2021年度 予算審議を終えて。

ベランダのれんげの花が咲いていました。暖かくなった証だなと思います。うれしい。今日は予算委員会の最終日でした。結論から言えば一般会計、特別会計ともに賛成多数で可決しました。私たちの会派は一般会計については反対の態度をとりました。

反対…という態度表明はもともと少数派になることが織り込み済みですし、「反対のための反対」をするわけでないので、かなりエネルギーのいることだなと思います。ただ、やっぱり、どう考えても…今後の財政状況については「厳しくなるだろう」という見込み、なおかつ「不透明」と述べられている限り、そこに向き合った予算にしてほしいという思いがあります。

新型コロナウイルスで大打撃を受けている市民や事業者の暮らし…この影響がいつまで続くのかも見えてこない。市の財政が厳しいということは市民の暮らしも苦しいということですから。税金を納めることが厳しくなる市民が増えるということでもあって、「新たな歳入確保策」という言葉でさえも、私にとっては「市民の負担は増やせないとなると、どう考えるの?」と思うわけです。しかも、これは多摩市だけのことではなく、社会全体のこととも言えるので。

公共施設などの利用についても、今日はスポーツ施設の使用料金の在り方に対する指摘もありましたが、まさか、こんな状況の中で歳入を増やすために使用料をあげるなんてことはできないでしょうね。もっと市民に元気になってほしいとか活動量を増やしてほしいということで下げることはあっても。

私たちの会派では新型コロナウイルス禍にあって、他市などでは新規の公共施設の建設工事について立ち止まって計画そのものを見直すなど決断をし、市民に理解を求めているところもあり、もちろん進む進まない…どちらも苦渋の選択なのかもしれませんが、将来のことを考えて、どちらを選択し、決断することが多摩市にとって必要なのか…を考える時、「一旦立ち止まるべき」だ主張しています。今までの流れを踏まえて、図書館の再整備を進めること、あるいは北貝取小学校跡地に市民活動のための新たな場所、文化財である民具などを集約して展示をするふるさと資料館をつくるという計画も…「今やらないと」と先を急ぐ気持ちがあることもわからないわけではないものの…かたや、「このままでは持続可能な市政運営ができません」と説明しながら取り組んでいた公共施設の統廃合問題も頓挫している状況をどうしていくのか…結局「廃止の方向」であったいくつかの施設も「存続」と方針転換しているわけなので、まずはそのことを説明してほしいと思っているだけなんですね。

施設を増やし、それを維持管理する経常経費は確実に増加することだけはわかっていて、そのことは私たち会派からの質疑でも明らかになっていますので、じゃあ、そのかわりに、全体の収支バランスを考えて、何を?どこの予算を削るのか?…聞きたいというだけの話。

もちろん、今日も中央図書館を建設することによって、地域の図書館が廃止されるわけではないはずだ…という主張をされ、「図書館ネットワーク」をきちんと守っていく姿勢をもっと明確に打ち出してほしいとする意見も出されていましたが、そのために必要な予算はどうやって捻出するつもりなのかと聞いてみたいものです。私はかつて廃止とされていた地域の図書館を今のかたちのまま存続し、なおかつ中央図書館も今の本館からグレードアップもさせることを思うと、必要な予算額は「減ることはない」(増えることはあっても)と思っているので、図書館の充実だけが市の取り組むべき仕事ではないことを念頭にした判断が求められるのではないかと考えています。

「彼方立てれば此方が立たぬ」

まさに、収支バランスをどうとっていくかの問題。そこに政策の優先順位があると思っていますが、議員の場合は自分の興味関心のある「政策」だけに特化して取り組むこともできるので、「収支バランス」度外視することも可能と言えば可能で、そこが市長と大きく異なる立ち位置かもしれません。

「将来世代に負担を先送りしない」ために改めて市財政全体の在りようを考えてほしいと思ってきた立場を貫くと、やっぱり…今回の予算案も賛成はできないなというのが判断です。この状況下で成案されてきた「予算」ですから、職員の皆さんのご苦労などは察するが安し。「え、これ削る?」と・・・公立保育園のピアノの調律代が予算書から消えていることにはさすがに驚きました(ヒアリングをしてみると、来年度には影響が出ないように工夫して対応するそうですが)。

あと、私が今日の総括質疑で取り上げた内容などは最終日の討論でまとめていこうと思います。いつも変わらぬ主張(一応、ブレずに)ですが、予算の反対をしましたというご報告まで。私たちの会派が反対することについても、「また、反対してる」くらいに思われいるそうです…って聴こえてきました。ま、議会の風景としては、すべての議案が全会一致になっていることのほうが不思議なので(大政翼賛会とも言われたこともあります)、まあ、これで民主主義的な見地から言っても不自然ではなく、むしろ健全かもしれませんね。市民の意見は多様であることがきちんと議場の中でも反映されているとも捉えることができます。そしてまた、少数派の意見を全無視するとか全否定するかどうか…というそのあたりは…まあ、考え方は人それぞれでしょうね。少数派の意見であっても耳を傾けるべき内容が含まれていることもあるでしょうから。議会日程は明日以降、総務からはじまり、健康福祉、生活環境、子ども教育…と委員会が順番に行われる予定です。

みなさん、おつかれさまでした!