情報をどう見極めていくか。

お昼過ぎの突然の土砂降りには驚きました。そろそろ紫陽花も終わりの季節なのですが、花弁が発色悪くなり、色あせてきても…なかなか風情があるのではないかと思い、ビンにさしてしばらく楽しむこととしました。

今日は臨時議会。新型コロナワクチン接種について、引き続き、接種希望者には速やかに対応できるような体制を整えていくための予算増額の提案でした。ワクチン接種に関わる予算はこれで全体では11億円~12億円になるそうです。これが日本全国になるので、どれだけ・・・の規模になるのか、すごい額に上ることがわかります。

ワクチンの接種については本来国がやるべきことを市が肩代わりして実施する位置づけになっていて、その意味では、委ねられたことに忠実に従い取り組んでいくことが市の役割となり、そして責任にもなっていきます。その意味では国から示されたガイドラインを逸脱することなく、間違いのないように取組みを進めていくことが求められ、むしろ、国の動向に翻弄されながら、やっと現在に至っていて、その意味では多摩市のみならず、全国いずれの自治体もよくやっているな…としか思えません。「速やかに」というのもポイント。その体制づくりのために地元の医師会をはじめ関係機関との連携体制を密にしながら、精力的に取り組んでいく。私の立場からは見えてこない大変さがあることは重々承知です。

ただ、公衆免疫をつくっていくという旗印のもと、接種が推進されており、それも一定理解するものの…一方で、大人と同じように子どもたちにも接種をしてしまっても良いのだろうか、あるいは今はインターネットにも情報が溢れている時代にワクチン接種についても推進する立場の声もあれば、少し立ち止まってと懸念を示す立場からの声もあり、様々な情報を見極める難しさを感じており、それでも、接種するかどうかの自己決定をしなければならず、「今は接種しない」という考え方もまた「いち早く接種を済ませて安心したい」という考え方と同じくらい尊重されなければならないと思っています。

情報を見極めることは大事で、もう少し様子を見たいと考える人たちを焦らせてはならないと感じているのですが、接種を希望されない方からは「接種しないことが罪」と言われかねない雰囲気が怖い。「子どもには接種したくないけれど、友達同士の会話の中で接種するしないが話題になることで、立場が悪くならないのか心配。」という声が実際に寄せられています。

例えば、接種について今は見合わせたいと考えている方々が得ている情報の中で、私も参考にしたいのは正確な数字です。もともとワクチン接種後の死亡については、そこに因果関係が認められるのかどうか…証明することはとても難しいのが現状とはいえ、しかし、厚生労働省として発表している数値があります。

新型コロナワクチンに関しては、7月7日の厚労省の審議会で提出された報告は以下の通り。
新型コロナワクチン接種後の死亡として報告された事例の概要(コミナティ筋注、ファイザー株式会社)
新型コロナワクチン接種後の死亡として報告された事例の概要(モデルナ筋注、武田薬品工業株式会社)

そして、これと対比してインフルエンザワクチン予防接種の場合にはどうなのか。独立行政法人医薬品医療機器総合機構によるレポート。
令和元年シーズンのインフルエンザワクチン接種後の副反応疑い報告について

新型コロナワクチンの場合、ファイザー製ワクチンが先行しているのですが、これまでに約3900万人が接種して亡くなったと報告されている方の数は554人。モデルナ製ワクチンはまだ報告が少ないので割愛します。インフルエンザワクチンについては令和元年シーズンの報告によれば約5600万人接種で、亡くなったと報告されている数は6人。こうした情報をもとにしながら、「今は接種は希望しない」という判断をすることもまた一つの選択肢であると思います。

ワクチンについては治験が完了していないけれど、問題はないと主張される医師もおられれば、やっぱりそこは慎重に対応してもよいのではないかと主張されている医師もおられますし、やはり自分自身できちんと見極めるということが求められ、私にとっても難しい判断であると考えています。私は正木稔子医師がおっしゃっているように「接種は義務ではありません。自由に選択する権利があります。ご自分でよくお調べになり、よく考えて決めていただければと思います。」ということにつきるのだと思っています。正木先生もご自身の立ち位置を表明されて、辛いこともあるのではないかともお察しするのですが、医療の専門家から責任を持って声高に報道されているのとは少し違った視点での意見を示してもらえるというのはありがたいことです。正木医師が「医学の基本ですが、PCR陽性=感染ではないし、感染したからといって発症するわけでもない。」という指摘にも目が留まります。もちろん接種について医療の専門家である女性医師のみなさんがどのようなお考えをお持ちなのか別のアンケートも行われていて、こうしたものも参考にしていいと思います。

あくまでも、接種は強制されないものであるという基本を外してほしくありません。そして、接種するしないで集団が分断されてしまうことを懸念しています。

臨時議会でもその立場から質疑をしましたが、「何言ってるんだ」という視線も感じつつ、ただ、私は「接種を希望しない」という立場の方もおられることも認識してほしいと訴えただけです。当たり前のことだからです。それにしても、今日もまた新規感染者数について、東京では1000人を超えましたね。もちろん、この数字を捉える時にも正木医師の「医学の基本ですが、PCR陽性=感染ではないし、感染したからといって発症するわけでもない。」という指摘が頭をかすめたりもします。

市長は「接種したくてもできない人もいる」ことへの理解がいるとおっしゃっていましたが、「接種できる状態にもかかわらず、接種を希望しない」人たちへの風当たりというのでしょうか?…「接種したくてもできない」が証明される状態にあれば救われるのですが、そうではない点が辛いわけですから。いずれにしても「接種せず」も「接種する」もどちらも認められていて、自由に選択することができることへの理解がされていくといいなと思います。「接種しないことが罪」になるような雰囲気に傾いていることが心配です。

市長メッセージも発信されているのですが、「接種実績」を示すことで、公衆免疫がどれくらい獲得できているのかがわかるという意見もあれば、これは何のために示すのものなのか、「多摩市はここを100%にすることを目指しているのか…」という声があることにも耳を傾けたいと思います。

今後、ワクチンがどれだけの効果を発揮していくものであるのか、3回目の接種が必要になってくるようなことまで報道されていることも耳にすると、「未知と向き合う心構えとは」を考えさせられる今日この頃です。感染症予防の基本は手洗いとうがい。