事前調査活動に。

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いよいよ定例会、なおかつ9月には決算特別委員会が行われ、各常任委員会では「議会における事務事業評価」を実施するのですが、今回は一歩進めて「政策評価」に近づけていくことが目標になっていて、私が所属する子ども教育常任委員会では「文化の継承と創造」という施策を選ぶことになりました。ここ・・・パルテノン多摩のことから、古民家、聖蹟記念館、文化財行政・・・と多岐に渡るのですが、中心になるのは「文化財」のこと。土地の開発とかで発掘、もしくは旧家を解体し、新しい住宅を建設するということになれば’蔵’の中にある貴重な歴史、民俗資料などを寄贈していただく・・・・発掘してみたら土器などの破片が出てくるとか、そしてまた蔵には貴重な古文書などなどもあって昔の多摩を知ることができたり・・・と・・・・後世に伝えていかなければならない歴史・・・・整理して保存、保管して、そしてまた情報提供をしていく行政の役割は決して無視することはできないですね。しかし・・・うれしい悲鳴!

整理する人員は不足。保存して保管する場所も手狭・・・・南永山小学校跡地、教育センターの体育館から、パルテノン多摩の収蔵庫から、旧西落合中学校跡地から・・・・と置いておく場所の問題、そしてまた、置いておくにしても良好な状態を維持するための手当て(温度や湿度管理)・・・正直、必要十分な対応ができているとは言い難い状況にあり、ここもまた知られざる課題です。ようやっと光があたってきたというか、議会でも話題になりつつあり、注目されてきたことはよかったことだと思うわけですが、それにしても文化財、民俗資料類を今後どうするのか?については気が遠くなるほど、「どうしていいのかわからない」問題ではないか?と思っていて、避けて通れないとしても、触れることは大事だけれど、しかしその後にどう議会が対応を考え、そして行政がその業務を担っていくのか・・・・。答えが出せそうで、出せない予感です(たぶん、簡単に答えが出るなら、既に行政が手も付けているし取り組んでいるはず。)

ということで、私は参加できなかったのですが、昨日は南永山小学校など学校跡地施設に分散して保管してあるものを見学し、本日はパルテノン多摩、旧西落合中学校の体育館、第三小学校の郷土資料室を見学してまいりました。

パルテノン多摩では収蔵庫の見学をしたのですが、学芸員さんからちょっとした説明もいただくことができ、有意義でした。特に、写真に掲載したのは「小松菜」。こちらは「植物の標本」の保管庫の一角で見せていただいたものです。学芸員さんによるとこの小松菜は、100年以上も前から、3代続けて同じ種を用いて育ててきたものだとか。植物の標本に「野菜」はとても珍しい。これもまた、「地域を知るための手掛かりにもなっていくもの」とのこ。なるほど、ユニークな視点で地域の歴史を切り取っていくのもまた学芸員さんの仕事の一つなのですね・・・ということも理解しました。

 

それにしても相変わらず、雑多に・・・しかし、一応整理されている民俗資料たち・・・・。見れば見るほど、資料を保管するという意味を知れば知るほどに「捨てがたくなる」気持ちもちょっとは理解できるものです。でも、どこまで保管し保存するのか・・・・本当に悩ましい。置き場所確保だけでも大変。断捨離ブームが到来している今日ですが、そんなものとはかけ離れたところにある品々です。

さて、旧西落合中学校の体育館では「稲荷塚古墳」のことについてちょっとした説明を受けました。これまた形状が八角形になっているのでは?ということもあり、現在は都の指定文化財になっているのですが、国の指定文化財に格上げ?(って言うのかわかりませんが)、認定してもらうべく調査活動が進んでいるそうです。多摩市では「八角形になっているのではないか?」と見込んで、国に指定してもらうべく協議を重ねているようですが、まだまだ国としては調査が不足していて、「断定はできない」ということになっていて、もう少し明確にはっきりと形状を確認しなければならないのだとか。

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八角形の古墳について、学芸員資格があり、長年多摩市の文化財行政に関わってきている課長さんに熱く語っていただく・・・・。

 

そんなわけで、私たち子ども教育常任委員会のメンバー一行は・・・貴重な文化財資料類に触れてきたのですが、文化や歴史を感じ心が豊かになるというよりは、気持ちがズドンと重たくなったという感じ。さて、一体、どうやった議論と協議を重ねていくか・・・このスタートラインからして難解。さて、どうするか?…..。