会派視察ですが、今日は折戸議員と二人で大和市役所へ。大和市は健康都市をめざしており、市役所のエントランス入口にも大きく掲げられていました。
私たちがヒアリングに行ったのは「はいかい高齢者個人賠償責任保険」のこと。これは、はいかい高齢者等SOSネットワークの一環として取組まれている事業です。認知症への対策は多摩市でも取組みを強化しなければいけないところだと感じています。多摩市のホームページにおける認知症対策の案内。ここでも「見守り」についても紹介されていますが、実際、認知症のご家族の方が行方不明になったときなどの市の対応は不十分ではないのか?というお声をいただいています。
そこで、周辺他市などでの取組み状況等を調べつつありますが、その中で「はいかい高齢者個人賠償保険」を知りました。大和市では市長インタビューの記事にも掲載されているように、狭い市域(約27k㎡)に32カ所も踏切があるという環境もあるのかもしれませんが、しかし、着眼点がすてきだなと思います。他地域で発生した事例に学び、全国で初めて取り組んだというのが先見性というか、素晴らしいと思うのです。
もともと、自己負担無しでの「子ども向けの自転車保険」の存在があったと伺い、こちらもなるほどと思いましたが、2年前に初めてこの制度を発足させたときには保険会社の方もほぼ初めてな取組みでもあり、保障内容についてもそれほど充実もせず、そのわりには保険料も高かったようです。そもそも徘徊高齢者の判例が少ないこと、賠償責任だけでは商品にならないなど、保険会社との調整にはご苦労もあったことでしょうね。しかし、今は、大手の保険会社でも対応できる商品の開発が行われているようで、損保会社とは1年契約とし、その都度入札を行いながら保障内容の見直しも実施していると言います。今年度は、鉄道事故についても車輌損壊がない遅延損害なども対象…例えば認知症の方が、踏切内に入ってしまって、立ち往生してしまい電車を止めてしまった…、などについても保障されるようになったり、見舞費用保障についても賠償責任の有無を問わずに被害者死亡時に支払われるようになったり…ということです。
今は、年間の保険料は一人2250円、全額市が負担しています。当初はいくらだったのかと聞き忘れましたが、最初よりも保険料は安くなっていると聞きました。保障の範囲については、本人、配偶者など以外にも成年後見人など「その他の法定の監督義務者」まで拡大されています。
とても印象的であったのは、認知症の方は家族も含めて、家に閉じこもりがちになってしまう…でも、この保険があることで「外の出てもいいんだ」という安心感をつくりだすことにつながっているという話しでした。はいかい高齢者などSOSネットワークに登録をし、希望があれば保険に加入することもできる。今は想定以上に希望者があり、登録者は8月1日現在で351人ということです。制度開始の2年前は242人だったそうです。
大和市のこの取り組みはおそらく国の認知症対策にも示唆を与えているようで、認知症施策推進大綱にも「認知症に関する様々な民間保険の活用」ということで、その政策効果を検討する方向も示されたようです。
今日のヒアリングは担当の係長さん、担当者の方、お二人がすごくわかりやすく説明してくださいました。好感度大!議員視察の場合、お偉い立場の方が説明してくださることも多いのですが、やはり担当者の方にお話しを聞くのが一番。ありがとうございました。ちなみに、大和市議会の事務局長さんはこの4月で交代されたようですが、また女性の方!これもまたいいなあって思いました。私が議長を務めていた時代の大和市議会も女性の方が局長さんで、とっても素敵な方でした。
まとめます。大和市の「健康宣言 やまと」に、「70歳代を高齢者と言わない都市 やまと」をそして「認知症1万人時代に備えるまち やまと」宣言…地に足の着いた取組みにしていくということ。市長の想いが、しっかりとまちづくりに反映されていて、しかもやっぱり「健幸」ではなくて「健康」となっているからわかりやすいことも実感しました。
市役所のエントランスを入ると目に飛び込んできたのが「1年で300万人来館 シリウス図書館」…ということで、せっかくなので、シリウスまで足を運んできました。
引っ切り無しに入館者…図書館などの読書スペースやテーブルは満席。夏休みなので子どもたちも多かった!子どもの図書館や遊びの広場も満員御礼。
お金を払って利用するラウンジも満席!チケットは売り切れでした。
鳥居。もともと、この場所にあった神社。例大祭が行われるときにはシリウス周辺、駅から続く新設された道路などが盛り上がるのではないかなと思ったりしました。
午前中いっぱいをかけて、シリウスの見学をし、急いで…多摩市に戻り、生活環境常任委員会の新人議員向けと称した勉強会へ。今日のテーマは「多摩ニュータウン再生について」でした。毎年、多摩ニュータウン再生推進会議が数回開催されていて、年度末にシンポジウムが開催されていることはわかっているのですが、具体的な取組みが見えづらい感じで…。今日はこれまでの取組みを含めて、おさらいをした感じです。私の理解度もまだまだ50%以下だと自覚していますが、何をやっているのかがいまいち把握できていないというのか、十分に受け止めきれていないというのか…。まだ先の長い取組みとも言えますが、「多摩市がどうしたいのか?」を明確に打ち出す必要がありそう…参加議員はみなそう感じていた気がします。
諏訪や永山地域がリーディングプロジェクトとなり、動いていくようですが…。そういえば、市役所についても「永山駅の周辺で実現することが望ましいのでは?」という意見が議会からも出されていたやにも記憶していますが、一体どうなっていくのか?(今の市役所の永山駅から徒歩ということを考えれば、まさか「永山駅周辺」の範囲に含まれたりして?!)
いよいよ9月議会に向けても、本格的に準備が始まる時期に差し掛かりましたね。夏から秋へと向かう時期なのか?…しかし、蝉が元気すぎますね。