市民と意見交換@パルテノン多摩大規模改修…その②

8月7日に続く、パルテノン多摩大規模改修についての市民との意見交換会。前回よりも減ったとは言え50名を超える参加がありました。また前回も参加して2回目・・・というよりも、今回が初めての参加という方が半分以上を占めておりました。あとは昼間の開催だったので、現役で仕事をしている方は前回以上に少なく、60歳70歳代の方がほとんどでした。

参加された方はそれぞれの背景をもとに意見を述べて下さり、議論が白熱したところもあるようです。パルテノン多摩を利用されている方は早期に方針を決めて、大規模改修をすべきと主張し、それほどパルテノン多摩を利用されない方は多額の費用のかかる工事に対し慎重になるべしと主張し…。

また、中央図書館をつくる会などで活動されている方を中心に「図書館とパルテノン多摩を一緒に考えないでほしい」とする強い意見も出されました。これに関してはパルテノン多摩を利用されている方、あるいはそうでない方も「なぜ、図書館とパルテノン多摩を一緒に考えるのか?不可解である」とする意見が多かったように思います。だからと言って、今、市側が考えている桜美林大学アカデミーヒルズの土地を取得し、図書館を建設することに対する懸念を述べる方も多かったかなと。

なぜ、図書館本館整備の問題がパルテノン多摩の問題とともに議論されるようになったのか?

その経緯を含め、丁寧に説明し、その上で市民同士で討議を深めようと思えば、全体約2時間しかない意見交換会の時間だとなかなか難しい。意見交換会を開催している議会側の姿勢を評価する声がある一方、せっかく開催するのであれば、もっと工夫をしてほしいという声、「時間が足りない。意見が言い足りない。」とする声もあり、次回開催するのであれば(まだ次回があるかどうか未定)工夫改善の検討もしたいですね。こうした意見交換会を開催するときに必要なファシリテートスキルなどを議員が磨いていくことも必要かなと思います。

 

私がヘルプで入ったテーブルでも活発な意見交換が行われましたが、「ビジョンがない」という点を問題視される方が多かったと思います。パルテノン多摩を大規模改修して、地域にある小規模な施設を廃止するようなことでは困る。これついては図書館も同じで、大きな施設を作って、地域にある図書館をなくさないでほしいとする声もありました。多摩センター全体のビジョンはもちろんのこと、多摩市が将来にわたってどんな街になっていくのか、街にしたいのかをもっと議論してから、税金の使い方を考えてほしいとする意見はご尤も…。将来人口は確実に減少し、少子化ですから…中長期のビジョンがどうなっているの?と冷静に考える市民が疑問に思うのは当然でしょう。

「都市計画税をパルテノン多摩の大規模改修に使うことができるらしい」ということになり、まるで駆け込みのような(それくらい老朽化が深刻なのだと思っているが)なだれ込み状態で大規模改修事業をスタートさせ、ビジョンをしっかりと練り上げることなく、80億円近いお金を大規模改修事業に注ごうとする…そのことに「ちょっと違うのでは?」とする違和感は市民の方のごくごく普通のそしてまた素朴な納税者感覚だと思います。

そしてまた、今日の参加者の顔ぶれを見た方が「もっと若い人の意見も聞いてあげて欲しい。」とおっしゃり「お願いします」と言われてしまいまして、その声には真摯に対応せねばとも思いました。

 

それにしても、「議会は今後どうするつもりなんですか?」「このまま意見交換をずっと続けるつもりですか?」「市民の声をどう反映させるつもりですか?」…ここに対する姿勢もまた問われます。

 

「反対のための反対」で意見交換に来られている方は少ない。多摩市の将来を心配している方々、そしてまた子どもや孫たちの世代にどんな多摩市を残していけるのか考えている方が多い…「パルテノン多摩の大規模改修に賛成の方の声は届きにくいのではないでしょうか?」という意見も確かに一理あるのかもしれません…でも、この問題は「正しい事実」を伝えたうえで、賛成を取り付ける必要があると思っています。多額の費用をかけて大規模改修した30年後のことを想像し、「今」を考えたいと思います。

 

パルテノン多摩を建設した30年前…今日のことが想像されていたでしょうか?パルテノン多摩が「お荷物」にされることなど想像していなかったと思うのです。30年くらいしか経過していない立派なコンクリート建物を壊すなんて「議員は頭が悪い。不見識。」とする意見もあるやに聞いておりますが、今後も30年残し続けるのであれば、30年後の世代が困らないようにしておきたいですね。「その時のことは、またその時の人が考えればいい」という風にして片付けてしまっていいでしょうか?後の世代から「無責任」と言われないようにしたい。その思いがますます強くなります。

 

こうした議会での意見交換会も、これからも続いていく多摩市の歴史から考えるとほんの一瞬のことで、歴史の一部にもならないかもしれない…そういう意味で「急いては事を仕損じる」ことにないようにしておきたいする市民の意見とそれに対する議会への期待をどう受け止めることができるか・・・・なかなか大変。