パルテノン多摩の大規模改修をどう考える?

20160211 

来年度予算について…「パルテノン多摩」の大規模改修に取り掛かるための基本設計等の費用が予定されており、会派内でも話題に上っています。改修していくにしても、単なる修繕?・・・言うならば単に傷んだところを回復させるだけなのか、それとも、建設時から30年もたてば時代環境も変わり、ニーズも当然に変化しているわけで、従来発想を進化させていき施設そのものの在り方についても改めて構想を練り直しつつ、それに基づいて「修繕+α」(と言っても投ずることができる税金には限りあるが)を見込んだ建物のリニューアルを図っていくのか。

従来の枠組み、発想でしか施設運営を考えないとしたら「その必要性ってどこにあるの?」が問われるでしょうね。今の稼働率、多摩市のシンボル的な存在でありながら、市民に知られてはいても残念ながら、愛着を感じさせるまでには至らないありよう・・・もともと公園内施設として建設されていて、「博物館機能」が中心となりながらホールその他が展開されている施設。とは言え、市民にとっては博物館機能よりもホール機能の方がおそらく身近…となれば、数年前にできた「劇場、音楽堂等の活性化に関する法律」を意識していくべきと私は考えています。

法律前文はとても素晴らしい♪引用しておきます。

我が国においては、劇場、音楽堂等をはじめとする文化的基盤については、それぞれの時代の変化により変遷を遂げながらも、国民のたゆまぬ努力により、地域の特性に応じて整備が進められてきた。
劇場、音楽堂等は、文化芸術を継承し、創造し、及び発信する場であり、人々が集い、人々に感動と希望をもたらし、人々の創造性を育み、人々が共に生きる絆 を形成するための地域の文化拠点である。また、劇場、音楽堂等は、個人の年齢若しくは性別又は個人を取り巻く社会的状況等にかかわりなく、全ての国民が、 潤いと誇りを感じることのできる心豊かな生活を実現するための場として機能しなくてはならない。その意味で、劇場、音楽堂等は、常に活力ある社会を構築す るための大きな役割を担っている。
さらに現代社会においては、劇場、音楽堂等は、人々の共感と参加を得ることにより「新しい広場」として、地域 コミュニティの創造と再生を通じて、地域の発展を支える機能も期待されている。また、劇場、音楽堂等は、国際化が進む中では、国際文化交流の円滑化を図 り、国際社会の発展に寄与する「世界への窓」にもなることが望まれる。
このように、劇場、音楽堂等は、国民の生活においていわば公共財ともいうべき存在である。
これに加え、劇場、音楽堂等で創られ、伝えられてきた実演芸術は、無形の文化遺産でもあり、これを守り、育てていくとともに、このような実演芸術を創り続けていくことは、今を生きる世代の責務とも言える。
我が国の劇場、音楽堂等については、これまで主に、施設の整備が先行して進められてきたが、今後は、そこにおいて行われる実演芸術に関する活動や、劇場、 音楽堂等の事業を行うために必要な人材の養成等を強化していく必要がある。また、実演芸術に関する活動を行う団体の活動拠点が大都市圏に集中しており、地 方においては、多彩な実演芸術に触れる機会が相対的に少ない状況が固定化している現状も改善していかなければならない。
こうした劇場、音楽堂等 を巡る課題を克服するためには、とりわけ、個人を含め社会全体が文化芸術の担い手であることについて国民に認識されるように、劇場、音楽堂等を設置し、又 は運営する者、実演芸術に関する活動を行う団体及び芸術家、国及び地方公共団体、教育機関等が相互に連携協力して取り組む必要がある。
また、文化芸術の特質を踏まえ、国及び地方公共団体が劇場、音楽堂等に関する施策を講ずるに当たっては、短期的な経済効率性を一律に求めるのではなく、長期的かつ継続的に行うよう配慮する必要がある。
ここに、このような視点に立ち、文化芸術振興基本法 の基本理念にのっとり、劇場、音楽堂等の役割を明らかにし、将来にわたって、劇場、音楽堂等がその役割を果たすための施策を総合的に推進し、心豊かな国民生活及び活力ある地域社会の実現並びに国際社会の調和ある発展を期するため、この法律を制定する。

 ここに、パルテノン多摩を大規模改修するにあたってのヒントが多分に盛り込まれているだろうと考えています。時代とともに進化して発展させていく・・・その発想はなく単なる老朽化しているところをなおすだけに留まるなら、「取り壊してしまってもいいんじゃない?」という市民の声に耐えられないのではないかと考えています。少なくとも昨年末の段階で示されている「約60億」に合意は取り付けられないでしょう。

少しずつ知名度上げつつあるコンティ多摩センターでフラメンコの公演があると聞いたので、伺ってまいりました。1時間の公演ですが、観客は60名くらいはいたでしょうか?ラウンジのところを舞台にし、しかも観客参加型のステージ。お客さんにもフラメンコ体験のひとときもありました。どことなく人が集まり、そして、午後の時間をリラックスしながら楽しむ。身近なところで、なおかつ入場料についても手軽であること、公民館のような堅苦しさはなく、開放感があって、舞台と客席とわかれてもいなくてフラットになっていること・・・市民が求める時間と空間のかたちの一つだなと思ったのでした。いつもの普段着にちょっとだけおしゃれを付け加えて・・・という雰囲気の方が多かった気もします。

その後、多摩ニュータウン再生プロジェクトのシンポジウムに場所を変え、パルテノン多摩の小ホールに。大ホールでは新日本フィルさんの定期演奏会があったようで、ちょうど開場まちのお客様たちのにぎわいにまぎれながら会場入りしました。大ホール約1400の座席はどのくらい埋まったかなと思いつつ・・・・。

シンポジウムの観客は男性が中心。フラメンコを見終わって、華やかな気分になった後でしたので、その落差が大きすぎて・・・。このシンポジウムは誰に向けて開催しているモノなんだろう?とか、何のために開催し、ここから何を発信しようとしているのだろう?とか、公民館などではなくパルテノン多摩の小ホールで実施するところに何か意味はあるのかなあ?とか・・・シンポジウムに耳を傾ける以上に、脳みその中でクルクルと思考がめぐっておりました。迷宮入りのような感じで、答えが出るとも出ないとも言えなかったわけですが。

建国記念日だったのですね。よく考えたら。でも、あまり意識されていない気がする祝日終了。木曜日が祝日だと何だか助かる感じを実感した日でした。と言っても、朝から一日外出しっぱなしでしたけどね・・・・。

「多摩市と言えば…’みどり’」ということで、豊かなみどりだけが特徴であり魅力である…というだけでは物足りないという趣旨で市長は発言していましたが、広い青空があって、深呼吸ができて・・素晴らしい環境♪・・・あとは多摩センターで言えば、もっと親しめるパルテノン多摩になるといいのかもしれませんね・・・(ひとりごと)。

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