平和への祈り。

夏に開催予定だったコンサート。出演者がコロナに感染し、半年延期されてようやく開催の運びに。企画をされた中島良史先生とのご縁をいただき、コンサートを開催されるまでのご苦労も垣間見ていたこともあり、何よりも無事に開かれてホッとしました。阿部市長も最初から最後まで、じっくりと鑑賞されていました。配布されたパンフレットには市長からのメッセージも掲載されていました。市外からも多くの方がいらしていたようで、こうした場に市長がおられることに驚かれ、そしてまた感心されるというのか、「多摩市は素晴らしいなあ」と。市長の在りようが、まちのPRにもつながるというのか、多摩市のイメージにもつながっていくものだなあと感じた次第です。大事なことだと思います。

コンサートはウクライナ、そしてまた、ウクライナの皆さんをいち早く支援をしてきたポーランドにゆかりのある楽曲が中心で、なかなか言語が理解できず…ではありましたが、現地で親しまれ愛されている歌、また、作曲家の音楽が演奏され、「平和への祈り」を感じさせる落ち着いた静かな作品が中心でした。

「音楽の力は、人種、民族、宗教、国家を超えて平和のためにある」

とパンフレットに書いてあるとおりのことで、演奏された楽曲は華やかとは少し距離を置き、落ち着き、穏やかな気持ちになれるようなものばかりでした。「争っている場合ではないなあ」とふと感じさせるような気持ちになれるような感じですね。トゲトゲしていたり、ガサガサしているような日常を忘れられるというのか…。

多くの方に協力を仰ぎ、関係機関との連絡調整など…中島先生がほぼお一人でやっておられ、そのエネルギーは並々ならぬもの。「多摩市ももっとこうしたことに力を入れて、発信をしてほしい」と何度も熱を込めて語っておられまして、私もお話を伺うたびに、「利益ではない」と割り切って赤字覚悟でコンサートをやりぬくその熱意には圧倒されるばかりでした。

ですので、夏にコンサートが中止になった時には、その後どうなるものかと心配になっていましたが、とにかく開催できたことがうれしく、むしろ市外から多くの方がパルテノン多摩に足を運んでくださったのだと思うと、そのことにも感謝しかありません。

しかし、その割には…と言いますか、省エネ意識なのかしら?…多摩センターの駅からイルミネーションがきらきらする通りを歩いてパルテノン多摩が見えてくると…とにかく「真っ暗」。一緒にコンサートに行った友人が「ちょっと、暗すぎるよね。」と言っていた通りに、本当に暗くて「おもてなし感ナシ」。コンサートホールとかって、もっと明るくて、ウエルカムであってほしい気もしますが‥‥本当にひっそりとしすぎていて、逆に怖い。

そしてまた、エントランス横の掲示板はもちろん主催事業のポスターしか掲示されていないとはいえ、ここにも灯一つない感じで真っ暗。「これ、ちょっとね…」と苦笑いするしかなかったのでした。

パルテノン多摩は特別な場所であって、特別な場所ではないというか…「市民を遠ざけない施設」になるはずだったのが、やっぱり敷居が高く、「第三の居場所」にはなりきれないのか…と思うと、「あの改修費用はなんだったのか。」とかいろんな想いが複雑に脳内をめぐるのですが、まあ、まだまだこれからに期待と言うことなのか?!

やはり、パルテノン多摩をどんな場所にしていきたいか。そこにある強いイメージと、それをカタチにしていく力と、リーダーシップ。問われそうですね。