多摩市議会は先進的なのか?

福岡県久留米市議会の議会制度調査特別委員会のみなさまが多摩市議会の議会改革の取組みについて視察にいらっしゃいました。今日も飯島文彦議員と対応させていただきました。お若い方から、かなりご年配な方まで年齢層が幅広いメンバーのみなさまでした。女性が一人もいないというのもちょっとした驚きでもあります。でも、九州らしいなあと思いました。

「久留米の女性は奥ゆかしいというか…」という発言も出ていたように、地域のまちづくり協議会などにも女性の参加と思うそうですが、声をかけてもなかなか参加していただけないということです。多摩市の場合は小中学校のPTAの会長などは女性の方が多いですからね!やはり、市議会の顔ぶれというのはそれぞれの地域で育まれている歴史、まちの成立ち、風土、文化と…色んな複合要素の組み合わせとは言え、住んでいる人たちの意識に根ざしているのだと思います。その背景を探るのもまた面白いだろうと思っているわけですが、そもそも九州という地域柄を考えてみれば、「男尊女卑」の意識が根強く残っているとも言われることを考えると、私のようなタイプはなかなかなじめないかもしれません。さすがに私も議場に子連れで…ということまでの勇気はありませんけれど、熊本市議会の緒方議員が一石を投じる行動をとったこと(その後も、議場でのど飴で紛糾しているが)を考えても、ずいぶんと多摩市議会の状況とは異なるなと思うわけです。

久留米市議会の場合も女性議員はまだまだ少数派。ですので、多摩市議会の女性議員の多さにはまず驚かれたようです…久留米市議会のみなさまに限らず、多摩市議会の女性議員比率には驚かれることの方が多いんですけれどね。

というわけで、久留米市議会では議長の強い思いがあって「議会改革」を推進していく気運が盛り上がっているようで、みなさんとても前向きだなという印象でした。議員歴が長い議員さんほど「慣例慣習」を変えたがらないというのか、何か新しい取組みをしようと提案すると抵抗勢力になりがちですが、私たちが取組んでいることについて熱心に耳を傾けて下さったことはうれしかったですね。ベテランの議員さんに斜に構えられると、こちらも腰が引けてしまうわけですが、「何かできることはないだろうか?」という姿勢で意見交換に臨んでくださったことは大変にありがたかったです。おかげで対応する側の私もモチベーションが下がらずに済みました。

そして、「久留米市議会はとても遅れていると思った」と感想を述べて下さる議員さんもおられ、多摩市議会がとても先進的な印象をお持ちくださったようです。

 

しかし・・・、決してそんなことはない。

 

個人的に最近感じていることは「何を基準にして『進んでいる』or『遅れている』になのか」ということなんですよね。多摩市議会が先進事例なのか?と言えば、どうなんでしょう?例えば、今日の話題にもなった「議長副議長の選出の時に所信表明会」のことですが、これに取組んでいることは「進んでいる」なのでしょうか?…いまいち「そうです」と言い切れないというか・・・。久留米市議会でやっていないことをやっているとは言え、これが議会の先進事例かどうかというのはいまいち微妙な感じもあります…。

 

ここのところ視察対応が続いているため、「多摩市がどれだけ先進的なのか?」と首を捻りたくなることもあるわけなのですが、飯島議員が今日、説明の中で「外見だけ整えてもダメで、ナカミが伴っていないといけないんですよね。」ってハッキリおっしゃってくださったことはよかったですね。そう、「ナカミ」なんですよって思います。ただ、「もっと、こうしたほうが市民にとって議会が身近になるのでは?」あるいは「この取り組みをしたほうが市民に分かりやすくなるのでは?」という視点で取組んできたことは、決してマイナスにはなっていないとは思っているのですが、さあ、どうなんでしょう?そこは市民のみなさんにアンケートでもして聞いてみたいところかもしれません。

 

いずれにせよ、多摩市議会が先進事例を持つ議会なのか?と言われれば、もっともっと斬新に取り組んでいる議会もあるとは思っているものの、こうして他市議会から訪問していただけることはありがたいですね。私たち市議会にとっても「外からの視点」をいただけて、いろんなことに気づきをいただけますし。そんなわけで、今の多摩市を考えるにあたって読むべき一冊…読書の秋ですね。