決算審査終わる。

決算審査が終わりました。一般会計、特別会計共に「認定」というのが結果です。税金が正しく執行されているかどうか?…ということだけで言えば、既に監査委員の厳しいチェックも入っているので、会計処理的には適切に行われていると信頼信用できるでしょう。ただ、それに加えて、一年間の活動を評価する観点をプラスしていくのが議会の仕事かなと思います。

昨年度と言えば、パルテノン多摩の大規模改修に対する取組みが大きかったわけで、改めて、今日も一般会計の質疑を締めくくる「総括的質疑」でも改革みらいの大野さん、生活者ネット・社民の会の伊地智さんが関連する質疑をして終わりました。大野さんは、昨年度予算に対して議会が議決していた附帯決議に対する取組み内容などを確認。

答弁に立った部長、副市長、そして市長も…端的に言えば「反省するところもある」「不十分だったところもあるのだろう」ということで、いつになく議場で「反省」という言葉が多く飛び出しておりました。

すでに過去に戻ることはできず、巻き戻しはできないわけですが、しかし、大野さんは「市が考えていたように取組みが進んでいない理由」あるいは、上手くいっていない現状を振り返る時、「学んだことは何か?」「そこから得た教訓は何か?」をていねいにかつ落ち着いて質疑をしておりました。市民の声をいかに掴んでいくか、耳を貸していくのか…時間がかかりますし、そのための時間が必要です。

パルテノン多摩の大規模改修について言えば、ワークショップなどに参加した市民から「これは3年前にやっておくべきことだ」あるいは、「今ごろこんなことやって」という声も聞こえてきます。全うな市民感覚だと思っています。もともとパルテノン多摩の大規模改修については財源のめどがついていなかったにも関わらず、都市計画税が充当できるようになったため、急にこのプロジェクトが動き始めたわけで、そのこと自体を否定するわけではありませんが、表向きには「老朽化」を理由にし、一日でも早く改修しなければいけないと訴えている市長の頭には、それ以上に「ご自身の任期」に対する意識が強くあったのではないかと思います。そして、まるで、ご自身の任期から逆算されるかのように、大規模改修のスケジュールが確定され、そのスケジュールの中で取組もうとした…。

正直、そんな急いだスケジュールでは市民からていねいに意見を聞くことができないだろうこと、議員の多くは「物理的無理」を最初から指摘していました。なので、私たちは附帯決議にも「拙速に進め過ぎないように」と一言加えているのです。

 第6号議案 平成28年度多摩市一般会計予算に対する附帯決議
平成28年度多摩市一般会計予算に計上されている複合文化施設(パルテノン多摩)大規模改修事業の執行にあたっては、自治基本条例に掲げる市民参画と少子化・高齢化時代を見据えて将来世代に過度な負債を残さないという財政上の見地から、以下の事項を履行するよう強く求めるものである。

1 大規模改修にあたっては都市計画税等多様な財源を活用し、市債などの後年度負担が過大にならぬよう財政計画に留意すること。今後相次ぐ大規模修繕や公共施設整備を念頭に、当該改修予算の上限を強く意識し、多額になると想定される総事業費についても可能な限り削減の努力をすること。
2 平成28年度の当該予算はあくまでも基本計画・設計にかかわる費用である。よって、拙速に事業を進めることがないよう留意するとともに、多摩センター地域全体の更なる活性化につながるよう工夫し、市民への説明責任を果たすこと。
3 当施設は多摩市を代表する文化施設であることに鑑み、複合文化施設の基本計画・設計にあたっては、利用者のみならず広く市民及び議会との情報共有及び意見の反映に努めること。

改めて、読み返すと、議会は全会一致で’ものすごく当たり前’の内容で決議をしているなと思います。パルテノン多摩の老朽化が進んでいることは確かで、対応を急いだ方がいいことも間違いのない事実…でも、やはりこの附帯決議にある通り、「今後相次ぐ大規模修繕や公共施設の整備を念頭に」ということ含めても、議会はもちろんのこと市民に対し、理解してもらえるような努力が求められます。大規模改修し、そしてまた、改修によって施設のグレードが上がれば、その分、維持管理費用も上がるでしょう。そしてまた、もっと市民に利用してもらえるように、身近な施設として使われるためには利用料金を下げるべきという主張もあるわけで、そのこと含め、どう考えているか?など…改修に入る前の段階でもっともっと明らかにしておくべき点もあるでしょうね。

改修工事費用の点で行っても、全国の状況を見てみれば・・・・今は公共施設の新築や改修工事含めて入札不調を繰り返し、どんどん値が吊り上がって・・・想定していた費用以上の金額が必要となったために、計画そのものに見直しが迫られているという事例もあります。いろんな状況を見つつ、考えていくことが必要だなと思っています。

議会でもパルテノン多摩の大規模改修に対し、さらに集中して意見を取りまとめていかねばなりません。とりあえず、昨年度の決算審査は終了。阿部市長のことなので、「全会一致でみんなが手を上げてくれたんだよ」と胸をなでおろし、また「オールラウンドで支持を得ている」とおっしゃるのかなと思います。それがいいのか悪いのか…。市長に対し、「もっと緊張感を持って市政運営にあたってもらいたい」とする市民の声にももう少し敏感になってほしいかも。

さあ、9月定例会も終わりが見えてきました。決算審査の間、私は録音室で傍聴し、議会事務局の職員の皆さんとともに過ごしたわけですが、色んな事考え、とても真面目に、議会を支えてくれている仕事ぶりを目の当たりにして、ありがたいなと改めて感謝する日々でした。これは私にとっての収穫。