決算審査をしつつ・・・感じること。

20160926

決算審査も残すところあと2日です。今日は、歳出で総務費、民生費、衛生費、労働費、農林業費、商工費から土木費・・・と審査が進んでいます。次には、消防費、教育費と特別会計へと移ります。それにしても、発言時間一人持ち時間30分というのは長いのか短いのか・・・それはたぶん、考え方によって異なりますが、議員にとりあげられる事業とそうではない事業があるというのがとても残念。本当はあまねくすべてに質疑が及ぶ・・・くらいの緊張感があった方がいいのになと思ったりします。他の市議会では、決算書を1ページずつめくりながら、質疑をするようなスタイルをとりいれている議会もあるそうで、「決算重視」に変えていくとするなら、もう少しやり方を考えてもどうか?と感じます。

他の議員さんの質疑聞きながら、やっぱり、以前にどこかの場面で取り上げた事業の後追い、フォローをしていくことは重要。向井さんの生活困窮者の支援、若年でひきこもり状況にある世代への支援のまなざしとか・・・新しい課題に対して、ちょっとは取り組んでいるのかもしれないし、手はつけはじめているのかもしれないけれど、議員には(ということは市民にも)「全く手つかず」のように映っているものが確認できるわけで、こういう問題についてはとにもかくにも「言い続ける」粘り強さがこちらにもきっと必要ですね。「言いっぱなし」にしていることないかな・・・というのは、気にしなければならないことの一つ。あとは、とりあえず何が伝えたくて質疑しているか行政側に伝わっているかも確認しなければならないというのもあるかも。

答弁者席を見ていると、「あの議員は一体何で質疑しているの?」とキョトンとされていたり、神妙な顔つきで「何を言いたいかわからない」と言いたげな表情で議員席を見つめておられる方もおられるので。

 

ということで、特に「これはものすごく問題!」というような事業ってそれほどなく、ある意味、多少の問題や課題はあっても、多摩市行政は無難に仕事をまわしている印象です。もしかすると、それもここまでで、これからはもうきっと大変。そもそもパルテノン多摩の大規模改修から始まる一大プロジェクトに対しては、もっと議会でも賛否両論討議を深めていくことも必要ですし。パルテノン多摩の大規模改修だけをとりあげて、「コストがかかりすぎる云々」との話もありますが、私は「多摩センター全体の地域再開発」くらいのレベルで考えて取り組むべき問題であって、「パルテノン多摩だけ」を見たコスト問題を軽視するわけではありませんけれど、単に老朽化施設の修繕回復の話しではないことに視点を置き、語るべきではないか?と思います。言葉の表現としては「多摩センターの活性化」ということなのかもしれませんが、「地域再開発」のほうがむしろわかりやすいのでは?と思うわけで。よく他自治体でも「駅前再開発事業」という名称で取組まれているものがあり、ここ・・・時々の市長選挙や市議会議員選挙の争点にもなったりするわけですが、でもそのくらい大きなことに取組もうとしているって私は考えています。ですので、議会でもきちんと体制を組んでいかねばならないのでは?と改めて会派としても働きかけをしていくつもりです。

 

ところで、パルテノン多摩のような文化施設などの運営にたずさわっているスタッフの人材育成・・・今後の課題です。勉強会に参加してみたのですが、「食べていくことで精一杯。で結婚とか考えられない・・・」 あるいは「バイトをちょっと頑張っている学生くらいの給料」とか現場スタッフの切実な状況が話題に出ていました。劇場などで仕事をする方の多くは非正規雇用の場合も多く、将来設計に不安と言う声は指定管理者制度が導入されて、ますます広がっている気がします。パルテノン多摩の場合にはどうなっているか?今、指定管理者になっている多摩市文化振興財団は、以前は多摩市職員と同じ水準で給料が支払われていましたが、今は給料体系なども見直しを行っています。その水準がいいか悪いかの議論はさておき、他の公共ホールの指定管理を受けている民間事業者と比較をすれば「人件費的」みれば遜色ないというか・・・「人件費が高すぎる」わけではないそうです。しかし、いい人材を集めたいと考えるなら、見合った報酬が必要な感じがする・・・というのは私の意見。このままだと「ここでは働けない」にならないかしら?とか思うものです。今さらこのご時世に夢もへったくれもない・・・とか叱責されるかもしれませんが、やっぱり夢を持ったり、志を高くしながら、仕事に励むことができる環境って不可欠だと思います。もちろん、その人物の仕事が正しく評価されていくことが前提ですが、それに見合った賃金・・・「パイは限られている」とは言え、やっぱり必要。若い人たちが「将来」を語れないから、文化を支えていく仕事を諦めざるを得ないという状況はどう変えていくことができるでしょう。

そのためには、日本社会全体としてもう少し「文化政策」の位置づけを高めていく必要があることは言うまでもありません。そして、パルテノン多摩でも所得の有無にかかわらず、すべての人に「文化的に生きる権利」があることをベースに置いた活動がもっと展開されなければならないでしょう。じわじわっとかもしれませんが、「だから、パルテノン多摩があるのか」って理解が広がればよいなと・・・・ただし、理解がまだまだ広がらないうちに大規模改修をどうするかの判断が来てしまうのが残念ですが・・・・。

今週は9月最終週。また、一週間、笑顔に健やかにがんばれますように。