少しずつ前へ。「伴走型」にできるか。

子どもに限らず、ゆっくり前に進んでいったり、少しずつでも成長をしていくということが大切だなあと思っているのですが、「人それぞれのスピードがある」と頭で理解をしていても、「動いているように思えない。感じられない。」ものを目の前にすると、焦り感から、イライラにつながることもあって、「待てない自分」とも葛藤することがありますね。特に子育ての場合は難しく、子どもが不登校になり、引きこもりがちになると「育てた親」である自分自身の力の無さを感じ、ますます自信が持てなくなります。もともと子育てに自信がある人はいるのかしら?と思っていますが。

不登校のお子さんの相談を受けるというよりは、その悩みを伺うことも多いのですが、すぐに悩みが消えるものではなく、教育センターや子ども家庭支援センター、もちろん学校への相談はしていても、その先になかなか進んでいかないという話しは少なくありません。私はその際に「成長を信じてあげることが大切なのではないか」と伝えるのですが、それは私自身にも言い聞かせてきたことであって、もちろん、未だに現在進行形です。ただ、本当に「頭では理解している」ことであっても、「待つ」ことは忍耐力がいることであって、待ち続けていても本当に良いのかどうかについても気持ちが揺らぐこともあります。そして、もちろん「待っている」自分にもまた迷いが出てしまうこともあり、ますます親のほうが落ち込んでしまうこともあります。その点では、「伴走型」で支援するというのか、私の場合はただ話しを聞くだけしかできないのですが、家族ではない立場で、ともにその子の成長を見守っていくことが大切かなと思っていて、同時に「伴走型」で支援してもらう機会を得ることができている自分は恵まれていると思っています。とはいえ、子どもが自分自身で成長しようともがいている姿に忍耐強くあるというのは何度も何度も深呼吸をして、強い言葉をかけることをグッと飲み込むことも必要であって、何というのか…最後は深呼吸があきらめのため息に変わることも多いですが、まあ、それも仕方がないのかなと。

さて、多摩市で来春、中学校不登校特例校の構想があり、説明会が実施される予定です。このご時世なので、動画での配信も行われるようですが、動画は一方的なのでやっぱり会場で説明を聞けると良いですよね。

■7月29日(木)18時半~ 関戸公民館ギャラリー
■7月31日(土)10時~ 多摩市役所301・302会議室
■8月6日(金)18時半~ 永山公民館集会室

いずれも所要時間が1時間となっているようですが、おそらく会場だと質疑応答が行われること思いますし、会場予約の時間の限りでは対応してもらえるはずです。動画配信は8月2日(月)からなので、予め動画を見て、必要があれば6日に会場に足を運ぶこともできそうです。

多摩市が予定しているのは「分教室型」というもので、「諏訪中学校」に設置するけれど、教室の場所は「瓜生小学校」の校舎内にというもの。先日、市民説明会に先立ち、瓜生小学校の保護者への説明会が行われたので、安斉議員、池田議員と一緒に参加してきましたが、「構想はすばらしい」「でも、なぜ、小学校内に設置するのか」という疑問の声が上がっていたこと、また、「当事者である子どもたちの声を聴いてほしい」という要望が強く上がっていて、特に後者…「子どもたちの声」については確かにその通りだなと思ったのです。「大人が考えてつくろうとしているもの」…当事者抜きに絵を描くことはできないだろう…と意見が上がっていました。今後、当事者の声を聞いていく努力というのか、工夫をしていきたいとの回答があったので、教育委員会も声の把握のために動いていくはずですが、それにしても、ものすごい短期間の作業になることを心配しています。

何しろ、来春から始めるということで、9月議会に開室準備のために必要な予算計上が予定されているからです。今、学校と距離のある子どもたちが「通いたいなと思える場所」にできるのかどうか、子供抜きに考えないでほしいという願いを教育委員会がどこまで受け止めていくか、また、予算を審議する議会にもその状況把握が求められていくでしょう。私もなるべく説明会には出席しようと思っています。

学校との距離感がそのまま社会との距離に結び付いてしまう。当事者が一番辛くて、家族もまた同じ痛みを抱えていると感じています。不登校特例校の設置が、学校と距離を置いて過ごす子どもたちや、学校と離れたいと悩みを抱えて日々葛藤し、辛い気持ちの子どもたちの新たな選択肢になれるのかどうか。この場所が「伴走型」で子どもはもちろんのこと、保護者にとっても対応できるかどうかだと考えています。そのための必要人材を配置することができるのかどうか。私はそのことを一番気にしています。やっぱり「少しずつ前へ」なんですよね。だんだんと学校との距離が離れそうになっていく…その時の支援が本来はもっと問われていいはずなんですが。

今日も東京都では1000人を超える感染者数が発表されています(一方、私は「PCR検査による陽性は=感染ではない」という指摘もあるので冷静に受け止めることにもしていますが)。手洗いとうがい。これが大事です。