パルテノン多摩が「私のお気に入りのホール」になるためには?

20161123

「パルテノン多摩が、市民ひとりひとりの大切な財産――お気に入りとなるように、その可能性を探して、『公共ホール再生の議論をしている人』『設計に関わる人』の意見や考えを視て、聴いて、一緒に考えてみませんか?」

という呼びかけで開催されたシンポジウムでした。企画意図はちゃんと市民に受け止められ、「参加してよかった」って思える内容だったでしょうか?基調講演からパネルディスカッション・・・「うん。そう、そのとおり。」と頷けるところも多かったです。パルテノン多摩の大規模改修に対する理解を深めるというよりは、今後の文化施策や公共ホールのめざす姿について理解が深まったという声を伺いましたが、「パルテノン多摩の大規模改修」とは切り離したところで一般的な話として聞くとすれば、とても充実したシンポジウムに参加できたと思えたでしょう。。

 

私個人的にはパルテノン多摩の基本計画策定委員に公募市民で参加されている方が「愛着を持っているパルテノン多摩の大規模改修勝手に進めないで欲しい。私たちの話しを何も聞かないまま改修をするんですか?という気持ちがあったから応募した」って発言されていたのが印象的でした。さらに、「ここで住んでいる人たち暮らしている活動しているたくさんの人の意見を聴く場をたくさん作ってほしい!」って付け加えられておられました。この発言を市長はどう受け止めたのかなって。彼女がなぜ、そのような発言をしたのだろう・・・結構意味深だなと思ったりして。そして、市長はご自身が多摩市に引っ越してきた20歳代の頃、パルテノン多摩について「この施設をどうやって維持していくんだろう。」って思ったそうですが、今はどうなんでしょうね?大規模改修後の運営についてどう描いておられるのでしょう・・・と思った次第です。

 

最近になって、基本計画策定委員長でもあり、今日は基調講演、シンポジウムでも多くの示唆に富むご意見を下さった本杉省三先生先生が劇場・ホールをつくるということに関し、「客席数など分かり易い項目は、議論の俎上に載りやすいけれど、『何をする施設なのか?』や『そのために幾ら運営費をかけるのか?』という根本的な議論は非常に少ない」と指摘をされていたことがあると知りまして・・・。ぜひ、パルテノン多摩の基本計画策定委員会でもその議論をしてもらいたいのですが・・・・と願う一方で、策定委員会の会議もほぼほぼクライマックスを迎えているため、そんな時間的余裕はなさそうで・・・。せっかく本杉先生に加わっていただいているのに、根本的な議論まで至らずに委員会が幕を閉じる時期を迎えてしまうのでしょうか?

 

それにしても「パルテノン多摩って何をする施設なのか?」って・・・議論されているようで不十分にしか議論されていないのが偽らざる状況ではないかと思ったりするのです。パルテノン多摩は、「新しい公共ホール」をめざして、つくっていくとしているので、昭和時代にドデーンと完成したパルテノン多摩のコンセプトがそのまま将来にわたっても継続されていくはずはないと思うのです。しかし、新しい公共ホールへの進化をしていくためのコンセプトってどこでどう議論されてきたんだっけ?・・・・。議会でも討議してきた憶えはないですし・・・・パルテノン多摩の基本計画策定委員会の中でもそんなに深く熱心に議論されていたと記憶もないのですね。今日のシンポジウムで語られてきたことをもとにして、どこかでちゃんと議論すべきではないのかとますます思ってしまう自分がいるのですが・・・・。議員も多く参加していたので、どんな感想を持ったのか、聞いてみないと。「いい話を聞けて良かった」・・・で終わらせてはきっとダメですね。

 

パルテノン多摩が「私のお気に入りのホール」になるためには?・・・今日のシンポジウム参加者はそれぞれにどんな答えを持つことができたでしょう?