妥協するとかしないではなく。

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先週末金曜日は健康福祉常任委員会で、私は・・・と言えば、何をやっていたかすぐに記憶を引っ張り出すことが難しくなりつつあるわけですが、会派の打合せをしてから、野暮用様々・・ということだったと思い出しました。会派の打合せの内容は陳情に対する態度を決めるということで、週明け月曜日に予定されている生活環境常任委員会に予定されてる「上之根大通りモミジバフウ伐採・剪定」の件、それから、「関戸6丁目のみどりを守ってほしい」という件・・・どちらも景観はもちろんのこと、環境保全などの視点もあり、良好な空間を創出し守っていくための提案と受け止めることもできます。

ただ・・・やはり、それだけでは判断できない事情もあります。関戸6丁目の件に関しては、民地であることから、所有者の意向がもちろん重視されなければならず、仮にも私たち市議会で「保全すべき」とする決定を下したとするならば「市が買い取る」ことまで視野に入れていかねばなりません。原峰公園に近接する土地ですが、当該地周辺ももともと住宅地に徐々に開発されてきた経過もあります。その際には、同じようは開発に懸念を示す声もありながら、しかし今は、住宅地となっているわけです。民地であるということ・・・私たちがどう介入できるのか、慎重な判断が必要ですね。委員会では心情は理解するけれど、しかし現状、それから陳情を採択することの影響など大局的な見地から判断して不採択となったようです。

 

一方、上之根大通りのモミジバフウです。これもまた、委員会のメンバーが現地に視察に行くと言うので、私も追いかけて同伴させていただき、もう一度、説明も伺いました。私が先日、現場確認をしてみた時とは違い、赤のビニールテープのところに黄のビニールテープがついている木があります。もともと赤テープは伐採予定としての目印。しかし、伐採ではなく地域からの声を受け止めて、剪定で対応することに決まったものに黄テープを巻き、わかりやすくしてくれたそう。やっぱり、伐採が必要だと判断される木もあると思いましたし、本当は剪定ではなく伐採の方が望ましいのかもしれないと感じる木もありました。街が成熟するということは、こうした街路樹なども老木になっていくということですね。建物の老朽化のみならず・・・ですので、実は街路樹についてもやっぱり50年後のことも考えて、どう対応するのかも判断要素に加えたいものです。コンクリートにわきを固められているがあまり、街路樹たちは息苦しく・・・空気や水分を求めて根上りをしている・・・歩道がボコボコ・・・これは当該場所のみならず、散見されるわけです。もっと早い対応はできなかったのか?・・もしくは早くに対応しなかったことに無能力などを指摘される方もいらっしゃるわけですが、でも・・・考えようによっては過去の取組みの甘さについて総括や反省もあり、今のような結果を導き出しているとも言えます。

「妥協する」「妥協しない」

政治の合意形成ってなんだろうなあ?って思う今日この頃。ちょっといろいろ考えさせられる事項があって・・・。

さて、今日は午後から、島田療育センターの見学会がありました。健康福祉部、子ども青少年部の職員さんで都合のつく皆さんもご一緒に、私たち市議会からは健康福祉常任委員会のメンバーと子ども教育常任委員会のメンバーが参加。施設の見学、経営状況の話なども伺うことができました。日本で初めての重症心身障害児の施設です。しかし、福祉の改革の流れの中で、かなり厳しい状況があるということ。「福祉は人なり」とも言われますが、それを実践している施設でもあります。院長の木実谷先生は「福祉はお金と時間に追われるべきじゃない」とする基本的な考えを強くお持ちですが、しかし、その方針では成り立っていかない実情に心を痛めておられるようでもありました。島田療育センターについては、発達障害のある子どもたちの支援でずいぶんとお世話になり、そしてまた支援を受けている子どもや保護者がたくさんいます。そこにあるノウハウはもっと地域で活かしていけるものでもあり、議会でも話題にしていけるといいなと思います。

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何はともあれ、こうした形で見学会が実現したことも画期的。

昭和36年、まだまだ周辺には何もない山、田んぼ、畑・・・に囲まれた場所に開設されて、いよいよ55周年を迎えていくとのこと。施設もかなり傷んでいる気がしました。「建替えは夢のまた夢」というお話しでもありましたが、施設環境を良くしていくことが大きな課題になっていることは見学をしただけでも理解できました。福祉に対する熱い思いや気持ちがあっても労働環境的に厳しければ、乗り越えられないものもありますし・・・病棟なども案内していただき、ほぼマンツーマンで、もしくは一人に二人の職員で対応しているような場面もありましたが、一人ひとりの方々に寄り添った支援の姿を目にすることができ、それはそれで、考えさせられる時間でした。経営コンサルタントなどを入れながら、改革も進めているとはいえ、人件費を削減したところで、困るのは利用者の皆さんでしかない・・ということもまた同時に理解できたことでした。一人ひとりの生きる権利をどう守っていくのか・・・根本的な問題ですね。社会全体のありようが問われている、何をどこをどう優先させていくのか・・・・政治が大きく問われ、この国全体のかたちにも通じていくことですね。