予算の可決と附帯決議と。

20160317

短くて長い・・・(長くて短いではない)予算委員会が終了しました。結果的には国民健康保険特別会計を除いて、一般会計他特別会計は全会一致で可決しています。国民健康保険については、新年度は来月より保険税の値上げ条例が提出されているので、共産党会派が反対を表明しました。

特別会計について言えば、介護保険の特別会計は、制度の改正によって事業の見直しも行われ、たぶん、これから多摩市の場合には介護保険を必要とする人も増えてくることも予測され、今まで以上に注目されていくだろうと思っていますし、下水道の特別会計についても公営企業化が予定されているので実は内容的には聞いておきたいこともいくつかあったのですが、発言持ち時間を一般会計で使い果たしてしまい触れることができずに残念でした。

一般会計の賛否がどうなるか…阿部市長は不安定ながら安定しているというか、「全会一致」にならない結論がマレとする状況を維持し、継続していますが、今回に限っては「パルテノン多摩大規模改修」について各会派の判断が注目されていました。場合によっては、修正案が提出されてもおかしくないなあと思ったりもしていました。

「さあ、どうすべきか・・・・?」

ということで、何も注文をつけないまま・・・ある意味「無傷」というか・・・・さらっと素通りさせてしまってもいいのか?とする意見が出てきたので、昨日の段階で急ぎ「附帯決議」の文案を作成し、他の会派にも「いかがですか?」と働きかけをしていました。あくまでも文案はたたき台なので、他会派からの意見も盛り込めることが吉。もちろん、「予算案に賛成」が大前提であり、附帯決議をつける条件であるわけですが。言ってみれば、「附帯決議を出しませんか?」と他会派にアプローチする段階で、うちの会派は「予算案には賛成です」と公表することにもなりますね。

さて、附帯決議に賛同が得られればいいなと思いつつ、朝を迎え、再び各会派に調整へ。追加してほしい意見や文言を集約しながら、もう一度「附帯決議」を作成、それから・・・もう一度、他の会派に「これでいかでしょうか?」と確認しようと思っていたところで・・・「この内容では賛同しかねる」とする自民党さんからの意見。実は、公明党さんは「今回の予算は基本計画・設計の予算であり、この予算を認めたからと言って、その後の大規模改修工事まで認めたわけではない。」とする趣旨のかなり強い意見を盛り込みたいとする意向だったのですね。実は、私の会派でも同じ意見を持つ人もいたので、公明党さんの言わんとすること・・・理解できます。基本設計の段階で実際の工事に必要な費用の約8割くらいが見えてくるらしいので、その費用を見てから「その後を判断したい」とする意見にも頷ける点もありますね。費用によっては、工事のスケジュールについても見直しが必要で、予定されている時期よりも遅らすことで(オリンピック向け工事の繁忙期とずらし)負担を軽減する選択を迫られることもあるかもしれない可能性含みで・・・。

一方、自民党さんは「パルテノン多摩も大規模改修については必要であり、進めていくべきだ。」とする立場から以下の点だけは改めて強調して置く必要があるというご意見。
①想定されている総工事費をできる限り削減すること→「やっぱり市民感覚で言えば(現段階で約60億円の改修費用は)高すぎる」
②多摩センター地域全体の活性化につなげていくため、あるいは多摩市の文化行政の再構築と言う観点からパルテノン多摩の改修工事にしてほしい

「そもそも大規模改修にもまだ疑問がある」「今は、まだ市民から理解を得られる状況にはなっていない。もう少し慎重に取組みを進め、議会も判断する必要がある。今回の基本計画・設計の予算も本来は認めがたい。」とする公明党さんと、「大規模改修に向けてしっかりと取組み、街の活性化をしていくべき」とする自民党さん、そして「確かにパルテノン多摩の工事に要する費用は頭が痛いけれど、でも、改修工事をしないわけにはいかないし予算を認めていく必要がある」という私たち改革みらい、ネット・社民党と共産党会派とでは若干立場が違う感じもありますね。

そして、この意見の隔たりをどう埋めていくのか?

所要時間約1時間。議長室にて各会派代表が集まって意見交換と文言調整。この作業がなかなか大変で・・・・。けれど最終的には、自民党の藤原マサノリさんがうまいこと文章を提案して下さり、そして、公明党の三階さんに提案者になってもらうことで合意成立。「この予算を認めることで、大規模改修工事にも実質GOサインを出すことになってしまう」とする公明党さんの懸念を100%払拭できなかったかもしれませんが、こうして全会一致で議会が意見を述べることができた意味は大きいと考えています。(議案第6号平成28年度多摩市一般会計予算に関する付帯決議文案)。

その点では、公明党さんにかなり譲歩もしていただき、とは言え・・・市長をはじめとする執行側に対し、議会でまとまって意見を述べる(つきつける)ことの重要性やら意義を再確認しつつ・・・本来議会として発揮すべき責任を少し果たせたかなと考えています。こうしてまとまれる地方議会って、多分珍しい。今回の予算決算特別委員長の遠藤ちひろさんも頑張ってくれたわけですが、やっぱり、今の議会全体をまとめてくれている萩原重治議長の立ち位置というか、いい意味で重しにもなって下さっていて、サポートしている副議長の遠藤めいこさんも・・・・かなりいいチームワークで議会全体が動いているのではないかな?って私は感じています。

 

「附帯決議なんてつけたって、何の効力もない」と憎まれ口?も聞こえてきたのですが・・・・でも、きっと附帯決議があるのとないのとでは「違ってくる」って思いますし、そう言ってくださる方もおられるのが救い・・・。パルテノン多摩のことについては、もちろん、改修工事があることすら知らず、そこに大規模にお金がかかること、その財源は都市計画税になっていること・・・いろいろ説明しなければならないこともたくさんある。でも、今の段階で私が言えるのは「将来、ここを大規模改修した判断」にうしろ指さされることにないようにしっかりと取組みを見守って(監視)していくということ。多摩センターがもっともっと元気になるために♪議会も、行政も・・・そして、市民も・・・みんなで知恵を寄せ合いましょう!(なので、ちゃんと行政には「知恵を寄せ合える場づくり」をしてもらいましょう!)