9月議会 続・決算審査。

決算特別委員会の全体会3日目です。今日は昨日の続きで、民生費から。民生費というのは福祉系なのですが、高齢者福祉、障害者福祉、子ども関係(といっても児童福祉分野)、あとは生活福祉(主に生活保護)です。福祉分野も幅広くて、膨大で、そしてまた市民生活を支えるという点ではものすごく密接、あるいは切実だったりもするため、数多くの質疑が出されます。セーフティネットをしっかりと機能させていくための行政・・・という視点で、「拡充、充実を求める」・・・そのこと自体、否定しませんし、当たり前のことだと思っております。よりよく市民に寄り添って、行政活動が展開されていくことは必要不可欠ですね。

しかし、決算の質疑というのは、ずーっと聞いていますと、「木を見て森を見ず」で個別項目の事業に対する指摘、改善要望が相次ぐ傾向が否めず、これ、全部全部行政が耳を貸して対応していたら、多摩市は破綻する一方か…もしくは、税金をもっともっと引き上げざるを得なくなるわ…という気分にもなるものです。多摩市だけで今の現状はいかんともしがたい…となると、最終的には「国やら東京都やらにもっと支援を求めよ!」みたいなことに話が展開していくわけであり、国政の方向性やらがとても重大になってくるわけですね。これ以上は、私たち多摩市議会の手の届かない論戦に委ねるしかないわけですが、「だから、今の政権ではダメ」という批判で締めくくり、質疑が終わってしまうというのはいささか消化不良な感じもします。

それにしても、これから私たちが向き合っていかなければならない現実は本当に厳しい。いろんな意味で、「みんなが少しずつ我慢をしなければならない社会」になっていくとの指摘は外れていないと思っています。また、先週、「RUN伴多摩」というイベントがあり、飯島議員や藤條議員、本間議員も参加されていましたが、例えば、認知症高齢者数が今よりも増えることの予測がされている中(2025年には約5人に1人になるという推計もある)で「共に生きる社会」をつくっていくための取組みも進めていかなければならない。これまた、非常に難しく、「みんなが少しずつ我慢をしなければならない社会」の中でギスギスすることなく、今以上に心にゆとりをもち、心穏やかに、優しく他人を受止め、お互いに認め合いながら、地域での暮らしを豊かにしましょう…が求められていると理解しています。すごく難題というか、忍耐力を試されるというのか…何と言うのか、「人間的にものすごい磨かれている人たちの集団をいかにつくるのか?」に向けて、行政が「地域包括ケア」を語っているんだなと私は常日頃から思っているのです。

今日も、そんなことを頭の中によりぎまして…本会議場の質疑応答を聴きながら、私たち社会の向かっていく「漠」とした先のことを考えたりもしました。先のことを憂いでいても仕方なく…というよりは、目の前にある課題をやりこなしていくだけでも精一杯な状況で、福祉担当部署などは仕事を回しているというのが現状ですかね。市民への相談対応など一つとっても、忙しすぎてギスギスしているなんてところをビタ一文も見せることはできません(大げさかもしれませんが)。そして言うまでもなく、ゆっくりていねいにきちんと耳を傾けることも求められます…ということで、窓口に即戦力として立つ職員さんたちも本当に大変です。そうした状況をしっかりと把握し、いかに職場全体のマネジメントをしていくか?…これは管理職の皆さんのお仕事ですが、多摩市の場合は全体の職場風土としては「◎」なのかどうか…。

いずれいせよ、そうした難しかったり、厳しい状況に対し、私たち議会もいかに向き合って一つ一つ、行政活動を質していくのか?が求められるという意味で、議会の決算審査などの「質」も今まで以上に問われるんだなあと感じています。

 

さて、今日は民生費から衛生費に質疑が移りまして、遠藤ちひろ議員が「がん健診の申し込み手法」のことを取り上げていましたが、「ハガキでしか申し込めない状況」だったなんてびっくり!もちろん、担当課は早速に善処をしますということで、パソコン、スマホなどで申し込めるように改善の方向が示されました。ホント・・・レトロというのか、古典的というのか・・・これを機に・・・他のものでも「はがき」でしか申し込めないというような事例があるとすれば見直しをしてもらいたいものです。

明日は衛生費からの質疑。それこそ生活に密着した「ごみ行政」のことから。