明石市・泉市長の熱弁に学ぶ。

 

久しぶりに永山駅前のたまっこ。駅前の公衆便所前の一角も今では喫煙スポットが移設されたのでひっそり。場合によっては、受動喫煙スポットでもあったので、今は安心して通行することが可能です。今日もいつものように朝が始まり、市民の方とお目にかかり、意見交換をさせていただいてから、市議会だよりの編集会議にて打ち合わせ。その後、オンラインで実施された地方議員グループの勉強会に参加。「コロナ禍での子育て・ひとり親支援」というテーマで明石市長の泉 房穂さんよりお話を伺うことができました。泉市長と言えば、「暴言」で話題になり、辞職に追い込まれたものの、やはりその実績などが評価されて、市長に再任されているという稀な人物とも言えますが、何よりも「思い」があって、その「思い」を「カタチ」にしていくための道筋を自分なりにお持ちなんだなと…そのことを再確認、再認識することができたひとときです。「子どもを核としたまちづくり」を進めていくことは、「やさしい社会を明石からつくりたい」という強い思いがあり、そしてまた、政策に対する信念をお持ちだから。「すべての子どもたちをまちのみんなで本気で応援すれば、まちのみんなが幸せになる」と信じた道を邁進しているという印象です。

そんな中で市長が掲げる「実行力」のポイントは、思い(明確なビジョン)、ひと(大胆な人事)、カネ(予算のシフト)、まち(市民の応援)ということ。そして、政治家や首長には新しい政治をつくりだす責任があると力説されていました。

「子育て」がテーマの講演だったものの、個人的には「市民と政策理念の共有をすることが重要」であって、そのことで市民の応援や協力を求めていく…そのために市の広報を活用しているようですが、「市広報は『市民へラブレター』である!」とおっしゃり、何と驚くのは毎号の特集記事については市長が見出しなどのキャッチフレーズから何から考えるということ。多摩市の場合には市長のコラムが掲載されているわけですが、コラムではなく、掲載するのは「まちの政策」。

例えば、「ありのままがあたりまえのまちへ」(2020年7月15日号特集

という感じですね。メッセージが伝わります。泉市長は「政策を作るのは首長ではない」…「市民である」とおっしゃっていまして、これもまた、市長の強い信念を感じさせる言葉。考えても見れば、当たり前のことなのですが、「市民のニーズをキャッチし、そのニーズを形にするのだから、外れることはない」とおっしゃるのです。「なるほど!」。

しかし、市の広報を「市民へのラブレター」だとおっしゃる感性やセンスに脱帽。市民に届く言葉(キャッチフレーズ)を市長自ら考えていくという点も…。

明石市と言えば、新型コロナウイルス感染症対策や対応についても、ひとり親世帯への支援はもちろんのこと子どもや子育て世帯への支援策をいち早く打ち出したわけですが、すべてが市民のニーズに基づくものであって、市長がまちの中に足を運んで直接聞いてきた声から立案していったものだということでした。政策を立案して実行していくためにも関わる人材を増やすことも必要…コロナ対策として4月に実施される定期の人事異動のほかにさらに10回の人事異動を実施しているということにも驚きます。感染対策局を設置して、動かしていくためには医師、保健師などなど必要になるというわけです。これについては以前もどこかで紹介したかもしれませんが、こちらの記事より明石市の様子を垣間見ることができます。

明石市が迅速に取り組んできた新型コロナウイルス対策を学び、追随しているところも多そうですね。もちろん「明石市をマネしました」とは言わないと思いますが。

泉市長の勢いというのは単に言葉を並べ立てて鼻息荒くしているだけではなく、しっかりと実現するための手立てが考えられているところに改めて敬服するものです。

…と今日は議会の控室にいたもので、この辺りまで聞いていたところで、最後…職員さんが大事な用事でいらしてくださったので、意見交換をしてしまったので…実は最後の最後のところまでは聞ききらなかったという。

ただ、とにかく、泉市長のお考えというのか強い信念にもとづくまちづくりのエッセンスを浴びることができ、力説ぶりと、力説を裏付ける力量に正直、ボーっとしてしまいまして。

明石市が弁護士登用を進めてきたこととその理由(こちらにインタビューあり)、あるいは、明石市の子育て支援が着実に進んできたわけ、手話言語や障害者コミュニケーション条例を制定したわけも…泉市長からのお話を伺いながら、多くのことが思い浮かんだというわけです。

しかし、これだけの想いをもち実行力のある首長がいて、その次に首長を担うにはどんな人材なのだろう?とついつい思ってしまいますね。まちは続き、未来につながっていくとき、「泉市長だからできた」で武勇伝で語られておしまいにらないようにと願いますが、しかし、泉市長のもとで仕事をし、鍛えられていくだろう市民社会を捉える視点やら価値観、あるいは「行政とは何をすべきなのか」という職務に対する考え方など…知らず知らず、明石市役所には育まれていくのかもしれませんね。

子ども時代から「困っている市民の具体的な力になりたい」という思いがあった。だからこそ、「こうした時にこそ、困っている市民に対して、具体的にしっかり手を差し伸べることをしていきたい」と話す泉市長の取組みとそれを支えていく市役所に今後も注目していきたいですね。

想いをかたちに。

一つひとつ丁寧な取組みと途中で投げ出さずに諦めないこと…あ、ここが大事で重要ですね、きっと。泉市長の熱弁を聞いたのちに、一般質問の答弁調整というのか、担当職員のみなさんと意見交換などをさせていただいたのですが、議員と話すときだけではなく、きっと日々、いろんな思いや葛藤がありながら職務や業務を遂行しているのかなあなんて…感じたのですね。「誰一人見捨てない」というのはかねてから掲げてきたキャッチフレーズでもあり、これは大阪の茨木市の取組みに学んだものでもあり(実際、子ども教育常任委員会でも視察に行きましたし)。私もやっぱり子どもたちの存在は社会全体の希望であり、星であると思っているので、成長していく我が子にも学びつつこれからも子育て支援や子ども支援策、教育施策に取り組んでいきたいと思ったのでした!

その思いで、ちょっとだけお手伝いしている毎週火曜日の宿題カフェで小中学生とちょっとした会話をすることが私にとっても楽しみの一つになっております。