アンケートと性別欄。

今日は都市計画審議会があり、改定作業に入っている都市計画マスタープランに関する取り組み状況などの報告、協議がありました。市内中学生へのアンケート、市民へのアンケートも実施され、その結果から、現時点で市民が感じている住み心地や課題、「もっとこうなってほしい」などなど、窺い知ることができ、その分析のより、今後の方針策定などに役立てることが可能です。

しかし、ちょっと残念なのは、そもそも「性別」をたずねる質問項目が設けられていないということ。これは今に始まったことではなく、前回調査の時もそうだったようですが、「性別を尋ねることが難しい」という理由からのようです。自分自身の性別を「男・女」というカテゴリーでは表現できないという方の存在にはもちろん配慮することが必要ですし、プライバシーの問題にも深く関わる質問項目でもあり、回答欄をどうつくるのかも…デリケートな課題になっていて工夫も必要なんだろうなと思います。

とはいえ、よく「女性に人気!」みたいなことが言われていることもあり、女性にとって魅力ある環境が整っていることをウリにしている街もあったりで…個人的には「どんな街づくりを進めていくのか」を考えるときに参考にするというのか、まちの魅力をアピールするターゲット層などを意識するとき、「性別」からアンケート結果を分析することも必要な場合があるのでは?…と思ったりするのです。

もちろん、多様性ですし、すべてを受け入れることができる…という観点は外せない、必要不可欠だと思う一方で、「特色づくり」などを考えていくときには、きちんとターゲット層を絞っていくことはあってよいのではと。大前提には「みんなにとって過ごしやすい」が大事だという考えはありますので悪しからず。

でも、「性別」を尋ねるというのはなかなかにデリケートなことであり、難しいと。ただ、無記名式なので、その意味では個人が特定されないのではない場合だと少しはハードルは下がりそうなのですが。

実は、先日、いただいた資料で多摩市から転出入による若い世代の女性(20代)流出傾向が顕著であることを知り、愕然としています。ですので、余計に「女性の意向」が気になってしまって。30代についてもですが、いわゆる「子育て世代」の女性に響く環境創出ができていないとして、このデータを捉えることもできそうなのです。「子育てを育てるまち」というキャッチフレーズで新宿駅などでも大々的なPRをしていますがその効果はまだこれから発揮されていくのかもしれませんが。

「多摩市は高齢化のスピードも早く、なんか、少子化のスピードも加速しているらしいね?」と市民の方からも心配のお声を伺いました。私は子育てをする環境としては他市に劣ることなく、良い環境があると思っているのですが、やっぱり、今の子育て世代からすると私の感覚もひと昔前で古びているのかなあ…と思う今日この頃です。それだけに、こうしたアンケートを分析する際にも「性別」がちょっとは役立つかなあとか。やっぱりアンケートと性別欄、いわゆる回答者のフェイスシートのつくりかた…これは悩ましい‥‥なので、そっとしておく…なのかもしれません。時代の流れとしては、企業などでは履歴書で性別を尋ねることをしないところも出てきているようですね。でもそれとこれとは別のような印象もあります。時と場合によってというのもあるように思っているのですが。

いろんなご意見がありそうです。こうした点も考え方の違いを出し合い、どうしていったらいいのかその時点での合意点、大切にしていくべきところかなと思っています。