育児パッケージがあればよいのか?

新型コロナウイルス感染症対応ではさまざまな対策が行われ、その一つにあるのが「育児パッケージ」であり、妊娠されている方への支援であり、コロナ禍で通院などに気も遣い、とても大変だろうという観点からの「交通費助成」を主目的としながらの多摩市の場合は「パスモ1万円分」の補助。他にもマスクや消毒液なども含めた感染症対策にも使用してもらおうとする狙いがあります。まあ、その意図はわからないわけではありませんが、これが「子ども子育て支援に力を入れるまちづくり」とは決して結びつかないというのか。ちなみにこれは東京都の事業です。

こうした対応をひとつ図るところには、担当者の立場では「漏れなく対象者に渡す」ことが求められるので、ある意味…事務作業としてはプラス要素かなと思ったりもしますが、「対象者に確実に渡す」行為がその後の支援などにつながるのであれば、まあ、それも悪くはないなという印象もあります。

とはいえ、個人的には多摩市のみならず、「やれ子育て支援」だの「やれ少子化対策」と躍起になってさまざまな政策を打っているけれど、例えば少子化は回復もしなければ、児童虐待などの事例も深刻化していて、不登校の子どもたちの数も増えていれば、自殺している子どもたちの数も増えていて、それをどう説明してくれるのかしら?と思うばかりです。

そして、追加の補正予算として示された内容に登場したのが「市独自」の「育児パッケージ」。東京都の事業としてやっていた「パスモ1万円補助」を引き続き実施すること、さらに、3.4か月を迎えるお子さんを育てているご家庭に「パスモ2万円補助」も実施するというのです。合計で約2700万円ほどの予算がついているのです。市が単独で行うとようでして、やっぱり、多摩市は財政的にはまだまだ市民に補助金を配布できるだけの財力、余力があるのか…と言われてしまいそう。「新型コロナウイルス禍」での子育ては大変…ということで、乳児の首が座り、そろそろ親子で外出できるだろう時期の方を対象にした補助だそう。これによって、「子育て家庭の孤立化防止」にもつなげていきたい…という理屈をつけているようです。理屈をつけているというよりか、そうした目的をつけないと、支出する理由が全く成り立たないとも言えますね。コロナ禍での子育て…別に3.4か月の乳児を抱えているご家庭だけが大変なわけではないですよね。なんだかとても複雑な気持ちをぬぐえません。ちなみに、2年間実施する予定ということになっているそう。コロナ禍が終われば終わる事業であって「特別」とする位置づけのようですが、コロナ禍であろうがなかろうが「子育て家庭の孤立化防止」への対策は必要なことであることもまた強調しておきたいものです。

そして、「子育て家庭の孤立化防止」対策のためにはていねいなフォローができるように人手も確保することが大事であって、同じ2700万円があれば、お金を配る以外の別の手立てを考えることも必要であって、そのうえで「パスモ2万円補助」が最も有効であると判断されたなら、それもまた良いのかもしれませんが、その効果を予めしっかりと検証できるだけの情報収集や分析はできているのかしら?とも思います。まさか「パスモ2万円補助」とか同じく「パスモ1万円補助」ありきではないよね?と思います。もちろん受け取ることのできた市民の方は「助かる」「ありがたい」となりますが、出産には費用が掛かるということで「家計への支援」が目的だとすれば、これまた、大変なのは出産時だけではないという風にも言えるわけであって、やっぱり、この支援の在り方についてはいまいちスッキリ納得ができないというものです。

多摩市が「子育て支援に力を入れている」ということのPRの一つにしていく狙いもあるのかもしれませんが、「新型コロナウイルス禍」限定での取組みであり、その後に続かないとすれば、「それまでのこと」としか言えなくなってしまうし、何のための支援だったのもわからないような取組みとも言えますね。今日のヒアリングでは、直接そう聞いたわけではありませんが、「市長の意向」が強く反映されているような印象もあったのですが、市民に直接「現金」を給付するような取組みの有効性は慎重に検討するほうが良いのではないかなアというのが個人的な意見。ぜひ、新型コロナウイルス禍関係なく、市の子育て施策全体を発展し向上されるような取り組みにこそ力を入れてほしいものです。

夕方から、ハーモニーカフェで学習支援のボランティア。月曜日から火曜日に曜日を再び変更したり、学年変わりの時期も重なっていて少し人員には余裕があります。緊急事態宣言も解除されましたし、通塾の希望者を少し増やすことも可能かなとか思っています。無料塾でやっていますので、お問合せください。