三市収益事業組合議会の定例会。管理者に要望書を渡しました。

今日は三市収益事業組合議会の定例会でした。来年度予算が主な議題。それと合わせて、現況を共有しました。昨年、ボートピア習志野が閉館(というか廃業なのですけれど)となり、それに伴い、私たちが得ていた「収益」は実質0となってしまいました。お金には色がついていないというものの、収支やりくりのうえでは、ボートピア習志野からの収益に財政調整基金を取り崩し各市2千万円を各市に配分され、収益が還元されていたからです。

私たちはボートピア習志野の経営がかなり厳しいことも知っており、このメンバーでも現地に足を運び、視察をしたことも思い出しますが、新型コロナウイルス感染拡大に伴う対応で施設を休館したことに伴い、さらに経営は窮状に陥ったことは想定しがたくないわけですし、今は、いわゆる電話・インターネット投票に支えられ売り上げを伸ばしている状態であることを思うと、「閉じる」のも一つの選択肢だと理解できるものです。

しかし、私たちの組合が実施している収益事業がどうなっていくか?と言えば、この先をきちんと考えていかねば、先細りになる一方。ここが焦眉の問題となったわけです。もともと、財政調整基金を取り崩していることにも問題意識があったとはいえ、ますます、何とかしないと、財政調整基金が底をつくのも時間の問題で早まったというわけです。

ボートレース業界全体は業績を伸ばしているのに、私たちの組合はそれとともに市民への還元を増やすことができていかない。実は、ここには経営改善や経費削減などの努力の一環として、江戸川競艇場については民間事業者に包括的に委託してきた経緯があるのですが、その契約の内容に縛られているという課題があるのです。当時の状況を考えると理解ができないわけでもないのですが、業績連動にはなっていないので、収益増になれば組合の収入も増に転ずるという内容ではないのです。そのかわり、業績が悪化したとしても組合の収入には差しさわりなく「損しない」契約内容とも言えます。

とはいえ、収益事業を存続させていくのは「何のため」「誰のため」という原点に戻るとき、やはり「きちんと収益が得られる状況」を作っていかなければ、市民に説明ができないのです。ボートピア習志野があって何とか食いつないできた経営は行き詰っているわけですから、江戸川競艇場における包括的な委託に関してもその内容を「市民のため」に見直ししていくという視点をなくしてはならないと思うのです。

組合の管理者である高橋稲城市長、副管理者である阿部多摩市長、村木あきるの市長ともその認識では一致していますし、私たち議会としても管理者のみなさんとともに「市民のため」ということを念頭に置き、今後のことを見定めていこうという状況です。ここ…もう一つのハードルがあるのですけれど、私たち三市収益事業組合は江戸川競艇場の「第二施行者」となっていて、「第一施行者」側の動きにも配慮していかねばなりません。もちろん、「第一施行者」である六市競艇事業組合も私たちと同じ状況に置かれています。とはいえ、「第一」と「第二」の壁もあり、実質的には「第一施行者」仕切りな感じに物事を進めていくというのが、これまでの流れというのか。ですので、三市収益事業組合だけで動くのとは違って、やや時間も労力もかけていく必要がある。一足飛びに行かないもどかしさもある感じですね。高橋管理者は副管理者の2市長とも相談をしながら、ていねいな意思疎通を心がけておられるようですが、どうしても私たちは「第二」であり、二番目であり、後発部隊という位置づけになっているのは致し方ないこと…これは個人的な実感でもあります。六市があっての三市というのは議会にいても感じることなんですよね。

ちなみに「第一施行者」の六市競艇事業組合の管理者は臼井昭島市長ですので、ぜひ、「市民のための収益事業」を実施する一部事務組合の看板の架け替えをしなくても済むようにことを運んでいただくことを切に希望するものです。私たちは三市・・・ですので3つの市。方や六市となれば6つの市で構成されていますから、そのとりまとめにはお骨折りいただくことにもなりそうですが。いずれにせよ、私たちは組合は違えど、目的は同じ。「市民への還元」にあります。

 

さて、今日の定例会は三市収益事業組合議会の議員としても実質的には最後のお仕事かなと思います。まだ任期は存続しているのですが、多摩市議会や稲城市議会は5月には議会内での人事改選があり、あきる野市議会は6月には市議会議員選挙があるので、議会の構成メンバーも変更する予定です。各市からそれぞれ選出されて組合議会の議員となりますが、とても良いメンバーに恵まれたなと思っております。年間数回しか集まらないとはいえ、今回は、ボートピア習志野が廃止され、組合の存続やその在りようも問われることとなり、私たち議会でも「何ができるのか」について前向きに協議ができたように思います。それは組合議会に臨む議員の姿勢にもよるところが大きい。しかし、今回のメンバーはいろんな意味で積極的で「より良くしていかないと」というモチベーションは高かったですね。一部事務組合だと意外と珍しい雰囲気だったのではないかな?と思ったりもします。

そして、定例会終了後、全員協議会というような大げさなものではなく、議員だけで協議を行い、管理者に対し「早期に現状の包括委託契約の課題を解決し、新型コロナ感染症により厳しい財政状況にある関係各市に対して、しっかりと利益配分金が確保されるよう引き続き努めていただきたい。」という内容の要望書を提出することにしました。このメンバーでの議会も最後になるだろう…ということも踏まえたわけですが、「記録に残しておくことは大切なこと」というご意見にも後押しをされ、提出する運びとなりました。

すでに高橋稲城市長は同じ建物の別室で開催されていた他の会合に出席をされていたのですが、終了を待ち、議員全員で手渡すこともできました。こうしたかたちで「要望書」を出す経験も三市収益事業組合議会では初めてのことではないのかなと思います。

左から 堀江あきるの市議、鈴木稲城市議、岩永、中山稲城市議、子籠あきるの市議、藤條多摩市議。多摩市議会から選出された議員が議長ということですので私が務めさせていただきましたが、みなさん、支えてくださり、協力してくださり、ありがとうございました。