子どもたちの心の回復。

今年に入って、全国市議会議長会の出前セミナーで企画された「2040未来ビジョン出前セミナーin調布講演会」でお話を伺った山梨県立大学の西澤哲先生による研修会。企画したのは東京都若手市議会議員の会のメンバー。議員だけではなく、一般からも参加を募集し、約90名近くの方が参加して大盛況でした。

児童虐待に関わるニュースなどが報道されるたびに、なぜ、もっと手前のところで手を差し伸べることができなかったのだろう…と思います。もちろん虐待行為は許されないことですが、しかし、虐待をしてしまう保護者の抱える深層心理、あるいは、心の病理にもアプローチし、単に虐待当事者を責め立てること、批判や非難をするだけでは問題解決しないことを改めて認識させられるものです。

とかく取り巻く環境の改善は優先すべきことであって、環境改善をしていくために必要な「ヒト」「モノ」「カネ」というような資源もまだまだ不足しているのではないかと考えています。

先生の著書をもう一度、本棚から取り出し、もう一度、頭のなかみを整理してみたいと思っていますが、「子どもたちの心の回復」を考えていくことが、いわゆる虐待の連鎖を考えていく上でも何よりも重要であることがわかります。残念ながら、虐待は連鎖する傾向があるとのご指摘はきちんとデータから裏付けられたものであり、ことでもある。そのことは深刻に受け止めなければいけないと感じます。そして、虐待する親を責め立てるようなことでは何の解決策も見いだせないことも薄々ではわかっているはずなのに、なかなかその先の一歩を進めるためのエンジンも加速されないのはなぜなのか。

なんだか、私たちが納めている税金がどんな風に、何のために使われているのか…みたいなことにまで、最近すぐに思考が傾いてしまうのですが、意気消沈というか、どうしてもため息ついてしまうんですよね。こうした状況を何とかしたいと奮闘している現場の苦しさ、辛さ、悲しさなどなど受け止めてきれないという気にもなってしまうのです。

西澤先生の講演を聞きつつ、今、私たちは何ができるのか、すべきなのかと考えるわけですが、とっても悶々としてしまうのはなぜなんでしょう。

 

それにしても、「子どもたちの心の回復」ということで言えば、新型コロナウイルスの感染拡大により、心が疲れ、でも、必死にもがいて、大人に準備された環境に適応しようと踏ん張っている子どもたちが多いのではないかと捉えています。「疲れた時は休んでいい。無理して学校に来なくても、学べる環境があるんだから」と声をかけてあげられる教育環境を整えたいものです。「共感疲労」も何となく広がっているのではないのかなと思ったりもします。大人が疲れてしまうときっとそれは子どもたちにも伝播していきますし。「児童虐待」というよりも「子どもたちの心のケア」の問題、考え続けていきたいですね。

ちょっとしたことでも気になること、あるいは困ったことなどがあればいつでもご連絡いただければと思います。7月もあっという間に末日に。明日は臨時議会が開催されます。