児童館めぐり…一応、まとめ。

保養施設に訪れたような気分。公共施設であることを忘れてしまう佇まいであり、ラウンジだなあと思います。とても落ち着く場所と言えます。コミュニティは「多世代」であっても、コミュニティセンターを多世代が譲り合って利用することは正直とても難しい。その意味で、複合施設内にある「児童館」がとても重要な存在であることを感じています。

ということで、今日はゆう桜ヶ丘の一角にある桜ヶ丘児童館へ行ってきました。多摩市の児童館活動をリードしてきた児童厚生員さんがいらっしゃるので改めてヒアリング。児童館職員は「子どもと遊ばなければならない」わけであって、児童館職員が「単に、子どもと遊んでいるだけでしょ」というように批判的に捉える人もいるのも事実…児童館への人事異動とか児童館に配置されるということが職員によってはプライド傷つく場合もあるとも聞いたことあります。でも、「子どもと遊んでいるだけ」って…見方を変えればこれは「褒め言葉」です…ある意味、「遊んでなんぼでしょ!」と再認識させられたのが今回の児童館めぐりをした収穫の一つでもあり、むしろ、子どもと一緒に遊ばないで事務室内に留まり続ける児童館の職員はその役割を果たしているとは言い難いという感想を持ちました(もちろんケースバイケースであって、事務仕事に追われて子どもと遊べない時もあると思いますが)。なので、児童館職員の体力は重要であることも確認でき、どんな人材を児童館に配置するかもまちづくりに問われるセンスだとも思いました。もちろん、「子どもたちと遊べる体力だけあればいい」というわけではなく、児童館に求められる役割と責任を果たすために必要な人材が配置されるべきであることもまた、再認識したのが今回の児童館めぐりでした。

実際にすべての館の館長さんから、日ごろの児童館活動などについても話しを聴くことができ、今まで気がついてなかったことに気がつき、そしてまた、児童館が廃止縮小されていくような流れの中にありながらも、業務だけは拡充していくと傾向にあるような実情…もう一度現場を見て、評価をし直すことが多摩市の「子ども・子育て政策」のためにも何よりも重要であるというのが私の感想です。

児童館では子どもとの関係を築くために「遊ぶ」。「遊び」がコミュニケーションツールとして果たす役割はとても大きく、その積み重ねの中から、大人と子どもの人間関係をつくりながら、子どもにとって信頼できる大人=職員となっていくんだなあと思うわけです。そして、そこから児童館職員としての力量が試され、本領発揮しなければならず、児童館が「児童福祉法」に基づいて設置されていることの本質に則してその役割が果たされていかねばならないと考えています。児童福祉法が改正されて以降、国の示す「児童館ガイドライン」はバージョンアップしていると捉えていますが、多摩市なりに改めて「児童館ガイドライン」を書き起こしていく作業が求められるように思うのは、児童館の存在意義と価値が時代、環境と共に大きく変わってきたことや、これからもきっと変わっていくことを踏まえつつ、その役割と責任を共有することが必要だと考えるからですね。現場レベルでは共有できていることも、市全体としては共有されていないこともあるような気がしていて、多摩市にとっての「児童館施策」をきちんと押さえておきたいものです。

全国の児童館からこどもたちへのメッセージに凝縮されていることも確認しておきたいですね。子どもたちに児童館の社会的役割を伝えるための言葉がつづられています。

遊びで変われる人がいる。

遊びは、喜び。
笑えることが、素直に嬉しいから。

遊びは、背伸び。
できなかったことが、できるようになるから。

遊びは、学び。
習い事とはちがう、新しい気づきがあるから。

遊びは、ひろがり。
ここで出会えた、仲間がいるから。

遊びは、救い。
こころが落ち着く、居場所になるから。

私たちは知っています。
遊びには、多様なチカラがあることを。
これからも児童館は、地域の子どもに遊びを届けていきます。

家でもなく、学校でもない、この場所で。
親でもなく、先生でもない、大人として。
遊びを通じて、子どもたちの成長を見守るために。

あなたも「遊び」で、きっと変われる。

きっと、このメッセージも立場によりけりで受け止め方は変わると思います。字面だけを追っているだけではダメでしょうね。これは、あくまでも子ども向けですから、このメッセージを土台として、きちんと深堀していけるかどうか、児童館活動の内容、伴うなかみが問われていくとも言えるでしょうね。その点からも、きっと、多摩市の児童館の歴史を辿り、歩みと共に何が蓄積されてきたのかも問われ、これからの在り方、方向性を見定めていくことが求められるのでしょう。

ということで、その先はどんな風に多摩市の児童館の在りようを評価できるか、専門的な見地からの評価と共に、何よりも利用者である子どもたちの声も集めていく必要がありますね。利用していない子どもたちに集めるよりもまず、利用している子どもたちに尋ねることのほうが重要だと思うのは、福祉サービスへの評価とは…まずは利用している人に聞くことから始まると思うので。

 

「児童福祉法」に基づく場所でありながら、福祉っぽさがない点が児童館の難しさになっているような気もしていますが、現場理解を深めることによって、多摩市にとっての児童館がもっと力を発揮できる場所になるような印象を持っています。10館をまわり、課長とも意見交換を重ねてきたので、あとは一般質問の通告書内容を整えて、来週月曜日には提出。提出したら、ひと段落にはならないところで、緊張感と集中力の継続が課題…。