トライアングルはつくれるか?

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「私たち議会は、これから何をなすべきか?」・・・そんな問いかけに応える一日でした。午前中は「公共施設見直し方針と行動プログラム」をめぐり、「地域図書館および複合施設等の存続について」の懇談会。そしてまた、午後はゆう桜ヶ丘にて「桜ヶ丘児童館の今後について」の懇談会。

前者は「豊ヶ丘複合館存続の会、「東寺方複合館の存続を考える会」、「聖ヶ丘図書館の存続を考える会」、「唐木田図書館の存続を考える会」の4団体により、議長あてに提出されていた懇談会開催の要望書により実現したもの。議長、副議長も含め、総勢15名の議員が参加し、市民の皆さんの意見に耳を傾ける場を共有することができました。

後者は桜ヶ丘1丁目から4丁目までの自治会長、ゆう桜ヶ丘を運営する協議会の代表の方から子ども教育常任委員長に懇談会開催の要望があったもの。こちらは3回目だったのですが、今日は初めて担当部署である子ども青少年部長、児童館を担当する課長も交え、行政と議会とそして市民との三者会談と言うかたちで行われました。もともと懇談会では三者会談を希望するということでしたが、4月の改選後だったため、まずは委員会メンバーで事情や状況を把握するために2回ほど地域の方々と意見交流を実施し、ようやく本日は行政の担当者にも入ってもらうということとなりました。

午前中、総勢15名の議員が参加した会議では市民のみなさんからこれまでの経過説明、それぞれのご意見も頂戴し、改めて私自身は頭の中が整理できた気がします。この問題、市民の方が地域で開催する懇談会などに足を運べるときにはできる限り顔は出していたのですが、ここのところ、行政がどう動いているのかいまいち見えない中で、市民の皆さん自身も動きがとれないような状況だったような気がします。そして、あまりにも動かない行政、市民に対する歩み寄りを感じられない状態に対し、議会からもしっかり働きかけてもらいたい・・・それが今日の意見交換の中で強調されたことだと思います。そして、これからの市政の発展のためには「トライアングル」・・・言ってみれば、市民と行政と議会がしっかりタッグを組みながら、政策を決定していけるような道筋を立ててほしいとする願いが述べられました。

議員が今日の懇談会の場で、すぐに「即答」できるようなものではなく、今日の場を経て、どう行動していけるかが最も問われていることですね。議長の手腕が問われる。そしてまた、議長を先頭にして、議員自身もどう行動するかが問われる。会の終了にあたって「「個々の公共施設をどうするのか?という論点から、本来、多摩の市政がどうあるべきか?という論点に移りつつあることが感慨深い」とする市民の方の挨拶が私にとっては印象的でした。議会が本来果たすべき役割と機能を考えさせられます。

「住民の要求を政策として翻訳するのが議員の役割」との指摘を受け止めたいと思います。ただ、住民要求をいかに政策化できるか・・・すべてに対応できるかどうかはまた別の話になるでしょう。ただ、政策化できるかどうかを検証検討する道筋を市民と共有化していくことが求められる気がします。

 

そんな午前中の会議・・・引き続きの午後からの桜ヶ丘での懇談会。私たち委員会メンバーも地域の方と顔見知りになり、今日で3回目の会議ともありとても和やかな雰囲気で進みました。実はこの4月に子ども青少年部長は交代しているので、新しい部長さんにとっては緊張感高い場だったと思いますし、直接地域の方からの声を聞くのも初めての機会だったようです。この問題・・・行政全体の取組みがあり、個々の施設などの個別課題があり・・・ということで、全体進捗状況との兼ね合いと言うか、摺合せと言うか・・・・職員にとってはこのあたりも意識しなければならないため、動き方が難しいというのが実情かな?とも推測しています。そんな中で、ようやっと委員長副委員長のはからいもあり、今日の三者会談は実現しました。午前中の会議でいらしてくださったみなさまも、実はこうした三者会談の場を求めているような気がします。しかし、午前中お越しくださった4つの団体は「公共施設の見直し方針と行動プログラム」の進め方を見直してほしいとする方向で一致はしていても、1つ1つの団体で考えた場合には微妙に状況が異なることもあり、この差異が意外と難しいような気もしています。これは個人的な意見です。それに比べれば・・・もちろん、状況を変えていくための難しさはあっても、「桜ヶ丘児童館をどうするか?」という個別課題に対するアプローチに関わっていくほうが解決策を見出しやすい、言ってみれば・・・お互いの歩み寄りを見出しやすい印象です。

そもそもいずれにしても、「良くしたい」「良くなりたい」「もっとこうありたい」「こうあってほしい」とするプラスの方向で地域のことを考えていることには変わりがなく、そこを共通項にすれば、出発点にすることで「互いの事情」も理解し合える気がするのです。午前、午後の会議とも「多摩市の財政状況が厳しいということは一定は理解できる」とのコンセンサスもあるようでした。もちろん、今後の社会全体の状況についても決してバラ色を描いて物事を考えているような発言ではありません。高齢化が進み、少子化が進んでいく中で地域やまちをどうするか?…午前の会議では「まちづくりの思想の欠如」とする厳しい指摘もあったとおり、考えるべきは議会においても・・・市民が望んでいることをどう受け止め、そして多摩市のまちづくりの思想に変えていくか・・・なのかもしれません。安易に使用してはなりませんが・・・・こういう時にこそ思い浮かぶのが「妥協」ということ。「妥協するのはカッコ悪い」ですか?「折り合い」をつけていくことという方が馴染むかもしれません。

午前の会議に参加された皆さんそれぞれが抱えている問題の解決・・・道筋をつけるために働かなければなりません。でも、求められていることが大きすぎて、その分だけ重みもあり、時間もかかりそうな感じです。午後の会議については、行政が加わったことにより、今までよりも解決の兆しが見えそう・・・ちょっとした光を感じたのは地域の方々のみならず、私たち議員も同様です。委員長は「部長を応援しなくちゃ!と気持ちになるよ。」とおっしゃっていましたが、行政全体で取り組んでいる「公共施設の見直し方針と行動プログラム」の動きと流れを乱さずして、しかし、できることはやっていこうと思う姿勢が表明されたのは画期的。もしかしたら、ここには「トライアングル」があった?・・・・もちろん、まだまだ緒についたとこ。

 

話はかわりますが、ゆう桜ヶ丘で実施している現在進行形野外展2015。おすすめです。昨日は十分見れなかったので、また足を運びたいと思います。