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2009年03月13日

予算特別委員会5日目 動議が成立→予算案の撤回

 一般会計予算は撤回されました。

 予算の編制替えを求める動議が成立したからです。提案者は民主党TAMA遠藤さん、ゆいの会折戸さん、共産党橋本さん。賛同者は上記3会派と生活者ネットワークの2名。

 動議の内容は簡単にいえば福祉・教育予算でスクラップされたものを復活させて、その代りに庁舎増改築基金の積み立てをしない、閉館するやまばとホールの建物を解体し駐車場整備することを急がない・・・・こうすることで財源を確保するとともに、緊急性を要しないと判断したみどり」の確保(土地購入)をしない、花火大会実行委員会への補助金を一部減額(実行委員会には財政的な余力があると判断できるため。特別会計として1700万の資金を保有している。)の再考を求めました。

 ちなみに復活させたものは下記のとおり。
①心身障害者ガソリン費助成、タクシー利用料金助成の基準の見直しをしない
②重度脳性麻痺者への介護人派遣事業の回数削減をしない
③心身障害者福祉手当支給について対象者の削減をしない
④特定疾病者福祉手当支給について単価の見直しを行わない
⑤補そう具支給事業の利用者負担の見直しを行わない
⑥高齢者保有電話の使用料助成の見直しを行わない
⑦高齢者おむつ支給事業の見直しを行わない
⑧介護保険居宅サービス利用料助成の見直しを行わない
⑨奨学金給付事業の対象者見直しを行わない
⑩就学援助費の認定基準見直しを行わない。
⑪上記に伴う給食費の助成見直しも行わない。

 これらに要する費用は170,661千円。それで、そのための財源として

①庁舎増改築基金原資積立をしない(50,000千円)
②やまばとホール跡地の駐車場整備をしない(11,300千円)
③やまばとホールの解体工事をやめる(141,015千円)

 さらに緊急性がないと判断した下記についてもストップ。

①せいせき多摩川花火大会補助事業を半分にする(6,500千円)
②中沢池公園用地買収と原峰緑地用地買取をとりやめる(186,885千円)

 国庫補助や都市計画税の充当をしていた部分もあるので、それらを勘案して全体としては都市計画基金原資積立に125,885千円を積立もでき、財政調整基金(貯金)の取り崩し109,661千円をしなくて済む内容になりました。

 私としては昨日のブログにも書いたように、全小中学校のICT化については3年間で3億5千万円の設備投資が必要で、さらにその先のランニングコストとして年間7500万円必要とのことでかなり躊躇したところだったのですが・・・・・・これについては他の議員さんとの意見交換を経て再考を求めるまではしないことに・・・・・でも、あまりにも大きな財源が必要なので、将来的にどうなるのかも心配ですし、必要な財源を見出すためにピアティーチャー(多摩市が雇用している補助員)や学校図書館司書その他学校配当予算のこれ以上の削減・・・・・にしわ寄せがいかねばいいのですが・・・・。
 現段階で市長も財政当局も「多摩市小中学校のICT化が遅れていることを認識しているし、それについてはきちんと財源を確保していきたい。それが学校予算に響かないようにしていきたい。」と答弁をしていたのでそこを信用せざるを得ないわけですが、ICT化を進めるというのは設備投資と単なるランニングコストのみならず、それを活用していく先生・学校側のサポート体制がより重要になるわけで、先駆的に取り組んでいる日野市などの事例でも独自でメディアコーディネーターと呼ばれる支援員・支援チームとともによりよい指導プログラムの開発など行っています。せっかくの設備が店晒しになってしまわないようにサポートする環境なくしては進んでいかないことも考慮して、今後必要な経費はしっかりと確保してもらわないと。
 正直、昨日まではここに対する経費も見合わせた方がいいのではないかと考えていたくらいでしたから。


 というわけで、動議の内容をどうするのかについては私は参加できなかった場で会派どうしでの調整をした結果のものです。もちろんお互いに妥協点を見出して内容調整をしたもの。これについては賛同者を得るために、昼休みに提出者3名が他の会派に説明に。その結果・・・・生活者ネットワークのお二人は賛同して下さったこととなります。


 しかし、3時の休憩が2時間にも及びました。・・・・・・議会審議がストップ。なぜなら、動議が提出されれば可決されることが目に見えていたのでそこへの対応を考えていたのでしょうね。

 動議の採決を行った後、市長から発言があったのですがすでに発言内容が立派に作文されていました。今年の予算については市長も厳しい判断が迫られたとの苦しい胸の内と編成にあたって工夫をしたところなどを述べたのち、「動議の成立については重く受け止める。撤回をする。」とのことに。

 その後、特別会計が淡々と審査されてこちらはすべての特別会計が全会一致で可決。しかし、本来であれば今日で終了するはずだった予算特別委員会は終了できず。ということになりました。今後の手続きはどうなっていくのでしょう。
 今までも当初予算の審議では、共産党会派が単独で同様の動議を提出していましたが、結局いつも不成立なのでそのままクールダウン・・・となっていました。動議が成立した場合にはどうなるのか?

 モノの本から知恵を拝借したりするわけですが、かなり辛辣で、成立した動議の受け止め方によっては「市長不信任案にも至る」なんてことが書いてあったりしました。

 とりあえず、週末なので今後の動向は月曜日以降に。

 動議の成立に傍聴の市民は・・・「こういうかたちで議会が頑張れることを示せることがよかったね」と一言。

投稿者 hisaka : 2009年03月13日

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