巡回指導で子どもは飛躍的に向上できるか?

20160121

 

「のんびり、ゆったり、ほっこり」…授業のめあてです。今日は聖ヶ丘小学校の「つばさ」…通級指導学級の見学に伺いました。ちなみに、同じ会派の遠藤ちひろ議員のはからいにて…便乗させてもらい、とてもいい機会をいただきました。

子どもたちの姿はカメラにおさめることはできませんので、写真は指導プログラム「ほっとカフェ」の後のおかたづけの様子。子どもたちは自分の心の状態と向き合って、そして、クールダウンと言うか「心が落ち着く」という自分を知って、体得するような内容ですね。「自分で緑茶を入れて、飲む」というプログラムです。

子どもたちは授業見学の私たちにも「お茶を『どうぞ』」と出してくれる心くばりと心遣いもしてくれて、私たち一同も「ほっこり」で一杯になりました。

今日は1年生、2年生総勢5名のクラス。5名とも診断名も明らかになっている子どもたち。各々の状況を勘案しながらのクラス編成で、全体としてはとても落ち着いた中での授業展開でした。ちなみに先生たちは総勢4名。子どもたちの細かな動きにも目が行き届き、一人ひとりに必要な声かけが適切に行われている気がしました。「それ、いいね。」「そんなことに気がついたなんて素敵だね。」・・・もちろん、少し落ち着けなかったり、集団を乱す場合にはそのことに子ども自身が気が付けるような促し方。決して「それはダメ。」というような否定語は使用せず、「こうしたほうがいいよ。」「こっちがいいね。」というようなアプローチ。先生たちもかなり日常の中でスキルを積み重ねているなと感じました。

特別に支援が必要な子どもたちにとって、社会性を身に着けていくことは必須。集団の生活に自分自身がどう向き合っていくか、そのスキルを身に着けることが通級指導学級でも優先されていたような気がします。もちろん学習と言う点では、得意不得意が顕著に表れる子どもたちでもあり、個別指導なども行われていますが、いわゆる勉強的な学習以上にソーシャルスキルを身につけることを重視した指導が展開されています。多摩市は特別支援教育については他市に先駆けて取り組んできた歴史もあり、他市以上にスキルを積み重ね、支援内容もたぶん充実しているはずです。私は専門家ではないので、そのあたりについて安易なる評価はできませんが、周辺他市の方からの評価は高いんです。

でも・・・次年度以降どうなるか心配。東京都は通級指導学級については、「巡回指導方式」への変更を掲げていて、都の方針にかなり従順にしかも速やかに対応する多摩市教育委員会は躊躇することなく、都方針の実現にまい進中。これに関しては、私も疑義を抱く点もあり、議会質問でも取り上げていますが、遅かれ早かれで全都的に「巡回指導方式」への転換、切り替えになっていくので、先んじてやり、まあまあ課題も見えてきたところで、新たなる手法を編み出したり、展開していくこともそうそう悪いことではないのかも。

とは言え、今後の展開についてどうなるかわからず、周辺他市も慎重な姿勢になっており、様子見のところがあるにも関らず、あまりにも意気込み高く、積極的な多摩市教委の勢いに対し、違和感を覚えていないかと言えば嘘。現在、昨年に確定した特別支援教育推進計画について教職員への説明会を実施しているようですが、同席させてもらえないのか?と尋ねてみたところ、「うううううううううううん、ちょっと検討します。」というのがお答え。さてどうなるやら。市教委がどんな意気込みで計画推進しようとしているか、やはり肌感覚で知り得たいというのは行政にとっては迷惑な話でしかないのかしら?

いずれにせよ、「巡回指導方式」に変わるので、最大限のパフォーマンスを発揮していく必要がある。

聖ヶ丘小学校の福岡校長はかつて東愛宕小学校の副校長先生時代からも存じ上げていて、女性の先生であるという点からも尊敬しているのですが・・・・「いろいろなことはあっても、都教委の方針ですから、それに基づいて、しっかり取り組んでいきたい!」っておっしゃっていて心強い。

今度の4月から、第一弾として「巡回指導方式」に変更する「聖ヶ丘小学校を中心とするエリア」には北諏訪小学校と諏訪小学校が入っていることもあり、私としても今後の展開を注視することはもちろん、子どもたちが戸惑ったり、現場が混乱したりすることがなきよう見守っていかねばと考えています。

それにしても、子どもたちの表現はとってもユニーク。「入れたてお茶」でほっこりなった気持ちを・・・「武士って幸せ者だなあ」という感想に変えて発する子もいたりして、「個性って楽しい!」って思えた一瞬でもありました。発達にちょっとデコボコがあって、特別な支援が必要な子どもたちのポテンシャル・・・感じさせられました。

 

しかしながら、巡回指導方式になり、個々への対応がさらに強化されていくという謳い文句にはなっているものの、今日見学した授業のような「集団指導」の場面をどんなふうにつくっていけるのか?はまだまだ未知の領域。子どもたちの社会性なるものが、別教室での取り出しによる個別指導だけで育まれていくのかどうか?は私個人的にはやや疑問。

とにもかくにも子どもたちの成長をさらに押し上げていくような「通級指導学級」の仕組み変更であってほしいものです。そんなことで今日は朝から見学やらの盛り沢山な一日。午後からもちょっとした陳情をいただいたり・・・途中で深呼吸できる時間はあったので良かった♪

明日は金曜日。一応、週末。でも、土日もいっぱいいっぱい予定がつまっているので、意識して上質なる休息を取り入れたいなあ。寒さがますます厳しくなる頃合い。どうぞご自愛ください!