長谷工のマンションミュージアムを見学してきました!

今日は生活環境常任委員会のメンバーで長谷工のマンションミュージアムの見学。所管調査事務事項にしている「気候非常事態宣言」に関連して、市内企業などへのヒアリングの一環です。この施設は「ABINC」の認証を取得していて、先日更新したばかりと伺いました。

「ABNIC」…初めて知りましたので、あとからまた調べてみようと思います。マンションミュージアムの横には実験棟があり、ここで長谷工の作品ともいえるたくさんのマンションに関わる実験が行われています。技術はいつも日進月歩ですからね。特に古い時代の建物など老朽化、不具合などが発生した時の対処法、多摩市内でも建替えや大規模改修を検討している集合住宅の管理組合の皆さんが見学などをされていると伺いましたが、ミュージアムは地域貢献活動的な企業活動の位置づけのようで、実にさまざまな知を集積させながら、研究が行われているようです。今、また新しい実験棟を増築しているとのことで工事中でした。

以前、ミュージアムの入り口ともいえるミニシアターは見せていただいたことがあったのですが、とにかくその奥に広がる展示がとても興味深く、今日は案内をしていただいたのですが、もっと時間をかけてゆっくり見たい展示物ばかり。

 
マンションの歴史を知る手掛かりにもなる長谷工のマンションのパンフレットがズラリ!「奥様の8,760時間がテーマです。」ってすごいキャッチフレーズ。まさに昭和で、「専業主婦」への疑問を持たずにいた時代背景を感ずることができますが、お玉を片手にしてにっこり笑う女性の写真に私は目が釘付けに近くなってしまいました。マンションというか集合住宅の歴史をたどっていくと、その時代背景を映し出していることもわかるので、本当に興味深い。間取りをひとつとってもそうですね。ライフスタイルを表していて、まさにカルチャーだなあと感心してしまって…まだ見足りないくらい、楽しい空間でした。

今後、こうした展示にも環境配慮も含め、時代に沿って求められる新しい価値観を取り入れた建物がもっともっと増えていくと思うとますます楽しみになります。展示の仕方、工夫を含めて学ぶべき点も多い感じがしてしまって、視察目的とはズレたところにやや私の興味関心がくすぐられたのですけれど、このミュージアムは一度はゆっくりと足を運んでほしいなあ!…という場所の一つでおススメです。今は予約制です。

そして、かつてのマンションと現在のマンションの一部を再現している場所がありまして、間取り、天井の高さなども含めて確認することができるのですけれど…そこで気が付いたのは…「あれ、これ、いとこの家そのものじゃない!」ということ。玄関、入り口から、壁紙から、お風呂から…ホントそっくりでした。帰ってから、調べてみたら、やっぱり…いとこの家は長谷工さんのマンションシリーズの一つだったようです。

敷地内にあるビオトープは地域の方にも好評の場所…ということで、気候非常事態宣言に関わるお話しを多く聴いてきたわけではないのですが、建物の断熱、窓ガラスを二重サッシにするとか複層ガラスにするとか、これから今まで以上に要求されてくると思うので、事例紹介なども含め、学ぶことのできる拠点があり、私たち市民にはありがたい場所です。

ちなみに、全国40万戸以上のマンションを24時間365日監視する拠点にもなっていたり、マンションの管理人さんを育成したり研修したりする場所としても施設が活用されていることも伺いました。

それにしても、今はパワーカップルと言われる30代、40代の共働き世帯が駅前のタワーマンションなどを購入していて、マンション購入の平均価格が…バブル期を越えているというデータには驚きました。マンションの平均価格…2021年の実績値6,260万円なんだそう。すごいですね。バブル期最高値1990年は6,132万円・・・。価格帯の高いマンションが購入されることで平均も引き上がるあがるということなのですが…それにしても、コロナ禍で暮らしが厳しくなっている云々と言われている状態や状況とはずいぶん隔たりありすぎて…とかむしろ考えさせられます。「格差社会」を感じさせられるエピソードというか。

ニュータウンの建物が老朽化し、対応が必要とされる時代になっていて、私たちの「住まい」の問題をどう考えていくか。集合住宅エリアが市域面積の半分以上を占めているからこそ、行政としても無視できない課題であることはかねてからの問題意識、指摘の通りなんですよね。政策としてこれだけの集合住宅を誘導し、誘致してきたという‥‥しみじみと考えると、すごい話ですね。人口減少社会が想定内なので、そこに合うように考えていくことが求められそうですが、現実、そうなっていないところに難しさも。時代が先に進めば進むほど、この問題がこの課題に重たさが増すことだけは見えていますね。阿部市長の手腕も問われる点であり、「国策としてのニュータウン」という視点からは、都議会議員や国会議員との連携も必要ですね。

いずれにせよ、ぜひ、長谷工のマンションミュージアムへお出かけください!私もまたゆっくり見に行こうと思います。明日は臨時議会です。