決算審査 文化施策を評価する。

20150924

今日から2日間は決算審査も分科会。分科会は委員会単位になっていて、私は子ども教育分科会にて「文化の継承と創造」に関連する事業を評価。内容としては「パルテノン多摩の指定管理料、修繕費」と「文化財行政」のこと。

でも、今回の私たち分科会での話の中心は主に・・・文化財のこと。特に、旧北貝取小学校跡地施設に文化財の収蔵展示の拠点を設置していこうという学校跡地施設の恒久活用方針を巡っては、その必要性に対して、さまざま意見があるところです。市は方針通り、既定路線で取組みを粛々と進めていて、拠点設置に伴って、一定程度の文化財を整理する方向で合意形成も図っています。しかし・・・現段階で、北貝取小学校跡地施設にどれくらいの経費をかけることが可能であるのか不明。展示などについても「松竹梅」とそのレベルがあるそうですが、「教室の黒板を外したり、ランドセルを入れていたロッカーなどを外したりして、床と壁に手を入れる」・・・というお金をあまりかけずに活用を考えていきたいという方向などを聞けば聞くほどに、「見に行きたくなるような」・・・場所になるの?・・・・という疑問がわいてくるわけです。もちろん、贅沢にお金をかけた施設にしてほしいと願っているわけではありませんが、常設展示のみならず、企画展示も実施ができ、ちょっとした集客もしようとする方向になってほしいと願うものです。そう思えば思うほどに、「行きやすい場所」・・・つまりは利便性が考慮されるべき・・・との結論に達するわけです。旧北貝取小学校の場所は立地と言う点からすれば、少し不便というのは今日の議論でも共通見解になった気がします。

あわせて・・・明らかになったことは、文化財行政を担う人手の問題。開発などに伴う埋蔵文化の発掘は法律に基づいて実施されるもの。この受付窓口をやっているのですが、実に問い合わせは年間1000軒以上にものぼるそう。電話、窓口での問い合わせ対応だけでも大変。実際に試掘など必要なケースは1割から2割の間なのかなと思っていますが、その許認可申請手続きなどについての事務手続き・・・・・。それ以外にも、当然ながら行政事務も多数あり・・・。なかなか具体的なところでは議員には見えないところでやらねばならないことた多数に散在していると言えそうです。正直言って、上記、文化財の収蔵展示の充実、特に「企画展示」などの立案など工夫を考える余裕はどこにあるの?と思えてならないわけです。悲願の?!2名の学芸員を採用し、文化財行政の充実をはかっていきたいものですが、しかし、充実と言うよりは、今まであまりにも人がいなさすぎてたった一人の学芸員で担っていた業務がやっと平準化されただけの話にも思え、「現在の業務を存続していくだけでも手一杯」とする現状だと感じています。実際にもそうなんだと捉えています。

何だか人手が足りないと言って、では担当者をもう一人増やしましょう、二人増やしましょう・・・というだけでは正直解決できないような感じ。必要なことは「どういう文化財行政を進めていくのか」という方針をもっと明確にしていくこと。そのために、学芸員さんの力をどうやって活かしていきたいのか?という点でしょうね。多摩市から「名物学芸員」さん誕生してほしい。

今まで、文化財行政には注目もされることがなかったため、手薄になってきたのでしょう。ここは議会もともに認識が甘かったことを振り返りつつ、今後の事業展開がどう進んでいけばよいのか、そのためにどんな体制を構築していくべきなのか等など提案も含めて議論がされていくべきと考えてます。今回のお題は「文化の承継と創造」という施策を評価することになっていたので、本当は「そもそも文化とは何ぞや?」ということまで議論が深まればおもしろかったかもしれませんが、まあ、そこまでに到達するのはなかなか難しいですね。堂々巡りの議論にもなりそうですし・・・。まあ、今回の取組みで、まずは入り口のところで、行政と私たち議員側の現状認識を共通化できたとしたら吉。私たち議員にとっては文化財というとてつもなく奥が深い、ともすればその価値が私たちには理解できないほどの重要性があるらしい「お財」たちとどう向き合うかを学んだ良い機会になったことは確かです。個人的にも未開拓分野にちょっと踏み込んだ気分。こうして、関わった分野についてはこの場限りにせず、きちんとフォローしていきたいものです。