実際に足を運ぶからわかる。

群馬県太田市の「太田市美術館・図書館」に行ってきました。「よかったら、見に行くと参考になることもあると思う。」と知人よりアドバイスをいただいたので、早速。一人で行くのもなあ…と思ったので、会派のメンバーも引き連れて訪問してきました。「美術館・図書館」というかたちで一体でなくとも、多摩中央公園にパルテノン多摩があって、立派な中央図書館も建設中ですから、これからの運営の参考になるかなあと。

特にアポイントメントもなく足を運んだのですが、たまたま館長さんがいらっしゃり、少しだけお話を伺うこともできました。ラッキー。「博物館法」に基づく施設と言うことで、「美術館・図書館」と名称がついているものの、図書館については、既存の図書館とは区別されて…「別の施設」というか、扱いは別の図書館であることがわかり、いわゆる利用者カードも別になっているとのこと。ここ、今回の見学で最も肝心なポイントでした。

今はインターネットでもかなりの情報を拾うこともでき、施設の概要、コンセプトなどはホームページでも見ることはできますが、やっぱり、実際に足を運んで、感じることって大きい。

「美術館・図書館」はアート、芸術に軸足をおき、書籍が揃えられていること。また、絵本・児童書は世界各国の書籍も取り揃え、子育て世帯、親子での利用に力を入れていること、また、ブラウジングコーナーをはじめとして、とにかくゆったりとした空間で、利用者が思い思いに時間を過ごせ、そこに身を置いているだけで完成が磨かれていきそうな雰囲気。公共施設としてはもしかすると「無駄な空間が多すぎる」になってしまうのかもしれませんが、多すぎる余白、空間の心地よさを満喫できる設計で、何時間でも滞在できる場所だと感じたのでした。「第三の居場所」というのか、「心地よさ」を感じ、特段、目的を持たずとも、ふらりと立ち寄りたくなる場所でした。

開館と同時に次々と利用者が訪れる感じ。「ボーッとして過ごす」ことは人間にとって必要不可欠で大切なことだと思っているのですが、この場所ではそれが叶えられる感じもありました。来館しているみなさんの様子、利用者の姿を見ることができるというのが何よりも一番の収穫とも言えますね。子どもたちの楽しんでる姿が一番物語っている気がしますし、若い世代が思い思いに雑誌を手に取ったり、新聞を読んでいる姿とか…カフェを利用しながら、お仕事している姿とか…「実際」ってやっぱり現場にあるなあと。

既存の公共施設にはない「居心地の良さ」が実現できている気がするのは、この施設を後にして、既存の「太田市立図書館」も見てきたからわかることかもしれません。太田市立図書館は、多摩市の図書館とも相通ずる雰囲気で、普通にというか一般的な図書館で、「美術館・図書館」とは別の空気感。確かに区別されているというのか、「別々」を感じさせられるものでした。「美術館・図書館」はもともと駅前のにぎわい、ひととの交流、コミュニケーションを重視している場所でもあって、既存の図書館と差別化されていくのは自然なことかもしれませんね。

ということで、現在、多摩市で建設が進められている中央図書館なるものは…「美術館・図書館」と既存の「図書館」とを合体させたような施設運営をしていこうとしているので、そのビジョンは正直…壮大とも言えます。既存の「図書館」の枠組みに固執した運営ではもったいないくらいに先行投資をしているとも言えますので、それこそ、運営体制を含め、「既存意識」に捉われずに新しいものを取り入れることができるか‥‥ここ、最も問われるでしょうね。「太田市美術館・図書館」が小布施町の図書館に学び、「まちじゅう図書館」の取組みも進めていて、なるほど…業務の役割分担…という点にも注目。「まちづくり」「コミュニティづくり」にコミットするのは…という視点で小布施町と考え方を違えているところもまた面白い。

 

「知の地域創造」…言葉にするのは簡単だなあとしみじみと感じつつ、居心地の良さ、「創造するために必要な空間」の在り方も学べたひとときでした。「知の地域創造」というのは「図書館の中」だけで行われるものではないでしょうし。

 

そして、帰り道。コロナ禍でもあって、移動距離その他を考えると…とレンタカーで出かけたので、せっかくの機会を活かすべく…飯能市にある「トーベ・ヤンソンあけぼの子どもの森公園」に立ち寄ってきました。公園づくりのコンセプトもまた大切であって、すごくわかりやすいですよね…トーベ・ヤンソン…と言えばムーミンですから。ムーミンの世界観が表現されている公園とも言えます。公園にある「館」は、経済状況がまだ良い時代に完成したんだろうなあ…を感じさせられるしっかりした建物。

暑すぎて、長時間の滞在は無理でしたが、園内を一周歩いてきました。テーマパークのように、ムーミンのキャラクターが利用者をお迎えするとか、案内板にキャラクターが描かれるとか‥‥そんなことは一切ない場所。でも、「ムーミンの作者さんだよね、トーベ・ヤンソンって」と思い浮かべた、そのイメージ、世界観をしっかり味わうことができて、とても楽しい。リピーターなんだろうなあ…と思われる親子の会話が聞こえてきましたが、子どもにとってはちょっと特別感のある公園なのでしょう。やっぱり、「現場」でしかわからないことがありますね。

 

ちなみに、「太田市美術館・図書館」、「トーベヤンソンあけぼの子どもの森公園」…ともに指定管理者とか民間委託とかではなく、「直営」になっていて、職員さんたちがその維持管理に努力をされているんだなあ…という姿も目の当たりにできたのは本当に良かった。たぶん、どちらにしても、相当な努力なくして維持することは不可能だろう…と直感としても思いましたし。そしてまた、今後も維持し続けることも難しいとも感じました。

 

実際に足を運ぶ…やっぱり大事なことだなと思います。そしてまた、一人で行くのではなく、会派のメンバーも一緒だと見方捉え方に複数の視点が重なるので「分厚く」なるなあと。独りよがりにならず、考えを深めることができますね。とても良い見学ができて、何より!…と思える一日でした。

少しずつ進む。

暑さが少しだけ和らいだ週末にマンションのお祭り。3年ぶりの開催でした。一番違うのは…みんなが「マスク」。それでも、酷暑が続いている中でホッとするように気温が下がってくれたので、ある意味…気持ち楽でした。マスクをして、みんなが盆踊りを楽しむ姿を見ながら…熱中症で冷や冷やする気持ちも少しは軽くなっていたかもしれません。

「子どもたちのためにもお祭りを開催してあげたいなあ」と話している方がいて、心底同じ想いで頷いていました。スタッフの一人としてちょっぴりのお手伝いをしていて、全体の雰囲気を感じることができたとは言えませんでしたが、沸いたひとときだったと思います。お祭りののち…夜のやぐら。

「夢から覚めた夢」…のようだと思ったのでした。「密になるな」「人から離れて」…をそっとそばに置く気持ち(もちろん、感染症対策としてアルコール消毒やら、マスクやらは必須でしたが)。これもまた「夢」みたい。

毎年行事となり、関戸公民館を中心に開催されていた「地域ふれあいフォーラム」が衣替えして…「地域ふれあいまつり」となり、リ・スタート。和太鼓の演奏。発表の場はもちろんのこと、コロナ禍にあっては練習も思うようにはできなかったんだろうなあ…想像に難くありません。こうして、みんなの広場で演奏が行われることに喜びがあります。聖蹟桜ヶ丘地域を中心に活動されている「鼓桜」のみなさんによるパフォーマンス。たまたま通りかかった方が「いいねえ。太鼓」とおっしゃっていたことも印象的でした。

「ふれあいフォーラム」ではなく「ふれあいまつり」にした理由。シンプルに言えば「にぎわい」をつくるためのイベントであって、「フォーラム」という名称がちょっと重たい感じがしたからなのかもしれません。市民が主体となって開催していて、「多摩市らしい」と言えば多摩市らしい。

個人的には「公民館」が「公民館」としての活動をアピールできる機会にもしてほしいと感じたので、そこは課題です。場所を貸すだけが「公民館」の活動ではないので。

いずれにせよ、私たちがこうした光景を目にする、音を耳にすること自体に懐かしささえ感じるのかもしれません。その後、パルテノン多摩で開催された多摩市合唱祭にも足を運びました。リニューアルオープンの大ホールの舞台。壇上にいらっしゃる出演者の皆さんはどんなお気持ちだったのだろう…と思います。「コロナ感染者が増えてきたから『中止』」とならなくてよかったと胸を撫でおろしておられる方のほうが多いかもしれません。

「マスク着用のまま歌う」

私には舞台上の景色に心が痛みました。「まだ、思いっきり歌う」ことはできないのだなあ…と。パフォーマンスも半分くらいかなあ。それでも、歌うことの楽しさや喜びが伝わってきます。やっぱり、発表する場所、腕前を披露するというのか、日ごろの成果を発表できることは大切だと感じます。それを励みにして、練習も積み重ねてこれるので。「わああ、大ホールがシックな感じに変わってる。」という声を小耳にはさんだりしました。

「もう少ししたら、花が咲く」…とお裾分けいただいた「サフランモドキ」が咲きました。別名というか、「ゼフィランサス」というのが正式名称なのかな。透明感のある花びらの色。風に揺れる姿が涼しげです。久しぶりにベランダが明るくなりました。

コロナ禍…出口が全く見えません。「ウィズコロナ」で進んでいくことしかないのかもしれませんね。今度の週末に市民体育大会の開会式が行われる予定で全議員宛にご案内をいただいていたのですが、やはり規模を縮小して行うこととし、議員の出席はやむなく取りやめとなったようです。

でも、前へ進んでいく。前には進んでいくんだなあと感じる今日この頃。じっとしているわけにはいきませんから。そんなわけで、明日は…見に行きたい場所があるので、会派のメンバーも誘って見学してきます。

「こどもまんなか」への理解。

昨日に引き続く、研修会への参加。まずは、グループに分かれて、昨日受講した講座の振り返りで意見交換。せっかくなので、昨日の実践報告にあった「多摩市子ども・若者の権利を保障し支援と活躍を推進する条例」について一言は伝えておきました。なぜなら、昨日はとてもバッチリすぎる説明が行われていましたが、大事な点が抜け落ちていた気がするからです。というのも条例策定過程で重要な議論の経過が説明されていなかったと…私は感じていたから。特に「子どもの権利」を大人がどう意識しているのかを明らかにしたエピソードこそ重要だと思っているからです。

今は、第4条の「子ども・若者の権利」については、が下記のように調えられというか、表現され、全面的に書きぶりが変わり、落ち着いた条文になっているのですが‥‥。

(子ども・若者の権利)
第 4 条 子ども・若者には、生き、育ち、守られる権利があり、抱える困難に応じて必要な支援を受ける権利があります。
2 子ども・若者には、社会の一員として、意見を表明し、暮らしやすいまちの実現に向けて参画する権利があります。

当初示されたときには…。

(子ども・若者の権利と役割)
(1) 自らが大切にされるべき存在であり、守られるべき権利があることを認識 するとともに、他者への思いやりを持ち、他者に配慮して行動するよう努めること。
(2) 自らも、子ども・若者の成長・活躍を応援するまちをつくる、地域社会の一員であるという認識のもと、まちづくりへの参画に努めること。

となっておりまして、全く違う内容でした。そして、私、これについては噛みついた点でもありました。「これは違う」と。こんな内容で条例を制定するのはまっぴらごめん…と思った箇所でした。まるで自己責任論押し付けの「子ども・若者の権利」ということで「子ども権利条約」のことをどう理解しているのかが露呈される内容でした(もともとの条例文案…いろんな意見に揉まれて修正等された箇所はこちらから見ることができます。)。「わー、まじかー。」と…いうそんな感じで驚きを越えて、ガッカリと言うかガックリきたところ。

 

私はそもそも、子どもの権利条約で言う「生きる権利」「育つ権利」「守られる権利」「参加する権利」のことを理解すべきは子どもよりも前に大人たちではないの?…と思ってきましたが、やっぱり、そうだったという確信。「こどもまんなか」ってどういうことなのかを考えなければいけないのは大人社会であることは間違いないわけですが、しかし、これまで多摩市でも必死になって子どもの支援をしてきたときの向き合い方が…「これだったの?」とも思えたりして…つまりは、子どもたちを捉えてきた多摩市政の「立ち位置」が明らかにされたことにショックだったというのか。

その意味で、いろいろな議論を重ね、最終的な条例文案が成案される過程では良い方向にアップデートされたことに胸を撫でおろしていますが、そこに確実にあるのは「大人側の学び」だったのではないかと思うのです。ここはとても大事な点。なぜなら、どのように大人側の認識を発展させていけるのか、どんな議論ができれば、本質的なところに働きかけていくような具体的、有効な方策ができるのか。上から目線風に言えば「啓発事業」というかたちで、広報などにも取り組んでいくときのヒントは、こうした議論の過程を振り返ることで見えてくるような気がするからです。

「こどもまんなか」(政府与党も使っている用語)…多摩市制50周年の時にも使用されていましたが、今後、このスローガンをもとにどうやって施策を展開していくのか、国の動きはもちろんのこと、国以上に「条例策定」をした多摩市の取組みが問われますね。「こどもまんなか」にできるかどうかは、まさに大人側の在りように寄るところが大きい…どう考えても、いくら考えても…私の考えと結論はココ。

他市の議員の皆さんと意見交換をし、改めて感じたのは「公民館」の役割。これについては、もう一回、勉強し直さないといけないと感じています。多摩市の公民館の今後、あるいは、そこに図書館も加えてかもしれませんが、未来のためにアップデートしていく視点を持ち続けなければならないと感じています。「貸館に徹する」なら、そうした方が良いのでは?…という意見もありそうですし。

ということで、「子ども観」を私たちがどう考えてきたのか、磨いてきたのかも含めた歴史的な経緯についても学ぶことができ、こうした場所で勉強しようと全国から集まってこられる意識の高い議員の皆さんからエネルギーもいただくことができ有意義な2日間でした。良き学びと良き出会いに感謝です。

 

明日明後日はマンションで夏祭り。感染症対策をしながらの開催になりますが、実に3年ぶり。こうしたイベント開催も中止をすると、開催するためのノウハウその他の継承が難しくなっていくことを感じています。マンションの場合は特に、管理組合の役員さんが任期交代ということもあるので。コミュニティ、あるいは地域をいいかたちで継承していくためには支え手というか担い手のメンバー交代にもコツがいりそうですね。コロナで中止になっているイベント、あるいは夏休みの旅行なども中止余儀なくされている場合もあると思っているので、ささやかかもしれませんが、お互いに気遣い、気を付けながら無事に2日間終わることを願いつつ…私もちょっぴりお手伝いします。

「真の子どもの政策とは」

タイトルがとても仰々しい印象もありますが…「地方自治からみる真の子どもの政策とは」を考えるために議員の学校に参加。子どもの権利条約総合研究所の平野裕二さんのお話しを伺うことが目的、世田谷区の「せたホッと子どもサポート」についての事例報告を伺うことが目的、そして、「多摩市子ども・若者の権利を保障し支援と活躍を推進する条例」について担当課長よりこれまでの取組み実践としてどんな内容が報告されるのかしら?…とても楽しみな研修会でした。

期待を裏切らず、平野さんからは「子どもの権利条約」の内容を踏まえた、「子ども基本法」制定に対する評価、今後の課題が示され、思った通り「子どもオンブズパーソン、コミッショナーの設置」が必要との指摘がありました。これは議論の過程でいつしか削除されてしまったものなのですが、「子どもの権利」が守られているかどうかを客観的立場から見守り、時には意見をする機関の設置ってとても大切。

 

これについては、多摩市の条例も同様。「子ども・若者の権利を保障し支援と活躍を推進する条例」(長いな)の制定過程でも2回ほど説明を受けてきましたが、そこで私も真っ先に指摘したことなんですね。「権利侵害」があった時に「救済してほしい」と申し出るところはどこですか?‥‥と。結果的には多摩市の条例でも「今後の課題点」として認識くらいはされていたと思いますが、専門的な見地から第三者的に助言を与えてくれるというのか、監視役をしてくれるような機関の設置は見送られました。ただ、4月の阿部市長の選挙の時には公約として「子どもオンブズパーソン」が並んでいたので、向こう4年間の間には何らかの形で設置されるのではないか…と(何らかの形…というのがすごく怪しいんですけれど)。

研修会で発表をした担当課長は個人的な意見なのかもしれませんが、「せたホッと子どもサポート」の取組みに感銘を受けておられたようで、「ぜひ、学ばせていただきたい」とコメントを述べておられましたので、期待したいと思います。まあ、それなりに伴う予算が必要であって、そうなると問われるのは首長の強い意思ってところですかね。ちなみに、世田谷区では早い時期に「子ども条例」が制定されていましたが、子どもの権利救済のための「せたホッと子どもサポート」の設置については、こうした問題への意識が高い現在の保坂区長が就任して以後のことであって、条例改正して盛り込まれたもの…ここちょっと気にしておきたい。

 

私は多摩市の条例と言うのは「子ども・若者の権利」として一体化したのは全国初で、特徴的だと強調されますが、「だから、わかりにくい」と思っていて、「子ども」だけに絞り込めば、「子どもの権利条約」を意識すれば18歳未満とすればいいですし、日本でも民法改正になりましたので18歳未満…と条例のカバーする対象年齢を絞ることができ、対応しやすい感じがするのですね。ところが、「子ども・若者の権利」となっているところで、若者までが対象で、その年齢はおおむね30歳代となっているところにやりにくさがあるのでは?と思っていますが。

 

「18歳未満」で区切るのはどうなのか…という意見もあるにはありますし、個々の成長のスピードなどもある…ということから、多摩市のようにカバーできる対象年齢を幅広くすることが望ましいと考える立場もあると思います。ただ、できるだけ曖昧さを取り除いておく方が、どう考えても、本来はわかりやすい。行政側に立ってみれば対応しやすい。「18歳未満のところは法律でカバーできるのだから」法律でカバーしてもらい、法律でカバーできないようなところを条例で補っていく…だから、「おおむね30歳代というのはなかなか見識ある考え方だ」とするご意見もあるのかもしれませんが。もし、そうならば、「18歳未満」への対応についてもっともっと国には力を入れてもらわないといけないですね。

 

「せたホッと子どもサポート」については以前、少しだけ調べたことがありましたが、今日の実践報告では、その時によりも活動が活発化しているような印象もあって、「人権擁護」をするための第三者存在はとても重要だと、改めて認識させられました。ちなみに、世田谷区の場合には条例15条に「子どもの人権擁護委員」は区長だけでなく、教育委員会の付属機関として設置されているのがポイント。

子どもの人権を擁護し、子どもの権利の侵害をすみやかに取り除くことを目的として、区長と教育委員会の附属機関として世田谷区子どもの人権擁護委員(以下「擁護委員」といいます。)を設置します。

なるほど、条例上にも工夫が必要なのね…と思いました。いずれにせよ、多摩市はまだこれから「条例を育てていく」というスタンスで、まずは「周知することから」という段階。担当課長のプレゼンはとてもわかりやすく、好評だったようです。さすが、全国各地から地方議員が参加しているだけあって、課長の説明の中にあった「条例制定の過程で議会での勉強会を行った」という点に興味を示された方が多かった模様。「勉強会とはどういう内容ですか?」と詳細つっこんで知りたいという質問が出されましたが、課長の回答はさておき、「勉強会と言うより、進捗状況の報告と説明でしょ…」と思いながら聞いておりました。「勉強会」というとなんだか大層なことが行われている印象ですがそうではないというか。でも、全議員研修で坪井節子さんのお話しを聴いたことはありましたが。

 

私は「せたホッと」のように子どもの人権を守る立場で活躍してくれる機関の設置は必須だと確信できたので‥‥今日一番の収穫。課長も一緒に話しを聴いていたので、ちゃんと持ち帰って、多摩市での議論に活かしてもらいたいですね。活動報告書からも少しはわかることもありますが、やはり、直接話を聴くと、もっとリアル。ものすごく具体的に解決がなされていくという点で…頼りになりそう。そういえば、子どもが相談できる場所と言えば…教育相談…教育センターみたいなところも存在していると思いますが、世田谷区では「せたホッと」の活動状況との兼ね合い等、どうなっているのかしら。これは私のもう一つの関心事項。

さて、「真の子どもの政策とは」…と言う点については、今日一日の研修を通して学んだことを踏まえ、明日、参加者同士でグループディスカッションをする予定になっているのですが、結局大切なことは「誰のための『子どもの政策なのか』」という視点で、改めて捉えなおして見えてくることを確認してみる…と言う点ですね。「子どもの権利条約」への理解をもっと深める必要があることを指摘してくださった講師の平野さんが指摘されていたように「子どもたちって、運動会を本当に楽しんでいるのか?」…とかっていう視点が重要なんですよね。明日の議論も楽しみです。

「女性」はまだまだ特別なのか。

先日、とある場所でいただいたチーズケーキ。「ニューヨークチーズケーキにしてみました。」ということで、わざわざ「ニューヨーク」をつけるのか…と思っていたのですが、確かに「ニューヨーク」をつけるかどうかで、違いが生まれるところがポイント。大きく分類すれば「チーズケーキ」にされてしまうのですが、あえて「ニューヨークです!」って強調できるところに自信を感じたわけですね。…というエピソードを会話していたところ、「そうなんだよねえ、あえて『多摩市です』って言えるようになればいいねえ。」と言われましたので、「ああ、全くその通り」と思わず納得してしまったのです。

このところ「女性」という性に少し着目しています。というのも、やはり「まちづくり」を考えるうえで求められる「女性視点」があるように感じているから他なりません。「まだまだ、女性の視点が足りていない」と指摘されることも多く、その視点で周りを見回してみると、なるほど…と思うところもあるからかもしれませんね。とは言え、最近は「女性」「男性」と「性」が二つに大別されるだけでは、実態に即さないとする声にも耳を傾け、「多様性を活かす」という視点を持つことが大切。いまさら「女性だの、男性だの」とすることには違和感がある一方で、「女性目線で」ということが強調されることもあり、その理由をちょっと探ってみないといけない…と心がけている今日この頃。

 

気が付くのは、行政主導で行われている各種の審議会その他を眺めてみると…やっぱり、女性…少ない…ってことですね。

 

すっかりと「男性社会」がつくりあげてきた仕組みの中に、私も入り込んでいるから「見えていない」と指摘もされたので、だから・・・と反省する必要はないのですが、そのことを自分なりにもう一度、振り返ろうとも思っているのです。なにしろ、「女性だから」「男性だから」を意識しながら日々を送ってきたわけではなく、「一人ひとり」…「個を重視」と言う感じで物事を捉えてきた私としては、「女性ならでは」なんて言われると実はとても戸惑うんですよね‥‥。「TAMA女性センター」についても、いつまでこの名称で継続するのか、多摩市の取組みにとってどう評価すべきか?も課題の一つだと思っているので。女性だけを特別扱いするために存在する場所ではないのですが、どうしてもそういうイメージが強く濃くなってしまっている現状をそのままにしておくことがプラスになるのかどうか…って観点ですね。

 

明日から2日間、久しぶりに学習会に参加してきます。「多摩市子ども・若者の権利を保障し支援と活躍を推進する条例」施行までの実践…ということで、担当課長として関わってきた職員さんの実践報告もあるので。楽しみ。

本庁舎建替えに向けて。フォーラム傍聴。

先週末開催された市役所本庁舎建替えに向けたフォーラムとやらを傍聴してきました。そもそも「フォーラムとは何か?」と突っ込みたくなるような場であったことはさておき、市民の参加者は30名弱、傍聴席は副市長1名と議員10数名のために準備がしてあり、その様子をじっと見つめているという感じ。

今までの議論の経過がわりと長々と説明され、その後、基本構想策定有識者懇談会 から出席する3名(中林会長、伊藤副会長、小野委員)を代表して伊藤副会長より懇談会の考え方のようなものが発表されたのち、2つのグループに分かれてそれぞれ市民が意見交換…と言う感じ。

しかし「意見交換」ではないですね。市民の方は自己紹介がてら名乗って、自分の意見を述べて終わり…一人3分だとしても10数名が1グループなので残念ながら、30分以上はかかります。ファシリテーターは建替えプロジェクトを担当している行政管理課の職員が行ったのですが…2グループを眺めてわかることは、その力量の違いってところでしょうか。進行の仕方はもちろんのこと、市民から出された意見のホワイトボードへの書き取り方一つとっても…両グループの個性があふれておりました。私はこうした場の進行について、本当に良い内容にしていくためにはそれなりのプランも必要だと思っていて、もちろん、スキルが求められる…全体グループ討議を見ていて、正直言って「いまいち」と思いました。次の機会にもまたつながるような、参加した方が、次も参加したい、参加しようという意欲を持ち帰ってもらえるような場づくりにはなっていませんでしたので…。

せっかく市民にも集まってもらったにも関わらず、言ってみれば「市民アンケートの会場版」のようなイメージになっていて、意見交換のための「フォーラム」にはなっておらず。また、それ以上に…参加者層の年齢に偏りもあり、性別にも偏りがありすぎるのではないかと感じました。60歳以上の人が多数‥‥という印象は決して間違っていないと思います。場の雰囲気的に、これから100年先でも見据えた建て替えをやろうという意気込みに沸いているとは言い難かったかなと…。

参加者の方の中にも「私のような世代が使うことを前提に考えるのではなく、もっともっと若い人に意見を聴いたりしないと。自分たちのことばかりを主張していても。」というニュアンスの意見を述べられる方もいらっしゃり、至極まっとう。もちろん「今がそのまま」ということを前提ではないでしょう…。ただ、100年後のことを想像するというのは何とも難しいですね。

 

そもそも人口は減少しているし、働く職員数だって確実に減っていく。それに伴い、市役所の業務量って減るのかどうか…。この辺りは、外から見ていてもわからない視点であり、実際に業務に関わる職員の皆さんの実感、業務改善の意識にも深く関わっていくことと思われます。そしてまた、「民間でできるところは民間で」ということは…以前に比べるとあまり言われなくなってきた気がしているので、そのあたりの現状認識は探っておきたいですね。

 

それにしても、これまでの経過説明を聞いていて感じるのは、「職員の働き方も変わっていく。今はパソコン一つで仕事をする時代で、どこにいても仕事をすることは可能。」…「市民にもっと身近な場所で職員がサービスを提供することができます。」「本庁舎と出張所の機能を転換させていく。」なんてことを説明しているのを聞くと、庁舎の建替えを待つまでもなく…今から対応していけばいいのに…と思えてなりません。コロナ禍になり、それこそ在宅ワークができる体制を…と整えてきたのは民間企業だけでなく、多摩市役所でも同じこと。だったら、今すぐにでもできることをやってみたらどうか?それこそ、試行してみてほしい…とさえ思うのは私だけではなさそうです。「パソコンがあればどこにいても仕事ができる」ということを実践しているのは職員さんですし。市民の方のご意見にも「実際に働いているのは職員さんたちだし」という声もありました。

 

そういえば、過去の議論を辿れば、「業務があちこちに分散している」ことの弊害の方が指摘されていた気がします。が、これからは「分散型市役所にしていく」というのが方向性になっています。何となく今まで説明されてきたことからの方向転換を感じ、それはオンラインによって可能になった部分を捉えているのかなとも理解しています。ただ、オンラインでできるから何でもかんでも分散してOKとはならないでしょう。そもそも、現時点で問題を感じてきた「業務の分散」があるとしたら、それらがオンラインによってどう解決されたのかを整理しておくことも求められます。その意味で、「オンラインでできることがあると言っても」…をきちんと掘り下げておかないといけないと思っています。「市役所での業務が分散されても「全く問題が生じないのか」を含めて、ちゃんと検討されて行かなければ、結局、「たらいまわし」みたいなことになるのでは?

庁舎建て替えを待つまでもなく、今から試行してみたら?例えば、オンラインで市民相談ができるように…というならば、今すぐにでもやってほしいし、取り組んでみてはどう?こんなに炎天下の中で、市民を集めてフォーラムをやらなくても、オンラインを活用した市民フォーラムの開催でもいいですし、オンラインを活用して、もっと市民参加の質を上げていくようなことだってできるはず。工夫をしようと思えば、今でもできることがあるんですよね…。

そして、議員活動を通じても、会議室が足りていなくて、職員さんと意見交換したり、ヒアリングをしたりするときにも「部屋がない」という問題にもぶつかる時があるので…オンラインで職員さんとヒアリングすることができたら、すごい気軽なのにーと思います。ぜひ、やってもらいたい。

試行を通じて、「やっぱり、オンラインでは難しい…」みたいな点を把握していかないと。

市長も最初から最後まで、両グループの意見を聴いておられましたが、最後の挨拶のところで触れていたのは「お金の話し」…。「土地を買うことは難しいんです。」って暗におっしゃりたいのだろう…と思いました。市民からは「利便性」という声が上がっていました。高齢者層の参加が多いこともあり「免許を返上したので、公共交通を使っていくことを考えてほしい。立地の良さ。」というのは当然。私も同感です。今は車の免許がありますが、車が運転できなかった時に、徒歩で市役所に行くのは辛かった…。

それから、市民の方がズバリ指摘されていたことで、心底…「同感」と思って聞いていた意見。「みなさんが説明されている『市民サービス』の内容と範囲が限定されて示されている気がする、とても狭い感じがする。これ、私は有識者懇談会に示されていた資料を見ながらも同様なことを感じ取っていましたので。

一応、自分の記憶を備忘録的にまとめておきました。他にもメモしたことがありますが、印象的なところを。次回は8月末にフォーラム開催されるようです。議員の傍聴者は人数制限があるので、会派の話し合いで傍聴できるようなら足を運んでおきたいけれど。っていうか、わざわざ足を運ばなくとも、ちゃんとオンラインで中継ぐらいした良いのに…です。いずれにせよ、フォーラムの目的は行政が市民から意見を聴くことであって、市民どうしが対話しあうとか…そういうところには無さそうでした…。

決して、上から目線ではない。職員の皆さんも低姿勢ですし、意見を聴こうという姿勢は見て取れますし、とてもソフト。とは言え、「なんか、言いたいことがあったら、言ってくれる?」というような会になってしまっている…そのこと自覚しているのかなあと思ったりもします。もし、そのことが認識されていれば、開催の仕方とか変わっていくと思うんです。討議の進行をしていくファシリテーターの進め方一つとっても。

全議員研修@多摩消防署

全議員対象の研修として、多摩消防署の見学と救命救急講習会がありました。多摩消防署はコロナ禍の新庁舎完成でしたので、見学に行けておらず、ようやく実現という感じです。救命救急講習会は以前に議会でも実施していて、再講習で受講した議員がほとんど。「いざというとき」のためにAEDの使い方など学ぶのですが、使う場面に遭遇することはめったになく、やはり、忘れてしまうわけではありませんが、機器から遠ざかっていると「使うのにも躊躇い」が出てまいそう。まだ、私は緊急の場面に遭遇したことはないのですが、自分が人が倒れた…なんて場面に出会ったとき動けるかなあ。

心肺蘇生法…結構、力もいるんです。1分程度やっただけで、息切れしそう…というか、息切れする。ある程度、テンポよくやらなければ意味がないですし、身体全体の体重をかけて行う感じなのです。救急車の到着は7分はかかるとして、もし、いざというときに一人で心肺蘇生法をやり続けるというのは大変なことも実感。

目の前で人が倒れた時に、何よりも「落ち着いて」と一つひとつの学んだ行動ができるかどうかですが、ものすごい動揺もして、動転してしまいそう。とっさに動くというのは言葉でいうほど簡単ではないですので。私は人が倒れたりする場面はちょっと怖くて…自分が学んだようにできるか不安と言うか、自信ないです。

消防署の業務は忙しそうで、通報が入ってくるアナウンスなども耳にしながらの講習でしたが、見学中には消防車が救急車の代わりに出動…。隊員の皆さんは暑さ対策、感染防止対策を念入りに。暑さ対策としては背中に氷を背負って…。暑い中だとすぐに溶けてしまいそう。隊員のみなさんの体調管理も大変ですね。

しかし…暑さが半端なく、熱中症で倒れてしまう方などが相次いでしまうのも理解できます。ちょっと歩いては、水分補給…と水筒を持ち歩いているのですが、すぐに水が無くなってしまうんので。この炎天下のなかで、道路工事をされているみなさん、交通整理をされているガードマンさん、勢いよく伸びて伸びてる雑草その他…最近は草刈りされている場面にも多く遭遇するのですが、そうした光景を目にするたびに頭が下がりますし、「本当にありがとうございます」という気持ちになります。

せっかく参加した講習会なので、何かの時に役立てばいいけれど…と思いながら、帰路につきました。夕方でも暑さが和らぐものではなく、夜までずっと蒸し暑く、風も吹かず…な一日でしたね。今日から8月。気に入っていた小田急永山駅改札前のカフェ、そして、フレンチトーストが好きだったのになあ…京王永山駅改札前のパン屋さんが同時に閉店。寂しい。