全会一致で予算は可決。

今もなお、途中で投げ出してしまうのはルービックキューブ。しかし、瞬時に色合わせをしてしまう技のある子どもたちもいて、驚き。根気強くやるとかやらないとか…そんなレベルではなく、トイレに行って帰ってきたら、もう元の通りに戻っている…という感じ。

さて、予算委員会が終わりました。結果的には原案を全会一致で可決しました。一言でいえば、「このまま進んで」ということ。でも、予算委員会の質疑ではいろいろと課題も指摘されていたので、そこはまた、議会で出された意見も踏まえながら、時には微修正が行われながら、行政活動が行われていくことと思います。

市長選挙前の予算なので、言ってみれば、現市長への評価にもつながる予算。議会…今のところ予算委員会での結果で、最終的に結果が確定するのは本会議最終日になりますが、阿部ひろゆき市長の市政運営に対し、議会が「お墨付き」を与えたと解することもできるでしょう。

私たちの会派も原案には賛成しましたが、生活者ネットワークの岩崎さん、岸田さんと一緒に修正案を提出しました。もともと、修正案を出しても、議会全体の賛同は得られないことが見えていたので…そこを考えると「パフォーマンスにしかならない」という想いもあり、私個人の気持ちの中では逡巡するものがありました。でも、「会派の姿勢として態度を明らかにする、示すことの意味はある」という意見もあったりで、とりあえず、議会事務局にも修正案の準備は伝えていました。

それにしても、昨日の予算委員会の最後、「フェアな市政から、修正案の申し出があります。」なんて…。

はっきり言って、今までの議事運営ではありえないような告知。あくまでも、「修正案を出すか出さないかも含めて、一旦検討する時間が必要。」と会派では判断をしていたので、議事進行を一旦休止してもらう必要がありました。ところが、委員長が「フェアな市政から…」というので、「え?何、その議事進行?!」と。会派からの申し出などしていない。もちろん、最終的には代表質問、予算委員会でも話題に上っていた「テニスコートの人工芝張替え問題」について、もう少し慎重に検討を加えた方が良いのではないか…との立場でフェアな市政4名、生活者ネットワーク2名の6名で修正案を出す運びになったのですが、あの議事進行には今でも違和感がありますね。議事進行を休止するために「休憩」をして、その後、延会すれば良かっただけの話し。修正案を検討するために時間が必要で、そのために休憩をとることは珍しいことではなく、そしてまた休憩をとるときに、いちいちその理由を告げる必要はないんですよね。にも関わらず、「フェアな市政から…」というのは一体どういうこと?と思った次第。

修正案は諏訪北公園のテニスコート、貝取北公園と連光寺公園のテニスコートの人工芝の張替えについて予算を一旦取り下げる内容でした。でも、私たちの会派も生活者ネットワークの皆さんも「人工芝を否定する立場」ではありません。「もう少し、慎重に検討をする」としただけなのですが、厳しい口調で「市政運営を止めるのか?」というご意見もいただきました。そんなこと言っておりません。ものすごい極端ですね。それにしても、あたかも私たちが「人工芝を否定している」と勘違いする立場から質疑をされた方もおられ、正直、ちゃんと予算委員会での私たちの発言を聞いてくれていたのかなあ…「思いこまないでほしい」と。あの質疑、一部だけを取り出されてしまうと、なんか、私たちが人工芝すべてを否定しているかのように聞こえます。事実と全く異なります。遺憾表明したいくらい。

人間にとって利便性の高い社会を追求してきたあまりに私たちは環境、生態系やらに少し無頓着過ぎた‥‥そのことに反省をしながら、これからをよりよく生きていくための対応策を考えましょう…と。市長と市議会がともに「気候非常事態宣言」を行ったわけなので、私たち市議会もその立場から取り組んでいかなければならないと思っていて、そのことを修正案という形で他の議員の皆さんにも投げかけただけの話し。海洋マイクロプラスチック問題、そこに人工芝問題が強く意識されるようになった今だからこそ、私たち議会も共に考える必要があり、テニスコートの人工芝張替えにあたっても「よりよい対策」を検討するにはもう少し時間が必要ではないかと思った・・というだけの話しにすぎません。「市政運営を止めるのか…」…そんな気持ち、これっぽっちもないですよ。

テニスコートを維持する限りにおいて、つまりはテニスコートを廃止しない限り、一定の年限で老朽化対策は必要(多摩市の場合は10年ごと)ですし、コートの安全確保をしていかなければなりません。地球環境問題への対策は日進月歩。メーカーさんもそれなりの対応策を検討したり、研究していることは確かです。これからも、ずっと実証実験を重ねながら、より地球環境に負担のない状況を作り続けていくしかないのかもしれません。

いずれにせよ、人工芝の張替えについては、ある意味、気候非常事態宣言を出したことを踏まえ、とても象徴的な課題の一つだと思っていたので、「市長だけの問題ではなく、市議会も共に考えて結論を出す」という立場から、修正案を出しました。あくまでも、提案者に名前を連ねる時に自分の中で整理した気持ちにすぎませんが…。ですので、議会として、この点については「市長の提案通りで進めてください」という明確な意思の表れになったことは良かったとも言えます。もちろん、市側も今できる最善を尽くして、マイクロプラスチック対策にも取り組んでいきたいとする態度は表明されていましたし、こうした機会を通じて、市民にも環境問題への配慮を伝えていきたいということも語られていたので、その方向で取り組みを進めてほしいと思っています。

ただ、会派で話し合った中では「もうちょっと、いろいろ検討した方が良さそうだ。市側が現時点で提案している内容よりも、より良い対応ができるかもしれない。」という意見も出ていて、100%天然素材由来の人工芝がある…とか(現時点では、25%以上は天然素材を使用した人工芝を使う…というのが市の方針)など、調べてみるともっといろんな対策ができそうなので、時間があるといいのにな…と思うには思いました。

でも、議会全体の意思としては「もう少し時間をかけて検討するよりは、環境対策、環境配慮については進みながら考えるしかない」という結論だったと受け止めているので、そこは尊重ですね。悩みながら、考えて行動する…ここに尽きます。繰り返しになりますが、地球環境をこれだけ悪化させてしまった責任の大きさをともに引き受けていく…です。

「否決されることがわかっていて修正案を出すのはパフォーマンス」と言われるのかもしれませんが、自分自身は「そうではない」と思えたのが今日の修正案。なぜなら、気候非常事態宣言をしている市議会での明確な意思を明らかにすることも自分の中では一つの目的だったから。そんなの理屈に合わない…とか言われるかもしれませんが、議会の意思を明確に受け止めたうえで、市長から提出された原案を可決するという…自分の中での順番がありました。市長だけに責任を押し付けず、議会も共に責任を引き受けていかなければならない…ということですね。まあ、当たり前のことと言えば、当たり前のことなんですが。

ですので、一般的には、修正案を出して否決されれば、市長が提出をした原案も否決…というのがセオリーですが、私の整理の中では気候非常事態宣言にどう向き合おうとするのか、議会全体での現時点での「向き合い方」が明確化できたような気もしていて、ある意味、すっきりしたというのか。修正案があっさり否決されても、市長原案に対しては、迷わず「可決」の態度表明。

来年度からの市政運営についても「社会の変化に対応しながら、その中でできるだけ人々を幸せからこぼさないような地域社会をつくる。」…そのために自分自身もまたあと一息、踏ん張らなくちゃ!と思ったのでした。黄色いお花にエネルギーをもらう。

「ちょっと木が‥‥。」というお声を耳にしたので。確かに、木が丸坊主というのか…電柱のようになってしまって。でも、木を維持するための対策であり対応…。複雑な心境になりますが。