほうにも責任があるのだと思いますが・・・・。マスコミの報道一つとっても誤りではないけれど、正確ではない場合も多く、新聞・テレビ情報でいたずらに不安を煽り立てられた市民の方からの問合せも少なくないようです。・・・・今頃になって問題にするのではなく、もっともっと以前にこのことを取り上げて報道してくれたなら、状況は違っていたのかもしれないと思わずにはいられない今日この頃なのです。
投稿者 hisaka [福祉・医療・介護] | トラックバック
2008年01月29日
10年後の介護問題。
市民福祉情報オフィス・ハスカップが主催の「安心して利用できる介護保険を!」国会集会に参加しました。介護保険制度は2009年度に次期見直し時期を迎えます。それに先立って、地域で活動をしている市民団体の方々が現場で感じている課題、その実態を踏まえて発言をするというものでした。
介護保険制度は「施設から在宅へ」を謳い文句にスタートした制度。しかし、実態はほど遠いのが現状で、必要なサービスも財源不足・給付抑制の旗印の下で制限されてしまい、利用者が選択し納得のできるサービスが受けられていないとのこと。もう一度、制度の原点や本旨に立ち返ってもらいたいとの声が強く出されていました。法律そのもの云々の話は国政の現場で大いに議論してもらいたい。もちろん制度の在り様で地方自治体が右往左往することも事実なので、制度改正の状況をウオッチしていかねばなりませんが・・・・。
ところで、介護保険については「法律にのっとって粛々と取組んでいる。」という優等生な多摩市ですが、やはり地域主権やら地域の実情に沿ってとするならば、保険者として独自にできる対策があるのかないのかを考えることも必要でしょう。しかし、独自にやることについては絶えず付きまとう財源問題が悩みの種。
こんなとき、「議会」としての本来の役割が発揮できると望ましいですね。議会として独自の調査をし、多摩市に必要な対策を財源問題の克服も含めて議論できるとすれば理想です。(あくまでも理想にすぎないと言えてしまうのがなんとも悲しいところですが。)
私が今一番心配しているのは将来のこと。それは介護労働の担い手不足ということです。今、例えば地域で介護労働を担っている人材の顔ぶれを見てみると、女性が圧倒的に多い。そして団塊世代、それよりも少し年代の若い女性たちがほとんど。でも彼女たちの10年後・・・・・自ら介護が必要な状況になっていないとしても、今と同じように介護労働を担いきれるだけのマンパワーにはなりきれない可能性が大きいでしょう。誰しも年を重ねれば体力の限界と言う壁にぶつかるからです。では、そのかわりにマンパワーとして活躍できる人材が育っているでしょうか?私たちと同世代やそれよりも若い世代が介護労働の現場から離れていかざるを得ない状況もある。労働は厳しくて報酬は低い。「志」だけではやっていけないのが実情でしょう。そこで、報酬をもう少し引き上げれば、若い世代は介護労働に留まることができるのか・・・・?社会全体、さまざまな場面で人手不足が生じているときに、若い世代が介護労働を積極的に選択するのかどうかは疑問です。
10年後。団塊の世代がゴソッリと70歳代になっていくわけですね。そのときに介護問題はどうなっていくのか、、、、想像したくない現実があるわけですが、想像に難いとも言えず、人手不足や給付抑制の渦に巻き込まれ、「介護の社会化」とはかけ離れた状況を余儀なくされるのかもしれません。その時・・・・介護を担う家族の顔ぶれは?「仕事も育児も介護も」みたいな三重苦に立たされてしまう人が増えてしまうかも。そうならないために、何とか地域での人材確保や人材育成を進めておきたいものです。多摩市独自な対策を求めるにしては課題が大きすぎるのかなあ。
