2010年11月15日

学校給食センターへ

 民間委託化どうする?・・・と揺れている学校給食センターに伺いました。異物混入発生時の対応マニュアルが完成しています。危機管理マニュアルとするならば、異物混入だけではなく食中毒発生時への対応も含めた方がいいのではないかと呟いていたので、その声を採用してもらえたようです。しばらくしてからホームページにも掲載したいとのことでした。

 学校給食センターは10月からセンター長が交替しています。というよりか、センター長がその業務に専念できる人材配置となりました。今までは南野調理所所長とセンター長が兼任というかたちでした。阿部市長ならではの視点ですね。ちゃんと給食センターを運営しなければいけないと考えれば当然のかたちかと思います。・・・・で、センター長の人選は・・・・と言えば、ごみの減量化(有料化?!)の先頭で旗振り役をやってきた課長が新たに就任。「日本一を目指す!」とごみの減量に取り組んできた課長が異動するとのことで・・・学校給食センターも何か変わりそうだと予感はしていたのですが、やはり開口一番でのセンター長の姿勢は「日本一の学校給食を目指す!」と。そういう気合いで学校給食改革に取り組みたいとの意欲満々で、「毎日がとても充実していて楽しい!」と話をしているわけです。

  「民間委託前提」ということで、「いかに民間委託ができるのかを考えさせられる」センター長ではなく、「もう一度、学校給食のあり方、センター運営のあり方などなど全体を再構築すべし」との視点から改めて取り組み直しを行っている様子。「もっとできることはある。」ということで調理員の働き方のこと、長期休暇中に正規職員がすべき業務の見直しなど、昼休憩時間を使ってはを共に調理をしたその日の給食をいただきながら意見交換・意見交流を行っているようです。調理業務の民間委託をやめるとなれば、当然ながら「生き残り」をかけた業務内容の展開を進めていかなければなりません。例えば夏休み中には学校給食費未納金の回収をするとか、やれることはまだあるわけなので。


 午前中いっぱい、さまざま学校給食センターのこと、実際の献立内容などなどを含めて意見交換をしたのですが、体調いまいちな私も、せっかくのヒアリング時間をいただいてちょっぴり無理した訪問は・・・・センター長の元気に引きずられ、「やる気ってすごい!」とパワーをわけていただいた有意義な時間でした。アイデア満載でいろんな事を考えているらしいので、その一つ一つが具現化されていくのかと思うと・・・・「民間委託化してしまってはもったいない!」なんて気になりそう。


 でも、調理業務を本当に民間委託化することはできないのか、なぜ民間委託化してはいけないのか・・・・その主張をもう少し研究しなければならないし、仮にも民間委託化の選択を取りやめるとして、それにしても調理業務全体のコストの在り方を考えていくことも必要。「市民にいかに理解を得られるのか」最終的にはここに判断のポイントがあってしかるべきだろうなって思います。

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2010年10月29日

保育園に入れるかどうか・・・・。

 「仕事に復帰できるかどうか。」

 保育園に入れるかどうかにかかっているので何とかしてほしいとの相談をチラホラいただきます。他市の知人からも状況を聞かれたりしますが、需要が供給を喚起するとも言われるように、待機児解消への道筋は先が見えない感じです。多摩市でも特に0、1、2歳児へのニーズが高まっていて、新たに1園開設したり、古い園舎の建替えとともに定員増を図ったりと少しずつは受け入れ人数の拡大をしています。でも、その努力も報われないほどになっているのが現状です。他市などでは「土地が高い。」ということが保育園の新設のハードルを高くしているとも聞いています。やはり認可保育園の開設を望む市民の期待にこたえる環境整備に頭を悩ますところが多いのだとつくづく感じています。

 待機児解消の解決策について一体どこにその責任を求めればいいのか・・・との話になると、その責任主体もまた・・・自治体なのか、東京都なのか、国なのか・・・とその責任分担がいまいちはっきりしない点もあり、やはり国全体の方向性がシフトしていかなければ、財源がついていかなければ、自治体の動きも鈍化してしまうのは現実です。


 何とか国でもっと力を入れてもらわないと。幼稚園と保育園を一体化する云々の話もありますが、そのことの議論と並行して、現実的な対応を考えてもらわないと、せっかくの女性の労働力を無駄にすることにもなると話している知人もいます。


 さて、小田急永山駅のリニューアルオープンが目の前です。昨日もたまたま近くを通ったら、新たに出店するお店の関係者の方に道を尋ねられました。「楽しみです!」と言うと「ありがとうございます。」とさわやかに返答をいただいたのですが、駅が便利になるということはうれしいことだなあと思います。何しろ他の地域から降り立った人が、まず駅の雰囲気や整備状況で、我がまちの第一印象が決まると言っても過言ではありませんし。


 ということで、来月10日がオープンになるようですが、とても楽しみです。週末はお天気が崩れそうです。多摩センターでのハロウィンのイベントが今日から始まりますが・・・・。楽しみしていた子どもたちがちょっと残念ですね。早く台風が通過するか進路変更してくれればいいのですが。

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2010年10月25日

就学時健診@北諏訪小学校

 今日は就学時健診で北諏訪小学校に。今日の受診者はどうやら104名だったようです。104名全員がそのまま入学するとすれば・・・1クラス40人学級として計算しても3クラス編成になります。概ね35人学級ということになりそう。それでも随分と人数が多いなあと感じてしまいますが、私たちの頃はもう少し多かったか・・・・。

 就学時健診は健康診断が主ですが、一番最後の「面談」は保護者は待合室・・・・一体、子どもたちは「面談」と称して何をやっているのか?やらされているのか?と不安に・・・。これは付き添いの保護者誰しもがそう思うわけで、待合室に子どもが帰ってくると「ねぇ、何やったの?」「どうだった?」と尋ねる風景があちらこちらに。もちろん私も「どんなことやったの?」と尋ねましたが、「折り紙折ったりとか、車とか、お茶碗とか、眼鏡とか金魚とか・・・指したりした。でも、忘れちゃった。」と。

 とはいえ、終わったのちに出会った人には、聴力検査や視力検査のやり方を事細かに説明していました。聴力検査は高い音と低い音が聞こえたら、「はい」って手を挙げる、視力検査は保育園のやつは電気で映るのに、小学校のは画用紙に描いてあったとか。細かいところまでよくよく観察しているようでした。私が気になるのはこの時期の「アレルギー」。今日もばっちり耳鼻科と眼科で「アレルギー性」と診断名がついていました。私自身がアレルギー持ちではないので、その辛さがなかなか想像の域を超えなくて・・・・。「本当の痛みはその人にしか分からない。」とおっしゃっていた山田眞医師の話を思い出したところです。


 私・・・卒業生として、議員として小学校に入るのではなく、今日は来年度からの「保護者」として小学校の門をくぐりました。何となくいつもより、ちょっぴり緊張しました。保育園をの終わりが見えてきたこの時期に・・・・専ら、私の周囲にて・・・・今度は「学童クラブ」の話題が聞こえてくるようになりました。

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2010年10月19日

子どもたちが背負わされる社会のひずみ

 今日は大野さんと清瀬市へ。児童養護施設「子どもの家」の見学でした。閑静な住宅街の一角にあります。まだ戦後間もないころに、クリスチャンだった方が開設した場所なんだそう。広い土地をゆったり活用した施設に子どもたちが共同生活する建物がありました。

 施設長をされている大野紀代さんから施設の歴史や運営、そして保護されてくる子どもたちの状況など短い時間でしたが伺うことができました。

 その内容は文章に表現するのがとても難しいのですが、「すべてすべて弱い子どもたちのところへのしわ寄せになっている」と何度となく繰り返して強調なさっていた施設長さんからの言葉が印象的でした。傷ついた子どもたちへの対応は「一筋縄ではいかない」と一人ひとりの子どものケースを頭に思い浮かべながら言葉を噛みしめながらの話は全てが‘重たい’ということです。


 帰り際、大野さんと「我が身にも当てはめて考えてしまう。」と話をしたのですが、大人の気分で子どもに接してしまう場合も無きにしもあらずで、反省しなくちゃ~・・・・と。


 子どもたちの数は減っているのに、児童虐待件数は増えている。本当は救わなければいけない子どもたちがもっといるのに施設が足りない。施設を担う人材も不足をしている。こんな状況をちゃんと改善して欲しい・・・かねてから思っていて、願っているところです。特に、東京都は少子化だからと子どもたちの一時保護施設を閉鎖する方向できていますが、そのために一時保護施設はいつも定員オーバー状態で、本来は保護すべき子どもが保護されていない状況があるという話は実際です。多摩市だけでは解決できない問題、これをしっかりと都政やら国政やらと連携できたらいいのに・・・と。陳情しなくちゃ! 

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2010年10月18日

ヒューマンエラー・・・ゼロ?!

 今日は午前中に自殺予防のことについて市民の方にヒアリング。自殺大国と言われる日本で、自殺対策の必要性がますます指摘されています。最も生活に身近な自治体ができることは何かを考えていかねばならないと思います。「孤立化」「孤独化」・・・・相談する相手、心を開くことのできる存在、本音をこぼすことができて、話をとにかく聞いてくれる相棒・・・・一見、多くの人に囲まれているようでも、そうではない・・・苦しんでいる人が増えているように感じるという実際の自殺予防活動から見えている問題などを伺うことができました。

 ヒアリングが思った以上に長くなってしまったので、急いで市役所に。今日は教育委員会の傍聴をしたかったのです。なぜなら「学校給食の異物混入」に関して、危機管理マニュアルのことが協議されることになっていたため。傍聴席に入れなかったら大変とばかりに急いだにもかかわらず、傍聴者は私ともう一人(議員)の二人だけ。
 

 今日の教育委員会は先般終了した定例会の内容報告もありました。教育委員会に対する一般質問の内容と答弁なども報告されるのですが、私の一般質問についてはめっちゃ教育委員会に関することであったにも関わらず、見当たらず。きっと、一般質問で答弁を求めたい相手に「市長」を指名していたからでしょうね。内容としては唐木田図書館のこととか学校給食センターのことでしたが、教育委員会に今さら答弁求めたくないと思ったので、答弁者に指名をしたには「市長」だったことを思い出しました。しかし、はっきり言って学校給食配膳員などのことについては教育委員会の内容そのものだったんですけど・・・って傍聴席から補足発言したいくらいでした。


 さて、肝心の学校給食に関わる危機管理マニュアルの内容ですが、異物混入だけに特化した内容になっていて思わず目が点になりました。異物混入っていうのも危機管理のうちですが、それと同じくらいかもっと重要なことは食中毒に関すること。食中毒に関しては保健所への連絡云々と他機関との連携が必要になってくるわけで、こっちの件でもきちんとマニュアル等整備すべきだと思っていました(っていうか、通常は食中毒に関することの方が重視されていて、異物混入がメンイになっているのが珍事では?)。
 ですので、どなたか教育委員さん、例えばO157事件などが頭にあって、学校給食の衛生管理のことなどが頭にあれば「食中毒」などのことは?・・・・って話題に出すかなあと思ったのですが、誰一人としてここには触れず。
 文章上の「てにをは」に修正を求めるとか、あとは、「ヒューマンエラーを限りなくゼロに近づける」という表現に対し、「もともとはヒューマンエラーがないことが前提だから、最初からヒューマンエラーが起こることを念頭に置いた文章は再考したほうがいいのではないか。」とか・・・そんな意見でした。あとは警察への連絡も場合によってはと記載されていましたが、「事件性がある場合には警察への連絡は当たり前だから、そんなことマニュアルに書く必要がない」という意見も。
 
 私が頷けたのは・・・・「マニュアルなんだから、なるべくあいまいな表現は避けるべき。」というもの。どこの学校で発生しても、どんな場面で発生したとして、個別ケースでその都度その都度、対応方法が臨機応変にされると読み取れるような表現はさけるべきであり、「これにはこの対応」と誰が対応しても同じになるようにするのがマニュアル」と当たり前の意見をされた室瀬さん(公募市民委員)の発言。つまりは「マニュアルとして体をなしていない」とはっきり言ってしまえば、そんなご指摘だったと受け止めました。


 「確かにその通り。」


 悪気はないのだと思いますが、行政的な表現っていつもどんな場合にも臨機応変に対応できるようなものが多いような気がします。どう対応しても後から責められないようになっている感じかもしれません。「ヒューマンエラー」を責められないようにしているのかしら?!

 最後の室瀬さんの発言を聞いて、何となくすっきりした気分で傍聴を終えた私です。学校給食に関する危機管理マニュアルの件については食中毒については別途なのか、除外するのかも含めて後からどうするのか確認してみようと思います。どうやら、このマニュアルについてはパブリックコメントなどもなさそうですので。

 それから、今日の議題の一つに「第五次総合計画」のことがあり、計画策定の進捗状況の報告と教育委員会の所管事項に関する部分についてちょっとした意見交換もありました。何だか「てにをは」とか表記の仕方みたいなところが中心になっていて、本来的に教育委員会で活発に議論してもらいたい内容が議論されていない気がして残念。もしかしたら別途行われているのかもしれませんが、傍聴者が一番知りたくて、一番見たい場面にはなかなか立ち会えません。
 また、愛宕地域の小学校統廃合問題についてもちょっとした協議がありました。ついつい先だってまでは、2つの小学校を統合するだけでなく、新たな小学校を東愛宕中学校のところに持ってこようなんて意見もちらほら聞こえてきていたのですが、今日はその考え方に少しストップがかかりそうな予感がしそうな雰囲気に。「もしも、小中一貫ということも主眼に入れていくとしたら一大プロジェクトになる。」「そうなった場合には、教育委員会としてももっと時間をとって協議を進めていかなければならない。」
 

 なるほど・・・・何となく「牽制球」が投げられた気分。行け行けどんどんで進みそうなプロジェクトにはならなさそうです。こちらもまた、少しホッとしています。思いつきで進められることだけは避けたいですし、もし本当にそうするのであれば、もっと念入りな準備を進めていてほしいですし、その準備過程をきちんと議会などにも情報共有してもらいたいなと思います。

 視察に行った白山市から、早速に素敵な絵本が届きました。「子どもの権利」のことを我が家の6歳にもちゃんと伝えてみようと思います。まずは、伝える側の技量を磨かなくちゃ!と。

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2010年10月16日

[視察報告その1] 子どもの権利って何?

 2日間の視察を無事に終えました。

 まずは初日の石川県白山市。子どもの権利条例の制定について話を伺いました。白山市の子どもの権利条例の内容は「子どもの義務」を定めていないもので、個人的に条例文全体に好感を持っていました。条例策定については市長方針だったようですが、担当しているのは教育委員会の生涯学習課です。条例内容については全体の方向を子どもの権利条約に則していこうとの認識を一致したうえで実際の制定作業を進めたようです。


 「権利ばかり主張する子どもが発生しては困る。」


 一般的にはこんな視点から「子どもの権利条例」の制定に否定的な意見もあったり、または条例制定をするにしても「子どもの義務」をわざわざ定めてあるものもあります。でも、子どもの権利条約の内容がベースということで、制定過程では様々な議論もあったようですが、最終的には「この条例でいうところの権利に相対する義務はない」という判断のもとで、市民意見を上手く取り入れながら、そしてまた意見の異なる市民との協議を進めながら、最終的な条文完成へと至ったようです。


 条例の具体化のために「子どもの権利に関する行動計画」が策定されていて、具体的な施策展開を進めているようにも見えますが、実際には‘縦割り行政’に苦労を伴うところも多そうです。私たち視察団(?)との意見交換でも、例えば「次世代育成支援行動計画」との関係性がどうなっているのか?庁内全体の推進体制はどうなっているのか?などとの質問がありましたが、はっきりと整理されていたり、明確な推進体制そのものが庁内組織としては存在していなくて、課題の一つになっているような気もしました。もちろん他の自治体のことですし、十分につっこんで調査してみなければ見えてこないところもあるのかもしれませんが、担当者だけが孤軍奮闘しているような風にも見えたところは気のせいではなさそう。

 でも条例があって、行動計画が具体的に定まっていくという進め方については必要だと感じますし、そういう意味で「理念条例は無意味!」という声もありながらも、男女平等条例や子どもの権利条例を定める意義を再認識したような気もします。もちろん条例の中味にもよるわけで、一概に定めるべき!と主張することも控えたいと思いますが。


 白山市の素晴らしいのは・・・子どもの権利条例を普及させていこうと作成した絵本やDVD教材。DVDはインターネット・キッズページで見ることができます。絵本は・・・一冊だけ視察資料としていただいたのものは事務局へ。でも私、個人的にも欲しいなあとお願いをさせていただいて、後ほど送付していただくこととなりました。うちの年長児に一度、読み聞かせしてみたいなあと思っています。ちなみにDVDですが、私はまさに、主人公のけんちゃんのママのように・・・時に子どもの大事なボロボロになった折り紙の作品を捨てたりして・・・親子トラブルになっているのを反省しました。DVDの一番最後にはオリジナルの楽曲も。結構楽しめました。


 また、今年、白山市は地方自治と子ども施策シンポジウムを開催地に。近隣自治体での開催時には足を運ぶようにしていますが、今年の参加はもちろん難しいですね。


 改めて、「子どもの権利」。やっぱり基本は子どもの権利条約なんだと思います。権利ばかり主張する大人を育てることはできない!・・・なんて言わないで、一度・・・「子どもの権利条約」を学んでみませんか?・・・そんな呼びかけが必要な時期かもしれません。きっと大人たちの認識をまずは磨く必要があるでしょうね。私も含めて。

 美味しかった学校給食の話題については、また後日報告します。

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[視察報告その2] 選択できるスクールランチ

 視察2日目は・・・福井県越前市へ。合併前の武生市です。ITを活用して選択できるスクールランチ。実際に私たち視察団の昼食も伺った武生第二中学校にて。

 「持続可能で発展できる学校給食を目指す!」

 財政的な困難を乗り越えて、中学校にも学校給食を導入するための苦肉の策ではないかもしれませんが、民間委託にて実施している事例を見に行きました。「財政難を乗り越える=持続可能」になる点を否定していなかった教育委員会の担当者の姿勢は正直。でも、「小学校は自校式!」と言いきっていたところ、明確なる教育委員会というか市の方針が示されてすっきりです。もともとは中学校は弁当持参だったところに学校給食を導入してほしいという市民の要望をどうやって実現できるのか、財政的にも無理のない形として結論を導いてきたところに保護者、市民も納得しているようです。


 民間委託導入をただ単に行うのではなく、ITを駆使した「選択制」にすることが理解を得られたポイントのようですね。スクールランチの形式は①弁当②ランチルームメニュー③ランチボックスメニューです。武生第二中学校の場合にはランチルームが狭いため、生徒は一週間交代制でランチルームを活用します。ですのでランチルームを活用する週と教室活用する週とで選択できる内容も変わってきます。教室の場合はランチボックスメニューを選びます。事前に視察時に食べたい給食メニューを選ぶために、ホームページを見ていた際、なぜメニューが4種類でそのうち2種類がランチボックスなんだろう・・・と思っていた疑問はここで解消です。ランチルームが必ずしも利用できない場合もあるということですね。

 
 さて、スクールランチシステムですが、まさにお弁当ではなくて「給食メニュー」を選ぶ生徒が増えてくれたら事業としては成果あり。喫食率と言うらしいですが、これを上げることが担当者としての目標。食べてくれる生徒が増える、そのためにランチ内容を日々向上させる努力が必要となります。美味しさの追求はもちろんですが、事業者とともに献立内容も工夫をしているようなのでまさにパートナーシップということなのかしら?と思いながら伺っていました。日常的に何かあれば「伝言メモ」のようなものを活用しながら、意思疎通を図っているのだとか。調理場で、配膳するルームで・・・・気がついたことはすぐに報告がなされ、ランチメニューなどの改善に活かされていくそうです。例えばメニューによっては残さいが多かったとか・・・・。

 ちなみに喫食率は、民間事業者に対する委託金額の査定に大きく関係するために、まさに気が抜けない緊張感のある学校給食の調理業務と言えそうです。もちろん民間事業者のみならず、実際の発注側としての教育委員会だって同じくらい緊張感持たねばならないでしょう。


 食べ比べをしていないので、越前市の小学校給食と中学校給食を比較できなかった点は残念ですが、スクールランチに対する苦情など等はほとんど皆無。「何か苦情があるかと思ったけれど、全然耳に入ってきません。もしかしたら他にはどこかであるのかもしれませんが、教育委員会としては全く苦情を受け付けていないんです。これは本当です!」とのことでした。


 確かに、私たち一行はそれぞれお気に入りのメニューを選んでランチin武生第二中学校だったのですが、学校給食と思えば、まあ頷けない味ではなく、そしてまた、生徒たちも喜んでいる様子で、評判の良さを実感できました。ランチルームか教室かというのはどうやらクラス単位で決まっているようで、弁当ランチの子どもたちはランチルームにマイ弁当を持参し、給食ランチを食べている子どもたちとテーブルを囲みながらワイワイおしゃべりにも花が咲いていたのが印象的です。お弁当の日もあれば、スクールランチを選べる時もあり。選んだ分だけ集金されるシステムは前払い方式なので、給食費の滞納もありません。もちろん、何らかの理由でキャンセルした場合には返金処理もできるそうです。メニューについても事前に選択をしておきますが、3日前まで変更可能ということで、保護者にもやさしいシステム。一日の献立を考える家人にとっても、利用しやすいですね。

 中学校の校長先生の話によれば、子どもたちは教室で食べるときとランチルームで食べている時の表情が全然違うんですよ!とのエピソードは学校現場でもスクールランチが評価されていることを表しているように思いました。
 
 ランチルームには配膳する場所があって、イメージとしてはまるで学食。なので、配膳する方々と生徒たちは顔見知りの関係。配膳員さんは作り手ではありません(温めなどはやりますが)。でも、配膳員さんたちが子どもたちの顔を見れば、ご飯の量がわかる・・・というくらいの関係性になっていることは大事なことで、直接の作り手ではないかもしれませんが、作り手と子どもたちとの間をしっかりとつなぐ人になっていることは確かです。民間事業者は調理から配送、配膳と一連の流れを全て受託しています。ンチルームにいる配膳員さんは民間事業者に雇用されている方々です。

 それにしても、私はIT技術がこんな風に学校給食にも活用されているなんて・・・と、かなり目から鱗状態でした。「悪くはありません!」。とてもいいシステムだと思いました。


 もちろん・・・食育をどうやっていくのかについて言えば、スクールランチ方式での限界もありそうに思いましたが、何しろ豊かな自然が残り、見渡せば高いマンションなどはなく、美しい空と山並みが見える越前市の環境。子どもたちが食べているのは越前市産のお米。都会で求められている食教育の内容とは違います。


 私たちは帰り際にお土産をいただきました。武生第二中学校の生徒たちが丹精こめて作った黒米。そしてそのお米でつくったおかき。今週の一枚に掲載したいと思います。

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2010年09月20日

【今週の1枚】たくましくなって欲しい!

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 今日から・・・うちの娘はビーバー隊に。たまたま知人を通じて知り合った活動です。ボーイスカウトと一口に言っても、実は年齢ごとに区分があって、年長さんから小学校2年生まではビーバースカウト、それが終わったらカブスカウト、そしてその後ボーイスカウトという風に進級していくようです。

 ガールスカウトというのもありますが、うちにはスカートをはく活動よりもこちらのほうが性分に合って、お似合い!ということで入隊させていただくことになりました。子どもが小学校になると、色々とママ活動も忙しくなりそう。色んな活動に参加するともなれば送迎が必要ですし。何はともあれ、子どもが体力を持てあますことない休日の過ごし方を考えている私です。親子ともにちょっぴりした入隊式でした。新しい仲間にも囲まれて、今後が楽しみ!


 何と言っても、しっかりと上下関係を身につけてほしいものです。これが親としては最も望むところでもあります。 

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2010年06月04日

多摩市にも相談支援ファイル!

 発達障害者支援法、特別支援教育・・・・ずっと追ってきたテーマです。就学前の療育施設であるひまわり教室も7月になれば、民間委託をしてから1年が経過します。そして、発達支援室も本格稼働してから1年。子どもの育ちに途切れのなく支援できる体制づくりを進める上では、前市長時代からの重点事項でおそらく今も引き継がれていると思います。一人ひとりの子どもたちの個に寄りそった対応というのは人手もいればお金もかかる・・・でも、未来への投資でもあり、「育ちの支援」は何よりも重要だと考えています。

 そんな中で、私が色々と情報収集をしていて、今後多摩市で真っ先に導入してもらいたいのは5歳児健診。5歳児検診の有効性、実施効果は既に検証されていること。実は東京都医師会では5歳児検診に取り組んでいて、昨年は研修会も実施しています。


 

都医師会は5月から、発達障害の有無を見極める5歳児健診を始める。集団生活になじめず「困った子」にされがちな発達障害に、親や保育士が早期に気づき、適切な対応を取るのが目的。5歳児健診は鳥取県や東京都目黒区など一部自治体が行っているものの、医師会が独自で取り組むのは珍しい。初年度は都内の小児科など約100カ所で受け付け、「発達に不安がある」との訴えがあれば、無料で健診する。

 健診では「落ち着きがない」「一人で遊ぶことが多い」など25項目のアンケートに親と幼稚園・保育園の担任が回答し、片足跳びやしりとりをさせて調べる。都医師会が08年、試験的に健診を実施したところ236人が受診、10人が発達障害と診断された。診断後は、子ども支援センターなど専門的なケアができる施設も紹介する。

 集団生活の苦手な発達障害児は怒られることも多く自尊心を失いがちで、いじめや不登校につながりやすいともされる。都医師会理事の松平隆光医師(小児科)は「なるべく早く親が気づき、しからずほめて対応を変えれば子どもは変わる」と早期発見の重要性を指摘する。


 以上は先月の毎日新聞での報道ですが、都医師会の下部組織でもある我がまち・・・多摩市医師会ではどんな取り組みを進めようとしているのでしょう?・・・動きがなかなか見えないので、定年退職と同時に医師会の事務局に再就職した前市議会の事務局長に問合せをしてみました。・・・・でも、まだ23区中心の取り組みで、多摩市での動きはなさそう。。。。残念。これは医師会にも協力を得るべく働きかけを進めなければなりません。

 というわけで、今日は市役所に行き、資料整理やら情報収集をしていたのですが、教育委員会の方にお会いしたら「相談支援ファイル」のご紹介をいただきました。まだ本格導入ではなく試行実施ということでこの4月から取り組みをスタートさせたようですが、使用してくださっている方からはなかなか好評だとか。相談支援ファイルのことについては、調布市の子ども発達センターに行き、「i-ファイル」に出会い、これを大いに参考にできると紹介もしてきたところ。特に調布の事例で参考になるところは、バインダー方式になっているため、保護者が必要だと思える情報をファイリングして置くことができる点。このことについては多摩市の支援ファイルにも活かされています。子どもの育ちのさまざまな不安や心配事含めて記録し、それを関係機関などと情報共有するツールが相談支援ファイル。「相談支援ファイル」という名前はお固いので、やっぱり調布のように「i-ファイル」という別名をつけてもいいかもしれません。これは母子手帳と同じように全ての子どもに一人一冊になることが望ましいと思っています。今後のさらなる取り組みに期待します!

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2010年01月19日

坪井節子さんの講演

 今日は午前中は議会基本条例について世話人会(委員長・副委員長・議会運営委員会委員長)と議会事務局との意見交換。条例が施行された場合、実際には実務の多くを事務局にサポートしてもらわねばならず、そのことを思えば・・・・事務局が現時点で憂慮すべきこと、危惧すること等々を予めヒアリングしておくことは必要。そして、できる限りでその不安解消に善処すべき。

 しかし、取るに足りない不安ではないかと思えるようなことまでを想定し、そこにも対応できるようにルールを構築していく技術は巧妙です。「ああ、お役人の発想ってこういうことか・・・・」と学びながら諸調整を進めることになりそうです。

 今後、条例を即運用していくための施行規則などをつくる必要があり、そちらを急がねばなりません。議会報告会や市民政策提案、委員会における市民の発言の取り扱いをどうするのかなどルールがなければ実践につなげていけないからです。とりあえず議会改革特別委員会では施行規則など骨子をまとめて、続きは代表者会議もしくは議会運営委員会に委ねていくことになります。


 ・・・・そうなると、私たち民主党TAMAはオブザーバー・・・・・何とか4月の補欠選挙で1議席を確保し、代表者会議や議会運営委員会の正式メンバーに加わっていかねばと思います。


 さて、今日は午後から世田谷区の子育て講演会に足を運びました。講師は坪井節子さん。弁護士です。彼女はカリヨン子どもセンターの理事長。児童虐待の問題などを調べていたときに、ぜひ一度話を伺いたいと思っていた人物です。この機会は外せないと思い、ちょっと無理して出かけてきました。彼女の講演内容は・・・集約をすれば文部科学省のインタビューにも掲載されているとおりなのですが、やっぱり実際にお会いしてお話を伺うと迫力が全然違う。彼女が応対してきた数多くの実例事例を踏まえて、「生まれてきたことを悔やむ子どもがいなくなるようにすること」が目標という力強く明確な決意がずしんと胸に響く講演でした。

 人権というのは人間の尊厳を守るための権利。彼女は経験の中から下記の3つのことを挙げていました。

「生まれてきてよかったね。ありのままのあなたが生きていていいんだよ。」
 「ひとりぼっちじゃないんだよ。一緒に歩いてくれる人がいるよ。」
 「あなたの人生は誰も代わってあげられない。あなたが歩くんだよ。」

 
 というわけで、今日の講演会の話を我が子5歳に話をしたところ・・・「ママ、私は抱っこしてもらいたいけど」と言っていました。


 子どもの人権救済活動を通じて「何も出来ないことがよくわかった。」、子どもたち一人ひとりの状況がどれも壮絶過ぎて対応するマニュアルがないこと・・・その時、支援をする大人たちが「解決してあげよう」「回答をしてあげないといけない」・・・・そんな呪縛から解き放たれ、「人生を解決してあげることはできない。せめてできることは生きていて欲しいと願うこと。」、大人が子どもに対して謙虚に向き合わなければいけないといことを何度も強調されていました。


 「初めから犯罪者になるために生まれてきたわけではない。」


 考えてもみればわかることですが、その考えをしっかり胸に人と向き合っていくこと・・・ものすごく精神力がいることだと思います。苦しんでいる子どもたちがいる。誰かを標的にし、いじめの対象にすることでストレスを発散させている子どもだって被害者。そこを見て見ぬふりをする大人や教師たちが実際に存在していること(もちろんそうではない人もたくさんいると思いますが)・・・・どこか社会全体が傷んでいるわけですが、その傷口がどこにあるのかがわからない・・・・でもそんな状況でもとにかく自分のできることを少しずつでも取り組んでいくことが大事で必要なことだと思うのでした。


 「夢は叶えなくっちゃ。だから夢を持って、そこに向かって大人も進んでいかなければならないと思います。」


 と最後に坪井さん。彼女は帰る場所がない、行き場所がない子どもたちのために日本で初めてシェルターをつくり、そして自立支援ホームもつくってきた・・・次なる夢は?・・・・夢の中身までは披露されなかったものの、子どものみならず、「すべての人に居場所」をつくるために走り続けていくのでしょう。私も大いに励まされました。


 ぜひ、カリヨン子どもセンターの活動にご協力、ご支援ください!

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2010年01月12日

給食センターへの視察

 子ども教育常任委員会で給食センターを訪問し、調理作業の見学、現場で仕事をしている調理員さんからのヒアリング(と言っても30分くらい)、今日の給食の試食をしました。

 給食メニューは菜飯、ゆば入スープ、筑前煮、栗きんとんに牛乳・・・新学期明けて、初めての給食ということでお正月献立になっていたようです。一緒にいただいた委員会メンバーは皆・・・「おいしい!」と感想を述べていましたが、私としては自分に合わせれば味が濃いと思いましたが「おいしい」とは思いました。それにしても毎日もれなく牛乳というのはいただけないことです。献立は摂取カロリーにより調製されているようで、牛乳は手軽なカロリー調整機能を果たしているのかもしれませんが、今日のメニューには絶対にあいません。

 さて、調理作業の見学は午前10時半過ぎから30分くらい。ちょうど野菜その他「下処理」と呼ばれる行程(素材を洗ったり、切ったりなどの下準備)を終えて、既に本日メニューの筑前煮は各学校各クラスの食管に分けられているところでもありました。大きな窯はボイラーを焚いて、蒸気の強弱によって温度を調節して、煮炊き、炒めるなどが行われていました。揚げ物のラインも稼働しているようでしたが、そちらの様子は見学デッキからはよく見えずに残念。揚げ物のところではピンク色のエプロンを着用している職員が作業をしていました(その他は白エプロン)。ピンクエプロンは生ものを扱っている人という区別があるそう。
 ちなみに調理作業というのは毎日毎朝のミーティングにより、献立のメニューごとに班編成されいます。男性調理員中心にしながら、女性調理員がヘルプに入るという感じです。それもその通り、かなりの重労働なので男性でなければ辛そう・・・・何と言ったって例えば一気に1000人分の筑前煮を作るということで、混ぜたりするのは大変そう!はっきりいって男性がいなければ成り立たない現場。


 議員全員が調理業務を見学し終えた後で・・・・調理員の方(正規職員)との意見交換。ぜひ、現場の方とのやりとりもできたら・・・ということでセンター長が場を設定してくださいました。休憩前の短い時間でしたが、議員側からの質問・・・調理員さんたちの回答ということで数件のやり取り。調理員さん側から「この話し合いは民間委託を前提としているものなんですか?」という問いがありましたが、もちろんそれについては「そういうわけではなくて現場の実態を掴むというのが今日の目的。」と委員長が回答・・・・しかし、おそらくこんなかたちで議員が給食センターを訪問するなんてことも初めてだったと思うので緊張感漂うなかでの意見交換は対決風でもありました・・・・。

 調理員さんからは「退職不補充で正規職員が減っているので一人が二人分三人分と仕事をしなければいけないから大変」「特に食器が強化磁器食器に変わってから(重くなり)、さらなる重労働になり体に不具合を抱えている人が多い(職員の加齢にも伴っている)」「衛生面とかについて民間業者に任せると心配」「民間業者に任せた場合には作業員の入れ替わりが激しいとも聞いている」「民間業者は利益追求なので、現在やっている丁寧な衛生管理などができない可能性もある」などという意見が出されました。

 私としては①現在の作業において正規職員の方とそうではない方での役割分担や作業に違いがあるのか、②市民感覚に照らしていえば調理作業を高給な公務員が行っていることに批判があると思うが、その批判に対して現場としてはどう説明し、答えることができますか

 という2点をまずは伺いました。①については仕事の違いはほぼないとの回答があり、しかし、調理作業については正規以外の職員は女性なのでどうしても重労働を担うのは男性にならざるを得ないし、女性は補助的な仕事になってしまうという説明でした。下処理などについてはほぼ同じように作業を進めているとか。②については「公務員ならでは」という部分で何か回答があるかなと思ったのですが、「衛生管理などでは公務員だから徹底できる」というニュアンスの回答でした。

 「いい食材を選んで、いい給食を提供したい!」・・・現在は早朝の検品(野菜その他の納品チェック)にも調理員3名が参加をしており、その際、悪い素材は返品もしているとのこと。目視チェックにも経験が必要だとの話もありました。仮にも民間業者に委託された場合にはこの検品作業が甘くなるのではないかという危惧も述べられていました(・・・・・でも、食材の購入に関しては絶対に行政で責任を持つというのが原稿の説明なんだけど)。

 給食センターの調理業務の民間委託は偽装請負にあたるという指摘もある中で、そのことを声高に主張されている方からは「現場のチームワーク」(栄養士と調理員)の大切さを確認する質問もありました。


 でも、あまりの短時間で十分なる意見交換までにはいかなかったのですが、何となく現場の雰囲気は理解できたような気がします。民間への調理業務の委託に関しては戦々恐々としているような感じでした。

 意見交換が終わって立ち上がった時、私のそばに座っておられた調理員さんに「みんなとにかく安全で安心な給食、おいしい給食をつくりたい!と思ってみんなで頑張っています。ぜひ、そこを理解していただけたらうれしいです!」と声をかけていただきました。もちろん、私もそのことは感じました。調理員の方のみならず、私たち議員もみな同じ思いでこれからも子どもたちの学校給食を継続していきたいと思っています。その思いはきっと同じ。

 委員会としては給食を試食したのちは解散したので、その後の意見交換は十分にできませんでしたが、今回の視察を経て、私たち議会がこれからどう考えているのかが問われている。次回26日に開催される委員会で議論される予定です。


 ぜひ、給食センターの一部業務委託化(調理作業・洗浄作業・配送)に関し、ご意見のある方はお寄せください!

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2009年11月16日

「あってよかった」・・・って思える場所に。

 今日は午前中は子ども教育常任委員会のメンバーが集まり、教育委員会の方々と意見交換会をしました。意見交換というか教育委員会における学校統廃合に関わる一連の動きについてメンバー全員で状況把握をしようということでヒアリング。特に多摩第二小学校の統合に関して、現在進んでいる校舎建替えのこと、それから旧竜ヶ峰小学校区から多摩第二小学校への通学路に該当する中和田通りの整備にあたり現況と今後の進捗状況を確認しました。中和田通りの整備については今のところ歩道整備等完了するめどが平成28年度というので・・・・西暦にしたら2016年度ということですね。「うわっ、ものすごい先だ。再来年4月に入学する子どもたちが6年生になった時だ!なんて思ったわけです。(ちなみに、これってうちの子が入学して卒業するタイミング!・・・っていうことなので、感覚的にすごく先のことという気がしてならないんです。)

 とりあえず、委員会メンバーとしては同じ場で同じ情報を共有し、これからどうやっていくのかは話し合いは今後なのですが、全員で一つの方向性を模索していくというのは大層難しいことと言う気がしてなりません。もともとこの議論の出発点は「学校の一定規模・適正配置」に端を発していると受け止めていますが、これに真っ向から対立する意見が存在している状態で、双方見解をすり合わせていくことに非常に困難極めると思っています。


 「議会としての見解」を打ち出したい!・・・これが議会改革やら議会基本条例制定を掲げる多摩市議会の大いなる目標なので、教育委員会が唸るような「議会としての結論」やら「議会見解」を出せるといいのですが・・・・。(うーん・・・難しい。)


 今日はこのヒアリングが終わった後、次の予定に移動するまでに約1時間半。これはということで美容院に駆け込んでしまいました。ロングを目指そうかと思ったのですが、やっぱりいつもと同じく・・断念。髪の毛切ったらさっぱり。(何よりも格段に違うのが洗髪時間。大幅短縮できることを改めて実感しました。)


 
 で、超特急で美容院を後にした私が向かったのは、「子育て総合センター」内にある子ども家庭支援センター。今度の一般質問で取り上げようと思っている「児童虐待」に関してのヒアリングをしました。いろいろなことを思いついたり、いろんな方の話を伺ってまだまだ整理できていない事項が多くて、頭の中がバラバラと混乱混戦状況。無理難題を突き付けるのではなく、現況を踏まえて「提案して‘無理なく’実現に一歩近づけること」がどんなことであるのかを考えていきたいなと思っています。それにしても市立幼稚園を廃止し、新たに立ち上げた子育て総合センターなんですが、「あってよかった」と感じられる場所にどうやって発展していけるのかがポイントのような気がします。
 議会内でも「費用対効果」がよくよく話題に上るわけですが、市立幼稚園廃止の経過の中で議論されてきたことを踏まえればなおさらそのことが問われる気がします。それからここに子ども家庭支援センター、ファミリーサポートセンター、大学連携での子育て広場、リフレッシュ一時保育を集結させたことの意味と意義と価値をどうやって活かしていけるのか・・・その展開が見えるようで見えないところに不安入り混じった期待感が膨らんで仕方ないのです・・・私。なので、いろいろなことを提案もしたくなるわけですが、そこはしばらくそっと見守ることも必要かもしれませんね。

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2009年11月12日

子ども支援は子どものために。

 寒くて冷たい一日でした。昨日は一日中雨が降ったわけですが、また明日も一日雨予報です。

 今日は午前中は民主党TAMAの会議でした。地域での活動のことや来年の選挙のことが主な議題。来年の選挙と言えば市のホームページにも公表されましたが、市長選挙と現段階では2議席の市議補欠選挙は4月4日告示で11日が投票日になるようです。

 お昼休みもなく、めいっぱい会議をしてから、発達支援室を訪問。7月から本格的にスタートした発達支援室(市長も強い思い入れ)。まだまだ軌道に乗って十分とは言えない状況かもしれませんが、それでも担当は日々の努力・奮闘をしているので応援しないわけにはいきません。町田市や日野市からも発達支援室のことには問い合わせもあるようです。都内で発達支援室の設置は先進的なのでモデルになれるようにと思います。
 「気軽に相談できる場所」として発達支援室が頼りになる場所になってほしいと思います。まだ7月から考えても日も浅いですが、これからもっともっとその存在意義が発揮されていくことと考えていますし、そうなるように頑張ってもらいたいと思うものです。滋賀県の湖南市の発達支援室を視察した5年前のことを思い出しますが、やはりそこにかかわる「人」が重要。行政の活動と言っても単なる事務作業をマニュアルどおりにこなしていれば事足りるわけではありません。将来にきちんとつなぎ、発展させる活動をするためにも人材育成の視点は不可欠です。今後の課題の一つです。
 発達支援室がよりよい活動を展開していくためにはどうすればいいのか、考えてみたいと思っています。


 さて、その後・・・私は調布市の子ども発達センターの見学とヒアリングに行きました。先日オープンしたばかりの新しい施設です。工事費が約6.6憶円とのこと。とにかく施設が立派で驚きました。調布市の子ども発達センター設立の経緯はホームページにも詳しいわけですが、療育事業を展開していたあゆみ学園(多摩市でいうところの「ひまわり教室」→発達支援室の事業)をリ・スタートさせた格好になります。まさに多摩市と同じく・・・ひまわり教室はこの7月から正夢の会への民間委託となりましたが、調布市も療育事業部門を子ども発達センター内に新たに組み込み、10月の施設開所と同時に調布市社会福祉事業団に委託をしました(決定過程の情報もすべて情報公開してあるのは見習いたいもの)。外郭団体風ですね。。。。完全な民間とは思えないわけですが、調布市の場合は当該社会福祉事業団が子ども家庭支援センターも受託していたりして、そういう意味では調布には調布のやり方進め方、歴史があるんだなあと思いながら話を伺いました。
 
 相談事業は直営で、そして療育事業=通園部門の民間で・・・ここは多摩市と同様ですね。民間委託化に関しては保護者の間からも不安があるので、引き継ぎなどには細心の配慮をしながら進めているとの話でした。

 調布市には調布のやり方進め方、歴史がある・・・ということでいえば、子ども発達支援センター内には「乳幼児発達課」が設置されているのですが、ここに働く職員の数を聞いてこれまたびっくり。全部で21名の職員が・・・・。もともとの療育事業あゆみ学園を担っていた職員さんがおられたのだろうと思いますが、事務職4名(課長含む)、看護師1名、作業療法士1名、言語聴覚士1名、それから児童指導員と保育士が14名。それとは別に児童精神科医1名、小児科医1名、整形外科医1名の嘱託医さん、言語聴覚士、理学療法士、臨床心理士、作業療法士、音楽療法士にスーパーバイザーの先生がそれぞれ1名ずつ、そして療育補助員が10名・・・・恐るべし人員体制ですね。通園事業部門の定員も50名となっているわけですが、恐れ入りました・・・という感じでした。
 おそらくあゆみ学園そのものの歴史の積み重ねがあるからだと思いますが、子ども発達センターをスタートさせて待機児を解消したとおっしゃっていましたが、療育が必要な子どもにも待機児が発生していて55名もいたのだとか。子ども発達支援センターがオープンし、ようやくこの待機児はひとまず解消できたとの話でした(でもこれからますます需要が増えるとの予測は多摩市と同じ。)。


 今後の方向性としては、通園事業については法内化(国の法律に則って設置されている施設)を目指し、児童デイサービスにしていくとの話。これについては既に合意されている事項だとのこと。利用者である子どもたち、通園児の保護者は「利用料金を負担してでも子どもたちのためによりよい施設づくりをしてもらいたい。」ということで、法内施設になることで利用料金1割負担が発生しますが、それについての反対の声は上がらなかったと聞きました。
 多摩市のひまわり教室についても、児童デイサービスの方向を目指すのかどうか検討事項だと思っています。療育を必要としている子どもたち・・・潜在的にはとても多いはず。調布市の場合には幼稚園、保育園との並行して療育にも通園することを認めているそうです(なので待機児も多くなるのですね)が、発達の気になる子どもたちへのケアに対する社会の理解が進んでいけば、それだけニーズが増えていくこと間違いなしです。ひまわり教室の定員20名についてもその拡大が求められているようにも感じています。


 「子どもの育ちに途切れのない支援を」


 調布市の担当課長さんもおっしゃっていた言葉でした。子ども支援は子どものために。子どもたち一人ひとりの未来・・・・人生がそれこそ謳歌できるように「今、しなければならないこと」・・・・希望格差なんて言葉が聞こえなくなるような社会にしていきたいものです。

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2009年11月04日

多くの期待と注目を集めて☆子育て総合センターオープン!

 昨日は子育て総合センターのオープニングイベント。玄関を一歩出ると身にしみるような寒さ・・・。お天気は良くても・・・とても冷たい風に「肌荒れ対策しないと。」と秋の終わりと冬の到来をひしひしと感じたのでした。(って早すぎますか?)


 さて、オープニングイベントの目玉は何と言っても「風のなかで-むしのいのち くさのいのち もののいのち-」の上映。「おすすめだから、絶対に見てね!」との噂を聞いていたので楽しみにしていました。


 内容を説明するのは簡単なようで難しいわけですが、とにかく「ぜひ!見てもらいたいドキュメンタリー」なのです。子どもの可能性を摘み取らないってこういうことなんだな!ってしみじみと教えられた映画。ドキュメンタリーの冒頭から・・・園児がマッチに火をつける姿があり・・・私はそれだけで驚愕!その後には‘のこぎり’まで登場してしまい、子どもたちが何と上手に使うことか・・・!子どもの姿に吸い込まれていきました。このドキュメンタリーの舞台は杉並区の中瀬幼稚園。上映後に多摩市でも人気のある保育園の園長さんが「理想的な保育。自分も目指してやってきたけれど、まだまだ及ばない!」とおっしゃるほど。ちなみに市長は・・・・?コメントを求められていましたが「多摩市でも目指していきたい!」というような力強く勇気づけられるような言葉ではなく、、、、「きっと岡先生(大妻女子大学の先生)は、ここでこのようなことをやりたいと思っていらっしゃるのでしょうね!」などと傍観者的なお言葉を。

 ここ・・・多摩市の子育て総合支援センターは大妻女子大学とのパートナーシップで運営されていくわけなんですが、思いだせば苦渋の選択で市立幼稚園を廃止してまでも新たなニーズにこたえる必要があるという強い信念を貫いたのが渡辺市長。なのに、「思い入れの強さ」を感じられないような一言の感想に正直私は気が抜けました。

 私はニュージーランドのプレイセンターではありませんが、そのシステムを丸ごとそっくりそのまま・・・というわけにはいかなくても、国分寺のプレイセンター・ピカソのように、"Families growing together" 家族が一緒に成長する子育てをサポートしていけるような場所になってほしいという思いがあります。
 それから、子育て人材育成の拠点にもなっていくということで、既に開所記念研修の計画もあるようですが、ここでの研修がどう多摩市内全体に波及効果を広げていくのか・・・ってことまできちんと視野に入れながら進めて欲しいなという期待があります。


 「子ども そして わたしたちの未来 のびやかに今を生き たおやかにつながり 支えあうまち 多摩」


 これが「多摩市子育て・子育ち・こどもプラン」=多摩市次世代育成支援地域行動計画の基本理念です。


 映画の話に戻せば・・・・映画評論家の佐藤忠男さんの「見て愕然とする映画」とのコメントにすべてが凝縮されているように、まさに「のびやかに今を生き、たおやかにつながり、支え合う」子どもたちの純粋な姿がありました。

 というわけで、子育て総合センターには期待されるものも大きいですし、注目もされる場所になると思っていますが、フィンランドの「ネウボラ」のように出生前からこの場所が活用されるようになるともっといいのになあと個人的には感じています。健康センターとの連携を密にとりながら運営されていくのかとは思いますが、いかんせん・・・・母子保健分野は健康福祉部に所属をしていることを考えるとある意味では「縦割り行政」になってしまったり、そうせざるを得ないところも実際にはあるのではないかと・・・これは私の単なる邪推?
 どんな連携が進んでいくのかにも要注目です。「子育て総合センター」ということですから!


 いずれにせよ、新たなニーズに対応する拠点としてわざわざ条例設置した施設ですから、しっかりと機能を果たせるようにしてもらいたいですね。きっとそうなることと思っているわけですが、何となく手探り状態でスタートしているのではないかと感ずる部分もあって心配もしています。

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2009年10月28日

これでいいの・・・って思わせてしまう会議。

 学校給食センター運営委員会を傍聴しました。今日は給食センターの運営手法について「一部民間委託」という方向性が決定するのではないか・・・とも言われていました。

 さぞかし活発に委員間の意見交換があるのだろうと思いながら傍聴をしました。でも、意見交換というのはなかなか難しいのか、「一部は民間委託をしていく方向」ということを前提として議論が進んでいるように見受けられました。そして最後は会長が「それでは・・・そろそろ委員会としても最終的な判断を下していかなければいけない時期で・・・・。」と議論を取り纏め。


 「では、委員会としては一部民間委託の方向性については是とするということでよろしいでしょうか。」

 「・・・・・・・・・・」

 ・・・・えっ、誰か今・・・・なんか反応したの?!

 という状況で、静かに頷いていた人はいた・・・頷きかけていたけれど、あれは首をかしげたかっただけかもしれない・・・・と傍聴席から様子を眺めていた私にも何となく‘みょーな雰囲気’感じたのですが、結局は強力な反対意見もなければ、力強く一部民間委託の方策を進めたいとする声もなく・・・無反応と言えば無反応だけれど会長の取り纏め方には異論も出ずに・・・。


 「では、(ご意見などないようですし)そのような方向で委員会としては決定していきたいと思います。」


 以上・・・終了。


 傍聴を終えた感想として「あれで、決まっちゃったの?!」みたいな、場を疑うような声。でも、私も「きつねに包まれた風」気分で、運営委員会が会長の問いかけに対し「はい。」「了解。」「それでいいです。」等などと言わない間に「ではその方向で・・・・・」なんて、本当にそれで大丈夫?!なんて思ってしまったのでした。


 決まったことの内容ではなく、「あんなんで決まってしまっていいの?!」というような委員会の進行に対する疑問、不信感さえ生まれてしまうような。

 事務局的には段取り的にもスムーズに・・・予定のところまで決まったということでOKだったのかもしれませんが、傍聴席は重苦しい気持ちでした。「これでいいの?!」「こんな会議の進め方で大丈夫なの?!」という感想を持たずにはいられなかったことが私にとってはかなりショッキングでした。


 今後の委員会で一部民間委託をするといっても、どの作業工程を民間委託するのか(調理業務を中心としてということが言われているが)を詳細議論するみたいですが、今日わかったことは以下のこと。

 2センターは一方が直営で、一方が一部民間委託による運営にかわる。今のところ教育委員会サイドは学期ごとに交互にしていこうと考えているみたい。例えば、1学期が直営調理給食なら2学期は民間調理給食で、また3学期は直営調理給食・・・みたいな感じにしたいと思っているみたい。

 これについては「どうしてそんなことをするのか?」という疑問の声も。調理をするということだけを考えれば、直営調理給食も民間調理給食も献立と調理のための指示、作業工程書がしっかりと作成されていれば同質に給食が調理されるはずで、そうなければおかしいし、違いが生じてはいけないものだ!という指摘もありました。

 詳細は今後さらに詰めていくでしょうから、明らかになるのかもしれませんが、確かに・・・・・純粋に「調理作業・業務」だけを任せるのであれば、担う主体が行政であれ、民間であれ・・・・きちんと職務を遂行すれば結果が同じようになると考えるのは自然ですね。

 学校給食センターの今後の運営手法のことについては再考してほしいという声も届いています。議会に陳情を・・・と署名活動の動きも。


 「安全で安心の給食」・・・これをどうやって維持していけるのか。本当は「自校方式」が望ましいわけで、そこから議論できたらいいけれど、もはやそんな状態ではなく。先述のとおり、直営調理でも民間調理でも「調理業務のみ」ということだけで違いが生じるはずがない・・・と指摘されていた学識者である委員の先生は・・・・「センター方式というのはもともと献立にも限界がある。」とおっしゃっていた。「料理長などの力量一つ」でメニューなどが激変するという話はあっても・・・それはセンター給食には当てはまらないと。

 以前に「学校給食センターは学校給食調理工場」ということを言っていた人の話を聞いたときに‘言い得て妙’と感じたことをしみじみと思い出すのでした。

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2009年10月23日

学力向上シンポジウム

 今年で4回目になる学力向上シンポジウムに参加しました。市内小中学校から毎年5校、6校ずつくらい取り組みの発表をする場です。私、4回とも参加していますが、それぞれの学校がそれぞれに奮闘していることが伝わるので意義ある場だと思っています。保護者や地域の市民への呼びかけもしていますが、参加者は残念ながら学校関係者(先生方)が中心と言うところが少し残念なところ。

 今回の発表は「言語活動」の取り組みが中心でした。子どもたちの表現力の低下、伝える力不足への指摘、またそれとともに感情のコントロールの問題は社会的にも指摘されるところ。そしてまた、これらに必要な言語力というのは「読み・書き」・・・学力の基礎基本にも欠かせないものとなってくるのです。言葉を読み解く力がなければ理解、納得に結びつかないのは当然のことですね。「言語活動」に関する発表したのは南貝取小学校、諏訪小学校と鶴牧中学校でしたが、特に南貝取小学校の「アサーショントレーニング」により対人コミュニケーション力を磨く取り組みは興味深かったです。実際に授業の現場を見てみたいと思いました。一度きりの見学では「ふーん」と頷いて終わってしまいそうですが、一年を通じて見ていくことで子どもたちの変化、成長ぶりが感じられるのでしょうね。

 それにしても、この学力シンポジウムなんですが本当は事例発表の後で質疑応答ができるといいななんて思いますが、第二部の記念講演(今回は「共育力」についてベネッセの研究員の先生が講師)についても質疑応答がなく終わってしまうのです。時間がないのか、仮に質疑応答の時間を確保しても「質疑なし」というお寒く冷ややかな状況になりそうだから確保することを避けているのかはわかりませんが・・・・。でも、一般参加者(保護者など)が増えたなら、「質疑応答したい!」という要望が増えそう。
 参加者の多くは先生方なので教育委員長、教育委員、もちろん教育長に部長も・・・管理職ずらりと参加している場で質疑応答するには相当なる勇気が必要なんだろうな。たぶん、質疑応答がないのは「お寒い」ことが想定されるからかな?なんて勝手に思いながら帰路についたのでした。


 それにしても、記念講演で指摘をされていたけれど「学校での授業が将来に役立ちそうにない」と考えている子どもたちが増加傾向なんて・・・・。その理由は先生たちの授業力だけの問題ではないのかもしれない・・・って私は思いました。
 「一見無駄そうに見えることも無駄にはならない。」とか「役立たないことってないよ。役立たないということを学ぶのだって勉強。」そんな風に私はいつも考えるように教えられてきたので。

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2009年10月19日

「尤もらしい答えを出す」

 午前中に「学校の一定規模・適正配置」の審議会を傍聴しました。夜間の会議だと傍聴できないので日中に開催だとラッキーです。

 今回は愛宕地域の2つの小学校の統合が議論になっているのですが、統合しても「一定規模」にならないというのが一つ大きな問題点になっています。つまり、教育委員会ではこれまで「一定規模」と「適正配置」という両方ともに成立することを要件に進めてきたわけですし、特に「一定規模」の確保というのがよりよい教育のためには必要との立場を主張してきたわけです。「小規模な学校もそれなりの良さがある」という意見は「一定規模の確保」という至上命令?・・・号令のもとですっかりと一蹴されてきたのも事実で、‘それなりの良さ’を大事にしながら学校にかかわってきた保護者や市民、もちろん子どもたちの気持ちを思えば、苦渋の判断をせざるを得ない場面を潜り抜けながら、これまでの統廃合が達成されてきたと考えます。


 今回は多摩市のよりよい教育活動に必要な「一定規模」危うし?!・・・統合しても「一定規模」にならないことが明白で、そこに難問難題があるのです。


 次々と統廃合に着手する前に「一定規模云々・・某」という方針そのものを見直すべき、見直す必要があると主張してきた私にとっては・・・・何をいまさら難問解決?!という感じ。そんなことはとうの昔、最初からわかっていたことなのに・・・・と思います。


 教育委員会としては東西の愛宕地域の2小学校の統合でだけでは適正規模にならないので隣接している第二小学校学区域も何とか見直しをして再編成しようとしているのですが・・・・ここは何とも微妙・・・・第二小学校は今年度から竜ヶ峰小学校を統合したばかり・・・・新体制でスタートしたばかりともいえます。その地域をまたもや該当地域にしようとしても、そう簡単にいくものではありません。それに、多摩市域の中でもニュータウンとは異なり歴史の古いいわゆる既存区域と呼ばれる地域なのでそれなりの複雑な事情も加味合わさってきます。
 本当は傍聴した審議会にも該当地域と目されている第二小学校保護者代表の「席」も用意されているのですが、過去からの経緯と今般の新体制スタートに至るまでの諸経過も含め、第二小学校側は審議会に代表を送り出すことをペンディングさせている状態なのです。
 私はペンディングしている状況を解消できないままに審議会を進めることに問題があるのではないかと指摘し、「空席」にしたままの状況で第二小学校学区域の見直しにまで話が及ぶとすれば問題がさらに大きくなるとしてきました。しかし、「待ったなし統廃合」(その裏には待ったなし!行財政改革・・・って感じですが)は止まること知らず。
 結局のところ「空席」のまま審議会がスタートして今日まで至っているのです。


 そんな中、「なぜ、第二小学校の保護者代表は参加を見合わせているのか」という当事者からの意見をヒアリングしようとの運びになり、今日の審議会は第二小学校PTCA代表の保護者の方がこれまでの経緯を含めた説明を行ったのが通算で8回目会議=本日。

 一連経過の説明の後に審議会会長から「質問は?」とのことでしたが、ほとんど質問もなく終えました。その後は全委員に「感想と意見等」が求められました。「直接話を聴くことができてよかった」という公募市民の保護者の方の感想・・・「何よりも行政に対する不信感があり、そこを解消して、いい方向に進んでいってほしいと思った」・・・・そしてまた、「市民の言い分、行政の言い分・・・それぞれに立場によっても認識の違いがある感じられる。」という感想も。行政側の不親切さを指摘する感想もありました。


 まあ、「言い分の違い」・・・・「言った言わない」論に陥っては困りますが、いずれにしても行政側の不親切さとコミュニケーション不足、説明責任を果たす姿勢と誠実さが市民にはかけらも伝わっていないとのことだと分析しています。「誠意をもって説明をしているのですがなかなか理解していただけなくて・・・」って職員が言い訳をしたところで、相手に伝わらない誠意では困るわけですね・・・・こういうことって日常的に行政×市民の関係性でなくても言えることでは?


 いずれにせよ、そんなこんなで今日は第二小学校保護者の方からの意見を聴くことが中心で、それだけで終わってしまったような会議だったのですが・・・・。


 「無理して第二小学校のことまでを考えなくてもいいのではないか。」「適正規模に至らないけれど、とりあえずは愛宕地域の二つの小学校を統合してそこを魅力ある学校にすれば学校選択制で入学生を増やすこともできるのではないか。」


 「おーーーーーっ!・・・来た来た。」って思いました。

 「適正規模にこだわらないで!」という意見。きっとそうなっていくだろうと予測をしていました。

 教育委員会は「適正規模にこだわらない」ことを良しとするのでしょか?そして、それは「審議会の御意見だから」と片付けるのでしょうか?今後の行方には注目していきたいと思います。これまで強固に主張してきた「適正規模」を変えるための身のこなし。


 ところで、審議会の答申というのは両論併記されていても全然構わないし、審議会委員が協議した結果、要するに「尤もらしい答えを出す」ことなんだそうです。審議会はあくまでも答申を出す場であり、賛成反対と議決をするわけではなく、それゆえに「尤もらしい答え」も一つにならない場合があってもいいのだとか。

 審議会の副会長さんがおっしゃったことに「なるほど」って思いました。あと、「答申は軽んじられるべきではない!」とも。

 


 第二小学校側に立てばまさに「(第二小学校と竜ヶ峰小学校統合の)答申が軽んじられている」と状況。その言い分が審議会委員にどう受け止められたのだろうか?・・・・その問題は当該審議会の議題とはまた別個のものとして、整理されようとしている風を感じましたが、別個のものとして取り扱っていることそのものに問題があるのでは?

 子ども教育常任委員会でも話題として浮上している出来事のひとつなので、十分に状況を把握していきたいと考えています。

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2009年10月08日

支援が空白になってしまう時期。

 「子どもの貧困白書」で自立援助ホームでの事例が綴ってあります。

 実はこの時期の子どもたちへの支援について話(相談)を受けたこともありますが、その時にもなかなか解決策と言うか、その子どもの育ちに必要な支援にゴールが見つからないと感じたことがあります。もちろん支援するための社会的な資源が乏しいことも要因の一つですが、一人ひとりの子どもたちの育ちのスピードに寄り添っていく社会の寛容さはなく、本当に厳しくて辛いものがあるなと今でもその気持ちを持っています。


 多摩市、自治体レベルで考えるなら、教育委員会は「小中学校の子ども中心」になっているのが実情で、就学前は「子ども青少年部」、小中学校卒業した子どもたちに対する窓口はどこなのか?・・・・と聞かれれば、責任を持って「ここへ!」と言い難いのが実情です。でも、きっと「子ども家庭支援センター」が一番いいのかなと思っていますが、いずれにせよ、とかく子どもたちに対する途切れのない支援・・・と言っても「空白」が生じていることを無視することはできないと感じています。義務教育課程を卒業した子どもたち(高校生から成人になる20歳までとすると)の支援の薄さというのはかねてから指摘されているところですが、本当にまだまだ不十分にしか社会の支えが機能できていないと感じています。義務教育が終わったんだから・・・あとは自分の選択・・・と切り捨てられがち。ここでも少し行きすぎで歪んでいると感じざるを得ない「自己選択自己責任論」が頭をもたげてきます。

 全国自立支援ホーム連絡協議会という組織もありますが、認知度も低いこと、また施設の住所が掲載されていないことからも地域社会の受容にはまだまだ課題が多いのだとわかります。ノーマライゼーションなどと言っても、地域社会が実に冷たいことは誰しもが思い当たることですが・・・きっとそんな厳しさや冷たさと向き合いながら運営されているのだろうと想像しています。


 市区町村自治体レベルで何をどうできるのかは別として、この件で一度施設の訪問と見学に行ってみたいと思っているところです。でも、どこに施設があるのかを調べて、訪問をお願いし、受け入れてもらえるまでもすんなりいくのかしら?・・・まずは児童相談所に訪問することの方が先?

 
 このこと現在調査中です。もし、何かご存知の情報などありましたらお寄せください!(hisaka_box@yahoo.co.jp)

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2009年10月01日

今日は都民の日♪

 今日は都民の日です。かつては公立小中学校はお休みでしたが、今では授業日数の確保と兼ね合いもあり休みにしない学校もあるようです。

 市議会は明日が最終日。なので、今日は一日「事務整理日」ということでお休みです。せっかくのお休みでしたので、有効活用とばかりに東京都教育実践発表会に足を運んでみました。

 ちょうど、午後からのテーマ別討論のところでは「学校の芝生化」の事例として南鶴牧小学校の発表があったことも大きな動機づけ。市内の学校が発表するともなればやっぱり「行ってみなくちゃ!」という気分にもなります。また、多摩中学校の「食育」についての取り組みも掲示され、展示発表されていました。


 校庭の芝生化については南鶴牧小学校以外の事例としては新宿区と杉並区の計3つの小学校の取り組みが事例発表されていましたが、新宿区の場合にはいわゆる「ゴム」が貼っていた校庭を芝生化にしたという意味で「都会のオアシス」にも一役をかっている印象を、杉並区の事例では芝生化と体力づくり、環境教育の実践という観点からの報告であり、まさに教育実践に芝生校庭あり!というものでした。

 
 さて、南鶴牧小学校の発表は芝生化してから一年余りということで、事実経過と芝生化したことの成果と課題が整理された内容でした。何と言っても!・・・・・・・都内で最大規模の面積を誇る芝生の校庭であり、その面積は約5000㎡もあり・・・・その広さに会場からは「おー・・・・!」という驚きの声。


 それは「うらやましい!」という気持ちのこもった声であったのかどうかはいまいち微妙ですが、その広さは管理の大変さを物語るものでもあり、おそらくは・・・・うらやましさだけではない意味も含まった「おー・・・・!」だと私としては感じました。


 実際に南鶴牧小学校の芝生校庭はその管理を地域の市民を中心としたグループが行っています。その名も「南鶴牧小学校グリーンネットワーク」と言いますが、土曜日を活動日とし学校への協力、地域市民の参加という格好で行い、芝生の維持管理を支えているようです。これについては市議会でも「市民たちは専門家ではない!専門業者を入れてちゃんと手入れに管理をすべきだ!そのための予算を組むべきだ!」なんて意見もありましたが、芝生校庭はその管理が楽チンではなく、杉並区の学校の場合には専門業者がきちんと定期的に関わっているとの話だったので、なるほど・・・財政事情による違いを感じた次第です。適切に管理をしなければ、せっかくの芝生校庭も台無しになるわけで、「芝生校庭」への愛着や思い入れを児童・生徒間にきちんと伝え続け、‘大事にする’(と言っても、もちろん遠慮して思いっきり使用しないというわけではなく)気持ちや心を持続させることの必要性が共通して語られていたポイントでもありました。

 過去からずっと水はけの悪すぎた校庭がやっと芝生化されたことに対する南鶴牧小学校での喜びも、いつしか「入学した時から芝生校庭が当たり前」世代が増えてしまえば、忘れ去られる感動になってしまうのでしょうね。それは致し方ない面もありますが、しかし、やはり「芝生校庭」を伝統として引き継いでいくのであれば、過去のエピソードも合わせて語り継いでもらいたいものです。


 芝生校庭になり保健室にお世話になる子どもの数が減る、外遊びする子どもたちが増えたなどなど・・・子どもたちの心の安定などにはかなりの効果が上がっているとはいえ、芝生校庭の維持管理への協力も微減という南鶴牧小学校の現場の先生のご指摘は見逃せないものと言えます。ここがちょっとした今後の課題であることも確かです。他校の事例でも地域の方々の協力が芝生校庭の維持管理には欠かせないとのことでしたが、「お金のない多摩市」とは異なって、維持管理に必要な機材などが一応は揃っているところは大きな違いです。


 芝生化を推進した多摩市教育委員会は今後どうしていく予定なのでしょうね。その責任をいかに果たせるのか・・・・。「ボランティアさんがいても機械がないと作業が進まないのです・・・」なんて事情について今日の参加者はどう受け止めたでしょう。少なくとも私は「これは、いかん!」と思いました。多摩第一小学校も新校舎、校庭芝生化となりましたが、今後の芝生の維持管理などどうしていくのでしょうね・・・・・。

 それにしても校庭の芝生化の予算というのは東京都教育委員会のものではなく、東京都環境局が率先して進めているというのがもう一つのポイント。ヒートアイランドを防げなどと緑化推進プロジェクトの一環で、まずは芝生化の推進を誘導するために最初の三年間については管理費も含めた助成金を出すものの・・・それ以後は?という点では全く何も示されていないのもポイント。誘導だけしておいて、その後は知らんふりというのは常套手段と言うか何と言うか・・・・国民体育大会を呼ぶために陸上競技場の改修工事に補助金を出してくれるのはいいけれど、その後の維持管理費については知らん顔が目に見えている状況と全く同じといっても過言ではありません・・・・。この無責任さを是正したいものです。


 明日は定例会最終日です。ようやく終わりか・・・終わるか・・・という感じですが、副市長が明日で退任なさり・・・後任人事の行方は気になるし、副市長なき行政運営がどうなっていくのかも気がかり。

 それにしても今日の発表会はとても面白く、授業改善に取り組んでいる学校の事例に「ふむふむ」とヒントをもらうこともできました。ただ、このような取り組み・・・・実際に市議会で提案したところでそれが実現する道のりというのはかなり程遠いわけですが。

 ☆選挙が終わったので、ようやく日常活動が戻りました!→ほうれんそう9月号アップしました!

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2009年07月30日

子どもの命と健康を守るための予防接種

 渋谷区の鈴木けんぽうさんが企画をしてくれた「予防接種の課題と展望」をテーマにした学習会に参加をしました。講師は「VPDを知って、子どもを守ろう。」の会会長で、日本赤十字社医療センター小児科顧問の薗部友良さんでした。
 この分野の話を専門的に聞いたのは初めてだったので、とても新鮮で興味深いものでした。日本の予防接種制度は「極めて遅れている」ということで、「日本の常識が世界の非常識」とも言えるくらいに遅れているのだそうです。あまりそのようなことを考えたこともありませんでしたが、実際に、おたふくかぜや水ぼうそうで命を落としている子どもたちがいるにも関わらず、そのことがあまり知られていないことは確かです。
 そう言えば、我が家の場合も・・・・「水ぼうそう」の予防接種はしたものの・・・・「おたふくかぜ」の注射はしそびれているわけですが、まさか「おたふくかぜ」が死につながるなんてことを考えたこともなく、今日の話を聞いてかなりショッキングでした。水ぼうそうやおたふくかぜの予防接種についてはあくまでも保護者の「任意」。確か注射を受けるために3000円くらいの自己負担があったような気がします。インフルエンザなどの予防接種もそのくらいだったかと思いますが、この「自己負担」というのが子育て世代には結構バカにならない金額だったりするので、「任意」ともなれば、所得によって対応が異なってきそうですね。

 薗部先生はまずは、そのことを指摘されていました。そして「ワクチンで防げる病気(VPD)」については適切な情報提供を行い、きちんと予防接種を奨励していくべきだとの主張でした。さらに、水ぼうそうやおたふくかぜで命や健康が損なわれたところで誰もどこでも話題にしないということの責任の重さを追及していかねばならないとおっしゃっていました。「マスコミの責任も問われる」と厳しい発言もありましたが、私は同感です。
 もし、水ぼうそうやおたふくかぜで命を失ったという事例があるならば、保護者であれば・・・万が一に備えて予防接種を受けようとするでしょう。例えばインフルエンザはとてもいい例で、自費負担であっても毎年予防接種を受ける人は結構多く・・・ワクチン足りないなんてこともあったやに記憶しています。でも、やっぱりそこに「所得」の問題が見え隠れしていることは事実です。


 ところで、予防接種まかりならん!・・・と反対の立場を唱える方もおられますが、ワクチンに対する正しい知識や理解が広がっているかと言えば、そこもいま一つ十分とは言えないわけで、少しこの問題について私自身の理解も深めていく必要があるだろうと考えています。もちろん、予防接種には副作用が全くなくて安心と言い切り、何が何でも奨励するものではありません。今日の話の中でもアレルギー体質の場合など副作用が想定される場合もあり、そこへの対応は当然に必要との指摘がありました。でも、だから「予防接種反対」にはならないわけですね。

 
 今、少しずつ「予防接種」の必要性にも理解を示す自治体もあり、渋谷区や品川区では子どもがかかりやすいという「細菌性髄膜炎」を予防する「ヒブワクチン」に公費助成を始めているのだとか。(お金のある自治体ができること?!)


 早速に、「VPDを知って、子どもを守ろう。」の会のホームページから、多摩市で唯一の賛同者まえはら小児科の前原先生だとわかりました。うちの「かかりつけ小児科医」の先生なので、今度は診察ではなく話を聞きに行ってみようかなと思っています。


 今まであまり光があたってこなかった「VPD」のことを少し調べてみたいと考えています。「子どもの命と健康」で一般質問が作れそうかな?と思ってみたりしていますが、それにしてはまだまだ知識浅はかすぎる状態・・・・。


 実は民主党のマニフェスト・・・・医療政策についてはかなり詳細なる内容になっています。医療政策チーム所属の議員さんたちがかなり力を入れて書き込んだそうです。(医療政策については詳細すぎたので、他分野との兼ね合いもありマニフェストの中に全部掲載しきれなかったらしい…)

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2009年07月01日

発達支援室スタート!

 今日から「ひまわり教室」が直営ではなく、完全に社会福祉法人正夢の会に委託されてスタートしました。それに合わせて「多摩市発達支援室」も本格稼働です。諏訪複合施設教育センター内の研修室で開所式が行われました。
 
 市長は挨拶でご自身の「ひまわり教室」への思いは行財政診断白書で改革重点項目の一つに挙げたところに始まっていると経緯を説明。地域で子育てをする仕組み、子育ちを支えることに力を注ぎたいと市長就任以来ずっと思ってきたが、そこに照らすと「ひまわり教室」は不十分だったので、改革の必要性を感じていたとのことでした。「発達支援室」と「ひまわり教室」の新たなスタートに大変感慨深いとの挨拶でした。

 開所式に参加した私は多分、市長と同じかそれ以上に感慨深い思いが・・・・何と言っても滋賀県湖南市まで日帰りの視察で「発達支援室」を見に行ったのが2004年秋のこと。普通なら日帰りではなく、宿泊を伴ってもいいくらいの場所・・・・・でも当時は、出産したばかりで宿泊するなんてことは考えられず。早朝に出かけ、深夜に帰宅した記憶が・・・・。その当時、乳飲み子だった我が子の成長を思うと感慨深さが一層増すというものです。


 その時にヒアリングした話をベースにして私はずっと子どもたちの発達支援の問題を考えてきて、妙なこだわりで「ひまわり教室」の改善方策に関わる質問を幾度となく重ねてきたわけです。時には・・・というか、かなり職員にも煙たがられたでしょうし、多くの資料も作成していただきましたし、本当に苦労をおかけしたと思います。単に提案だけすればいい議員とは違い、現場を抱え、実際に仕事をしている職員の汗があってこそ!!!「発達支援室」の開所は職員の力なくしてはできなかったこと。そこは事実であり真実。


 「言うは易し行うは難し」


 「ひまわり教室」を民間委託するについても、保護者を含む関係者からの不安の声に精一杯応えようとしてきたことも忘れられないことです。


 
 ついつい・・・「子ども」を置き去りにし、「子ども」の存在を忘れ、民間委託などは大人たちの理屈や事情、言ってみれば行政の都合で考えがちですが、今回の場合は「子ども」の存在にはできる限り配慮して対応が進んできました。(って私はそのように評価しています。思い溢れる現場の職員さんの仕事ぶりを見ていてそう思います。)

 特に日常的に子どもたちと接している市職員の方々は「民間委託への不安」を述べる保護者と市の方針との間に挟まれて心を痛めなかった日はなかったのでは?と想像しています。


 今日、新たなスタートに至る経過すべてを含んで、一歩一歩その活動を着実に根ざしてもらいたいと思う次第です。これまでの多くの苦労と涙に報いることのできる活動展開を期待します。

 何と言っても、島田療育センターの院長先生の来賓あいさつで・・・「市長の思い、大きな夢がまずは実現したという形だが、でも、スタッフが非常に少ない(貧弱)というところで、夢が正夢になるように・・・・・」と本質グサリつかれたことは忘れられないものです。
 私もそれには同感。なので、「発達支援室よくなるプラン」を考えるために今後も引き続き情報収集を進めようとはたまた決意新たにしました。

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2009年05月14日

ICTの活用を進めていくには。

 3年間で初期の設備投資に約3.5億円の学校の情報化推進事業。ランニングコストは現段階での予測値で約7千万円。

 今年度予算の中でも大規模な新規事業にその必要性と優先度をどう考えるのかをもっと議論すべきだったかもしれない・・・・と振り返るわけですが、とりあえず、予算修正案の議論をした時も教職員一人一台パソコン配備などは必要と認識している声もあり俎上に上らなかったわけですし、多摩市議会は学校の情報化を推進する方向の予算を認めたことは事実です。

 というわけで、実際にICTを活用している自治体としては先進地であるお隣の日野市までヒアリングに出かけました。日野市教育委員会には「ICT活用教育推進室」が設置されていて、組織体制そのものからしても取り組み姿勢が示されていると感じます。


 私は3月の予算委員会の時にも日野市の取り組みを紹介しながら多摩市の方向性を聞いたのですが、まだいまいち詳細詰め切れていないという状況で「毎年のランニングコストは約7千万円」ということの額の大きさに驚いただけで終わっていました。そこで、実際に日野市ではどう取り組んでいるのかを聞いてこないとと思っていましたし、多摩市教育委員会も日野に視察をしたとの話だったので、改めて足を運んだわけです。


 そして、まずは驚いたのが毎年のランニングコスト。現状では設備維持その他含めて「約2億円」!ですって。


 取り組み方によって金額にも違いが出てくるのでしょうが、日野をモデルとしながら進めていくとしたら現状で示されている「約7千万」どころに驚いている場合ではないのでしょう。この約2億円の詳細を分析してみたいわけですが、例えば日野市では「メディアコーディネーター」という支援員を配置し、各学校の教職員をフォローアップする体制がありますがここには「約2千5百万円」の予算が手当てされているのだとか。


 「予算の裏付け」

 これなくしては進めていけるものではなく、今の市長の考え方(この間再選されたばかりだっけ)がICTの推進にも大きくかかわっているとの話です。


 要するに中途半端に取り組んでも進んでいかないということですね。逐次的投資で進めていくのでは、これだけの広がりは持てないだろうというのが4月から着任した室長さんの弁。室長は指導主事さんで練馬区からこちらに来られたよう。ある意味で外部からの新鮮な視点で日野市の取り組みを評価なさっていた気がします。


 それにしてもランニングコストを聞いただけで私は絶句。日野に追いつくためには「約七千万円」ではきかないということになりますよね。どう進めていきたいのかの中味が多摩市オリジナルなのかもしれませんが・・・・。なんだか準備不足のままで学校の情報化が進められていくような危惧も。


 とはいえ、これを今更阻止できるような段階でもなく、そしてまた情報化推進が決して否定されるべきものでもないので「やるしかない」と決めた上で・・・・「では、どのように?」が問われていることは確かです。どちらかと言えば年配の教職員はパソコンという機器の取り扱いからしてかなりのハードルになっていくようですから。


 いずれにせよ、このことが学校環境をどう変えていくのか、そして教育環境がどう子どもたちにとってよりよいものになっていくのか・・・・それに対する多摩市教育委員会としてのビジョンが明確になっているかと言えば、もちろん「いまいち」。なので、6月定例会ではその方針なりを尋ねてみようかなあと考え中です。


 明日は臨時議会。議会人事のため。議長、副議長は2年交替が慣例。地方自治法では4年任期が原則になっているので、ここで辞表を提出することが慣わしです。辞表が出るか出ないかは明日にならないとわからないので、辞表が提出されたなら議長選、副議長選が行われます。今回は「立候補制」ではなく、いつもながらの手法での選挙。投票用紙が配布されて、そこに「意中の人」の氏名を記入するという方法。傍聴席から見ていると不思議なのは・・・・誰も立候補もしないのに投票結果だけを見ると数名の「ある人物」のところに票が集約されていくこと・・・・だから「見えない」「裏取引」みたいに思われるのですよね。でも、実際には投票する前の段階で、立候補の意思ある人たちが各会派なりをまわって「立候補するのでよろしく!」というような挨拶をするんですが。

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2009年04月30日

ひまわり教室 リ・スタートに向けて

 ようやく落ち着いたころかな・・・ということで、総合福祉センターから諏訪複合施設内に移転した「ひまわり教室」の施設見学に行ってきました。今回の移転に伴って諏訪複合施設は耐震工事、エレベーター設置も行うかなり大々的な改修工事をしました。これで名実ともに諏訪複合施設は学校跡地としても恒久活用施設にふさわしい条件となった気がします。外観はそれほど変わらないかもしれませんが、校舎内・・・・とりわけひまわり教室のフロアにいると「ここは学校跡地施設だったのか・・・」と忘れるくらい?きちんと整備されていてある意味感激しました。

 もともと移転にあたっては「療育」に必要な環境、施設整備という観点で現場の職員から多くの提案を受けてきました。「なかなか財政的にも厳しく、学校跡地を使用するとの制約がある中で、100%とは言えないけれど、建築担当の方には本当に本当に無理を聞いてもらって感謝しているんです。」と担当課長さんがおっしゃっていました。この場をつくるために職員相互にかなりの努力があったことは思い浮かびます。「ひまわり教室」については場所移転のことも含めて、関心を寄せて推移を見守ってきた一人としても感謝です。

 何と言っても総合福祉センターとの大きな違いは・・・さんさんと降り注ぐ光のもとで子どもたちが療育を受けられること。緑にも囲まれた静かな環境でもありますし、子どもの笑顔がより活き活きしているようにも見えました。今はまだ直営ですが7月からは本格的に民間の社会福祉法人が事業委託により運営をする段取り。現況は市の職員と民間の職員とが半数ずつくらいが入って子どもたちへの対応を行っています。今日は施設見学だったので療育内容その他についてはまた今度。


 とかく「ひまわり教室」が引っ越してきて、ここからの展開こそが重要。どうせ移転するならと私は教育センター相談室の職員室と「ひまわり教室」部門の職員室とを一体化させて、否が応でも物理的に顔を見合わせる状態をつくり、人的交流の促進で「連携体制」の構築をすべきと提案してきました。残念ながら施設制約その他諸条件により、「一体化」はできませんでしたが、2階部分に教育センター相談部門の職員室が移転し、「お隣さん」どうしの状況になりました。・・・・挨拶できる関係づくりはしやすくなったはずです(?)

 あとは相談に来た人たちが気軽に入りやすい雰囲気作りが必要で、欲を言えば・・・・校舎全体の殺風景な廊下を何とかしたい。歩いているだけで気持ちが沈みこんでしまうような長い廊下は「相談」する場所の条件としては最悪な気がしますので。「相談する」って悪いことではないのに、廊下を歩いていると余計に追い詰められそう・・・・なんてことは避けたいものです。明るい雰囲気にしたいですね。コツコツ響く足音は昼間でも不気味。
 そのためにもあと少し何らかの工夫をしたいわけですが、ここまでの改修工事を施してこれ以上の要望や要求を重ねることは難しいかなあ・・・・財源的に・・・・(悩むなあ)。

 

 いずれにせよ、この4月からは発達障害に係る総合相談担当窓口を新設して「ひまわり教室」の今後は新たなる展開が期待されますし、「就学」が大きなハードルになっていた子どもたちへの相談体制が一層強化されていくはずなので、私としても今後ますます注目していきたいと考えています。何と言ってもやる気十分、経験豊富で実績十分な職員の方が総合相談窓口を担当していることが心強い!ある意味で口出ししかできない議員の立場としては「お願いします!」という気分なのでした。

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2009年04月15日

学校の情報化推進のこと

 先般の予算委員会で話題にした「学校の情報化」のこと。3年間で設備投資だけでも約3.5億円を見込んでいるというから、これは一大プロジェクト。


 だから、「はじめたら絶対にやめられない」。


 途中で投げ出すことはできないからこそ、何とかこのプロジェクトを軌道にのせていかねばならばいし、きちんと活用できるような方策を考えていかねばなりません。これによって教職員のいわゆる学校事務的、「校務」の作業が軽減されることが言われていて、教職員全員にパソコン1台配布を行っていくとは言え、そもそも教職員全員のパソコンスキルに関しては、100%とは言えない現況があるのは周知のとおり。教育委員会によれば市内中学校の場合には職員の約6割が個人所有のパソコンを職員室に持ち込んでいるのだとか。小学校の場合に約4割。持ち込んでいない人がどうしているのか・・・・・?持ち込んでいない=パソコンは使えない・・・・・にはならないと思うものの、「機械音痴」と理由にしてパソコンを避けている人もいるだろうなあ・・・・・と容易に予測できますね。とにかく個人所有のパソコンが使用されていることは事実で、このあたりからは個人情報の問題との兼ね合いなどで対応が必要とされ、またはUSB紛失事件のような事態を回避するためにも「一人一台パソコン環境」の整備が急務になっていたとようですが、はたして「一人一台パソコン環境」になれば、本当に個人情報保護が徹底するのかと言えば、それもまば100%とは言い難いでしょうし、つまるところ・・・・パソコン活用が必須となる教職員のスキルに委ねられると言っても過言ではありません。

 当面は教職員の機器活用能力の向上を100%に!というのが目標になり、そして「情報リテラシー」をいかに身につけていくのかが勝負・・・なんて今頃言っていたら遅いのかもしれませんね。でも、「学校のIT教育現場も人材不足」(2001年執筆記事)の頃と今とを比べてとさほど状況が大きく変化しているとも思えないです。


 いずれにせよ、まずは学校の校務軽減=業務効率化から入り、そこから次には授業での活用が求められますし、学校の情報化の目的というか主眼は「授業への活用」だと思うので、そこまでの水準を市教委として求め、達成するためには「学校任せにしない」ことだと考えてるのです。


 先進市と言えばこの近隣では日野市がICT活用推進室を中心に取り組んできた事例があるので、やはり足を運んでおかねば・・・と取材の約束を取り付けました。どんな話がうかがえるのかが楽しみ。3月の予算委員会の時も日野市をモデルにしながら学校サポート体制などを早急につくるべきだと主張はしておきましたが、今日改めて、学校情報化を担当している教育企画課長さんにヒアリングをしたところ、予算が可決してこれから内容詳細を詰めてから「いざスタート!」の運びになるようなので、6月定例会の一般質問は「学校の情報化推進」をテーマにしてみようかと思います。

 「どう活用するのか?」「そのための人材育成は?」・・・・・単に機器設備を導入し、メンテナンスだけの予算だけ確保されていても意味がないわけで、学校の授業そのものが情報化推進によって大きく変わる、教室の授業風景を様変わりさせるくらい革命的なことに取り組もうとしているわけなので、相当に覚悟していかねば・・・・というくらい私は予算額の大きさ以上の責任を伴うプロジェクトだと考えていますが、それは大袈裟?!導入に踏み切った多摩市教育委員会と多摩市に求められるものは大きいはずです。
 
 
 学校現場は確実に変わっていくし、変わらざるを得ないと思っているので、その認識を共有し、共通認識のスタートラインに立ったうえで、学校情報化推進が子どもたちにとってもたらす有効性を高めていきたいものですし、そうしなければならないと考えています。

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2009年04月09日

「弁当の日」はいいかも。

 「どうなる、どうする日本の食シンポジウムin多摩」に足を運びました。恵泉女学園大学と永山公民館の共催のようでしたが、公民館は場所を提供したってだけの感じで、このシンポジウムそのものの企画は大学のGPプログラムの活動の一環だったようです。大学の社会貢献事業の一つだと言えると思います。久しぶりに目頭が何度も熱くなる講演会でまたまた感化されました。

 講演会は助産師の内田美智子さんの「食卓から始まる生教育」と佐藤剛史さんの「ひろがれ弁当の日」。引き続き、恵泉女学園大学の藤田智教授から「生活園芸」を基礎教養科目に位置づけて取組んでいる事例報告がありました。


 「人はそこに居るだけで価値がある」、生まれてきたことが奇跡だと話す内田さんは30年間の助産師の経験を踏まえ、「Happyではない」出産の現場に出会っているからこそ、偽りなく語れることのような気がしました。そして、生まれたての赤ちゃんはどの子もみんな同じ。きっと100年前も、200年前もいつの時代も生まれたすぐはみな同じ姿だと言います。でも、それぞれの子どもたちは大人と大人が作ってきた社会に放り込まれ・・・・いつしか自分を大事にできなくなる子もいる・・・・・・子どもたちは犠牲者・・・・産婦人科で思春期の子どもたちの「性」に向き合いながら「生」を考え、そして最終的にたどりついたのが「食」であり「食卓」。


 「自分を大切に・・・・なんて言いながら、毎日が冷凍食品の食事だったら?子どもは『自分を大事』にされていると感じなくなるのは当然のことでしょう。」


 だから、手をかけて、心をこめて作るお料理が何よりのごちそう・・・・食は生きる源ですから、「何をどう食べるのか」「子どもたちに何をどう食べさせるのか」が大切なのでしょうね。


 例えば、安全な食材を選ぶのはどうして?・・・・子どものことを考えるから。冷凍食品を使わないのはどうして?・・・・子どものことを考えるから。・・・・という具合でしょう。
 
 私も上記二つはかなり気にかけています。何と言っても「おうちごはん」が好きな子どもであって欲しい。外食は雰囲気を楽しむものであって、本当においしい食事は「おうち」にあることを伝えたいと思っている私は外出時にもおにぎりや果物を持参するようにしています。コンビニおにぎりは手軽ですが、やっぱり食材がちゃんと見えているおにぎりは塩味加減が違います。料理はあまり得意ではないですが、子どもにとっては得意不得意ではないと思いこまないと・・・・。


 内田先生の語る「食」の大切さは「食べることを粗末にしないで欲しい」「食を粗末にすること=命を粗雑に扱うこと」と理解できるものでした。子どもの食を丁寧にすることは大人の責任。


 「いのちをいただいていのちをつないでいく」


 そのために今、大人ができることはどんなことでしょう。社会でできることは?


 その一つが「弁当の日」。これは2001年に香川県の滝宮小学校校長だった竹下和男さんが、子どもが育つ環境に「くらしの時間」を取り戻すため考案した取り組みです。食育の実践とも言えるでしょう。佐藤さんの講演では実際に全国に少しずつ広がりを見せている「弁当の日」の事例の紹介などがありました。

 なかなかの実践で、これはいいなあ!って思いましたが、やはりこの取り組みを一気に進めることは難しそう。いくら「素晴らしい!」と賞賛しても、学校現場に押し付けることは難しそう。ただ、全国の中には教育長の一声で一気に取り組み実践が始まった地域もあるみたいですが・・・・。
 まずは、多摩市内でもどこか1校でも取り組んでくれる学校はないかしら?私なんぞはつぶやく程度しかできないのが本当に空しい。

 もし、私が教員だったら、校長先生に反対されてもお許し出るまで交渉してしまいそう。今の時代だからこそ、こんな食環境だからこそ、そして食育の重要性がこれほどまでに言われているからこそ・・・取り組みたい活動なんだけれどな・・・。まあ、じわじわと「弁当の日」の広がりに期待するしかないか・・・・。本当はこの会場に市内小中学校の先生とか、教育委員会の方々などが参加してくれるといいですし、大学連携を進めるというならば、この場に市長も足を運んでもいいくらいだなって思いました。


関心のある方は・・・・こちらをぜひ!「ここ―食卓から始まる生教育

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2009年01月26日

学校図書館訪問記~中野区立啓明小学校

 今日は中野区立啓明小学校へ。

 とかく・・・・何も聞かず・・・・・・「ぐりぐら図書館」に足を運んでほしい!


 そんな学校図書館に出会ってしまいました。啓明小のホームページでも「啓明じまんのぐりぐら図書館」とありますが、その言葉通り!こんな学校図書館で過ごせる子どもたちは幸せです。子どものころに遊園地に行った時の気分になれるような場所。まるでおもちゃ箱にほうりこまれちゃったような気分、子ども基地みたいな場所でした。


 ある意味でショッキングでしたが、素晴らしいモデルを見てしまった私・・・・学校図書館の可能性が今後ますます広がるだろうし、広げなければいけないという使命感がフツフツと湧いてくる今日この頃・・・・その思いを一段と強くし、多摩市の学校図書館の未来を勝手に展望しているところです。


 中野区はそもそも教育委員会が学校図書館に力を入れていて、学校図書館司書の配置にもいち早く取り組んできた歴史もあります。さらに、インターネットで検索をしてみると教育長さんがちょうど新年明けのお便りに、「学校図書館は重要です」なんてことを述べられているのを見つけました。「読書が学力を伸ばすのに効果があることは間違いないと思います。」との教育長さん。その確信を裏付けするのがまさに啓明小学校の研究実践で「学校図書館には、① 教育課程全体で学校図書館を活用することにより、主体的な学び方が身に付き、子どもたちの学びが変わる ② 学校図書館を活用し、発達段階をふまえた多様な読書活動を進めていくことにより、コミュニケーションが広がるという2つの効果が確認できました。」との成果になるのでしょう。この「教育長だより」はあくまでも個人的な見解に留まる内容とのことですが、教育委員会全体のみならず、区民にも届く「ことば」ではないかなと思いました。
 教育委員会の方向性や方針の大事さを思い知らされますね。学校図書館司書をただ配置するだけではなく、なぜ配置をするのか、配置をしてどうしたいのかという部分にまでしっかりとアプローチし支援できる体制があるように思えます。今日はそのサポート体制までを十分に聞くことができなかったものの、学校図書館司書配置の歴史も10年を超えていますし、かなりの経験の蓄積があることは事実でしょう。公立図書館と学校図書館の交流その他はずいぶんと進んでいるようです。もちろん学校図書館司書同士の連絡や情報交換会なども設置されていますし(これは多摩市でもやっているが)、さらには区内の先生たちが集まって行っている学校図書館についての研究会との積極的な交流も行われているようです。
 また中野区では読書感想文コンクールが毎年行われていて、いわゆる優れた感想文を一冊の作品集にとりまとめています。これにも上記の研究会の先生たちが関わっておられるようですね。そういえば、多摩市でも私が小学校の頃には「多摩のこども」という作品集があり、市内の小学校から集められ、選ばれた詩・作文・読書感想文が毎年一冊に取りまとめられるというのがありましたが今はなくなっていますね。作品集をつくる活動も緊縮財政の中では削減対象になってしまったのかな・・・・。


 というわけで話を啓明小学校の「ぐりぐら図書館」に戻すと、やはりそこには「人」がいました。「子どもと本とをつなぎたい!」という情熱を持っている素晴らしい「人」です。既に今年で15年目になりました・・・・という経験の積み重ねもあるわけですが、「ぐりぐら図書館」に必要、余人をもって変えられない人物・・・・・それが学校図書館指導員の米村さんでした。どう素晴らしくて凄いのかについては「ぐりぐら図書館」に足を運ばなければ感じることができないと思いますが、「すべての教科書を読み、その内容をしっかりと把握している。教科書が変われば、もちろんそれに対応してきちんと読みこんでいる。」・・・・それが彼女の学校図書館に対する姿勢です。言うまでもなく、学習活動の上でも「頼りになる学校図書館」なのです。学校図書館が単なる読書活動を支える場だけではなく、「教育課程の一つに位置づけられるもの」という認識のもと、図書館がどう機能すべきかに明確な立ち位置と、哲学を持って仕事をなさっておられます。


 そして何といっても・・・・子どもたちが行きたくなる場所にする工夫があちこちに!図書館内の装飾一つとってもすべてすべて子どもたちの参加なくしては完成しないものばかり・・・・・というか子どもたち自身の作品により図書館が埋めつくされていると言ってもいいほど!子どもたちは自分たちの作品があり、飾られている場所ですから、そこへの愛着心もひとしおですね。なので、ますます図書館が大好きになり、図書館に行きたくなる・・・・・というこんな具合に「ぐりぐら図書館」は子どもたちの生活の場の一部になっているのです。

 米村先生の図書の時間にも参加させてもらいましたが、「一人ひとりの子どもたちの読書力を的確につかみ、アドバイスをするということ」を目の当たりにしました。


 つなぐ「人」、そしてつなぐ「場」・・・・・子どもたちの「心」がたくさん詰まっている「場」とそこにいる「人」の存在を感じました。ここに至るまでは紆余曲折で、一日二日の俄仕立てでは決してできるものではないでしょう。経験を着実に積み重ねていけるような継続性をきちんと担保していける仕組みが必要不可欠です。それは、単に年数重ねれば・・・と言うだけでは不十分。正規職員ではないところの壁をしっかりと乗り越えて学校図書館を支えていける仕組みなくしては成り立たないものです。つまり、そこには教育委員会があり、学校図書館を理解できる現場が必要なのです。まさに啓明小学校の米村さんの「みなさんに支えていただいているから」という言葉になるのでしょうね。

 やっぱり学校図書館への理解をどう進めていくのかが原点になければならないと。そう思いました。多摩市の学校図書館司書の全校配置はどういう哲学のもとで進められているものなのでしょう。そしてその哲学がきちんと多摩市の教育全体を貫き、その方針が現場にも浸透していて初めて芽を出していくものではないかとそういう気がしてなりません。その点からいえば、まだまだ市教委そのものの取り組みを総ざらい点検をしてみる必要がありそう。その作業は明日以降からさっそく取り掛かってみるつもりです。

★☆★明日は第2弾 多摩市議会出前委員会最終回です! 
              みなさまのご参加お待ちしています★☆★

   1月27日火曜日19時から  関戸公民館ヴィータホールにて
   「議会改革についての中間報告」

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2009年01月23日

教育再生にも学校図書館

 今日は千葉県市川市まで東京横断の旅でした。都営線直通で乗り換えなしで終点の本八幡まで行けるので本当に楽ちん。帰り道は絶対に座れるので絶好の睡眠時間だったりします。

 さて、今日の目的は「市川市学校図書館フェスティバル」。「学校図書館で育てる子どもの心と学び」をテーマにした一日がかりのシンポジウムでした。午前中は前の鳥取県知事で、今は慶応大学の教授をされている片山善博さんの講演があり、午後からは市川市の取り組み発表と関連したパネルディスカッション、最後は分科会形式でそれぞれのセッションに分かれてのディスカッションが行われました。私は都合によりパネルディスカッションまでで帰路についたのですが、「学校図書館」をテーマにした片山さんの講演だけでも聞く価値のあるものでした。

 片山さんは図書館について「金食い虫、無料貸本屋などと言うのは野蛮な認識だ」とした上で、図書館を万人の自立を支援する知的拠点であるとの話をされていました。そして地方自治体で最も大事な仕事は教育であること、そして図書館政策が地方自治体にとって要に位置づけられること、さらには学校図書館が学校において欠かすことのできない基礎的な設備であると指摘されていました。

 その基礎的な設備を機能させるためにも学校図書館に常駐の「人」を配置することが必要だと話し、そのための財源を捻出しようしない政治家たちの見識の低さを批判なさっていました。

  片山さんが文部科学省のパンフレットで述べられているように・・・・

全国どこの自治体も一様に教育の重要性を唱えています。しかし、それが口先だけでなく本気かどうかを知ることができるのが学校図書館です。残念なことに、子供たちのためにせっかく用意された貴重なお金を、学校図書館以外のところに使い回ししている自治体が多いのがわが国の現状です。
 本を読むことは、多くの知識を蓄えるだけでなく、考える力と創造力を養い、ひいては子供たちの人生を心豊かなものにします。その子供たちが読書の楽しみと喜びを覚え、知らず知らずのうちに読書習慣を身につけるようサポートするのが学校図書館の役割です。
 昨今の自治体は、とかく道路の問題になると異常とも思えるほど強い関心を示すようですが、本来道路以上にしっかり取り組まなければならないのが、次代を担う人材の育成です。それが教育であり、わけても考える力を育む学校図書館にはことのほか力を入れてもらう必要があります。みなさんの奮起を期待しています。


 おっと・・・・多摩市の場合には全小中学校に正規職員ではないけれど、図書館司書が配置されているわけで首長を筆頭に・・・・自治体としてはかなり健闘しているのかも?!でも、多摩市の独自財源ということもあり、永続的に配置を保証できるかといえばかなり危ういのも実情。このあたり・・・東京都教育委員会に頑張ってもらいたい!(30人学級についても東京都の考え方はお寒い限りなので期待できないのかもしれないが、このあたりはぜひ都議会民主党との連携をしたいところ)
 ちなみに・・・時代をきちんと読んでいる島根県はついに学校図書館司書を全校に配置する方針を固めています。もちろん配置しただけでは不十分で、そこには配置された「人材」の力量が問われてくるわけですが、かなり画期的な方針で、島根県からの波及効果を期待します。それにしても、知れば知るほどに、学校図書館の重要性を感じます。


 片山さんは学校図書館と公共図書館の連携は当然だとおっしゃっていましたが、実態としては縦割り行政でまだまだ連携体制が敷かれているところは数少ないのが現状。ここでも多摩市は優等生で、情報システム上での連携体制がすでに整備済みです。つまり、多摩市もこれからますます発展できるというわけですね。市川市は学校図書館の活用にかなりの歴史があり、そこは多摩市とは格段の違い!しかし、話の内容を聞いていると多摩市でも実現可能性がありそうな気がします。市川市その他の先進事例に学びながら開拓していけるはずです。そしてその必要性もある分野であること間違いなし。


 学校を元気にするためのレシピの一つは「学校図書館の活性化」です!

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2009年01月20日

学校図書館訪問記~新宿区立津久戸小学校

 今日はビルのど真ん中にある新宿の津久戸小学校まで行ってきました。飯田橋から徒歩数分に立地する学校は戦火でも生き延びた場所にあり、今年で104周年という歴史を物語るようなところでした。

 さて、津久戸小学校も学校図書館に関する研究活動から取組んでいるわけなんですが、そのきっかけになったのは私も存じ上げている・・・とある先生の存在。どんなきっかけであったのかについては、文部科学省のホームページからも確認ができます。

以前勤務していた多摩市では、市独自で学校図書館担当職員(学校司書)を配置していた。その際、図書室というのは、読書センターとしての機能と学習情報センターとしての機能を併せ持つ必要があると感じ、研究に取り組んだという経緯があった。
ということなんですが、その先生もおっしゃるように、何といっても熱心に取り組んでおられる司書教諭の小川先生の存在が大きい!小川先生は子どもの読書サポーターズ会議のメンバーのお一人でもあります。


 というわけで、今日は小学校3年生のクラスと一緒に「日本十進分類法」を学びました。こんなこと私の小学校時代には学ばなかったと思いましたし、正直なところ知識ゼロという感じだったので、子どもたちと共有した図書の時間に少し賢くなってしまいました。・・・・というのはさておき、司書教諭が果たすべき役割とその存在意義と価値を認識させられる現場を経験できた感じです。
 学校図書館司書という資格は「司書教諭」とは異なるとの話を伺ったのですが、まさに、司書教諭は子どもたちの指導カリキュラムの中にどうやって学校図書館を位置づけることができるのか、そして活用していけるのか、何よりも子どもたちが主体的に学校図書館を使いこなせるのか・・・という力を育んでいくのかを示唆するプロといったところですね。多くの学校は学級担任が「司書教諭」という役割を兼任しているため、本来的な司書教諭の職務を果たし切れずに消化不良状況に置かれていると聞くわけですが、小川先生でさえ、まだまだやりきれていないことがありそうな状況(ちなみに小川先生は日本語教室の指導担当の先生で通常学級の担任ではない立場で仕事をしています。)を考えると、一般的な学校の状態が想像に難くないわけです。


 そこで・・・・多摩市は?・・・・と振り返るわけですが、多摩市の場合には学校図書館司書の全校配置により司書教諭の先生が大いにサポートされる状況にはあると言えるのかしら?実態についてはこれから理解と調査を深めていく必要がありますが、少なくとも日常的な図書や資料の整理、情報収集その他では司書教諭の先生が割り当てられるだろう業務をこなしてくれる人員の配置がされていることは事実。それを思うと、多摩市の学校図書館の活用が発展しないわけがないと理解できます。そして、発展させていくためにどうしていくのかを考える必要がありますね。
 

 新しい学習指導要領でも学校図書館の位置づけがますますますます無視できない存在になっています。「表現力不足」と指摘される日本の子どもたちが得た知識や情報をその子なりに活用していく力をいかに磨くのか・・・そこに学校図書館が重視されていくことは当然のことです。図書館は知の集積であり、情報の拠点・・・・・まさにメディアリテラシー教育の原点にある場所ともいえるからです。インターネット時代だからこそ、ますます必要な能力。


 多摩市の教育の特徴としては手厚い人員配置・・・・ピアティーチャーと並ぶ学校図書館司書の全校配置を名実ともに「特色ある教育」としていくためにももっともっとできることがあるはずで、可能性は広がっています。いかに特色化していけるのかは誰に手腕にかかっているの?!


 そうそう今週、津久戸小学校には肥田美代子さんが視察にお見えになるとか。肥田さんは民主党に所属されていた議員さんだったようですね。また一度お目にかかる機会があれば・・なんて淡い期待。

 明日から議会改革特別委員会では第二弾出前委員会に向けた朝の街頭宣伝活動開始します。これはあくまでも有志での取り組みですが、明日は何人参加してくださるかしら?ちなみに永山駅でやります。

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2009年01月15日

学校図書館訪問記~荒川区立赤土小学校

 初・・・舎人ライナーに乗りました。なぜなら、赤土小学校への見学のためです。何と!「赤土小学校前」という駅があるのです。本当の本当に駅前に学校がありました。大通りに面していてはいるもののこじんまりした外観・・・何と創立84周年という歴史があるわけですから地域の人たちとの関係性も深いのだろうと思いました。今日の目的は「学校図書館」です。実は今月中に多摩市外3つの小学校の見学を予定しています。残念ながらすべて23区内なのですが、その理由はやはり財政的な余裕のある23区内の方がいろいろな意味で恵まれているからだと予測しています。全体的に財政は縮小気味だとはいえ、学校予算一つとっても23区内はやはり恵まれているのが実情だからです。

 というわけで、なぜ赤土小学校に行くのかといえば・・・・・「学校図書館との連携を深めた教科等の指導の在り方」なんて研究をしていることがわかったからです。何しろ私は図書館政策のことをかじり始めたら、学校図書館を無視しては語れないことがわかり、子どもたちの育ちにとっても読書活動が有効で、今後の学習指導要領の見直しにあたっても「読書」が重要な位置づけになっているからです。
 なので、多摩市内全小中学校に配置されている学校図書館司書を活かす方策をしっかりと打ち立てていきたいと思っています。
 
 赤土小学校は文部科学省からの視察、学校図書館ではかなり先進的に取り組んでいる千葉県の袖ヶ浦市からの視察なども受け入れていますし、その他多数の地域からの来訪者があるようです。もともとは2004年、2005年の2カ年で取り組んだ研究が礎なっているようですが、そこの蓄積の上に積み重ねている実践が着実に育まれている気がしました。

 学校図書館には「指導員」という司書資格を持った方が配置されています。多摩市と同様に非常勤の勤務のようですが、子どもたちのみならず、先生たちにとっても欠かせない存在で、「図書教育」全般をサポートするという重要な役目を担っています。

 それもこれも、学校にきちんとした図書館経営計画があり、それを策定し、実際に活用していくための「学校図書館運営委員会」がしっかりと学校組織の一角に位置づけられていることが成功の秘訣。日常的な教育の実践で学校図書館をいかに活用していくのか、それぞれの教科、単元に学校図書館司書がどのように関わっていけばいいのかが、共有されているわけです。さらにそこには保護者の関わりも明示されていくため、先生たちも取り組みやすくなるわけです。
 もともと地域とのつながりが深いこともあり、図書館ボランティア(なでしこクラブ)が組織され、学校図書館司書さんだけが孤軍奮闘しなくても、子どもたちが喜ぶ季節や読み物にあった図書室の装飾などに協力してくださる方々がいらっしゃいます。なでしこクラブの方々は顔写真入りでちゃんと紹介されているので子どもたちとの距離も近づきます(もちろん保護者の方々中心ですが)。今日も「ひなまつり」用の飾りの作成に4名の方が集まっておられ、なでしこルーム(赤土小学校自慢の図書館ルームの一つ)で活動をなさっていました。

 赤土小学校には全部で3つの図書館があります。ひとつは「なでしこ」でこちらは文学その他読み物中心、それから「まなびや」は調べ学習室で調べ学習の時間に活用するような本が揃っています。それからもうひとつ「あかどっこ」という部屋がありますが、ここはいわゆる多摩市でいえば「行政資料室」のような場所。新聞の切り抜きファイル、郷土史その他、修学旅行先の資料などが置いてあります。この3つの部屋を司書教諭の先生と日常的には学校図書館指導員さんが全体をコーディネートするといえばいいのだと思います。さらに、コンピューター室は図書館ルームの隣に配置替えをしたとのこと。インターネットで情報を得ようと思っても、それが上手くいかなければ図書館に来て調べることも可能・・・ということで特に調べ学習の際にはコンピューター室と図書館を行き来しながら情報収集する子供たちの姿があるそうです。


 そんな赤土小学校の図書館も一気に完成度高いシステムができたわけでもなく、決して潤沢ではない予算をやりくりしながら書棚や机をそろえたり、照明器具を取り付けたり、教室の壁は主事さんにペンキで塗ってもらたり・・・・という数年来の取り組みによってここまで到達しているということです。


 しかし、私が感じたのはやはり「方針の明確さ」です。それも赤土小学校そのものに方針がしっかりと位置付けられているのみならず、荒川区教育委員会が「図書教育」に力を入れておりバックアップ体制が整っていることがあげられます。


 これって、「隣の芝生は×××・・・・」かもしれませんが、しかしインターネットだけの情報だけで見ても荒川区は学校図書館に力を入れていると思います。ただし、多摩市内の学校図書館も実際に見に行く必要があると考えているのでそれは他市の見学を終えてからと思っています。


 ところで、赤土小学校の校長先生はとてもユニーク!日記を毎日更新されていて、そのお人柄を垣間見ることもできるのですが、それ以上に校長室に入ってびっくりしたのは先生が直々にデッサンをした全職員の方の似顔絵が貼ってあったこと。展覧会で発表した作品とのことですが、すばらしいデッサンの作品がありました。さらには校長先生は卒業生の似顔絵についてもすべての6年生のデッサンをしてあげるのだそうで、モデルになるべく卒業生が途中で校長室を訪れました。(あいにくも私に応対していた校長先生・・・「ごめんね、今、お客さんだからあとからもう一回来てくれるかな。」・・・・というわけで私はお忙しい先生のお時間を午前中いっぱいいただいてしまったのです。)

 さらに、校長先生の子育て論もユニーク。「テレビを買うなら・・・・」ということで、テレビをお家に置かずに子育てをなさったのだとか。その御子息はお一方はプロの棋士で、その弟気味はアームレスリングの大会でチャンピョンになったこともあるという武道家なんだそう。もともと校長先生は長男で自営業の後継ぎを予定されていたけれど、家父長制で当時の家を仕切っていたおじいさまに「好きな道を進むことを許してもらえた」という経験があり、子どもたちの好きな道をそれぞれ選ばせて進ませてきた結果なんだとの話にまで花が開いてしまいました。


 そして、校長先生がおっしゃっていた印象的だったこと。「学校では学力も大事だけれど、やっぱり「自分だけが良ければいい。」「自分さえ良かったらそれでいい。」ではない気持ちを持てる人を育てていきたい。」


 あくせくしている世の中。ついつい自分のことだけを考えざるを得ないくらいに余裕なくなる状態は大人だけではなく子供たちの世界にも・・・・先生の言葉にうなづいてしまいました。ご多忙な時間を割いての対応にも関わらず、穏やかにゆったりと対応をしてくださりありがたく感謝感謝でした。

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2008年11月28日

都立多摩桜の丘学園の子どもたち

 都立多摩桜の丘学園・・・・と聞いても、「どこ?」と思われる方がほとんどだと思います。この4月から多摩養護学校が名称変更をしていますが、おそらくそのことはあまり知られていないでしょう。バス停も未だに「多摩養護学校」のままなので、地域でもなかなか気がつかないのではないかと思います。多摩養護学校はもともと知的障害と肢体不自由のある子どもたちが通う学校として開校しました。しかし、南大沢に新校が設置されたことに伴い、知的障害教育部門を移転し、肢体不自由教育に特化した活動が行なわれてきました。

 その後、都立学校の再編の動きの中で南大沢学園が職業訓練技術を磨くための学校に衣替え、そこで知的障害教育部門が再び多摩養護学校に戻ってくることとなりました。その間、例えば都立南野高校の活用などの検討もありましたが(これは地元地域の反対により断念。)、結局、多摩養護学校が再び「知肢併置校」の新たな学園としてスタートすることになったのです。現在、多摩養護学校改め多摩桜の丘学園では校舎を増築中。南大沢学園からの移転完了、学校としての新たなスタートの再来年度を目指した準備を進めているところです。

 今日は多摩桜の丘学園の学校公開と道徳地区公開講座。それにあわせて市議会議員を囲む懇談会の開催の案内をいただいていたので参加しました。市議会議員全員に案内が届いていたはずですが、定例会前の時期でもあり、学校公開から懇談会まで参加をした市議は私を含めて3名。懇談会から2名の議員が加わり、先生と保護者の方々との意見交換などを行いました。日々抱えている課題、将来への不安などの声が出されました。
 
 就労就業先の確保はもちろんのことですが、医療的ケアが欠かせない子どもたちの受け入れ先が地域に不足していることは従来からの課題です。実は今年度当初、医療的ケアのできる施設が都有地に誘致される計画あったのですが、地形の悪さなどを懸念事項として頓挫してしまったいう経過があります。朗報だと受け止めたことが、一寸先は闇に変わってしまったことに落胆が大きかった状況は察するに難くはありません。今後の展開に市行政はもちろんのこと、市議会も真剣に考えていかねばならないとの認識がありますが、さしあたっては受入れるにしても「場所」が必要になるわけで、用地をどう確保するのかを決めていかねばなりません。現実問題として考えておかねばならないのは、施設を受入れるための環境づくりで、住民意識ということだと感じます。ていねいな意思疎通と理解と認識をいかに深めていけるのかでは私たちが努力しなければならないところが大きいでしょうね。

 また、日々抱えている課題・・・ということで言えば、緊急で子どもの預け先を確保したりボランティアを確保することの困難さ、居住地域エリアにある学校との交流ではエレベーターがないことへの悩み(エレベーターがないので交流を最初から諦めてしまう場合もある)、移動支援への課題など新しい悩みと言うよりも、従来から出されている問題点がなかなか是正されないまま現在にまで至っていることを痛感させられる声が多数出されました。ノーマライゼーションとか共生とかって言葉だけが一人歩きして、実態が伴っていないこと、声なき声、弱者を大事にって言いながらもできていない、変えていけていない現実を突きつけられた気がします(自省も含めて)。何を大事にして優先しながら税金を使っていくのかが問われます。「子どもにハンディがあっても、私は仕事も続けたい。」・・・・自然な感情だと思いました。


 ところで、子どもたち・・・・昨年も学校公開で様子を見せていただいている私にとっては、ちょっぴり成長を感じる子どもの姿もありました。初めて学校公開に参加をしたと話す初老の男性は「採用されたばかりの新人教員はこういう学校に来て2~3年間くらいみっちりと研修を重ねるべきだ。」と強調していました。校長先生も「障害児教育に関わっている先生方は『これが教育の原点だ』と感じているのではないかと思う。」とお話しされていたように、子どもたち一人ひとりに向き合って先生自身も子どもとともに成長していける環境があるのではないかなと感じた次第です。私は子どもたちの瞳が透き通っている気がするんです。


 今後、都立多摩桜の丘学園は特別支援教育の拠点としてもそこにあるノウハウを生かし、多摩市内の小中学校の支援する役割を担うことにもなっています。今でも市内の小中学校それぞれとのつながりを持っているとの話ですが、ますますの連携が求められていくと感じます。「都立」と「市立」って同じ公立であっても何となく敷居の高さや壁がある感じがしてなりませんが、子どもたちや市民のために組織の理屈云々を乗り越えていくことが必要だと思います。そのためにはやっぱり「つなぐ役」を果たす場所(人?)がいるのかなあ・・・いずれにしても機能できることが求められるわけですが・・・・。

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2008年11月07日

子どもたちに「質のいい読書」を。

 東京都立図書館が主催をした「子ども読書フォーラム」に足を運びました。講演会と実践報告の2部構成で4時間。とても長い企画でした。会場はちらほらと男性も見かけましたが、やはり圧倒的多数は女性で、男性は「職務」として参加しているような雰囲気の人ばかりでした。

 文字離れや活字離れ・・・といわれる中で、「子どもの読書活動の推進に関する法律」ができ、多摩市にも「子どもの読書活動推進計画」があります。でも、たぶん法律のことも計画のこともほとんど知らない市民の方が多いだろうなあ・・・と思います。多摩市ではこの推進計画を意識しながら「子どもの読書まつり」というのを今年初めて開催をし、そこそこ集客があったのではないか?と思います。ちょうど本館の移転オープンの時期にあわせた開催で盛況のように見受けられました。このイベントその後・・・・子どもの読書活動推進計画がどうなっているのかはいまいちよくわからないので今度ヒアリングをする予定ですが、今日の講演から学んだのは子どもたちは「質のいい読書」ができているのかどうかが重要な視点になりそうです。

 おそらく、「質のいい読書」をするために必要なことが選書になるわけですが、子どもたちに人気があるからといって「良書とは限らない」という講演者の脇明子さんのご指摘はその通りだと思います。どういう観点で選書が行われているのか、子どもたちと本との出会いをどんなふうにつくりだせているのか・・・・図書館の役割って大きいですね。自宅では揃えきれないほどの本がずらりと並んでいて、私は子どもの頃はよく本館にあった子ども図書館に通いましたが・・・・大好きなリンドグレーンの「やかまし村シリーズ」もここで出会いましたし、結構「星」にも関心があって、科学関係の本も眺めていた記憶もあります。でも、子ども図書館でカウンターの職員の方に本を紹介してもらったり、解説してもらったり・・・・なんてことはなかったかなあ。どんな本にどんなタイミングで出会えるのかについて、もしかするとカウンターの中の職員の方のガイドが大きなヒントになることもありそうです。
 いずれにせよ、私が小学校の頃と比べれば、多摩市内各小中学校には図書館司書も配置されていますし、子どもたちの読書環境の充実という点では人材配置面だけを考えてもかなりの前進だと思っています。ただ、人材をいかに活用できているのかが次なる課題かもしれませんね。


 脇さんの講演を聴き、著書も購入したので「子どもと読書」のことを改めて考える機会にしていきたいと思います。また、講演後のさまざまな実践活動の報告もありましたが、具体的な内容については現場に出かけて見なければ「差異」を掴むこともできないとは思いますが、・・・・多摩市の図書館でもそれほどに大きな遜色のあるような取組みの違いはないような感も受けました。

 でも、やはり・・・・中学生、高校生といった世代向けの図書コーナー(ヤングアダルトコーナー)のつくり方に課題があるのはどの自治体でも共通なのかなと思ったりしました。図書コーナーの件に限らず、中学生高校生世代に向けた施策はどこの自治体でも薄いという現状があるわけですけど。


 それにしても「絵本の洪水」というように絵本が氾濫している中で良書を選び出すというのは凡人にはなかなか難しい。そこにこそ図書館の力があるといいですね。「質のいい読書」・・・子どもたちが本に出会う喜びを学んだ後の大きな大きな課題です。

 ところで、多摩市の図書館では明日下記のような講座があります。残念ながら私は参加できませんが、お時間あればどうぞご参加ください。

 

★たま市民文庫リレートーク★
 臼井アキ子さん 『少女が見た戦中・戦後』
 多摩市で生まれ育ち、小学校四年生で敗戦を迎えた一人の少女の目から見た戦中、戦後を描いた本 です。昭和の前半の多摩の暮らしぶりを知ることができる貴重な記録です。

 著者の臼井アキ子さんを囲み、自費出版のいきさつや本に込めた思いなどお話をうかがいます。
 【日時】11月8日(土曜日) 午後2時~3時
 【場所】多摩市立図書館(本館) 2階講座室
 【申込・問合せ先】電話042-373-7955 多摩市立図書館(本館)
   平日:午前10時~午後6時 土曜・日曜:午前10時~午後5時
     ※祝日を除く
 (多摩市立図書館ホームページより抜粋)

 

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2008年10月30日

「地方自治と子ども施策」全国自治体シンポジウムin世田谷

 今年で7回目を迎える「地方自治と子ども施策」全国自治体シンポジウムに参加をしました。記念すべき第1回が開催された兵庫県川西市に行ったのは議員になったばかりの頃。つまり・・・七年ぶりの参加ということになります。今日明日の2日間の全国自治体各地の事例発表などがあり、意見交換が行われます。今日は「子ども支援の総合化」をテーマにした全体会が開催されました。

 ちょうど今、「次世代育成支援推進法」に基づいて都道府県、市町村がそれぞれに制定する「地域行動計画」の見直し時期にさしかかっている段階です。地域行動計画は前期が平成17年~21年で後期が平成22年~26年となっているので、まさに今年から来年にかけ各自治体は後期計画策定に向けていかなければならないのですね。既にニーズ調査などを始めている自治体もあるようですが、そういえば多摩市の場合はどうだったかな?いずれにせよ、次世代の育成は緊急課題ということで、国あげての取組みが推進されているということは事実でしょう。いまや地方分権、地方主権の時代・・・・というわけで各自治体がそれぞれの地域事情をきちんと加味しながら施策展開を図り、「少子化を解消する」というのが急務と言うわけです。


 さて、「次世代育成支援推進」って産めよ増やせよ!と推進することが目的ではないはずなのに、何となく「女性が子どもを産みたいと思える」とか「子育てしたいと思える」という視点が強調されがちで、ワークライフバランスで仕事と家庭との両立やらを確保できる体制づくりへの取組み、あとは従来は在宅で子育てをしている家庭などへの支援が手薄だったとの反省にたった子ども施策全体の見直しが行われてきたように思っています。つまりは保育園を増やし、保育時間を延長するとかで共働き世帯(女性)の支援できる基盤整備、在宅育児家庭への支援では一時保育の受け入れを増やすとか子育て広場を拡充するとかで育児不安等への解消を・・・・・・という風に全体的には乳幼児期から就学前段階の子育てを支援する対策に力点を置かれてきたような気がします。
 
 確かに子どもにとって乳幼児期はとても大事な時期。でも、本当は子どもたちの健やかな育ちを保障し確保する環境づくりは、子どもが小学校に入学後にますます自分の主体性を伸ばしていく「学び」の環境が子どもにとってグンと広がる時期、子ども自身の視野が広く広くなる段階にこそ必要で、そこに子どもの視点がどう生かされてくるのか、大人はどう見守っていけるのか、多摩市だと「子育て」ではなくて「子育ち」という言い方をしているのかなと思っていますが、まさに子ども自身のエンパワーメントを大人がどのようにサポートしていけるのかといいう視点がもっと重視されてもいいはずですね。それこそが「次世代育成支援」の視点であるべきで、子どもたちが健やかに育つ環境の質の向上を進めていかなければならないと思います。


 でも実際には「子ども」自身を直接に支援するような施策展開への数量的な目標値は設定されておらず、「子育て支援策」に分類されるような施策については目標値や事業量が設定されているのが実情だと指摘されていました。そういえば・・・・と東京都の報道発表も思い出し、改めて内容にざっと目を通したのですが、やはり次世代育成支援はどちらかというと子育て支援策に重点化していますね。
 

 気のせいかもしれませんが、結局のところ乳幼児から就学前までは「市長部局」で義務教育期間は「教育委員会」でというような「縦割り時代」の名残もあり、「子育ち」を支えていく環境づくりをより豊かにしていけるような全庁的な取組みと言うのはかなり理想郷なのかもしれない・・・・・・。なので、どうしても横断的な連携がなるべく必要のないところで施策を動かそうとする傾向が強くなるのかしら?


 本当は「子どもの視点」で「子育ち環境」の質を問い、見直していけるようなシステムって欲しいですよね。やり方の工夫は必要なのかもしれませんが、そういうシステムがあれば何となく社会に対する意識が深まると言うか、子どもたちへの「政治教育」や「市民教育」、シチズンシップ教育が自然にできていくような気もします。


 というわけで、今日の「子育て支援の総合化」という全体会討議の場ではまさに自治体としての施策展開をどう図っていくのか、子ども条例なるものを制定しながら計画の推進により弾みをつけていくような取組み事例など今後の「地方自治」を生かした子ども施策の展開が話題になっていました。


 私としては・・・・・・「次世代育成支援行動計画」を策定したことによって、どれだけ子育て・子育ち環境の質が向上したのかななんて思います。既に前期計画は進行中ですが、見聞きするさまざまな情報からしてもますます「育ちの環境」が疲弊していて、厳しくなっているような気がしてならないのですね。これをもって飛躍的に少子化が解消しているわけでもないですし。計画づくりの作業ってとても大変で苦労するわけで、ニーズ調査その他を含めても数百万はかかるんですね。多分、財政的にまだまだ余裕のある自治体は数百万ではなく経費をかけていると思います。都道府県レベルでも策定し、市町村レベルでも策定している(もちろん国も)、・・・・全国ベースで見ると結構な金額・経費になると思います。計画を策定するとは言え、その内容は財政難としかめつらをしていかねばならないということで、決して「明るい気持ち」で策定できないと言うのが自治体の本音ではないかと思います。

 
 そんな中で各自治体四苦八苦しながらも、とりあえず計画づくりを進め、各自治体で工夫した取組みが実践されていることも事実です。明日の分科会ではそんな先進事例の取組みを学ぶ場が設定されています。子どもの救済、児童虐待への対応、子どもの居場所づくり、子ども条例の策定などなど7分野があるのですが、私は「子どもの参加支援」という分科会に出席したいと考えています。

 あっ、昨日のBlogですが、操作ミスでせっかく書いた文章を消去・・・・ちょっと愕然としてしまって気持ち回復できなかったので更新していません。すみません。

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2008年10月27日

どうする?学校選択制

 文教常任委員会がありました。調査事項にしている「学校選択制の諸問題について」が審査案件。できれば12月定例会に報告書を仕上げたいと考えています。会議の冒頭で教育委員会事務局が今年度行った学校選択制に関するアンケート調査結果の報告を受けました。


 学校選択制を利用した人も利用しなかった人もあわせて・・・・・「学校選択制は継続すべき」と回答した人が90%以上。(といっても、制度を拡充して継続/現状のまま継続/縮小して継続と回答した人の合計。ちなみに「現状のまま継続」というのは理解できるけれど、「制度を拡充して」「制度を縮小して」の内容が不明。どんな風に拡充するのか?縮小するのだろう・・・・?←教育委員会の設問意図に私は疑問だったりする。)


 ということで、制度のそのものが定着をしている証拠で「何も問題がない」と主張する委員が約1名。しかし委員長を除くその他私を含んだ4名の委員は「学校選択制を全く否定するものではないが見直す必要がある。」との立場で意見交換をしました。そもそも上記の教育委員会のアンケートについても結果の捉え方があると思っています。


 学校選択制を利用した人は「選択制が悪かった」とは回答しないでしょうし。利用しなかった人は選択制そのものにそれほどの関心を寄せているわけではなく、「別に制度があるならば、あえてなくさなくてもいいのではないの」というレベルで回答しているのではないかと推測ができます。学校選択制を利用しなかった人が被害を被った事例は聞いたこともありませんし。
 むしろ、学校選択制を利用して指定学区外の学校を選びたかったのに、受入定員との関係で抽選に外れてしまう場合もあり、そちらのほうが問題ですね。「学校選択ができない場合もある。」・・しかもそれは「くじ運で決まる。」みたいな・・・・。


 基本的には指定された学区内の学校に通学する。でも、場合によっては学校選択も可能にできるような制度の見直しはできないのだろうか?・・・・・・というわけで、学校選択制を利用できる基準を設けてはどうか?という意見が出されました。
 一つには「学校の距離」があると思います。場合によっては指定学区内の学校よりも、学区外の学校のほうが通いやすい場所にあるというケースも発生するでしょう。そういう場合には選択できる余地を認めることが必要です。あとは、中学校の場合には部活の問題があるでしょう。中学生にとって部活動はやはり重要な視点。部活をやりに学校に行くなんて時期もあるわけですし(って私はそういう時期もありました)。なので、学校選択をする理由にすることは可能かもしれませんね。

 しかし・・・基準づくりって実は非常に難しいことで、必ず「その他、教育長(もしくは教育委員会)が必要だと判断した場合」と入れ込んでおかねばならず、結局のところ個別判断に委ねられるとなればそこもまた難しい問題を孕んできそうです。


 私としては小学生の場合には「距離以外」の理由による学校選択は認めないことにし、原則的には指定学区域内の学校に入学してもらうようにすればいいと考えています。前橋市の見直しに近い考え方ですね。でも、中学生の場合には「部活」のこともあるので、学校選択制を当面は続けてもいいのかな?と思っています。それに小学校6年生にもなれば、「自分の意思」で行きたい学校を選ぶこともできるでしょうし。(でも、多摩市の場合は学校を適正規模化に取組んでいる→どの中学校でも一定程度の規模が確保できる→部活動についての問題も克服できるような気はしています。)


 と今の段階では考えています。できたら委員会として見解をまとめていけたらと思っていますが、「学校選択制に問題はない。」とかなり強く主張される方もおられるので、両論併記でのまとめを作成することになるのでしょうか?


 いずれにせよ、学校選択制はさまざまな問題点が指摘されています。例えば学校の序列化とか、選ばれなかった学校のモチベーションの低下などなど。。。。。そもそも学校選択制は「学校の特色づくり」と密接な関係があり、それぞれの学校に特色を出すべく競争させると言うか、やる気を出させると言うか・・・・・その渦中に置かれて実施されてきたものだと理解しています。
 私は学校の特色は学校の立地する地域環境、通学している子どもたちや保護者、そして先生が自ずから醸し出すものであると考えていて、わざわざ「特色づくり」に時間を割いて取組むこともないような気がしています。「公教育」としてベーシックなところこそきちんと行われるべきで、それを粛々とこなしていたとしても、学校の特色は生まれてくるものではないでしょうか?もちろん、特徴的な取組み云々はあるのかもしれませんが・・・・・・。特色を無理やり作ろうとするから学校が疲弊し、先生たちが疲労し、子どもたちにも影響する・・・・・という悪循環サイクルだけは避けていかねばならないでしょう。(って多摩市の学校がそうなっていると言うわけではありません。一般論として。)


 「選択できる」というのはとてもいいことだと思っています。でも、私は学校の選択と言うのは「公立」か「私立」かの選択で十分。もちろん「公立が選ばれる」が望ましいですし、そのために教育委員会が実力発揮して欲しいと思います。どこの学校に通学しても一定水準の教育が保障されるのが「公教育」だと考えます。「一定水準」というのがまた難しいのかもしれませんが、やはり一人ひとりの子どもの学力(個性)がその子どもなりに身について伸びていけるようにしていくことではないかと思っています。たぶん教育委員会の回答は専門的知見に基づいたものになるはずですが、いずれにせよ「公教育」の役割を突き詰めて考えていけば、「学校選択制」の発想とはそぐわない部分もあるのではないかと思っています。


 それに、多摩市でもやれ家庭教育、地域教育・・・・・「地域で子どもを育てる」とさかんに言われていることを考えても「地域の子どもは地域の学校へ」とごくごく自然に結びつくはずです。やはり学校選択制を見直していくことが必要ではないのか?文教常任委員会の議論の流れは「見直しが必要」という方向になっています。

 ☆学校選択制に対するご意見がありましたら・・・hisaka_box@yahoo.co.jpまでお寄せください!
 
 ☆ちょうど内田樹さんのブログにも「学校選択制」へのご意見が♪

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2008年10月21日

教育委員会の敷居の高さを物語る光景?!

 教育委員会の傍聴をしました。今日は貝取、豊ヶ丘地域の学校統廃合が確定すると言うこともあり、保護者の方の傍聴もありました。

 教育委員会は14時からスタートするのですが、その前に「協議会」を開催します。市民的に言えば「密談会」みたいな感じに受取れてしまいます。協議会は本日の定例会以外にも開催しているようですが、いつ開催されたかの情報はありません。そして何が議題になっているのかの情報もありません。議会の常任委員会でも議案審査などが終了した後に協議会を開催しますが、これはもちろん公開です。よほどの個人情報に関するきわどい内容が含まれていない限りは全ての会議を公開していくことは今や議会にとっては当たり前のことです。

 それから比べると教育委員会は「遅れている」という表現が妥当かどうかはわかりませんが、まだまだベールに包まれていると言えるでしょう。


 今日は傍聴をしていて改めて思ったことですが、傍聴者の資料は予め5部しか用意されず、傍聴者の人数も10名まで・・・・というのは議会も同じ。でも、議会では傍聴者用に「議事次第」を記した日程表は配布しています。ところが教育委員会では日程表の配布がありません。事務局の職員の方にお尋ねしたところ「ホームページには掲載されているのですが」ということでしたが、わざわざホームページの日程表をプリントアウトして持ってこなければならないというのもおかしな話ですし、次回からは準備してもらいたいと思っています。資料の持ち出し厳禁というのは理解できる部分もありますが、日程表くらいは配っても差し支えなく、そうすべきだと思います。
 もちろん、準備した日程表も資料も・・・・傍聴者がいなければ「無駄」になるとも言えますが、それは必要経費にできると判断します。


 ところで、教育委員会の委員長が10月から交替したみたいです。でも、そのことについて議会に対する情報提供がなされていないと思っています。少なくとも9月定例会は10月3日まで開催されていたことを思えば、どこかの段階でそのことを周知する必要もあったのではないかと感じますが・・・。就任披露まではする必要もないと思っていますが、そのあたりの人事の話って結構気になるところです。教育委員会の委員長はただ単なる会議の仕切り役、司会進行役ではないと思っていますが、傍聴席から見ていると単なる「司会」にしか見えてこないのが正直な感想です。それは議会でも議長や委員長に対して指摘される事項かもしれませんね。


 それにしても教育委員会の会議の進行は非常に前時代的な感じがします。議会の委員会などでも部長を筆頭に職員が説明者になり、質疑応答を行います。教育委員会の議事進行も同じような進み方をするのですが、説明者はいちいち起立をして発言するところ・・・・・「うわっ!」って思います。どう表現していいか分かりませんが、「うわっ!」って感じです。
 議会では説明者が起立をしたとしても、「どうぞお座りになって説明してください。」というのが普通です。しかし、教育委員会では説明をするときも質疑に応答するときも必ず起立をする・・・・この光景って何だかものすごく古臭い慣習がしてしまいます。

 
 その一方で、先般私が指摘された多摩市議会の委員会での「お茶だし」ですが、教育委員会の会議での「お茶」は廃止されているようですね。教育委員会で「お茶」の廃止がされている状況を見ると、議会もそろそろ職員に「お茶だし」させていることに疑問を持たねばならない時期かと思いました。

 いずれにせよ、古くからの慣例や慣習というのに最初は違和感を感じたとしても、何となく周りの状況を見ながら、いつか指摘しなくちゃ・・・と思っていつつ・・・・・「まあ、こんなものなのか」と惰性に流れていくと言うか、自分にもその慣例や慣習がしみついてしまうのが常。そんな意味で考えると、教育委員会のあり方も「こんなものか」の連続で今に至っているんだろうと思われます。特に説明者がいちいち起立をして議事進行するというところなど・・・・・教育委員の方々の中にはかなり市民感覚で発言される方もおられることを考えると「あえて言う必要もないか」ということなのかもしれませんが、私には気になってしまいます。それから傍聴者に日程表を配布するという点ですが、これに関して言えば、教育委員の方々が教育委員会の会議を「かつて傍聴したことがあるかどうか」という点で配慮が異なってくるような気もします。たぶん、説明者の職員の方々も多くの場合には市民として「傍聴者」になったことはないと思うので、そのあたりの気遣いにかけてしまうと思うんですね。

 というわけで、今日の傍聴は会議運営の「観察」みたいになってしまいましたが・・・・・。


 私が傍聴をしたかったのは学校統廃合の件と全国学力テストの結果の公表という点でした。先般の議会にて「全国学力テストの結果を分析し、その対応策も含めてきちんと公表して市民に説明責任を果たすことが必要ではないか。」と指摘したのですが、教育委員さんも「そういう時期に来ている。説明責任を果たさねばならない。」という認識で概ね一致していたようです。
 ただ、数字が一人歩きをしては困るということで、公表の仕方には随分な工夫が必要だと言っておられました。私としては「どういう公表の仕方が望ましいのか」を含めて議論するのが教育委員会ではないのかと思いましたが、そのあたりはすべて事務局に委ねると言うか、任せるというか・・・・深いところまで議論はなされずに「公開はしていく」ことだけは決定しました。
 

 一体、どのような形で分析が施され、結果公表されていくのかが注目されます。

 次回の教育委員会は定例会が11月になりますが、そのときには議事日程を配布してもらえるでしょうか?お願いしてみたいと思います。

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2008年10月17日

子どもたちの学力は本当に伸びているのか?

 学力向上シンポジウムに参加しました。市内小学校6校と中学校1校の取組み事例の発表があり、その後、基調講演というプログラムで開催されました。

 各学校の取組みをこのような形で共有できることはとても参考になりそうです。加えて基調講演も「当たり前」のことが述べられていると思いましたが、現実的には「当たり前のことが当たり前にできていない」ということなのかなと感じさせられる内容のものでした。終わった後、私の近くに座っていた方々(どこかの学校の先生たち)は「非常に参考になる話だった。」と話をされていました。


 何となく・・・・全体の参加者の印象としては学校関係者で、しかも事例発表をする学校の先生方が中心という感じ。本音ベースでは発表のかかわりのない学校の先生方は、このような場に時間を割いて参加をする余裕を見出すことすら難しいのかもしれませんね。「芸術の秋」という季節は各学校とも学習発表会や合唱コンクールなどなどの行事が目白押し。本当はもっと多くの先生方が参加して、各学校の事例発表について質疑応答や意見交換ができるといいなと思いますが、まだまだその段階には至らずというところ。第3回目なので仕方がないのかもしれませんが、個人的には各学校の取組みや実践をただ単に聞くだけではなく、質問などしてみたいと思いました。


 さて、「学力向上シンポジウム」ということで、各学校とも目指しているのは子どもたちの「学力向上」であることは間違いないわけですが、子どもたちの学力は本当に伸長しているのでしょうか?

 
 今の子どもたちにとって必要なことは巷でも指摘されているように「自己表現力」となるみたいですね。どの学校も子どもたちが自分自身の考え方をまとめて伝える力、応用力や発想力などなど・・・・・「知識の量ではなく、身につけた知識をどう使いこなせるかの応用力」に着目をしているようでした。


 ・・・・・ってこれって文部科学省、もちろん多摩市教育委員会も呪文のように唱えている「生きる力」のことではないのかしら?「生きる力に確かな学力」・・・・ここから既に5年は経過しているのに、年々子どもたちの生きる力の低下云々と言われていることそのものが本当に不可思議な話。子どもたちの力が低下しているのか、それともそれを取り巻くあらゆる環境に問題があるのか・・・・・・私は多分後者が原因だと思っていますが、そうなってくると今度は「第一義的には‘家庭’が悪い」と結論づけられて議論が各家庭や各個人の自己責任論の方向に流れていきそう。「自己責任」と言う言葉が本当に便利に使われているような風潮を最近感じている私は「家庭の責任」だけに押し込めることができないと思っているのですが。


 いずれにせよ、子どもたちの学力が本当に伸びているのかまでの検証はされていない・・・というよりするのは難しいのが実情なのかもしれませんね。本腰で検証をするのであれば、一人の子どもの状況を年々ずっとていねいに後追いしていくことが必要になるわけですから。そこまでできるエネルギーを持てるかどうか。その時間を割けるかどうか・・・・そしてその調査をするために必要な人員と経費措置ができるかどうか・・・・・。

 でも、とかく事例発表をされていた学校、そして先生はそれぞれに工夫をしたり意欲的に取組んだりしていることはよくよくわかりました。それを各学校の工夫どまりで終えてしまうのか、つまりは各学校の特色や努力、校長先生の経営手腕への評価などで終わらせるのかどうか・・・・ここから問われてくるのが教育委員会の力量と言うことになるでしょう。各学校の努力云々とその評価だけで終わらせておくのがきっと一番のお手軽なのかもしれませんね。でも、本来はそこから一歩先に進んで、多摩市全体の取組みをどうやって作っていくのかを編み出していくことが必要だと私は考えています。


 さて、この学力向上シンポジウムは今後のどのように展開していくのでしょうね?今日も教育委員の方もいらっしゃいましたが、これらの取組みをどのように受け止めて考えていくのか、一歩先に進んだ議論をして欲しいと願います。

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2008年08月22日

中央図書館的機能を考えるにしても。

 今日は午前中に一般質問に関連したヒアリングを行い、午後から町田市の中央図書館に出向いて話を伺いました。先日、立川で元館長さんの講演を伺って以来、図書館の役割や図書館政策というものを改めて考えてみたいと思ってきたからでした。

 中央図書館の必要性ということでは、毎年の世論調査でも市民の要望がとても高いわけですが、「果たして中央図書館とは何ぞや?」というものが私の中でもいまいちすっきりした回答があるものではなく、「多摩市の図書館本館とどう違うのか?」、さらには「中央図書館的機能」という言葉が総合計画や昨年度の市民討議会などあちこちで使用されているのですが、「中央図書館的機能とは?」についても納得のできる答えが得られていないのが正直なところです。

 図書館の役割ってどんなこと?・・・・・最近の図書館はビジネス支援、医療支援、子育て支援などなど様々なニーズに応えるべくテリトリーを広げている感じです。しかし、基本的には「図書・資料の貸出」を柱にすることが必要で、知的文化遺産の蓄積をしながら、いつでも気軽にどんな市民でも利用できる体制づくりが必要だということです。「知りたくて、学びたい!」そんな好奇心のあるいかなる人でも利用できるのが図書館というわけです。
 図書館は「貸し本屋ではない」という批判もボチボチあるわけですが、図書館のあるところの近隣の本屋さんって意外に売上はいいそうです。図書館で本を借りる人は、実は買う人でもあるということでしょうね。そんな話も聴きながら、町田市の中央図書館のフロア全体も案内してもらいました。

 さすがに立地の良さ、利便性高いこともあり、市民に愛されて利用されているという感じです。ちょうど永山図書館も駅に近くて賑わっていますが、やはりフロア面積の狭さから蔵書数も限られていますし、ゆったりと図書や資料を眺めるスペースもなく、調べ物をするにも中途半端。町田市の中央図書館と比較をすれば、駅前とは言っても「地域図書館」の位置づけにならざるを得ない意味がよくよくわかります。
 「なるほど、中央図書館とは・・・・。」という雰囲気やらを味わってきたのですが、そうは言っても「では、中央図書館がないとできないことは何か?」とか「多摩市の本館は中央図書館ではないのはなぜか?」とか・・・・・そのあたりの違いを知るためにはまだまだ図書館についての認識を深めなければいけないかな・・・・と思いました。

 今、図書館の本館が旧西落合中学校に移転しましたが、やはりあの場所を「中央図書館」と位置づけるのには無理がありそう。スペース的には広々していて、それなりの蔵書を揃えることで対応はかることが可能なのかもしれませんが、そうしたところで利便性の悪さから閑古鳥鳴いてしまっては困りますし。やはり「立地」というものが中央図書館を考える上で外せない視点なのかもしれません。市民サービスの一つと考えれば、利用してもらってこそ価値があるわけですから。なので、ミニバスルートからも外れている旧西落合中学校跡地の図書館本館を無理やり「中央図書館」に名前を変更することは望ましくないでしょうね。


 それにしても、長年の懸案事項とも言える「中央図書館」ですが、このまま本館が「中央図書館的機能を果たす」という位置づけにされてしまう方向なのでしょうか?


 いずれにせよ、多摩市の図書館政策を紐解いていく必要があると思っていますが、そもそも「図書館はまちづくりの中でどんな位置づけにあるのか?」という根幹部分を始め、「多摩市の図書館で大事にしていることはどんなこと?」「多摩市は図書館を通じてどんなことを実現したい?」などなどがはっきりしていないと感じます。ただ単に淡々と粛々と運営されてきたわけではないと思うのですが。


 町田市の場合も図書館政策がまちづくりの目玉で、図書館が常に常に重点施策になっているわけでもありませんが、しかし、図書館のサービス理念と目標がきちんと掲げられていることは評価すべきでしょうし、学ぶべき点だと感じます。中央図書館、中央図書館的機能云々を掲げる前に、多摩市の図書館政策の目指すべき方向を全体で共有していく工夫と努力をすべきでしょうね。もしかすると、私が調査不足なだけで、理念もあり、目標もあるのかもしれませんが、見方を変えれば、そのことが十分に浸透していないという状況こそ問題といえるのかも。

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2008年08月12日

都の取組みにどこまで連動していけるのか?

 市役所もお盆休み風になっています。今日はちょっとした用があり会派の控室まで行きましたが、ひっそりした感があります。ひっそりといえば、子どもの通う保育園も今週から夏休みのお友だちが多くなりました。そのせいか我が子も「私の休みはいつなんだろう?」って待ち望んでいる様子です。休みとらなきゃ。


 さて、子どもたちの発達支援の問題をずっと追跡中ですが、多摩市内のことでいえば昨年度末、つまりは今年の3月に決定した療育部門の民間委託化に向けていよいよ動き出そうとしている模様です。まだ、少し関係者との調整に時間がかかりそうですが、民間委託先の公募に向けた要項の作成を進めているようです。

 ところで、それとあわせて常に私は東京都の動きも注目していますが、先月には「子どもの心診療支援拠点病院事業」がスタートしました。多摩市はこの拠点とどんな風に連携を進めていくのでしょうね。かつての質問で専門病院との連携について窓口をどこにするのかを尋ねたことがありますが、その際は・・・・「子ども家庭支援センターが担わざるを得ないと思っている」というニュアンスの答えだった記憶があります。しかし、療育部門を充実したり、総合相談部門の設置に向けて動いている状況を考えれば、今後は「子ども家庭支援センターが担わざるを得ない」状況の解消が進むと思われます。そうなることを期待するものです。

 子どもたちへの途切れのない支援を進めていくことで、発達支援をしていきたい!というのは市長の今年度の重点項目にもなっているわけですが、いまいちその先にあるビジョンが見えてこないことを危惧しています。「ひまわり教室」を民間委託化することだけは決まったようですが、総合相談部門全体の設計がどうなっているのかなどなど・・・・現段階ではまだあやふやにしか固まっていないと睨んでいます。私としては着実な取組みが感じられればいいわけですが、もしも進んでいないとしたら、またもや・・・しつこく煙たがられながらも一般質問するしかありませんね。


 それにしても議員が一般質問をするとなれば、急に物事が動き出す・・・なんてこともあるみたいですが、そういう俄仕立てでしつらえだけを組み立てて、表面だけを整えたところであっという間に綻びが見えてくるのでは本末転倒ですから。


 さて、東京都の現知事は子どもたちには少々冷酷・・・というよりは「子どもの権利」という発想に対しては全く無理解の人物であると評価しています。しかしながら、今日は下記のような情報が届きました。

被虐待児への支援で新施設設置へ―東京都

 東京都は、従来の児童養護施設などでは対応が困難な、虐待などが原因で情緒・行動面の問題を抱えた子どもを対象に、心の治療や教育の支援を強化する新しい施設を設置する方針を固めた。実施主体や設置場所の決定など基本設計に必要な経費を来年度の予算要求に盛り込む。

 新しい施設では、心理治療や教育の分野を強化。生活支援分野を合わせて3分野が連携して「治療的ケア」を提供していく。
 具体的には、心理治療分野では、カウンセリングや遊戯療法などを通じて子どもの心的外傷を治癒させる心理療法の担当者を増員。担当者が子どもたちと生活を共にしながら、従来よりも手厚いケアを行っていく。
 また、施設内に分校を設置することで、学校機能も担う。従来の児童養護施設では、子どもたちが学校へ通っている間は、施設側が関与できなかったが、新施設では教員と施設の職員が同じ施設内にいるため、連携を図りながら子どもたちを支援できるようになる。

 定員は入所、通所などを合わせて40人程度を想定している。小学校3、4年から中学校に上がる前の児童を対象にする予定。

 都が実施した調査によると、児童養護施設の入所児童のうち虐待経験のある児童の割合は1998年には26.5%だったが、2005年には51.7%と半数を超えた。

 虐待による心的外傷などは、適切なケアが早期になされなければ、成長とともに悪化するといわれている。このため都では、「早い段階での適切な治療が必要」としている。


 新たな取組みに着手するということではありがたいことですが、現状の児童養護施設の環境の悪さの解消にもぜひ力を尽くしてもらいたいです。

 これらの東京都の取組みがどんな風に展開されていくのかはこれから先の問題で、まだまだ見えないところも多いといえますが、いずれにせよ多摩市が都の動きにどのように対応していくのかが問われますね。子どもたちの発達支援の問題についても、かなり広い視点で取組まなければならないでしょうし。縦割り行政の壁が分厚いなどと嘆いている暇はないという感じがしてきました。いよいよそのためには私が以前から主張をしている教育委員会にも市長部局の各部署にも顔のきくような司令塔となるべき人材の配置が必要です。人材登用が鍵なんですが、一体・・・・その人材についてはどんな風に確保するのかについてもまだ回答は出ていない!!!


 「嗚呼!!!どーーーーーーーーーーーーなっているのでしょう?」


 東京都の取組みを活かすも殺すもそこには自治体の力量が問われことを感じます。(もちろん、この問題に限らずですが・・・・・。)夏休みでリフレッシュした市役所の取組みに期待するとしましょうか・・・・・・・。(私もリフレッシュしよ。)

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2008年08月11日

子育て支援のニーズを探る

 今日は・・・ちょっと近隣市にまで出かけ、幼稚園・保育園・学童クラブ(民間)・子育て支援施設などの見学をしてきました。半日コースで保育園の給食をいただくところからスタート。夕方までみっちりとたっぷりと施設の見学をしてきました。今の子育てニーズを探るという意味では、必ずしも多摩市内の施設に捉われなくとも、都市部近隣自治体であれば相通ずる課題あり。
 特に子育て支援施設である「子育て広場」は、暑い夏ということもあり近所の親子が遊びに来て話に花を咲かせていました・・・・・って、子どもたちは広場全体に目配りをしている保育士さんたちにお任せで、母親同士が情報交換を大いにしているという感じですね。子育て広場の一番の役割は、親子がともに遊ぶというよりは、母親と子どもが少しだけ離れることのできるひとときを提供するという点にあることを改めて実感しました。まさに、親子ともども気分転換できる場所ですね。こんなに暑いと公園で・・・・なんてことも難しいですし、大人には少々暑く、子どもには快適な室温に維持されている子育て広場の空間の居心地はとてもいい。

 ちょうど、今日は親子クッキングでクッキーづくりをしていたそうで広場は甘くて美味しい香りに包まれていました。もちろん、この暑い夏ですので駐車場には日影をつくり、ビニールプールで遊べるようにもなっていました。

 というわけで、こちらの子育て広場は民設民営で行政からは少しの補助金(運営費の足しになるくらい)で行っているところに注目ですね。会員登録をして利用料を支払っても、ここにやってくる親子の存在があるということにニーズの汲み取ることができます。多摩市には「有料」の子育て広場って確かなかったよな・・・・・と思いますが、いずれにせよ、「有料」にするということはそれに見合ったサービスがきちんと提供されているということにもなり、そこに民間の発想や民間の力があるのだと感じます。

 先日訪問した「親子カフェ」もそうだったのですが、お手頃な利用料金であれば、「利用したい!」と思う人は多いのかもしれません。


 もちろん行政が考えて配慮すべき、子育て広場に行きたくても行くことのできない市民の存在もあるのだと思っています。「お金がかかるなら」ということで、一歩を踏み出せない人もあるでしょうから。しかし、行政が直接運営をしなくても、これだけ立派に民間で運営できている場を見てしまうと行政が公設であれこれと手広い事業展開をしなくともやっていける道筋を描いていくことが求められているように感じます。


 さて、子育て・・・といえば、目下計画進行中の市立幼稚園活用方策。ここにも子育て支援の総合的施設ができるわけですが、ここも「公設公営」を基本路線にしながら話が進んでいます。いまいちどんな内容に深められていくのか分からないものの、この場所に現在の子ども家庭支援センターが移転することだけは明らかです。ここは多摩市の子育て支援施設の拠点になるのかなあ。「総合的施設」では子育ての人材育成もしていくらしいですが・・・・。


 私の公約→「保育園を地域の子育て拠点に!」~子どものために心にゆとりの持てる子育て支援~
 ・・・・子育てをひとりでがんばりすぎないために保育園を地域の子育て支援の拠点の核として位置づけ「親子ステーション」を開設します。


 という考え方は、どうも今の市長の方針とはそぐわないみたいだなあ。まあ、現状では保育園それぞれの方針や考え方もあるでしょうし、「そこまで手が回らない」というのも現実なのかもしれませんが、そこは各園が人材・場所の確保のできる支援をしていけば、対応できるようにも変わっていく気がするけれど。そのあたりは要・調査事項かもしれません。


 子どもたちってやっぱり「キラキラ」光っていると思います。それは、どの子どもにも私よりも長い未来があって、可能性がたくさんあるということなのでしょうね。だから、そんな可能性の芽を大人が摘み取ってしまわないようにしていきたいですね。

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2008年08月08日

教育委員会の傍聴

 教育委員会の傍聴をしました。今日は小学校の教科書選定がありましたが、教科ごとにていねいに決定が進みました。ちょうど私の隣で傍聴をしていたのは教科書の出版会社の方のよう。教育委員さんがそれぞれの出版社の教科書に対し、内容の分析や評価を述べることをていねいに手帳に書きとめておられました。ご自身の所属する出版社に関するコメントは特に注意深くメモされていたのが印象的でした。

 教育委員さんはそれぞれ担当の教科ごと決め、子どもたちにとって、そして指導する教員にとって・・・という観点から「最もふさわしい」と思われる出版社の教科書を選ばれているようでした。地図帳などは2社から選ぶわけですが、国語や算数他の教科など6~7社ほどの本を読み比べるというのは大変な作業ですね。「こうやって、教科書が決まっているんだ・・・・。」としみじみ思ったことと、私が小学校のときに使っていた教科書などもこうして決められていたんだということを感じるとちょっとした感激がありました。

 ところで、今日の教育委員会では「学校の支援」について地域教育力支援コーディネーターによる聞き取りのニーズ調査をしたことの報告がありました。まだ不十分にしかまとめられていない報告としながらも、地域のマンパワーを活かして学校を支援する仕組みをつくっていく方向性が示されそうです。具体的な取組みとしても①人材派遣と②大学連携が必要とのこと。

 
 これは今更取組むべきことなんだろうか・・・・・・・・・・・?と思って話を聞いていたら、教育委員長がすかさず「今までもこういうことに取組んできているけれど、必ずしも学校の要望と支援する団体側などのできることとが一致するわけでもなくて、難しいところなんですよね。」と。


 「あっ、私も同じこと感じてます!」と傍聴席で頷いてしまいました。


 ちなみに人材派遣という部分では、市民活動情報センターを活用していくような説明がありましたが、教育委員会でも公民館がどこかに「人材バンク」のシステムがあったような気もするんですが、それは今どうなっているのだろう?

 「うーん・・・・・・・・・・、おやっ、どうなっていたか調べておかないと。」

 また、学校の適正規模確保の観点から、貝取・豊ヶ丘地域に引き続いて愛宕地域の小学校の統廃合が進むようです。今年の12月までに教育委員会としての青写真を示していきたいとの説明もありました。従来は「小規模校の解消」の観点からしか語られなかった学校の適正規模でしたが、ようやくここで「大規模校の捉え方」についても検討していきたいとの意向も示されました。
 

 あとは、「やまばとホールの廃止」に向けて9月議会に提案される段取りもいよいよ整いました。

 それにしても、教育委員会は開会する前に非公式的に開催されている協議会があり、重要な意見交換などは非公開で行われています。ですので、傍聴をしているだけでは正直・・・議論の物足りなさを感じてしまいます。個人情報問題などについては傍聴することが難しいと思いますが、もう少し市民に見えるところで議論できないものかと感じざるを得ません。「教育委員会の議事録を読み込まないと!」というくらいになりたいものです。

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2008年08月06日

「困り感」のある子どもたちの支援

 東京都公立学校情緒障害教育研究会が主催をした研修会に参加しました。この研究会は情緒障害学級で通級での指導を行っている先生たちが中心となって運営しているところのようです。研修会は通級学級を指導する教員を対象とすると言うよりは、通常学級の教員に向けて学習に困難を抱えている子どもたちにどんな配慮をしたらいいのかなど支援の手法を伝え、学校や学級運営のヒントを学ぶ場として行われているもののようでした。
 今回の研修会から保護者の参加も可能になったとの話で、会場にはたくさんとは言えませんが関心のある一般市民の参加もありました。保護者にも公開するなんて・・・昔の発想では考えられないことかもしれませんね。とても意義あることだと思います。


 午前は東京学芸大学教授の小池敏英さんよりの講演、午後は小池さんをコーディネーターとするシンポジウム形式で小学校、中学校、東京都教育委員会からの1名ずつのパネラーから事例の報告その他がありましたが、何よりも価値があったのは、会場に参加をしていた2名の保護者からの体験談の発表だったような気がします。学校、とりわけ先生の子どもへの対応により、「落ち着き」が大きく変わったという経験を持つ保護者の声は切実でした。そのエピソードとはこんな風です。

 

子どもが3年生のときの担任の先生はとても几帳面で細かいところにもよく気がつく真面目な方だったと思います。ADHDの我が子は漢字の書き取りなどに困難を抱えていて、宿題は一応こなしたとしてもプリントの囲みの中にちょうど納めてきちんとした文字を書くことができず、枠からはみ出した字を書いていました。もちろん文字もある意味では伸び伸びとした書きぶりでした。(彼はとてもユニークな子どもで、例えば「あたま」という漢字が分からなければ、囲みの中に「頭」のイラストを描いてしまう子です。)先生は良かれと思っているのでしょうが、すべて赤ペンで囲みの中に「正しい答え」をきちんと書き直してくださいました。
 子どもにとっては毎日宿題を提出するだけでも大変。毎回毎回先生の手直しがされてしまったことで、学習への意欲は低下をし、宿題に取組むことができなくなってしまいました。
 
 ところが4年生になり担任の先生が変わりとてもおおらかな先生になりました。同じような漢字のプリントの宿題についても、何か回答が書いてあれば○をつけてくださいました。そして3年生のときは忘れ物など失敗をすると漢字プリントの宿題が増える・・・というペナルティがありましたが、4年生になってのペナルティは大好きな給食でおかわりができないというものになり、子どもがそのペナルティをある意味で励みにしながら、毎日学校に通うことができました。漢字プリントの宿題もまただんだんと取組めるようになり、学習への意欲も少しずつ回復してきました。不登校にならず、保護者も安心することができました。

 子どもにはそれぞれに特性もあり、「困り感」が違います。子どものことを正しく理解をして対応をしてくださることで子どもが大きく変わるということを身をもって体験しています。その子その子に応じた少しの配慮をして欲しいと思います。


 特別に配慮の必要な子どもだから・・・という理由ではなく、子どもたちの一人ひとりの個性を理解しようとする姿勢、そして子どもの多様な可能性を伸ばしていくことのために不可欠なのは、何よりも先生たちが一人ひとりの子どもにどう向き合っていくのかという気力なのだろうなと思いました。「ものさし」は一つではないということなのでしょうね。もう一人の保護者の方の事例も同様な内容でした。地理がとても大好きで都道府県の位置と名前を全て覚えているけれど、漢字で書くことが苦手。テストでは全てひらがなで回答をしていましたが、先生がちゃんと○をつけ、「正答」として取り扱ってくれたことが子どもの励みになりやる気にもつながっていきました・・・ということでした。半分の点数でももらえたらありがたいのに・・・・保護者もうれしかったし、子どもが何しろ一番喜んで、次に向けて頑張る気持ちが生まれている。


 学習に困難を持っている子どもたちは少なくありません。つまづきを解消させるために努力させることは必要でしょう。しかし、その中には「努力してもうまくいかない」「反復練習をしても習得が難しい」という子どもたちがいることを教員がどこまで理解しているのかが特別支援教育、ディスレクシアを持つ子どもたちの支援に必要な観点。そのことが保護者の発言で納得させられた気がします。

 とは言え、この会場・・・・都内全体の教員に呼びかけをしていると思いますが、まだまだ人数としては一部。本来は全ての教員に聞いてもらいたい話で、このような研修会に足が向かない方々がむしろ聞くべき話ではないか・・・なんて感じてしまったり(多摩市からは何名の教員が参加していたかしら?)。知的な発達の遅れはなくても読み書きに「困り感」がある子どもへの支援の必要性は今後ますます高まっていくはずです。多摩市の場合にも通級学級を増設していますし、事実通常学級でも支援を必要としている子どもたちの数が増えていると聞いています。子どもたち一人ひとりの「個」に応じた教育を進めていく必要性が特に強調されるようになったのは近年になってからかもしれませんが、実は・・・別に今に始めるべきことというよりは、もともと教員が子どもたちに接するときの不可欠な態度ではないかと思うのは私だけ?(実際に教員免許も持っていませんし、教育学などを学んだわけでもないので偉そうな立場で発言することは控えたいと思いますが)


 いずれにせよ、先生たちが「困り感」を抱えている子どもたちはもちろんのこと、全ての子どもたちにていねいに向き合った授業を行えたり、子どもたちに接していく時間を持つためには・・・・・現代社会の「忙しさ」から解放されなけれはいけないでしょうね。先生たちが抱えている「忙しさ」を解くためには、何をすべきなのでしょう。そこを見極めていくことの必要性をますます感じさせられたのでした。これは今すぐ解決できる問題ではなくて、深刻な深刻な社会に根差す課題ですね。

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2008年07月28日

もう、後戻りはできない・・・子どもたちと携帯電話。

 多摩市の学校保健会には養護教諭部会というのがあり、小中学校の保健室の先生たちが集まる会があります。そこで意見交換をしたり、勉強会をしたりしているんですが、今日は養護教諭部会の研修会が開催されるということで、関戸公民館のヴィータホールに足を運びました。

 市内の小中学校の先生たちは夏休み期間に研修を行っています。多摩市の場合には「夏季ネットワーク研修」という仕組みで、先生たちが勤務校で実施する研修以外の研修にも参加ができるようにしています(というか、しなければいけないようになっていると思います。)。そこで、今日のホールにもどのくらいの人が集まるだろう?・・・・と思っていました。

 というのは、テーマが「今、子どもたちが危ない~携帯電話・インターネットの危険性と学校・家庭・地域の役割~」との内容で、学校裏サイト、ネットいじめ、援助交際・・・等など今、まさに学校現場が抱えている深刻な課題だったからです。実は講師の下田博次さんはこの業界ではとても有名な方で話を聞けるのはとても貴重な機会です。・・・・であるからこそ、もう少し参加者がいてもいいのでは?と思いました。参加の人数だけで測ることはできないと思いますが、市内学校の関心度に何となくつながるようなつながらないような・・・・・。


 下田さんの話・・・「携帯電話会社の責任」というのは私も同感。ただ電話やメールとして活用するだけが携帯電話ではありません。下田さんの研究室の学生が「携帯電話はあらゆる好奇心と欲望を実現するためのツール」との表現をしたそうですが、子どもが携帯電話を持つということの意味を大人たちが社会がもっと考える必要があったでしょうね。・・・・「必要があった」んですが、すでに手遅れで、今頃にそのことに気がついて政府も慌てふためき法律ができましたが、法律は現実に対してほとんど効力をもてないのだと下田さんは怒っていました。私もそう思います。
 
 先般も諏訪中学校のセーフティ教室でこの問題に対する講演会がありましたが、「親一人」の力でできることには限界があり、子どもたちが人間関係をつくるための重要なコミュニケーション手段として携帯電話を活用している時代・・・・・持たないとそれだけで仲間外れにされてしまうなんて構造があるなんて本当に深刻です。もう、後戻りできないからこそ、この現実を受け止めてどうしたらいいのかを考えていく必要があるわけで、下田先生は「ねちずん村」での活動を進めています。今日は2時間という時間での講演でしたが、本来は何時間もの講義を経て、この問題への理解を深めることができるのだそう。保護者や先生など「大人たちが学ばねばならない」、まだまだ責任や判断力が十分に身についていない子どもたちに携帯電話を持たせることがどういうことであるのか・・・・・便利さ快適さに覆い隠されてきたことをそもそも私たち大人が見破ってこなかったことが今につながっているように思います。


 アメリカや韓国では日本の「子どもと携帯電話」事情をウオッチしているとか。先生の表現によれば、少し過激かもしれませんが、「実験場」にされているわけです。

 「そんな状況でいいの?」・・・・とがなりたてたところで状況が一変するわけでもなし。


 「一体どうすればいいの?」子どもたちから携帯電話を取り上げてなんてことはできず、歯止めはかからないし。


 結局のところ、一人からまた一人へと「子どもと携帯電話」への認識を広げていくしかないんでしょう。携帯電話が広がる勢いにどこまで太刀打ちできるんだろうと思いますが、これだけ様々な犯罪を見聞きしているのに「私は大丈夫」と思っている人たちが多いのはやっぱり平和ボケに類するものなのだろうか・・・・。社会全体の意識が変わらないとこの問題は解決できない。「そんなに便利にならなくてもいいのに。そろそろ利便性の追求を終わりにしませんか?」って本当に言いたい。この問題に限らず、ペースダウン、スローダウンすることで解決できることが多々ありそう。

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2008年07月16日

「その後、どうするんだろう。」

 教育委員会で個人情報の紛失事件が相次いだことから、再発防止に関わる検討がなされていました。6月中に検討結果が出されると言うことだったので、ずっと気がかりだったのですが、昨日の経営会議で「報告書」が提出されるとの話だったので、今日の午前中に早速・・・担当者からの説明を伺いました。
 資料も含めて、全部で40ページほどの検討報告書ですが、この報告書が今後の教育活動に関わる日常業務のガイドラインになっていくとのことでした。私の頭の中では「検討報告書」が存在して、その上で「ガイドライン」が別途作成されるのかと思っていたので、「一体型」になっているところがいささか不思議でもありました。
 
 この40ページのものをガイドラインにするとはずいぶんと先生たちも大変・・・と思いました。おそらく目を通している時間の余裕がなさそう。

 しかし、そこは担当課長さんもちゃんと心得ていて、必要事項をコンパクトにとりまとめたA4サイズ表裏の「個人情報ポケットメモ」が作成されていました。全教職員に配布した「メモ」の見本を一部いただきました。ちなみに、40ページの検討報告書そのものは各学校の2部ずつしか配布していないとの話でした。


 前述のとおり、私は「報告書・ガイドライン」が一体型になっていることにいささか違和感があったのですが、やっぱりその違和感は外れてなかったようです。

 というのも、結局のところ、検討報告書では個人情報紛失の再発防止ということで発生した3件の事故(①USBメモリ②緊急連絡カードの取扱い③デジタルカメラの取扱い)を中心に原因分析やらをし、処方箋を一定程度示しているものの、「紛失事件以外に関する個人情報の適正な取扱い」については、検討は進めたものの「さらに検討を進めることが必要」という結論になっているところがミソ。


 「あれ?」

 
 この検討報告書は「ガイドラインとして活用する」ものなのに。


 本当にガイドラインとして位置づけられると言えば、「さらに検討を進めることが必要」な事項も多々示されており、「ガイドラインになりきれないガイドライン」ではないかなと思えてしまいます。


 なので、「さらに、今後はどうやって検討を進めていくのか」というのが私の次の関心事です。今日のところは「必要に応じて本報告書の内容を見直していくことをしたい」との説明でしたが、「どういう体制で見直しをしていくのか」「さらに今後の検討をどうやって進めていくのか」が一番肝心なこと。・・・そこまでは示されていないのが少々不安要素。


 相次いだ個人情報紛失事件に早急なる対応とのことで、設置をした再発防止対策検討委員会の役割は既に6月末で終了しています。委員会も解散した状況になっています。とりあえずは「相次いだ事件」に対する報告にはなっているのかもしれませんが、ガイドラインとして活用するためには不完全な部分をどのようにしていくのかが問われているでしょうね。


 各学校に2部ずつ配布された報告書が「埃」かぶってしまわないように願うものです。やっぱり報告書は報告書で、この報告書に基づいてガイドラインは別に作成したほうがよかったかもなあ・・・・なんて個人的には感じます。今後の取組みを見守りたいと思います。

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2008年07月11日

議会は教育委員会にどこまで物申すことができるのか?

 今日は文教常任委員会が開催され、所管調査事項になっている「学校選択制の諸問題について」が議題になりました。学校選択制って市民にはどのように受け止められているのでしょうか?
 つい最近の新聞報道(朝日新聞5月23日朝刊)では「学校選択制度導入広がらず」という情報が掲載されていましたが、先行的に学校選択制を導入している自治体でもさまざまな評価があるやに聞き及んでいます。

 学校選択制を導入することで、保護者や子どもにとっては「選ぶ権利」を持てることがメリットだと言われますし、実際に選択権を行使した者にとっては「選べてよかった」という声も聞こえてきます。しかし、学校選択制の本質と言うのは市民の「選ぶ権利」の保障云々ではなく、各学校が「選ばれる学校」になるためのたゆまぬ努力をし、地域の学校どうしが「選ばれる学校」になるために切磋琢磨し、競争させるということに発想があるのだと理解しています。ある意味、「特色のある学校づくり」というのは、「選ばれる学校」になるための必要条件づくりとも言えるわけで、議会でも「特色のある学校づくり」に対する疑義を主張する議員もおられます。本来の「公教育とは何か?」という根本的なところから問い質すとすれば、本来は住んでいる地域は関係なく、どこの学校に通っても「良質な教育環境」が保障されなければいけないからです。

 「各学校が特色を持つことは非常に重要だ。」と主張する議員もいますし、私もそのことを全否定をするつもりもありません。例えば全国でも一躍有名になっている和田中学校は杉並区にあり、ものすごい特徴、特色を持つ学校だと思います。「個性ある学校」の発信力は素晴らしいと思います。・・・・でも、目を転じてみれば、「杉並区の教育」そのものの評価はどうなっているでしょうか?「杉並区の教育=和田中学校」ではありません。
 では、私たち文教常任委員会が昨年に視察に行った犬山市はどうでしょうか。犬山市の場合は市内の各小中学校が際立って名を馳せているわけでもありませんが、「犬山市の教育」そのものが特徴的、個性的であり全国に発信をしています。「犬山市の教育行政」そのものが特色を持って行われているわけです。

 私はやはり「多摩市の教育」に特色を出すべきだと思います。それを蔑ろにしているとは言わないまでも、各学校にしのぎを削らせ、切磋琢磨させることがどれほど重要なことであるかは疑問です。もちろん「卵が先、ひよこが先」の議論に過ぎず、競争させて個々の学校が良くなることで、多摩市の教育力全体が向上していくと捉える考え方もあるのかもしれませんが・・・・。


 「ここらで、ひとつ学校選択制についても見直してみませんか?」というのが私の提案。学校選択制の導入により多摩市内の学校はどう変化し、そのことが教育力全体にどう結びついてきたのでしょうか。この制度により「人気のある学校」と「人気のない学校」を明らかにすることを可視化することができたのかもしれませんが、人気イマイチの学校に教育委員会としてどのような処方箋を描き、対処してきたのかが不明ですし、そもそも学校の「人気度合い」を明らかにすることそのものの問題性だってあるように感じます。人気イマイチの学校であることが風評にもなって・・・・その先どうなるのか・・・・・・・・・(想像できると思います)。
 教育的評価は結果がなかなか見えにくいものと言えますが、教育委員会は学校選択制の導入の効果をどのように分析しているのでしょうか。


 先に紹介をした朝日新聞の記事によれば、全国調査では学校選択制度について「導入も検討していない」と回答したのは小学校75%(前年66%)、中学校73%(前年65%)というのもまた気になるところ。それぞれ地域性もあることを考慮したとしても、この結果を見れば学校選択制度そのものの評価を感じ取ることもできます。


 委員会では今後、「学校選択制を導入しない理由」を調査することにし、都内近隣市で学校選択制を導入していない地域へのヒアリングに行くことになりました。今年中には学校選択制に対する委員会の見解をまとめ、教育委員会に対して示していく方向になっています。学校選択制に対して疑問を抱く議員は少なくありません。

 それから、今日は昨日の多摩第二小学校の視察を受け、意見交換をしようとした矢先に・・・・・教育委員会が「速やかに建替えを進めるべく、市民のワークショップを前倒しで設置することにしました。」と説明にやってきました。「何もしていないわけではありません。ちゃんと考えています。」という姿勢を私たち議会に示したかったのかもしれませんね。しかし、「これまでの対応の不十分さこそが問題なんだけど・・・・・」と思わずにはいられませんでした。・・・・・って、これに関しては議会がきちんと監視機能を果たしていなかったことも問われているのかもしれませんが、やはり、教育委員会は議会から見ればハードル高く「聖域」なんですよね・・・・。


 議会は教育行政にどう向き合っていくことができるのでしょうか。ある意味、問われているのだと思います。学校選択制の是非を論じていくのも最終的には教育委員会になるわけですし・・・・・・。 

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2008年07月10日

笑うに笑えない状況がある。

 今日は文教常任委員会で多摩第二小学校の見学に行きました。一番の目的は老朽化した校舎の実情を把握することです。来年の4月から竜ヶ峰小学校との統合を迎えるにあたっては、学校環境の改善、通学上の安全確保が大きな課題になっていますが、保護者や地域の方々の目から課題解決に向けた市の取組み状況を見るにつけ、大きな不安を抱き、それが今や市に対する不信感に変わりつつある様子です。
 先般、市長宛にも要望書が提出されていますが、①交通機関の整備②通学路の整備③多摩第二小学校の建替えという3点の事項があがっていて、ちょうど明日が市長の回答締切日になっています。

 学校統廃合の議論が行われた審議会でも、上記①や②については統合を進めていくときの受け入れ条件的になっていたように思います。現在の竜ヶ峰小学校の立地する百草団地の場所から第二小学校までの道のりや現在の道路環境を考えれば頷ける面もありますが、「路線バスによる通学を認め、その費用を市が負担することはいつまでの措置として考えればいいのか。」は一つ気になる点ですね。そして多摩第二小学校の学校環境を整備すると言う点ですが、これに関しても「教室不足に対応するために昨年にプレハブ校舎が建設されたはずで、あれは一体どうなっているのか。」とも思ったりもします。またまた教育行政そのものに失策があった?・・・・・先を見通した対応がプレハブ校舎の建設という結論だったのかしら?

 いかんせん地域の子ども数の増と学童クラブ不足に当面対応するためには仕方がなかったとも言えますが、心中複雑な気分です。


 というわけで、文教常任委員会のメンバーと+αのメンバー(委員外委員4名)にて校舎内をくまなく歩き、給食をいただくというのが本日の行程でした。校長先生は「この環境の中で最大限の教育効果をあげるように努力するのがわたしの仕事。」と言い、学校施設面のことにはほとんど言及はしていませんでしたが、雨漏り対策用として廊下に準備してある「バケツと雑巾」、防火扉があるために子どもたちの体操着などを廊下側に吊るすことができず、教室内の窓側の一部に敷き詰められて置き場所を設けてるクラスがある様子、天井が波打っている教室、雨漏りの証拠が痛々しく残っている天井、ひび割れしている壁や天井・・・・・を見れば、校長先生は口を噤んでいるものの言いたいことがないわけないと思いました。
 今日の視察に当たっては、PTCAの会長さん、副会長さんをはじめ3名の方もお付き合いくださり、「教育環境としてソフト面については向上していることを実感しているけれど、ハード面の問題についてはどうにかしてもらいたい。」との切実なご意見もいただきました。

 天井が波打っている教室は授業中に水が滴る状況があるそうですが、子どもも先生もちゃんと心得ていて「雨漏り危険箇所」を避ける形で過ごしているそうです。保護者の方も「笑うに笑えない状況」とおっしゃっていましたが、授業中に雨漏りが始まったら、授業どころじゃなくなるのは想像に難くありません。学校の教室に雨漏りがあること事態、常識外れのような出来事。もちろん、何度も小修繕にて対処しているようですが、完治していない傷に絆創膏を貼り付けているような感じなのかもしれませんね。見た目だけではわからないコンクリートの劣化や、鉄筋の強度の問題、建物の土台そのものが駄目であれば、いくら耐震工事を施してあっても災害時の「避難所」にはなれないはず・・・・・と保護者として地域住民の一人として不安に思わざるを得ないのは当然のことでしょう。

 学校の施設管理に責任を持つのは学校側で校長先生ということになりますが、校長先生だけの力ではどうにもならない状況ではないのか、そして市に対し学校環境の改善を要望しても「建替えも予定されていますから・・・・」との理由でお茶を濁されて終わってしまうことに不信感と疑念を抱かずにはいられないとの話でしょう。「予定があるのであれば、スケジュールを確定して示して欲しい。」・・・・それが老朽化した校舎に不安を抱いている関係者全てへの誠実なる対応ということになるのでしょうか。
 「お金がないというのは理由にならず、お金がないのなら、どうやって作ればいいのか考えればいい。」と委員会(議会)としても厳しい注文をいただいたように思います。


 その場に立ち会った教育部長は老朽化した校舎の問題について「これまでは校長先生と教育委員会とのやりとりが中心だったが、保護者の方との意見交換もしていきたいと思う。」と述べていましたが・・・・。教育委員会は今後の学校の建替え問題を含め、どんな風に教育環境への財政計画を立てているのでしょうね。そのあたりも委員会の中で見ていかなければならないことかもしれません。


 いずれにせよ「今日の視察を踏まえて、私たちは何をどう議論していくのか。」それは明日の委員会で再度話し合う予定になっています。
 久しぶりにいただいた給食のメニューは「ミルクパン(食パン)、牛乳、ミネストローネ、てりやきハムソテー、コーンポテト」でした。「てりやきハムソテー」は昔と変わらず、私の苦手な一品でした。

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2008年07月02日

諏訪中学校の自主タイム

 以前から、聞き及んでいた諏訪中学校の「自主タイム」に初めて見学に伺いました。2年ほど前からスタートしているのですが、今年から?・・・というか先週あたりから対象を中学1、2年生にまで拡大をして取り組むことになったらしく、是非にとお誘いをいただいたのでとても楽しみに足を運びました。

 「自主タイム」???


 何をしているかというと、毎週水曜日の放課後に子どもたちが自主的に集まり、学習をする時間です。主催しているのは・・・・・?具体的に話を聞き忘れてしまいましたが、PTAの活動にも熱心な方を中心にボランティアを募って対応をしている模様でした。概ね16時頃までになりますが、子どもたちが苦手を克服するためのプリント学習、テストの復習や予習、または宿題その他等など、自主勉強する広場(といっても教室ですが)を開いているのです。ボランティアの大人は温かくその場を見守り、子どもたちの様子を見つつ、声かけをしたり、つまづいたりしている子どもには辞書の引き方その他助言をしたり、プリントなどの場合には○つけをしたり・・・ということをします。
 
 ・・・・・・私は・・・・と言えば、最初は中学校3年生の教室から見学をしたのですが、因数分解の問題がずらりと並んだ問題を見て一歩引いてしまい、さっさか中学2年、中学1年の部屋へと場所の移動をしました。今日は中学2年生は1人だけが参加、中学1年生は10名弱の子どもたちがそれぞれ英語、社会、国語、数学などの自主学習に取組んでいたので、学生時代に家庭教師をやっていた気分を思い出して、ついつい「お姉ちゃん風」なアドバイスをしてしまいました。

 途中で卒業生?と思われる若者が参加をし、人気者でした。やはりポイントは大人すぎて親と同世代よりも「斜め上」世代がちょうどいい!という感じですね。ちょっと上の先輩で、近い目標にできるくらいの年上というのが中学生には好評のよう。もちろん、学習面で言っても「斜め上」の世代のほうが現役ですから・・・・・私なんて学習面では使い物にならないくらい、数学のプリントを見ただけで冷や汗でした。


 毎週水曜日のみの取組みですが、すっかりと定着している様子。3年目を迎えた今年はかなりシステマチックになっているとの話です。参加している生徒は登録制になっていますが、その生徒たちの学習進捗度などを把握できるようにもなっています。
 ちなみにお忙しい学校の先生の手を煩わせないようにはしているものの、先生方も子どもたちそれぞれの学習習熟度に合わせたプリントの準備などはしているとの話。実際の自主タイムの現場にはピアティーチャーの先生の協力があるのでとても心強いです。


 この自主タイムは学力を上げるということ以上に、「学習する習慣を身につける」ことや「学習することに意欲を持つ」ことを主眼においており、通常の授業でわからなかったところをフォローし、苦手を克服できるようなステップアップを可能にしていけるところが特徴です。授業でつまづいてしまったことがそのまま学習意欲の低下につながってしまうのは当たり前のこと。そこへのフォローをきちんと行えるだけの学校の余裕・・・・って正直なさそう。ここで「放課後寺子屋」風にPTAその他地域の方がボランティアで手助けをしていくのって素敵なことだと思います。子どもたちと顔見知りになること・・・今、地域で求められていることの一つですが、こんな取組みを通じて知り合えるなんて世代間交流という点でもいいなあって思います。


 私が小学校の頃、先生が「朝勉」をやってくれていた記憶を思い起こしました。朝勉とは早い時間に学校に行って、ドリルをしたりプリントを解いたりする時間でした。確か7時45分とかに学校に行っていた気がします。とても懐かしい。

 今日は懐かしい気分で楽しいひとときをもらいました。1学期は来週までで終わってしまうのですが、引き続き取り組みは続くとのことなので、できることがあればお手伝いしたいな・・・なんて思いました。


 そうそう、1年生の廊下に目に付いたもの。「いじめをなくすための学年憲章」なんてものが貼り出しされていました。その前文と条文は下記のとおり。

<前文> 私たち20年度入学第一学年はいじめのない過ごしやすい学年を目指します!その目標を達成するためには一人一人が変わり大きな壁を乗り越えなければいけません。その壁を乗り越えるときの私たちの心構えをここに制定し、充実した学校生活を自分たちの手で作り出すよう努力します!

<条文>
一 相手の気持ちや立場が逆だった場合を考えながら普段から発言し行動します。
二 自分がいやな気持ちになったときは信頼できる人に相談し、解決策を探していきます。
三 いじめの現場を見たときは勇気を出して「やめろ」と注意していきます。

 諏訪中学校の雰囲気が伝わりますね。子どもたちはみんな一生懸命です。

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2008年04月07日

110名の新入生♪

 今日は市内小学校の入学式でした。北諏訪小学校は110名の新入生で市内で一番多かったとか。3クラス編成で36名が1クラス、37名で2クラスということになっています。市内には1学年1クラスしかないところもありますし、それもまた30名以下でのクラス編成しかできないところもある中で、北諏訪小学校はにぎやかな入学式になったのだと思います。人数が多いと、それだけも活気があることは事実。もちろん人数が少なくてもこじんまりとしていて、そこにも良さはあるのだと思いますが。学校全体の規模によって、雰囲気も大きく異なることは想像に難くはありません。
 
 ところでお隣の稲城市、若葉台の小学校は1学年6クラスで1000人を越える学校規模になっていると聞きました。1学年で考えても、北諏訪小学校の倍近くの人数の子どもたちがいるということ・・・・それだけ‘まち’の若さを表しているのだとも思います。思い出してみれば、私も札幌で入学をした1年生のときは6クラスまでありました。多摩に転校してきてたったの3クラスしかなくて子どもなりにびっくりした記憶があります。何となく人数が少ないほうが学校全体行き届いてていねいな対応ができそうな気もするわけですが、こちらも子ども時代の拙い記憶を辿って言えることはクラス数が少ないからと必ずしも行き届いた対応ができるわけでもないということです。

 私の小学生時代とは時代環境や状況も全く異なっていることは事実で、当時と今とでは教師の忙しさなども質・量ともに様変わりしていることは確かです。でも、クラス数で一概に子どもたちへの対応が異なるとは言えない部分もありそうですね。ただ、物理的な1クラスの適正な人数というのはあるような気もしますし、民主党も30人学級を主張していますが、それにしても「明確な根拠をデータで示せ」と言われると論拠に乏しい部分があるのが弱いところです。とは言え、先生にとってベストな状態であれば、それは子どもたちにとってもベストにつながるはずで、そこは「教員にとっての」を基本に考えても間違ってはいないようにも思います。「30人規模がちょうどいい」・・・・教える立場、クラスをまとめる立場の意見は大事だと感じます。教育の専門家でもない部外者が言っても、やっぱり説得力に欠けるのかもしれませんが。

 いずれにせよ、最終的にはその学校、その学年の先生の「教師力」みたいなものに帰する部分が大きくなるのだと考えます。子どもたちにとっても親にとっても、先生とのめぐり合わせの部分が大きいとも言えるのかもしれません。そこから考えるなら、どの学校に通ってもどのクラスになっても・・・・「公教育」である限り一定の質を担保し、維持していくことが必要で、そのために必要な教員の資質を揃えておけるようにしなければなりませんね。まあ、そこが最も難しく、最大の課題になっていて、「教員免許更新」とかの制度改正にもつながっているのだと思います。しかし、効果を検証することもまた非常に困難極めるような気がするのですが。とりあえず、今後の行方を見守りつつ、多摩市教育委員会としてできることを進めることが必要です。

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2008年02月11日

発達障害児の支援について考える

 島田療育センターの公開シンポジウム「発達障害児の支援について考える」に足を運びました。先着200名と言う定員のところ、はるかに上回る問い合わせがあったとか。この分野に対する関心の高さを伺うことができます。

 このシンポジウムは2部構成で1部は東京都発達障害者支援センター長の石井哲夫さんの講演。2部が島田療育センター、多摩市、八王子市の教育委員会の指導主事、八王子市小学校の特別支援教育コーディネーターの先生、保護者の5名の発表で、現状報告がありました。その後、会場からの質問に答える形式でパネルディスカッションが進みました。


 石井哲夫さんのお話では「保護者へのケア」の視点を改めて再確認しましたが、発達障害を抱える子どもに向き合い育児に苦しんでいる保護者を孤独にしないためのフォローの必要性は以前から指摘されているところです。多摩市の場合にも就学前の療育機関「ひまわり教室」における保護者支援をどのように進めていくのかは課題です。「ひまわり教室」の今後の展開の中で期待したいものですが・・・・。


 ところで、パネルディスカッションを見ていてつくづく感じたこと。多摩市にせよ八王子市にせよ・・・現状についての前知識?予備知識がなければ、教育委員会の発表を聞くだけで「何だか立派にやっている。」というような印象を持ってしまいそう。確かに全く努力をしていないわけではなく、上意下達の浸透している教育委員会は「特別支援教育」に積極的な取組みを進めているとは思います。でも、現状では「全く救われない。」という気持ちを持たざるを得ない親子が存在しています。私の座っていた近くには小学生の保護者の方々がいらしたのですが(ちなみに八王子の方々でした)「全然、現状とは違うよね。」「そんないいものじゃないよね。」と小声でひっそりとつぶやきあっていました。

 実際に保護者などに実情を聞くと、学校ごとの温度差もかなりあるようで、多摩市の場合にも全体的に特別支援教育を進めているにも関わらず、「先生による温度差」ではなく「学校による温度差」という問題が生じているようです。「先生による温度差」であれば、まだ救われる気もしますが・・・・。でも、いずれにしても校長先生の考え方が色濃く反映されていくことと思います。先生の温度差の解消にも校長の力量が問われそうですし。
 とかく今は校長先生の学校経営能力云々が言われていて、校長先生裁量が随分と問われる状況です。でも、本来その能力は基本的な柱をきちんと踏まえた上でのこと。多摩市のみならず全国的にも特別支援教育がスタンダードになっているわけで、そこがベースになっていかなければ。特別支援教育ピアティーチャーなど手厚い配置をしている多摩市教育委員会の取組みが実を結ぶようにと願わずにはいられません。でも、特別支援教育という発想なき時代に教師を経験してきた校長先生たちに染みついたスタイルを即座に変更することもまた難儀なことかもしれませんが・・・・。


 そういえば、来週明けには一般質問の通告締切。明日は議案説明の日。一般質問の内容については引き続きの課題で「ひまわり教室」をとりあげていこうかなと考えていますが、「のれんに腕押し」状態の応答から一歩前進してもらいたいものですね。逆に言えば、一歩ずつでも前進させるためにも同じ質問を繰り返すことが必要なのかもしれませんね。

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2008年01月23日

浦安市・中央図書館へ

 今日は民主党TAMAの議員、政策委員らとともに浦安市中央図書館まで出かけました。浦安市の中央図書館は全国的にも有名な中央図書館の一つ。多摩市でも中央図書館の建設?が今後の議論されていく予定にもなっているので、先進地に足を運んだと言うのが経緯です。多摩市の場合には中央図書館建設というよりは、どちらかと言うと「中央図書館的機能」の整備にシフトしていかざるを得ないと考えていますが、実際に約2億円もかけて暫定活用施設(旧西落合中学跡地)を改修工事し、この3月には本館移転を行うとの事実に照らし合わせても、着々と「中央図書館新設」の流れからは遠ざかっているように感じています。


 今日の視察では浦安市の図書館政策の歩み、カウンターサービスやレファレンスサービス、図書館職員の育成、学校図書館や地域図書館との連携、図書館の予算などを中心に話を伺ったわけですが、図書館の資料購入費については毎年約1億円は確保しているという点はさすがですね。もちろん浦安市はディズニーランドが立地しているなど好条件に恵まれ、財政的には豊かな自治体であることは確かですが、それを考慮したとしても図書館の充実に欠くことのできない資料購入費の削減をしていない点は、浦安市の図書館の質を物語っているように感じました。


 さて、浦安市の場合には市制施行後、中央館を建設してから分館が整備されていき、今後もどの市民も徒歩10分圏内で図書館奉仕を受けられるようにとの方針のもと分館の新設が予定されているとの話です。もともと漁師町ではあったけれど、決して財政的にも豊かとはいえなかった浦安町出身であった前市長さんの図書館・教育施策に対する思いが深かったとか。その思いに支えられたところで浦安市の図書館政策が発展してきたそうです。市民全体の図書館施策に対する認知度も非常に高いそうで、市民自身が「浦安市=図書館」と言えるようなまちづくりを進めることに成功しているようですね。そこは特徴を持ってまちづくりを進める上でも参考になる視点です。当然ながら、その裏にはミッキーマウスの誘致に支えられえたという面も大きいと思います。ディズニーランドの財政効果は大きいでしょうから。


 今日は館長さんにじっくりとお話を伺ったのですが、図書館の正規職員(34名)は館長をはじめ全員司書資格を持っていること、約70人ほどの非常勤職員でも有資格者があり、日常業務に大きく貢献をしていること、そしてまた、「市役所の一つの部署」という自覚を常に持ち「市政を担う図書館」という意識で図書館の経営改革に取組んでいること等示唆に富む話もたくさんあったとはいえ・・・・私自身は「中央図書館とは何か。」という点では答えを見つけることができなかったのは残念なことです。果たして「中央図書館」というハードを新設することがまずは多摩市にとって必要になるのか、浦安市の中央図書館は図書館全体の中核を担っているもので、多摩市で言えば「本館」的な機能と重なる部分が大きいのではないか?多摩市の「本館」では「中央図書館」とは言えないのか?とか「中央図書館って一体どんな図書館なのか?」という部分にヒットする答えを見つけることはできませんでした。


 図書館学の専門家などに聞くと的確に答えが返ってくるのかもしれませんが、私としては今日の館長さんの言葉ではありませんが「とにかく市民のためにベストを尽くすことを追求する」という姿勢で図書館行政を進めていくことが大事になるように感じました。「ベストを尽くす」というのは図書館のハードをどう整備するかではなく、図書館行政を担っている職員一人一人の姿勢につながっていく。例えばレファレンスを受けたときの応対など迅速な情報提供ができなかったとしても市民の要望に応じて職員が汗を流すとか、著作名やら著者名はわからないけれど記憶の片隅に残っている物語の断片的な要素から市民が求めている本を探しあてる職員の努力とか・・・・・そういうことかなあと思ったのが今日の話を聞いた一番の収穫。まだまだ中央図書館の新設を考える前に多摩市の図書館でも改善できる点はありそうに感じたのは私だけ?


 図書館に対するニーズの多様化は広がり深まる一方・・・・・・図書館歴11年目で3年前に館長職に就任した森田さんの話でしたが、「その中でも図書館が本来やるべきことを見失ってはいけない。」「これからの市民のためにきちんと歴史の保存をしていきたい。」その言葉の力強さには多摩市の郷土資料の保存にも通じるものがあるなあと感じた次第です。


 とりあえず市民討議会「市民が求める多摩市の図書館・図書館サービス」を実施したわけで、まず第一には多摩市の図書館政策はこの討議会を踏まえていくはずと思っています。図書館政策には理解不足で、精通していない私としては「中央図書館じゃないとできない」ということがあればそのことを知りたいので、今後もこの問題について情報を得て生きたいと考えています。

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2008年01月21日

結論「審査うちきり」

 午後から文教常任委員会が開催され、継続案件になっていた貝取・豊ヶ丘地域の学校統廃合問題に関して提出されている陳情について審査されました。結論としては「審査に馴染まないために審査をうちきる」というもの。

 実は、陳情が提出された当初にも「審議会が議論している途上で議会が何らかの結論を出すのはふさわしくない」という意見が出されていましたが、「市民からの陳情について議論することは必要だし、審議会が議論しているから議会で審議してはいけないというものではない。」との見解もあり、とりあえず委員会では意見交換を続けていました。さらに委員会としては特別調査事項に格上げするというか、「所管調査」の中に①学校統廃合問題②学校選択制を追加して、別途議論を進めるという段取りも整えて、これらの問題に取組んでいこうとしていたのですが・・・・。

 今日の委員会では昨年末ぎりぎりの12月27日に審議会から教育委員会に対し最終報告書が出され、それと同時に審議会は解散し、早速、年明けから教育委員会において議論が進んでいることが報告されました。


 すると案外あっさりと「教育委員会が結論を出していくわけで、議会が横から首を突っ込むことは適切ではない。」という風になったわけです。まだまだ議論が熟していないうちに、陳情に結論を出すことは妥当ではなく、議会の結論が教育委員会の結論を縛るのは望ましくないということですね。そのことは少しはわかる気もします。


 ただ・・・・果たして「教育委員会が結論を出した後、改めて同様な内容で陳情が出た場合には議会はどうするのか?」という点が私としては気がかりなところです。


 とはいえ、「教育論」という点で議会が教育委員会で議論されていく問題に手を突っ込んでいくことは相当に難しい。教育的見地により、教育の専門家たちが議論をして導き出された結論を議会が覆すと言うのはよっぽどの理由がない限りは不可能というのが現実ではないかと考えています。「教育委員会は政治的には中立」という壁はものすごく高く、教育委員会で決定したことはほぼ絶対的なものに近いとも言えるからです。
 例えば・・・・教育論的な問題まで突っ込んで議員が持論を展開したところで「そういう意見もありますね。」で終わってしまうことが多いです。学校の統廃合問題にしても「小規模校にも小規模校の良さがあり、小規模校なりの教育的効果がある。」と主張をしたとしても、意見として伺う止まり。多摩市教育委員会の「小学校16校、中学校8校」にし適正規模にすることを目指すという目標は変わることはないでしょうし。

 
 教育委員会の存在とは非常に重いもので、それだけ権威的な位置づけなのです。だったら、それにふさわしい機能を発揮してもらいたい!・・・・というのが私の主張。
 


 結局は「審査うちきり」になりましたが、文教常任委員会としては所管調査として取り上げている2つの課題にどう取組んでいくのかが次なる課題。学校の統廃合問題についても「そもそも論」から立ち返って議論すべきとの意見もあれば、「そもそも論」は教育委員会に任せるべきことで委員会でぎろんをする必要はないという意見もあり・・・・なかなか議論の方向性はまとまらず、何を目的目標にして調査を進めるのかを定めることにも一苦労しそう。委員会をとりまとめる立場の委員長を慮ってしまう私(=委員長代行・副委員長)だったりします。

 それにしても、今日の結論については「妥当な線」ということになるのでしょうか?「審査うちきり」というのはあまり出したくない結論ではありますが・・・・。

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