大ホールは閉鎖で他はギリギリ存続できる?(備忘録)

先週土曜日のライフキャンピングで手づくりの素敵なペンダントをいただいてしまい…そのサプライズがとてもうれしくて、今日も帰宅をしてペンダントを眺めて、「うれし♡」って思ってから一日の振返りをしています。

今日は午前中にパルテノン多摩問題の特別委員会がありました。できるだけ状況を把握しておきたいと思っているので、傍聴しています。先達ての9月定例会提出予定議案の全議員説明会の折、パルテノン多摩の大規模改修に伴う閉館のことにつき、「方針変更」した旨の告知がありました。これまでは「平成30年11月30日で全館閉鎖」としていたものを、「大ホールのみ平成30年11月30日に閉鎖。小ホールを含む他諸室などについては可能な限り使用する(ただしいつまでかは未定。使えるだけ使う)」というものです。

「閉館期間をなるべく短くし、利用者に迷惑をかけないようにしたい」とする従来方針を踏まえ判断した結論だそう。この間、「平成30年11月末で閉鎖する」ことだけ決まっており、そこはずいぶんと利用者含めた市民への告知が行われています。いち早く大規模改修をしないといけない施設であり、老朽化が進んでいる施設であるとする説明とともに…しかし、状況が変わりました…というよりか、市の想定通りにはいかなくなりました…現況は、工事がいつから着手できるのかも未定、そしてまた工期がどのくらいになり、いつから再開館するのかも決まらないままです。パルテノン多摩を利用していた方々を中心に憤りも含め不安は膨れ上がっています。もちろんその気持ちは議会にも向けられていますが。そんな状況に市側も様々勘案し、「なるべく利用者にご迷惑をかけないように」と検討をした結果、「大ホールだけは閉鎖させてほしい。あとはギリギリ何とか存続できる。」こととしたのでしょう。

 

今日の委員会では「まあ、そういう判断もありではないか。」「前向きな対応が図られた」等、利用者第一に考えて善処できたことを歓迎し、よかったとする評価の声もあり、一方、「今までの説明は何だったのか?解せない」とする声もあり。私は仮にも利用者に迷惑をかけないための対応を検討していたのであれば、その状況を議会に共有することはできたのではないか?…とする意見には深く頷けました。何の前触れもなく、突然に方向転換というか、方針転換が図られ、「あまりにも唐突過ぎる」する指摘がされたのは当然だと思います。ま、百歩譲ってと言うか、譲歩して考えるとして、判断するまでに念には念をで多角的な視点から検討を重ねていたために議会に報告する時期を逸していたと受け止めることにするか…。

とは言え、これまでは「明日にでも危険な施設でもあり、本当は今すぐにでも閉じたほうがいいくらいの状態」という説明を貫いてきた姿を思い起こせば、「あの時の説明は一体何だったの?」というのが正直な気持ち。どんな魔法をかけたのか?とさえ思うのが私の個人的な感想です。そして、ずいぶんと思い切った舵取りであり、これまでの判断を覆したことに対し、それなりに方針転換‘できた’理由は説明される必要があると感じています。

 

なぜなら…私たち議員も市民への説明責任が発生するから。

 

ところが、「なぜ、方針転換が可能になったのか?」の説明に私はやや疑問が…。あくまでも委員会における説明の範囲での疑問です。今回、方針転換できた秘密は「冷凍機にあり」と強調されていました。これまでも空調機関係の老朽化はずっと話題になっていましたが、「全館空調」であるために施設を一部開放することは難しいとするのが説明でした。でも、改めて、現場調査などを重ねた結果、老朽化の進む施設設備の中でも特に深刻なのは「冷凍機」であり、現状では2台フル稼働させているところを1台稼働にすることで、「平成30年11月末大ホールのみ閉鎖、他は存続」という措置が可能になったというのです。ちなみに、過去は「冷凍機」1台で全館を冷やすことができたのですが、今は2台フル稼働しなければ対応できない状況だそう。特に大ホールだけで1台分のパワーを消費するので、大ホールだけ閉鎖するで、他の諸室を開けられると判断したそうです。

 

「ん?」

 

何となく尤もらしく聞こえ、「なるほど」と思えますよね。でも、これまでパルテノン多摩のバックヤードを数回見学し、その都度説明を受けてきた私には違和感があります。よくよく考えるとおかしい。「冷凍機」とは、冷房、クーラーのために使用する設備機器であり、閉館する時期として示されている12月には使用されると聞いたことがありません。パルテノン多摩の設備は「冷房」と「暖房」とで使用する設備が異なっているのです。要するに、「冷凍機2台を1台にするから延命化が可能になり、全面閉鎖は避けられるようになりました。12月以降、大ホール以外なら使用することができるようになりました。」という説明に何とも言えない違和感と不自然さを感じたのです。閉館時期が夏であれば、その説明も成り立ちますが、…折しも閉館する季節は冬から真冬へ向かう季節。クーラーは使用しない=冷凍機は使用しないはずなんです。

 

「真冬の時期に冷凍機なんて関係ないでしょう。クーラーつけないでしょう。大ホールだけが使えなくて他の諸室は使える理由にはならないのでは?」と市民に指摘された際、私たち議員はどう説明できるでしょう?逆に言えば、「大ホールも真冬の時期は使えるのでは?」ということにもなりそうです。

 

市民から説明を求められ、「冷凍機」のことを私たちが答えるだけではおそらく不十分。逆に設備のこと等、きちんと心得ている市民からは「何と浅はかな…」と笑いものにされそう。「なぜ、大ホールのみ閉鎖なのか?」に対する説明はきっとそれ以外にもあるはずですね。そして、他の諸室が大丈夫な理由も…。むしろそちらの理由こそ知りたい。私たち議員は「できるだけ正しい認識」を得ておく必要があるのでは?と思っています。私たち議員が知っておくべき情報、事実はきちんと伝達されているのだろうか?共有されているのだろうか?…残念ながらやや不信感を抱いてしまいました。これは私だけかもしれませんが…。

 

パルテノン多摩を大規模改修していく方向は議会でも確認されています。あとは、どのように改修をし、そして、もっと市民に利用される場所に、あるいは地域全体のにぎわいにつながる場所になるのか、できるのかをもう少し吟味する必要と、あとはコストの問題も精査しなければならないと考えて「今に至る」だと思っています。いい議論を進めるために必要な情報が適宜出されることは何にも増して重要で、市民や利用者にも理解を求めていくためにも不可欠なことだと考えています。どこかなにか「ズレ」を感じるような説明でお茶を濁されるとすれば、そのことが行政と議会、あるいは行政と市民との信頼関係に水を差すことにもつながりそうです。

 

執行機関である行政が事業の推進にあたって保有している情報は膨大。私たち議員の持つ情報に比べるとそれこそ雲泥の差です。もちろん、私たちは執行機関ではないですし、持たなくてもいい情報や持てない情報もあるでしょう。ただ、「適切な判断」を導いていく、方向性を決めるために必要な情報を得なければ、見誤ることもありそうです。将来に向けてどんなビジョンを描いているか、そのために今どうするべきなのか?今、真剣に議論をしなければならないでしょう。そこに位置付けられたパルテノン多摩の大規模改修…多額の費用を投じて改修するということは、その後の補修費用も含めた維持管理運営経費も掛かることを覚悟しなければならない、そして、今回の大規模改修後30年後には「コンクリートの耐用年数60年」を迎えることも頭に入れておかねばならない。「今、利用者がいるから」「シンボルだから」「多摩市の文化を牽引してきたから」という視点だけではなく、今後発生するだろう課題もきちんと共有したうえで、GOサインを出すことが望ましいと感じています。パルテノン多摩を中心として育んできた多摩市の文化行政があるとすれば、その総括も含めて…。

 

と、そんなわけで「冷凍機」のことだけに目クジラたてておかしいと言われるかもしれませんが、でも、私は大事な点だと思えます。少なくとも今までの方針を大転換したわけで、その秘策というか魔法というか、「なぜ、そうできるか?」について必要十分な説明を議会が得ておく必要を感じるからです。

きっと今日も明日も明後日も…パルテノン多摩では設備機器に対する入念な点検が行われているはずです。外見上ではわからない不具合がとてもたくさんある。そしてそれを日々、注視し、館の運営に支障が出ないようにと奮闘してくれている現場のスタッフがいる。今でも、老朽化に伴うトラブルは絶えません。でも、ここで十分な検討をせずして、前のめりで大規模改修することを選択することはできません。大きなトラブルが発生しないことを祈りつつ、現場スタッフの皆さんに感謝しつつ…。議会でも「より良い選択」ができるよう努力しなければ…ですね…なるべく早くに。