多くの人が集い、より暮らしが豊かになるために。多摩中央公園の未来。

先週の説明会に続く、2回目の「多摩中央公園改修整備・運営事業」説明会に参加しました。もちろん、内容は前回と同じ。でも参加している市民の方が異なるわけであって、市民の数だけ意見はあり、そして公園に対する想いもあるんだなあとしみじみと感じる良い機会となりました。

今回の改修工事は「公募設置管理制度/Park-PFI制度」によって実施するのですが、市民には馴染みのない新しい手法。「なぜ、こうした制度が必要なのか」という観点も含め、制度概要の説明も行われました。かつて国交省で本制度の成立の中心になっておられた町田誠さんに登壇していただき、全国の事例の紹介も交えながら、とてもわかりやすい解説…町田さんのトークを聴けてよかった…ととても好評でした。実は公園法が改正されたころ、町田さんには多摩市にいらしていただいたことがあります。議会が主催の勉強会という形だったのですが、2017年のことでした。当時、パルテノン多摩の大規模改修の議論が紆余曲折していたころで、議会では特別委員会を設置し、協議していたころの話し。「その時から考えると足掛け5年」…と町田さんがおっしゃるように、確かに、「もう5年も経過しているのか…」とある意味、感慨深くもなるのですが、しみじみ感に浸っている場合ではありません。

多摩中央公園改修に新たな制度を適用していく試みは、そんなに甘くはない。ひとまず、改修から運営までと事業者が決定して、目途が立ったとは言えるかもしれませんが、ここが終わりではなく確実にここが始まり。

 

今回の改修から運営を担う事業者から「市民の皆さんと一緒につくっていく公園にしたい」とする説明があり、その意気込みというのか方向性には賛同するわけです。しかし、それに見合って具体的にはどんな手法になるのか、現段階ではまだ示されているわけではなく、今後に乞うご期待という感じなのかな。それ以上に、「一緒につくりましょう!」…という呼びかけに市民がどれだけ応じることができるか?…実は市民である私たちが試されそうだなあと…そんな気持ちになるとき、説明会の参加者に若い世代が少ない点はちょっぴり(だいぶ)気がかり。

説明会の終わりの方で…各地域で開催されていたどんど焼きなどの行事に顔出しをされてきたのだろうな‥‥と思われる市長が登場。多摩中央公園の取組みは「挑戦」と表現されていて、「チャレンジしながら考えていきたい」ということでしたが、市長の中での「挑戦」とか「チャレンジ」の具体的な内容をもっと深堀したいものです。

個人的には、公園を中心に、どんな「関係性」をつくろうと考えていくのか、あるいは、今も存在するはずの「関係性」をどう捉え、発展させていこうとするのか…など、逆に言うと「今は、何が足りていないのか?」…新たな公園運営を見据え、現状分析をどのように行ったのかなど、事業者の皆さんには伺ってみたい点でした。事業者の提案内容では公園管理事務所の機能を設け、人が常駐するパークセンター、カフェなど飲食スペースも設置される予定になっていますが、それがあるとどう良いのか、無かったらとなぜダメなのか?…なんてところも実はちょっと気になっている点なのです。

市長もどう考えているのかな?今まで管理事務所がなかった不都合はどこにあったのか?…とか。

私は常駐する「人」がいることで、今まで以上に「行き届く」ことに期待はしています。例えば…というか、「きれいな公園トイレづくり」という点では、「人」がいるとその場でトラブルなども解決しやすいかなとも思います。ここは私の最も期待したいところなんですけれど。いずれにせよ、多摩市だけでなく全国各地での経験と実績を活かしてくださるだろう事業者の皆さんがどのような新しい風を吹き込んでくれるのかしら?…と思っていますが、単に公園の改修や運営をするだけに留まらず、「まちづくり」にもつなげていく、多摩センターエリアの活性化にもつなげていくという視点がいかに具現化されていくのか注視していきたいですし、期待したいですね。

あ、事業者提案の内容を見た中で一番気になったのは「トイレの数」。「きれいなトイレ」ということで、衛生環境とかも気になるわけですが、それ以前に「絶対数」の問題も気にすることが重要。何せ、あの公園でイベントをやるときに一番困るのがトイレでしたから。イベントなどを実施してたくさんの人を集める、もちろん日常的にも集客を見込む…というなら、やっぱりトイレは重要。勾配のある公園なので、トイレへの行き来で気分が萎えてしまうこともあるんですね。また、多くの人が集まることは願ったりかなったりですが、人が増えれば、それだけ排泄物も増えます。あと、ごみ箱は配置しない原則になるのかもしれませんが、人が増えるということはゴミも増えます。それへの対応も見逃せませんね。まさに、公園を管理する側のホスピタリティ「おもてなし」の心が公園の評価にもつながっていくように思っていて、「変わった」を感じたいなあと思うものです。

 

町田さんが「多くの人が集い、より暮らしが豊かになるための公園」とおっしゃっていたように、「公園」という公共空間をもっと私たち自身が自分たちの場所として居心地よくしていけるとよいのにと思います。そのためには、市民が「自分たちの公園ルール」を決めていけるような流れになっていくといい。「市民と一緒につくる公園」というなら…。